この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

リューグナー&バルドゥール

正偽の死者

ゑゐりあん/リューグナー > …思ったよりも、勘づいている人間も多いようですねぇ(月が淡く輝く夜。一人の男が平野を歩いていた。白いスーツに身を包んだ男の名はリューグナー。言わずと知れない嘘つきのエゴイストである。真朱と別れてからしばらく。リューグナーは再び会場に潜伏し情報を集めていたが、おもったよりも真朱の異能に気付いている者がいた。もちろんごく少数の人間ではあるものの、しかしリューグナーにとってはそのごく少数が予想外だったのだ)…これは、警戒する必要がありますねぇ(かといって人間たちを邪魔立てするわけにもいかない。正直なところ、リューグナーにとっては自分の陣営に参加しないイモータルは全て“邪魔者”なのである。故に、自分に従わないあの真朱とかいうイモータルは消えてもらったほうが助かるのである)…ま、それは人間どもに任せますか。私は私の仕事をしなくては(そう言いながらリューグナーは都市から少し離れた平野にあるボロボロの廃屋の前に足を止める。廃屋といっても、ちょっとしたお屋敷のようであり、持ち主だった人物はそれなりに金持ちだったように思える)ここに、正義を振りかざすイモータルがいるという噂ですが…   (8/14 23:28:45)
ゑゐりあん/リューグナー > (リューグナーがここへやってきたのは、ヘッドハンティング。別名・駒集めである。祭りで情報を集めているさなか、そこへ来ていたウェンディア人の人間が“都市から少し離れた場所にある廃屋に入ると、正義か悪かを問うおかしな奴がいた”との噂である。リューグナーにとって、おかしな奴は基本的にイモータルだ、という認識なので、その情報を頼りに他の情報を集め、ここへと来たのだ。どうやら、この廃屋に住み着いてるわけではなく、転々としておりたまたまそこにいたらしい。情報を聞いてからあまり時間を空けていないつもりではあるが、まだいるだろうか。いなければいないで構わないが)…正義ねぇ。素晴らしい心掛けで(嘘である。バカじゃないかと心の底から思っている。しかし、もし相手の耳がよければその時点で交渉は決裂である。慎重にいかなければ。そう思い、リューグナーは廃屋の扉をノックし)こんばんはぁ~(ご丁寧にも挨拶をした)   (8/14 23:28:47)


69 / バルドゥール > 「 ( ここは居心地がいい。大きな館、"昔"は人が多く住み贅を尽くしたであろう廃屋。土や木片の散らばるホールを通り、埃の被ったテーブルに指を走らせ、傾いた革張りの椅子に座り、埃臭い空気を感じながら、くすんだ小さな窓の向こうを眺めた。夜の帳が降りたそこは、打ち付けられた板の隙間から草木が揺らぐ微かな影しか見えなかった。今日裁いた人間のことを考えているうちに思考は段々と脇道に逸れていってしまう。注意も集中力も途切れたところで考えるのをやめて、身体の力を抜いた。頭を垂れるように首ががくりと下を向く。腕を椅子の外に投げ出して、脚も軽く伸ばした。呼吸音がなければ死んでいると思われるかもしれない。もう、息などしていないが。上手い洒落でも言ったつもりかと自嘲して、あとは草木の擦れあう音と自重に苦しむような建物の呻き声、そして自分の喘鳴だけが囁きあっていた。 ) 」   (8/14 23:54:42)
69 / バルドゥール > 「 ( ノックの音に、微かに指が動いた。ここの持ち主?こんな夜更けにくるはずがない。怖いもの見たさの愚か者?入ってきたら殺してやる。……いいや、どちらにしろ殺してやる。正義たる俺の安息を邪魔したのだ、悪である。怒りには程遠い、歪んだ正義感と使命感を胸の奥底にうすらと抱きながらもそれ以上動くことはなく、ノックの主が入ってくるか、それとも立ち去るか、どちらがいいとも願わぬままただじっと待った。 ) 」   (8/14 23:54:52)


ゑゐりあん/リューグナー > …沈黙は了解と取らせていただきましょうかねぇ。失礼しますよ(そう言って扉を開けるリューグナー。部屋がいくつか分かれており、どこにいるかはわからない。そもそもいるかどうかすら不明だが、まぁ、別にいいだろう)夜分遅くに申し訳ありませんねぇ。私はリューグナー。少しばかり、あなたのお力を借りたくこうしてやってきた次第です。えぇ(大きな声で名乗りを上げ、帽子を脱ぎ深々とお辞儀をするリューグナー。これで何のレスポンスもなければ諦めて帰るつもりである)どなたか…いらっしゃいませぬかねぇ?(埃っぽい床を踏みしめつつ中へ中へと入ってゆくリューグナー。その声は廃屋の中に響き渡る)   (8/15 00:00:39)


69 / バルドゥール > 「 ( 力を借りるなど胡散臭い、それに他人のために使える力などない。それと同時に、"正義"を味方につけようとは馬鹿ではないようだとも考えた。しかし向こうにメリットはあるだろうが、こちらにメリットがあるかどうかはわからない。取引とは、天秤がどちらかに傾くようなことがあってはいけないものだ。どちらにも同じ報酬を、メリットを。であれば、俺はリューグナーと名乗った者と話し合わねばならない。天秤を水平にする前に、俺が協力するかどうかも。ため息を軽くついて、椅子から立ち上がった。面倒だ。そして床の上の埃を散らすことなく歩み、立て付けの悪い扉をそっと開けた。ホール中央から伸びる階段、そしてその両側にある短い廊下と並んだ部屋が二つずつ。階段を正面にして左側、その一番奥の_昔は書斎であったろう_部屋に俺はいた。何か特別な意味もなく、隅に、暗がりにいたいという本能のような、言い換えれば習性のような気持ちが働いたのだろう。 ) 」   (8/15 00:26:36)
69 / バルドゥール > 「 何の用だ。冷やかしなら失せろ。今ならまだ"赦して"やる ( 存外、掠れた声が館全体に響いた。何のために来たのか、それはもう知っているはずだが、これまた習性なのか問いかけずにはいられなかった。壊れかけの手すりだけがついたそこから階下、ホールを見下ろし、すぐそばの窓から漏れる光と言うには薄く、しかしそうとしか形容できないものに、頬は青白く照っていた。 ) 」   (8/15 00:26:44)


ゑゐりあん/リューグナー > 冷やかしではございませんよ(すると、リューグナーの声は、突然バンドゥールの背後から聞こえた。彼の影から出てきたようである)何ようかと言われれば、あなたをスカウトしに来た…。というべきでしょうか?私の掲げる“正義”の為に、是非協力してほしいと思いましてねぇ(そう言ってリューグナーは笑みを浮かべる。そして彼から少し離れつつ、歩き回りながら自分の考えを説明する)私はあなたと同じイモータルです。…それと同時に、私は革命家でもあります。えぇ。私は、イモータルが人間たちから迫害される現状を変えたいと思っているのですよ(リューグナーは顔色一つ変えずに話を続ける)   (8/15 00:42:09)
ゑゐりあん/リューグナー > 私たちイモータルは人間たちの敵として襲われていますが、それは一体どうしてでしょうか?私たちだって元は人間です。もしや人間たちは自分たちを攻撃するから、私たちを害とみなしているのでしょうか?…だとすればそれはちゃんちゃらおかしな話です。人間だって、遊び半分で動物を殺しますし、平気で他人を傷つけます。時には殺すことだってあるでしょう。我々イモータルと同じように。しかし、人間たちは我々イモータルだけを敵とみなしている。聞いた話、イモータルだとわかった瞬間に襲われた子供もいるそうですよ?(煽れ。煽るのだ。相手の正義感をこれ以上なく煽れ。イモータルは不遇な目に遭っている。いわれのない迫害を受けている。正義はこちらにある。それを主張するのだ)…イモータルの中には、戦うことが苦手なイモータルもいるでしょう。弱いイモータルもいるでしょう。そんなイモータルたちが、人間たちに一方的に殺される姿を黙ってみているのは、とてもとても辛い…   (8/15 00:43:39)
ゑゐりあん/リューグナー > (はぁ、と大きなため息をつき心底辛そうな顔をするリューグナー)…だからこそ、私はイモータルの国を作ります。あらゆるイモータルたちが集まる国を造れば、弱いイモータルも守れます。団結し、協力すれば、人間たちにも打ち勝つことができるでしょう。これぞ正義、これぞ大儀!(その姿はまるで演説をする政治家のようだった。嘘かもしれない?さぁ?どうでしょうねぇ)…しかし、その為にはまず仲間を集める必要があります。私は今、その仲間集めの最中でしてねぇ。正義の使者とうわさを耳にしたあなたにも、是非この計画に、正義のための革命に力を貸してほしいと思った次第でございます。はい(そう言って最後にリューグナーは頭を下げた。どうか、お願いします。そう言った雰囲気で。そう。どうか…どうか…。どうか、私の駒になってくださいね?)   (8/15 00:43:41)


69 / バルドゥール > 「 ( スカウト、正義、イモータル、革命家……迫害。背後から響く声に、耳を傾ける。馬鹿馬鹿しい。気に入らない。何故お前の正義のために俺が働かねばならない?俺すらわかっていないのにお前にわかるとでも? ) ……俺が従うのは俺の正義だけだ ( 別に、届かなくなっていい。自分に言い聞かせるような、そのくらいの声量でぽつりと呟く。現状を変えても、敵であってもそうでなくなっても、俺は俺であり、ただ裁くだけだ。つまり、俺には関係がない。リューグナーが演説を終えたあと、諦めるように、呆れたようにため息をついてから、振り返った。リューグナーの真っ黒な瞳に、俺が映っているような錯覚を覚える。自分と同じくらいか少し大きいかというくらいの背丈だ。向かい合って、俺は顔を少ししかめて、対抗するなど時間の無駄だなど思いながらも口を開いた。 ) 」   (8/15 01:54:12)
69 / バルドゥール > 「イモータルだから襲われた?迫害されている?人間に、打ち勝つ?ハッ、くだらんな。よもやそんな"正義"で俺をお前の元に引き入れようと?……馬鹿にするなよ。俺はそんなもののために裁きを下しているわけじゃない。俺は、おれ、は ( なんのために、どうして、そんな疑問が頭をよぎるたびに、頭が脈打つように痛む。は?意味がわからない。わからないがわからない。少し俯きながら顔をしかめて、何か言いたげに口を開いたが、苦しげな吐息が漏れるだけだった。しかし痛みが引いたタイミングで再び顔をあげ、険しい顔で ) ……協力する気はない。勝手な正義を振りかざすな。正しいのは俺だけでいい。興味もない。人間が勝とうがイモータルが勝とうがどうでもいい。俺以外が死のうが生きようが、俺が裁ければ何も問題はない。それに、俺は迫害など受けぬ。なぜなら俺は正義であるからだ。逆らうものは悪、俺が裁く。……ああ、そうだ。俺は裁かなければならない。お前もだ。俺に逆らうとは正義に逆らうこと。だが俺はお前たちの味方でも、人間の味方でもない。触れねばいいものに触るな。」   (8/15 01:55:05)
69 / バルドゥール > 「 ( そう言いきって、睨み付けた。このままこいつが諦めれば、俺はこの館を出ていくつもりだった。あそこまでながったらしい演説しておいてはいそうですかと諦めるとは考えにくいが、そうであることを願った。……もう言いたいことを言いきった時点で去ってもよかったかもしれない。しかしまた後日、となると面倒臭い。今ここで取引は終わらせておくべきだと判断した。 )」   (8/15 01:55:26)


ゑゐりあん/リューグナー > …はぁ(相手の話を聞いたのち、リューグナーは盛大なため息をついた。落胆、絶望、見当違い、諦め。そんな感情が織り交ざったかのような、そんな陰湿なため息であった)…これはこれは、私の解かぶりですねぇ。俺が従うのは俺の正義だけ?っは。馬鹿々々しい。よくもまぁその程度で正義を名乗れるものです。私なら、そんな心構えで正義を名乗るくらいなら、むしろ開き直って“私はエゴイストです”と言いますかねぇ   (8/16 18:54:27)
ゑゐりあん/リューグナー > (気持ち悪いものを吐くかのように二枚舌を見せながら、相手を煽るリューグナー。その煽り方はやけにねちっこく、相手の嫌なところにまとわりつくかのような不快感である)そんな正義?えぇ、そんな正義ですとも。ですが、あなたが掲げる“ゴミ以下の正義”に比べれば、随分と気持ちのいいものだと思いますがねぇ(そう言うと、牽制と言わんばかりに相手の周囲に影の触手を配置する)あぁ、勘違いなさらないで欲しいのですが、別にあなたに害を加えるわけではありません。ただ、ちょっと警戒をしているだけです。えぇ。何もしなければ、こちらも手を出しませんことを約束しましょう(そう言ってリューグナーは相手をじっと見つめる。黒い目で。光のない目で。見透かすかのように)…単刀直入に聞きますが、“あなたの正義”とは何ですか?もしよろしければ教えていただけると嬉しいですねぇ。“あなたの正義に中身が詰まっていれば”、話せるはずですよねぇ?(わざわざ相手の癪に触るような部分を強調して話すリューグナー。彼の目的は、一体何なのだろうか)   (8/16 18:54:51)


69 / バルドゥール > 「 …クク、ふはははは!……お前は何か勘違いしているようだな。それに、俺も間違っていたようだ。お前に……いいや、俺以外に正義は存在しない。俺が全てだ。俺は正義に基づき全てを裁く者。それ以外は"ゴミ以下"だ。( 白く濁った目を細め、眉尻を下げて嘲笑うようにして口角をつり上げた。しかし今度は救いを説くように、幼子をあやすように、柔く微笑んだ。その目に、未だ狂信の光を灯しながら。そして"俺を恐れているんだな。わざわざ警戒せねば俺と話せぬと?"と、逆に嘲笑うかのように、ねっとりとした口調と声色で語りかけながら一歩踏み出し、リューグナーの眼前に迫る。表情からはもう、先程の柔さは消え失せ、優越感からくる悦楽と蔑みが微かに混じったたちの悪い笑顔に似たものが、ただ張り付けたように存在していた。 ) 」   (8/16 21:36:36)
69 / バルドゥール > 「 さっきも言ったように……"俺の正義"は俺だ。俺に逆らうものは全て悪であり…俺に従えばそれは正義。エゴイスト?ハッ、笑わせる。真の正義たる俺に嫉妬か?……それに…お前は言葉の意味すらわからんようだ。お前は化け物に成り下がったときに知性すら失ってしまったのか?くふ、くはははははッ…… ( ひとしきり、それも馬鹿にするような厭らしい笑顔で笑い声をあげおわると、ふぅ、と一息ついたあとに、毅然と、聖なるひとが悪に立ち向かうように、リューグナーの顔を睨み付けた。血色の悪い唇の隙間からこぼれたのは、「交渉決裂だな」という言葉だった。) 」   (8/16 21:36:45)


ゑゐりあん/リューグナー > ……(すると、相手が突然笑い出し、顔をしかめて警戒をするリューグナー。そしてバルドゥールが出した回答は、酷く滑稽で、そしてあまりにも理に適ったものだった)…無能め(リューグナーは忌々しそうに小さく呟いた。自分だけがそう思えればいい、なんて思うことができるのはある意味天才である。それができるのは、リューグナーのような腐れ切ったエゴイストか、心の底より狂っている狂人だけである。きっと、彼は後者なのだろう。そんなことを考えていると、相手が笑いながらこちらを見てきた。恐れているだと?)…ッ(その時、周囲に展開されている触手がザワッと一斉に蠢いた。今すぐにでも攻撃しかねない、そんな雰囲気を醸し出していた。そして静かに相手の言葉を聞くリューグナー。もはやその顔に笑顔などなかった。ただひたすら彼を見ているだけだった。まるで、そうでもしないと手を出しかねないといった様子で)   (8/16 23:48:29)
ゑゐりあん/リューグナー > …てめぇ(バカにするのもいい加減にしろよ?…とは言えなかった。ここでこいつに手を出せば、他のイモータルとの交渉も難しくなる。イモータルを確実に殺す手立てがない以上、ここは穏便に済ませねばならない)…わかりましたよ。交渉決裂。えぇ、わかりましたとも(リューグナーはパッと笑顔を浮かべて、おどけつつそう言った。そして展開されていた触手もすべて霧散して消えていった)誠に残念ですねぇ。あなたほどの逸材が居れば、きっとうまくいくと思ったんですが…。…まぁ、無理に誘っても失礼ですし、ここはおとなしく引くとしますかねぇ(ニコニコと笑うリューグナー。…気のせいだろうか。普段よりも、彼は笑顔だ)まぁ、私の計画を邪魔しない限りは、あなたに関して関与しませんよ。えぇ、約束します(そう言って、影の中へと入ってゆくリューグナー。そして完全に沈む前に、彼に見せた笑顔は、酷く歪んでいた)その間に、殺されても関与しませんがねぇ   (8/16 23:48:56)
ゑゐりあん/リューグナー > (そう言ってリューグナーは完全に影の中に消え、そして屋敷から遠く離れた森の中に現れる)…舐めんじゃねぇぞ…ッ!!!(そして彼は怒りのままに、近くにあった大木を攻撃し、切り倒した)ゴミ以下の駒の分際で…ッ!俺をバカにする権利なんてねぇ癖によぉ…ッ!!(更に周囲の木も攻撃し、まるで嵐が来たかのような風景が、森の一区画に現れた。そしてひとりきり暴れた後、リューグナーは肩で息をしながら、笑みを浮かべた)…まぁいいさ。あんな野郎を計画に加えると何が起こるかわからねぇからなぁ…。結果オーライってやつだよ(そう言うと、帽子をかぶりなおし、笑顔を浮かべる)…私の診察眼も劣りましたねぇ。まぁ、仕方がありません。他を当たることにしますかねぇ(まるで人が変わったかのような。…否、先程までの行動が“嘘”だったかのように思える切り替えを見せ、リューグナーは森のどこかへと消えていった。後には、彼の“本性の痕”だけが残った)【正偽の死者】   (8/16 23:48:58)