この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

竜灯&鴉

寄っとうせ、酔っとうせ。

シロー/竜灯 > 「寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!さぁさ!何でもあるぜ、尊華一の屋台ぜよ!」((日が暮れ始め、暗くなってきた頃であった。年に一度の千景祭、中でも最も盛り上がるとさえ言われる宵宮。浴衣姿で闊歩する尊華人の他に髪色鮮やかな王国人らしき人も多く見える中。たこ焼き、お好み焼き、りんご飴に射的。焼きそば、りんご飴に果てには金魚すくい。品書きが埋め尽くされる程の品揃えで悪目立ちする、頭の悪い屋台の中で声を張り上げて客呼びに精を出すのは、深緑色の法被に身を包んだ壮年の男。トレードマークの赤い鉢巻ではなく、白いねじり鉢巻を額に巻いていたが、声も顔も知る人が見ればすぐ分かる。男の名は竜灯、尊華帝國軍の兵であった。およそ3年ぶりに軍に戻ってきた彼は、最入軍から数ヶ月のうちに、既にご法度である副業に手を出しているようだ。ふと通りかかった黒い服に身を包む貴方へと目を付けたようで、声を張り上げて呼び込んだ。)「さあさそこのお兄さん!!!寄っとうせ、手ぶらは詰まらんぜ!」   (8/18 00:59:51)


まる/鴉 > 「(仕事終わり、顧客との打ち合わせを終えた彼、帰り道に鉢合わせたのは宵宮だ。ふらりと立ち寄ったそこは、活気に満ちた喧騒で満ち溢れていた。立ち並ぶ屋台を横目で流し、人の間を潜って宵宮の途切れを目指す。生気の満ちた場所は、そんなに得意じゃない。夏でも厚着をした彼は、マスクの下に汗ひとつ流すこと無く、屋台の呼び込みを躱していく。ふわりと香和う食べ物の匂い、ぱしゃりと跳ねる金魚の音。楽しげで、喧しいそれに彼の関心を呼ぶものは何も無い。そろそろ、屋台の途切れが見えた頃、ふと、彼は視線を上げた。)──竜灯。(その声を聞くまでは、気を引くものなんて何も無かった。思わず立ち止まった彼は、思わず足を止め、すぐ側の屋台に目をやった。阿呆な顔でどデカい声。ひたすらに客を呼び込むその姿は、正直会いたくない男の姿だった。早々に立ち去るべきだろうか、金色のマスクをゆっくりと撫でると、悟られないよう手ぶらな両手を懐に入れ、歩きだそうとするのだった。)」   (8/18 01:36:18)


シロー/竜灯 > 「?おう、おんしぜよ、おんしぜよ。そのなんぜ、趣味の悪い面の、おんしぜ。こっちじゃこっちじゃ!!寄っとうせ、逃がさんぜよ。」((目と目があったが最後。竜灯は貴方を逃がすつもりなど毛頭なかった。少しでも反応を見せたらぐいぐい押していけ、そんな自分のポリシーに従うままに竜灯は屋台から外へと出ると、貴方近くへと歩き寄りながら声を張った。)「折角の宵宮じゃ、祭りらしく狐面とかの。食いもんだって沢山あるぜ⋯⋯⋯⋯ん?」((目の前でまで回り込んだ所で竜灯は首を傾げた。⋯⋯目元が見覚えあるような。それ以外にも何処か、何処かで。片方の眉を顰めて違和感を表情に落とし込むと、顎に手を当てて貴方の顔を覗き込んだ。)「おう、おんしゃあどっかで会ったことないかの。ちょお取っとうせ、その口面。」((指でマスクを外してくれ、とジェスチャーを見せながら竜灯は貴方の顔から視線を外さない。   (8/18 01:46:25)


まる/鴉 > 「──悪いが、これは外せない。それに生憎、持ち合わせがないんだ。だから何も買えないし、君は君の仕事に戻った方がいい。(こちらに寄ってくる竜灯、咄嗟に顔を逸らせば、口元のマスクに手を当てて言った。厄介な奴に絡まれたものだ、元々こいつは祭り事は大好きだった筈、人の集まるこの場所、よく良く考えればこの道も選ばなかった筈だ。数分前の自分に恨みを募らせるが、それももう意味は無い。どうにかこの場から円満に退く為、興味を剥がす方法が頭の中を錯綜する。)それに、きっと人違いだ。俺は君を知らないし、君も俺を知らない。(そう、相手に聞こえる程度の小声で言えば、はら、と前髪を撫ぜてそれを降ろした。特徴的なそのくせ毛は、風に吹かれてふわりと揺れている。懐に入れていた掌が、じわりと汗で滲む。鼻腔に入り込む良い香りが、今は鬱陶しく思えていた。)」   (8/18 02:10:27)


シロー/竜灯 > 「やけんどぉ見れば見る程おんし、どっかで見た事ある気がするんだ─────、あ、あ!!!おんしゃあ!」((理由付けを疑ってしまいそうな程、頑なに拒み離れようとする貴方の様子に益々不信感を溜め込んでいた竜灯だったが、顎に手を当てて更に注意深く観察したその瞬間。引っ掛かっていた部分全てが一致する人間の事を思い出した。あまりの衝撃に声を上げてしまうのも無理は無いだろう、つい数ヶ月前に軍に戻ったと思えば親しい連れの姿が無くなっていた。その内の一人だったのだから。普段ならそのまま不躾に顔を指さしていた所だろうが、今日はそれよりも再開の喜びの方が勝っているらしい。そのまま大体同じくらいにある貴方の肩に手を掛けるとそのまま首に腕を回し。屈んでお互い中腰に、引き寄せる様にして笑いかけた。)「おんしゃあ何やっとったがか!!梟さん!最近戻ってきたぜ、軍に。おんし辞めちょったがか、なんでじゃあ梟さん!」((いやあめでたいめでたい、と背中でも叩きそうな勢いで捲し立てていった。   (8/18 02:21:16)


まる/鴉 > 「やめろ、離せ。その名前で呼ぶんじゃねぇ、もう俺は梟じゃない。(彼の異常に冷たい首に絡む腕を、強めに掴んでは強引に引き剥がそうとした。今日は運がない。知り合いなんかに会いたくなかったのに、よりによって見つかったのはこの竜灯だ。暑苦しいほどに熱気を孕むこいつを、どうにか黙らせられないものだろうか。)こんな時に妙な勘働かせやがって。こんなクソ暑い日にお前まで熱くなる必要はねぇんだぞ。なぁ竜灯、俺はお前に会いたくなかったぜ、心の底からな。(だいたい、こいつは軍役に戻ったというのにこんな場所で何をしているのか。考えてしまえば、色々と文句が止まらなくなってくる。名を変え顔を隠し、死んだと噂させてこの3年間平和に生きてきた。それが今日、一人の男に知られてしまったのだから、少しの苛立ちも感じるだろう。)」   (8/18 02:53:32)


シロー/竜灯 > 「おお。おお、おんしにも中々、色々あったようじゃの。雰囲気変わりよった、やけんど、こん俺がおんしの顔を見間違える筈が無いぜ。」((正直な心持ちを明かせば、以前からどんよりした性格の持ち主だったとは思っていた。だがしかし、こんな趣味の悪い口面を付けるような男では無かった筈、まるで死人みたいな瞳をしおって、縁起でもない。貴方が腕を引っ張って離そうとすればする程、竜灯の腕には強く力が篭もる。宵宮に友人と再会させてくれるとは、神の思し召しに違いない。そのままぐい、と屋台の横に貴方を引き寄せると、乱雑に放置してあった木箱へと座らせる。両肩に後ろからぽん、と手を置いて、屋台の中から「クソ暑い日」にぴったりのモノを持ってこよう。木箱を足で押しやっては対面へとずらして、「よっこらせと座り込む。」肩幅程に開両足を開くと、貴方へと「それ」を手渡そう。)「積もる話もあるようだが、俺達はいつでもこれやったろ。口下手な梟さんは酒が無いと昔から──────おっと。」((氷水から引き上げられたばかりのビール瓶から、ぽたり、ぽたりと冷えた雫が落ちて、熱を帯びた砂利に染みを作っては消える。)   (8/18 20:06:55)
シロー/竜灯 > 「すまんの。乾杯の前に字、聞いちょこうか。」((先ずは当たり障りない話から。以前の様に話すには未だ。酔いが足りないじゃろ?【寄っとうせ、酔っとうせ。】   (8/18 20:06:58)