この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

トール

百騎長の男メシ「炙りイカのカルパッチョ」

ゑゐりあん/トール > 誰かいるか~?(フェニクス騎士団の騎士たちの胃袋を支え、健全な肉体を作り、健康を守る場所である食堂。その食堂の扉の前に立ち、コンコンとノックをするトール。手にはランタンを持っていた。しかし廊下はまだ明るい。なのにどうして彼がランタンを持っているのか。その理由は後程判明する)やっぱいねぇか(食堂の中から反応がなく、室内に誰もいないと判断したトールは最後の確認と言わんばかりに扉を開こうとする。しかし、やはりというべきか、食堂の扉には鍵がかかっており、固く閉ざされていた。しかし、こんなのはトールにとって想定内である。トールは慣れた手つきで懐から鍵を取り出し、鍵穴に差し込む。そして回すと、カチャリと小気味のいい音がし意図も容易く食堂の封印は解かれたのであった。十騎長以上ともなればそれなりの権限が与えられる。トールもそれは例外ではなく、食堂のカギを拝借することくらい造作もないことではあるが…。実は彼が食堂のカギを持っていることと、百騎長であることは、あまり関係がないのである。実は、彼は百騎長になる前より食堂にある程度自由に出入りすることが認められていたのだ)お邪魔するぜ~っと   (8/20 16:52:03)
ゑゐりあん/トール > (その理由は簡単、彼の作る飯が美味いからである。彼はカイナントの孤児院出身であり、孤児院を守るために騎士となった経歴がある。どうも彼には生まれつき家事が得意だったようで、孤児院の中では家事を手伝っていた。その中でも彼は料理が得意であり、特にカイナント出身という事も手伝ってか、魚介を使った料理が得意であった。その料理の腕は成長するにつれ上達し、戦争時には戦地で料理をし、同僚たちに旨い飯を食べさせることにより士気を保っていたこともあった。そう言うこともあり、彼は食堂に出入りすることを認められており、負傷の為戦地に行けなかった時も給仕として働いていたのだ。そしてそれは彼が百騎長になってからも続いており、彼が気まぐれでつくる料理は、騎士たちの間で密かな噂となっていた)さて、何が残ってたっけかな(扉を開けると、食堂は真っ暗であった。外からの光で多少は明るいものの、それでも歩くには少しばかり不安な暗さである。トールはそれを見越してランタンを調達したのだ。彼はランタンで照らしつつ慣れた足取りでキッチンへと向かう。   (8/20 16:53:15)
ゑゐりあん/トール > そしてキッチンの明かりを灯すと、そこにはつい先ほどまで使われたキッチンが照らし出された。そしてトールはランタンを持ったまま、今度はキッチンにある扉を開く。扉の中には地下へと続く階段があり、トールはゆっくりと落ちぬように下りてゆく。そして徐々に温度が冷えはじめ、階段を降り切った先には空気はひんやりとしていた)さっむ…(ここは冷蔵庫である。寒冷地から輸送した氷を置くことにより、室内の温度を下げ痛みやすい魚や肉などを保存しているのだ。そこでトールは食材を物色する。主に、今日使われた食材の余りものである。今日は確か海鮮パスタだった。なれば得意な海産物が余っているはずだと思い見ていると、イカの切り身が目についた。おそらく、今日使われたものの余りものだろう。その証拠に、一枚しかなく、手のひらほどの大きさしか残っていない。大勢の騎士たちの分としてはあまりにも心もとない量だ。しかし、一人で食べる分には全く問題ないだろう)こいつをいただくかな。あとは…えー…   (8/20 16:53:56)
ゑゐりあん/トール > (そしてトールは慣れた手つきで食材を選んでゆく。もちろん勝手に取るのは問題なのだが、トールは例外である。職権乱用とはこのことだ。しかし、給仕の者たちもそれは心得たもので、こういう残り少ない食材もトールの為に数日間は置いているのである(しばらくすれば賄いとして使われるが))よし…。これくらいでいいかな(トールが取ったのはイカの切り身にレタス。トマトに玉ねぎであった。そしてそれを抱え、階段を上ってキッチンへと戻るトール。そしてそれらの食材をまな板の上に乗せて壁にかかった包丁を手に取る)さて、調理開始じゃい!(まずトールは野菜の処理から始める。玉ねぎは薄くスライスし、水にさらす。そしてレタスやトマトは食べやすいようにカットをする。これで野菜の処理は終わり。次にトールは調味料棚から、オリーブオイルと赤ワイン、醤油にみりん、料理酒、そして塩コショウに数種類のスパイスを取る。オリーブオイルと赤ワインを木製のボウルに適量注ぎ、塩コショウとスパイスを入れて混ぜ合わせ、ドレッシングを作る。醤油、みりん、料理酒は小さな鍋に入れて火にかけつつ混ぜ合わせタレを作り、タレが煮立ったら火から小鍋ごと外して冷ましてゆく)   (8/20 16:54:43)
ゑゐりあん/トール > 冷ます間に、イカも準備しとくか(イカは一口サイズにカット。そして片面に包丁で浅く、格子状の切りこみを入れる。そして冷めたタレを切り込みを入れた面に適量塗り、イカを鉄串に刺す。そして串に刺さったイカを、切り込みを下に向け火で炙る)あぁ~…いい匂いだぜぇ…(イカを炙ると、醤油の香ばしいにおいがあたりに充満する。そして少し焦げ付いたら火から外し、火を消す)うん。いい感じだな(そして先程下処理をした野菜と共に皿に盛り付け、そこにドレッシングを適量かければ…)完成!炙りイカのカルパッチョ!(切り込みに染みたタレと共に炙ったイカは、醤油の香ばしいにおいを放ち、その上からかけられたドレッシングはキラキラと輝いていた。野菜も新鮮であり、目で見てもわかるほどにみずみずしい。そしてフォークを手に取り、ニッと笑みを浮かべる)さて、実食実食!   (8/20 16:55:26)
ゑゐりあん/トール > (立ったままドレッシングのかかった野菜をフォークで刺して口に運ぶ。トマトの酸味とほのかな甘み。そしてタマネギのわずかな辛さがアクセントとなり、それをレタスのシャキシャキとした食感が支えている。ドレッシングは少しだけスパイシーであり、食欲をそそる良い材料となっている)んまい。じゃぁ、お次はメインのイカちゃんを~…(今度は、野菜と共にイカを突き刺して口へと運ぶ)ブツッ(咀嚼すると、イカは意図も容易く噛み切れた。本来は少々食べるのに難儀する柔らかさのイカではあるが、片面を炙ったことにより食べやすい歯ごたえとなった。また、特製のタレと共に炙ることでイカ特有の生臭さを打ち消し、イカの旨味と食感を楽しむことができるのだ)ん~。小腹が満たされていくねぇ~   (8/20 16:55:42)
ゑゐりあん/トール > (炙りイカは少々味が濃いが、そこに野菜が加わることで、丁度いい塩加減となり、そこにドレッシングの食欲増進効果が加わることで、カルパッチョを口に運ぶ手が止まらなくなる。そして気が付けばあっという間にカルパッチョはなくなり、後には口の中のほのかな醤油の香りと、満足感だけが残った)あ~、美味かった(ふぅ、と息を吐きしばらく余韻に浸るトール。そしてゆっくりと動き出して後片付けを始める)さて…。次は何を作ろうかなぁっと(料理騎士トール。彼のちょっとした楽しみの時間は、まだまだ終わらない)【百騎長の男メシ「炙りイカのカルパッチョ」】   (8/20 16:55:53)