この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

ルカエル

金平糖

塩/ルカエル > ("___甘いものには中毒性があるらしい。"___closeという掛札がされた扉の建物は多種多様な本がある古本屋。その中に1人、この国ではなく別の国を思い出させる服に身を包み椅子に座る男性。この店の店主であり裏では情報屋としても仕事を営んでいる、ただの本好きの青年である。飽きないのかという程に何時も本を読んでいる彼は、今その本を膝の上に置き、とある小瓶を眺めていた。硝子細工が施された洒落た小瓶には金平糖が入っている。小さくてカラフルな金平糖が入った小瓶を光に当てたり軽く揺らしたり…まるで初めてのものを見つけた興味津々の猫みたいに眺めている。当然ながら比喩であり彼は人間であり、彼の足元に本物の猫がいる事は余談である。   (8/16 14:21:13)
塩/ルカエル > 目の前である老婆が財布をスられていた所をスり返せばお礼にと貰ったお菓子は普段買うことはなく、そして昔にも食べた事がない品物だ。自身の特技というなの手癖の悪さが正に功を成したという事なのだろうか。まぁ、この辺りで回想は置いておき、最初の発言に戻ろうか。眺め続けていた金平糖を手のひらに一粒。口元に持って行くとゆっくりと味わいながら、とある本の内容を思い出した。"甘いものには中毒性があるらしい。それはゆっくりと身体を蝕んでいく。駄目だと思っても、あまりに心地がいいから。ずっと酔い続けたいと思ってしまう。それでもやめないでずっと含み続けると、夢心地で何も考えられなくなる。だから、やめないといけないのに、やめれない。矛盾で作られた、変なお薬みたいなそれは、やっぱり中毒性があるのだろう。"   (8/16 14:22:20)
塩/ルカエル > 金平糖と別名を知っているだろうか。それは糖花という明らかに甘そうな名前であったり、ピエロの涙という例えであったりもする。小さくて可愛らしいけれど、甘くて中毒性"があるのだろう。カラフルでキラキラと輝いているけれど、それはきっと何時も笑顔のピエロが隠して泣いた涙のだろう。甘いものには中毒性があるらしい…。一度甘味を知ってしまうときっともう止められない。だから…だから、きっと…この先も__)_____俺は誰にも縋らないよ…それがきっと一番良いと思うから。(小瓶の中からまた一つ、金平糖を取り出すと口に含む。今度はゆっくりと味わう事なく、何かから抵抗する様に噛み砕く。それはとても甘い味がした。)   (8/16 14:22:22)