この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

竜灯&花崗

シロー/竜灯 > 「⋯⋯いやぁまっこと、あの大将と飲めるとは光栄ですちや。あっはっは、よろしくお願い致します。」((帝都でもある程度名の知れた、竜灯行きつけの料亭にて。火津彌佐官⋯⋯少将や、糸依、梟など軍人仲間を連れて飲みに来る事も多く、竜灯の顔はよく知られていた。⋯⋯が、まさか一介の兵でしかない竜灯が、元帥に次ぐ役職である大将を連れてくるとは料亭の女将女中達も予想していなかったようで、暖簾を潜ってから暫くは僅かなどよめきが響いていた。───そんな時間も過ぎ、場所は変わり畳張りの部屋にて。竜灯は机を挟んで座る貴女を見つめて穏やかに笑う。瞳を細めて普段通りを装うものの、その内に隠された本心、かなり緊張していた。下座に正座して背筋をぴしっと伸ばしたまま、さり気なく貴女の顔色を疑う。)   (8/16 15:17:01)
シロー/竜灯 > 「⋯⋯。」((人見知りはするタイプでも無い、ましてや上官に対してもどちらかと言えば固くなり過ぎないタイプの男ではあるが、相手は大将。出戻りの兵である竜灯は初顔合わせに等しい貴女に今は目を付けられる訳にいかないと、脳裏で作戦を練り続けていた。さあ、どうするこの空気。下手な事を言うのは宜しくない、昼間の失敗を挽回して、上手いこと────。未だ軍服に羽織姿であるからか妙に暑くて汗が滲む。正座した太ももの上に置いた拳でズボンに皺を作っていると、助け舟とばかりに背後からノックの音。振り返れば給仕の女中がお盆で尊華酒とお通しの小鉢⋯⋯芋の煮物を運んで来てくれた。よし来た!と内心飛び跳ねたくなる気持ちを抑えつつ女中に軽くお礼を返し、運ばれてきた徳利を両手で持ち上げ、お酌をしようと貴女に向けた。)「ささ!大将殿!今宵は飲んで飲んで、飲みまくりましょう!日頃の疲れを癒しませんと!」   (8/16 15:17:09)


黒助/花崗 > 楽にしても良いわよ?今はお互い自由な時間なのだから、私が口出しすることもないしね(昼間に出会い、一言二言会話をした相手と待ち合わせてやって来たとある料亭。どうやら彼はここの常連らしく、彼に続いて暖簾をくぐった自分を見て女将さんや女中がかなり驚いた表情を浮かべていた。まぁ、一人で来たとしても同じ表情を浮かべただろうが。何度も彼と自分の顔を見比べていたのは、正直なところ滑稽だった――そんなこんなで料亭の一室へと誘われ、そしてお互いに向き合う形で机を囲んでいた。姿勢は互いに正座、そして直背。しかし、噂で聞いた彼の姿と今の彼の姿は全く正反対だった。流石に大将と出会ったその日に呑むのは緊張するのか、あるいは一度も呑んだこともない相手だから緊張しているのか…どちらにせよ、このままではお酒の味を楽しめないだろうと思い、自然体で構わないと告げていた)   (8/16 15:53:07)
黒助/花崗 > ふふ、ありがとう。貴方も好きに飲んでくれて良いからね?今日は誘って貰ったわけだし、私が奢るわ(このお店は彼が常連となるくらいには美味しいらしく、先程ちらりと見た値段表もそれに見温か高さだった。故に、誘ってくれたお礼として、ここは自分が持つと軽く微笑みながら告げた…そうして少しすると、扉を叩く音が室内に響き、酒と小鉢を女中が持ってきた。その女中にお礼を伝えるように軽くお辞儀しながら見送り、改めて相手と向き直った。そして、相手が差し出してくる徳利に会わせ、両手でお猪口を持ち上げて差し出していた)   (8/16 15:53:10)


シロー/竜灯 > (楽にしてもいいわよ、その言葉を疑いなく受け取って竜灯は頷けなかった。大将の言葉である以上、どうなるかわかったものではない。自分より遥か、雲の上の存在である貴女はただそれだけで竜灯を警戒させていた。⋯筈だった。)「⋯⋯えっ本当ですか!?大将の奢りですか?」((〝奢り〟。たった三文字のその言葉に込められた魔力は竜灯の警戒など一瞬で解き、反射的な反応を返させた。『上手いことやるしかない』竜灯の胸の内に渦巻いていた重しはすぐ様消え去り、とくとくと貴女の手の内のおちょこに尊華酒を注ぎながら、気の抜けた笑みを浮かべてしまった。)「流石大将、尊華帝國軍でも一二を争う実力者ですの、器の大きさに感服です!⋯⋯っとと、遅ればせながら俺も失礼⋯。」((一番とは言わなかった。張り詰めていた糸が緩みきった雰囲気を纏い、自分にも手酌であるが注ぎ終え。「では。」と一拍置いたらば、お猪口を軽く掲げて気分よく口を開くのだった。乾杯の音頭を取って、尊華酒を呷る。)「大将の寛大さに乾杯!お疲れ様です!!」   (8/16 16:25:33)


黒助/花崗 > えぇ。今日誘ってくれたのも、ここに案内してくれたのも貴方だもの。それに対したしっかりとしたお礼よ。今日は気にせず呑んで良いわ(お猪口に酒が注がれる。その透明な滝の奥に見える笑顔を見れば、今の自分の発言が間違っていなかったと思えた。噂で聞いた彼の話はあまり間違っていなかったようで、お酒や美味しいものが沢山食べられ、かつ自分が払わない状況ならば直ぐに上機嫌になるようだった…無論、今言ったことは建前でもなんでもないので。噂通りの人物かどうか確認したかったわけではないのだ。断じてそんなことはないのである)   (8/16 16:45:55)
黒助/花崗 > お疲れさま…ふぅ。やっぱり、何度呑んでもお酒は美味しいわね(手酌で自分のお猪口に酒を注ぐ姿を眺め、並々と入った自分のお猪口を相手の音頭にに会わせて掲げた。例え一人であろうと集団であろうと、お酒の一口目は音頭を取るに限る――そう思うのは、お猪口の酒を一息で仰いだからだろうか。もしくは、お酒を飲む楽しみを知っているからだろうか。どちらにせよ、こうするとお酒の美味しさは二倍にも三倍にもなる、ということである)んむ…このお芋も中々ね。後でおかわりしようかしら(お酒を呑み、そして付け合わせである芋の煮物を一つ箸で掴んで食べた。一口噛めば芋の甘味と煮物特有の深い味が口一杯に広がり、口内に残ったお酒の香りと相まって味わい深いものとなる。それに加え、芋そのものの食間が消えない絶妙な柔らかさは、幾ら食べても飽きを感じさせないだろう。口を箸を持っていない方の手で口を隠しながら、美味しい、と呟くぐらいには嵌まっているようだった)   (8/16 16:45:57)


シロー/竜灯 > (並々と注がれた尊華酒、揺れる水面に自分の顔を映すと)「っっっくぅ、はぁあーーーっ⋯⋯──あっ、しもうた。すみませんあまりに美味くて、癖が出てしまいました。」((くいっ、と口を付けて。一気に流し込む。口腔から鼻腔へと抜ける芳醇な酒精の香り。カッ、と喉が熱くなる瞬間。───堪らん、いつ呑んでもここの尊華酒は一級品だ。頼んだ刺身が来るまで待ちきれる筈もない。我慢出来ずに熱い息を吐き出してしまってからはっ、と謝罪がついて出たのにも関わらず、腕はお猪口へとまた伸びていた。⋯⋯逆らえない、上官の前とはいえ。⋯⋯いや、気にせず呑んでいいと言われたのだ。だから───葛藤は一瞬であった。再びお猪口に並々と注いだ尊華酒を追い掛けて飲み干した。)   (8/16 17:08:08)
シロー/竜灯 > 「っっはぁーっ!⋯⋯ほうじゃ、聞いてくださいよ花崗さん。こん俺、もうずーーーっと帝國軍として働いとるちや。功績だってほうじゃ、こじゃんとぉ上げちょる。」((⋯⋯とん、と机に空になったお猪口を乗せる音が響いたと思えば、そこには困り眉で耀様に不服そうな表情をした竜灯がおり。貴女の前でだらしなく頬杖でもつきそうな勢いで雑にお猪口へ尊華酒を注ぐ。間延びした声で愚痴を零すと、軽くなった徳利に気付いて後ろに振り向き「酒が足りんぜよー!二合持って来ちょくれー!」と襖に向けて叫んだ。その後緩やかに振り返り、手に取ったお猪口を軽く揺らして話の続きへと入ろうか。)「あぁ、すみません追加遅れてしもうて。⋯⋯⋯⋯ほんで、ですよぉ花崗さん。見ん間に獅子唐さんは少尉、火津彌さんは少将と大出世じゃやいですか。俺の出世はいつなんですかぁ花崗さん、見合っちょらんですよぉ⋯」((ちび、と唇を湿らせる為に口を付けた筈が流れ込んでいく。張り詰めていた糸が急に緩んだその揺り返しか、既に出来上がった表情で花崗をぼーっと見つめると愚痴を垂れ流した。   (8/16 17:08:20)


黒助/花崗 > それくらい気にしないわ。さっきも言った通り無礼講なんだから、好きなように呑んでいいのよ?(深く、長い感嘆の溜め息。それは演技でも何でもなく、本心から美味しいものを呑んだがゆえに出るものだった。完全にお酒が入っているときのことは覚えていないため、自分もこんな風になっていないかは不安ではある。だが、今夜は無礼講。二人だけだが好きなだけ呑んでもらえれば良い…無論、明日に響かない程度には。とは思うが)えぇ、貴方のことは昔から知ってるわ。いいところも悪いところも、真噂会わせて全部ね(自分がまだ大将ではなく、どこにでもいるような一兵の一人だった頃。その頃から彼の話は知っている。やるときはやる男なのに、普段からふざけて、おちゃらけている不真面目な男。大酒呑みの快男児。訛りの強いお人…本当に、色々な人から彼の話を聞いたものだ。それだけ彼が悪目立ちしていて、同時に、広い人脈を持っていることを)   (8/16 17:31:30)
黒助/花崗 > (既にお酒が回っているのか、先程までのピシッ、とした姿は消え。だらしなく片膝を着きながらお猪口に酒を注いでいる相手。その姿を見ていると、ついつい微笑んでしまう。それは何より、噂通りであることに安心して。同時に、どんな人であろうと分け隔てなく接することが羨ましいから)そうねぇ…貴方、出世すること事態はわりと難しくないのよ。実力も人望もあるんだから。後は口調をなんとかしないと。せめて上司かどうかを確認して、敬語を使うかどうかを判断しておかなきゃ(愚痴を溢し、注いだ酒をちびちびと飲む姿は完全に出来上がっており。まるで親に叱られた子供のような気配と共に此方へ視線を向けてくる様子に、ついつ口が緩んでしまう。その口元を隠すようにお猪口に自分でお酒を注ぎ、一口煽った。どうにも自分は酒が入ると甘やかしいになってしまうようだが、彼は甘やかすと調子に乗りそうなので止めておく。その代わり、相手が進級するのに必要なことを教えてあげた)   (8/16 17:31:32)


シロー/竜灯 > (自分の事を昔から知っている。その言葉を聞いて竜灯は細めた目を一度ぱちくりと瞬かせた。髪色と同じ真っ青な瞳と黒い瞳を合わせてから、また視線を外してぼうっと天井を仰いだ。───『凄いええ人ぜよ。』ぼそり、と胸の内で呟いた言葉は竜灯を縛る枷を更に壊していった。酔いもあるが、優しく自分の愚痴に付き合ってくれる所にも自然と絆されて、貴女がお酒を注ぎ終わると続いて徳利を手に取って、再び手酌した。)「⋯そういえば、言ってませんでしたね。俺はですの、花崗さん。」((徳利が、空になる。ぽつ、ぽつ、と七分目程で雫を垂らすのみとなった徳利を脇に避けると、お猪口を一口だけ呷って机に戻し、立ち上がる。兵という身分でありながら目上の者を正面から見下ろすという、人によっては不敬だと思われ兼ねない行動を取った。そのまま両腕を広げると竜灯は、座布団から離れて机の周りを歩いていく。)「⋯⋯俺は、伝説を作るのが夢なんです。どんな形でもええからこの世界に名を轟かせて、伝説になりたいちや。」   (8/16 18:05:54)
シロー/竜灯 > ((明後日の方向を見るように瞳を細めながら、自信に溢れた表情で竜灯は貴女の横を通り過ぎる。両腕を広げて、竜灯は勝気に笑う。『讃えられたい』『尊敬されたい』『一目置かれたい』『誰よりも』竜灯という人間を構成する人格のピースが少しずつ外れて落ちる。果てしない程の出世欲、上昇志向、虚栄心、そして劣等感。大将を前にして溢れ出させると、ぴたりと貴女の背後で止まり。表情は穏やかなままに見下ろして呟いた。)「だから俺は、必ず花崗さんより有名になります⋯⋯⋯花崗さんもしかして笑うちょりますか!?これでも本気ですきに、の!」((絡み酒も良い所。失礼な事を散々吐いておいて、どかりと貴女の側面に腰を下ろすと机の下で足を伸ばし、自分の座布団を引き寄せながら顔を覗き込んだ。   (8/16 18:05:56)


黒助/花崗 > うふふ、ごめんなさい。あまりにも突拍子がない夢だったから、つい(伝説を作りたい。そう豪語した彼の姿は、先程の、そして噂で聞いた彼のイメージとはかけ離れていた。伝説を作り、自分を超え、誰よりも名を知られた男になりたい…そんな夢を恥ずかしげもなく、寧ろ反対に堂々と胸を張りながら言い切る姿には、思わず見惚れしまった。だが、その次の瞬間にはあまりにも突拍子が無さすぎることだと、お酒が入っているのも合間ってついつい笑ってしまった。しかもわりと深い笑いだったようで、謝罪と共に目の端に浮かんだ涙を指で掬い取っていた)でも…貴方なら出来そうね。強い信念をもって、階級がかなり上の私にさもそう言いのけちゃうんだもの(夢は夢、そう言って切り捨てられることは多々あるだろう。結局は辿り着くことが出来ないまま、死ぬことだってある――だが、彼は。自分の回りをぐるりと廻り、横に座って顔を覗き込んでくる竜灯という男なら。いつか、この夢を成し遂げてしまうだろう。どんなことがあろうと、何をされようとも。自らが決めた道を進み続け、夢を手に掴む…そんなイメージが易々と思い浮かぶ。それほどまでに、この竜灯という男の心は強かった)   (8/29 09:44:58)