この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

竜灯&珠代

屋台のお兄さん、わたあめのお姉さん

シロー/竜灯 > (黄昏時の尊華帝國、榮郷。日が傾いて夜の帳が降りかけたこの頃に、千景神社は目覚め始める。)「⋯⋯おっ!!ついに来たぜよ!」((子供を連れた一家にとびっきり大きな綿飴を手渡して、去っていく背中を見ていると、ぱ、ぱと次々、提灯や篝火に火が灯る。いよいよ真の宵宮が始まるぞ!と昂る心が、提灯に照らされた表情に色濃く映る。三度の飯より祭りごとが大好きな竜灯にとっては年に一度の楽しみで。神輿渡御が始まる前に、この膨大な在庫を売り払わねば離れられん!と、未だ確実に赤字であるこの状況に焦り、ねじり鉢巻を締め直して、深緑の法被に身を包む竜灯は屋台の中から声を張り上げた。)「さあさ!たこ焼き焼きそばお好み焼き、綿飴りんご飴にかき氷!なんでもあるき寄っとうせ!年に一度の千景祭、手ぶら見るにゃ勿体ない!さあさ───!」   (8/13 00:18:15)
シロー/竜灯 > ((軍人としてはご法度の副業に勤しむ竜灯の屋台にはびっしりと文字が書かれており。近くに寄らないと読めない程に埋め尽くされたそれらは全てが品書きで。こっそりとやっている割に、異様な屋台はあまりに目立つ。辺りをちらりと見渡して、誰かに声を掛けようと目ぼしい人を探し⋯「よし、あの人にしよう。」と、浴衣姿の女性に向けて声を掛けた。)「そこの浴衣の美人さん!どうですかの!茶髪の綺麗な人ぜよ!かき氷にわたあめに、何でも揃っちょるぜよー!」   (8/13 00:18:18)


ひな/珠代 > (屋台の灯りに照らされてごった返す人の波。私のように一人で来ている物好きは稀で、皆友人や家族や恋人らしき人と連れ立っているようだ。あの子なんか、自分の顔よりも大きなわたあめを片手に持ってはしゃいでいる。本当は私だってすぐ下の妹達と来るはずだったのだけど。でも、一人で来たってお祭りの夜は特別だ。特に宵宮は、いつまでもどこまでも続いていて、みんなで同じ夢に引き込まれたような気がしてくるから好き。次の朝、夢から覚めたって特別な気がするから、やっぱり別格に特別なのかもしれない。その熱気に当てられてぼんやりと辺りを眺めていると、気っ風のよい呼び込みの声と、わたあめという言葉が耳に飛び込んできた。好物のわたあめにつられて振り向けば、近くの屋台から身を乗り出した青年が人懐っこい笑顔をこちらに向けている。)   (8/13 01:18:23)
ひな/珠代 > 「あの大きいわたあめ・・・・・・お兄さんのところの?」(せっかくお祭りに来たのだし、わたあめの一つくらいは食べて帰りたい。ついでによく冷えたラムネなんか、いいかもしれない。我ながらなかなか良い組み合わせ。ご機嫌で近づけば、屋台には妙に色々なものが並んでいる。)「えっと、わたあめとラムネ、頂けますか。」   (8/13 01:18:40)


シロー/竜灯 > (お。来よった、来てくれた。呼び込みに反応して視線がぴったりと会えば、〝うんうん〟と頷く事で遠目にだが貴女の事だよと伝えて。綺麗な人なのに一人で来るとは珍しい。歩み寄ってくるのをぼうっと眺めながら考える。と、体を動かすと台の上に置いておいた小物が落ちる。詰め込みすぎた屋台故の弊害に表情を顰めると、背中を丸めて足元に手を伸ばしつつ。掛けられた声にそのまま返答を返した。)「おう、大きさはうちが一番ぜよ、ふっとい綿飴が一番ぜ⋯⋯はっ!」((小物を台に置きながら、すぐ目の前に来ていた貴女の顔を見て竜灯は笑みに彩られていた表情をがらりと変えた。目を一瞬見開いて、開けた口から声が漏れたが語勢は酷く強いもの。まるで「上官に話し掛けられた軍人」のように瞳を真面目なものに変え、そこはかと無く気の抜けた体勢から直立不動に。踵を揃える音と共に体を固めてしまった。)   (8/13 01:36:51)
シロー/竜灯 > 「中⋯⋯あ。⋯⋯綿飴とラムネでしたか!⋯⋯い、いやぁすみませんの、先にラムネだけ渡しておくぜよ。」((近寄って初めて気付いた自分をぶん殴りたくなった。何故気づかんかったちや。見覚えのあるその姿は見間違えようもなく上官であり。副職でこんな事をしよるのを知られたら、どうなるか溜まったもんじゃない。足元の氷水の中から瓶ラムネを台に載せると、そそくさと横の機械に向き直って粗目を何時もより多く入れた。   (8/13 01:36:53)


雛/珠代 > 「ありがとうございます。」((台に置かれたラムネの瓶は氷水から引き揚げられたばかりで、眩しいくらいの屋台の灯りに照らされて水滴がキラキラと滴っている。ハンカチで包んで頬に当てると心地よく火照りを冷ましてくれた。苦戦しつつもなんとかビー玉を落として、一口含めば細かなあぶくがしゅわり、爽やかに弾けてしあわせ。))「 はぁ〜・・・・・・ひんやり・・・・・・」((あぁ〜〜〜、夏だわ。尊華の夏。ここのところ休日返上で書類の山と格闘してばかりだった身体に染み込んだラムネが、私の夏を宵宮で上書きしていく。今からあの大きなわたあめだって食べちゃうんだもの。私の夏、案外悪くないかも。わたあめをくるくると巻き取っていくお兄さんの慣れた手つきは見ていて楽しい。))   (8/13 09:57:28)
雛/珠代 > 「あ、そういえば。」((ついラムネに口を付けてしまったけれどお代がまだだった。巾着からお財布を取り出しつつお兄さんに声をかけようとしたけれど、この方、最近どこかでお会いしたような。どこかというか、勤務中にお会いしたような・・・・・・。))「あの、お兄さん。私達ってもしかして、前にもお会いしたことがありません・・・・・・?」((やだ、軟派みたい!記憶違いだったら困るから遠回しな表現を選ぼうとしただけなのに、口に出してみればその手の誘い文句みたいに聞こえてしまって焦る。))「えっと、そういう意味ではなくって!お兄さん、私の職場の方に似てらして・・・・・・だから・・・・・・」((しどろもどろに弁明するけれど、知人に例えて声をかけるのも常套句なんだから気をつけなさいよと妹に言われたのが頭を過ぎる。もう、どう言えばよかったの・・・・・・。))   (8/13 09:58:07)


シロー/竜灯 > (角棒をくるくると回しながら器用に粗目を巻き取りながら竜灯はこの状況に辟易と、かつ苦悩していた。ひんやり⋯⋯と気持ちよさそうな声を上げる貴女とは裏腹に竜灯はもう、少しずつ投げやりな気持ちになっていた。何やら視界の端で瞳がこっちを向いているのに気付き、視線を身に受けながら思わず目を閉じて「あぁ...。」と息を漏らす。短時間ではあったがこの〝バレるかバレないか〟〝気づかれないようにしなければ〟というこの状況下は、別段我慢強いほうでは無い竜灯の精神を酷く摩耗させていく。そんな状態で貴女に声を掛けられて竜灯は、気を抜いて普段通りの適当な返答をしてしまう。)「何を言うちょりますか、おまんみたいな美人と会ったら忘れるわけありませんき。」((貴女の顔よりも大きい立派な綿飴をひょいっと取り出すと、貴女の言葉に被せて捲し立て、綿あめを押し付けるように手渡した。)   (8/13 13:59:06)
シロー/竜灯 > 「いやぁ人違いですよ、軍人がこんな所で屋台を営んでいたら大問題ですき。⋯⋯はっ。」((⋯⋯はっ⋯⋯。気づいた時にはもう遅い。職場と言われて反応してしまったが、墓穴を掘った。これでは貴女が軍人だと、そして自分も軍人だと口にしているようなものではないか。はっ、と口を開いて直ぐに額を抑え。諦めたかのように掌を差し出した。)「⋯⋯すみません後生です、中尉。」((それでも尚且つお代を要求しようとするあたり、商魂たくましいのが竜灯であった。   (8/13 13:59:21)


雛/珠代 > ((手際よくわたあめを用意して私に手渡し、ついでに口を滑らせてハッとした表情のお兄さん。やってしまったという顔で、それでもお代を受け取るための手を差し出すのが、肝が座っているというか。上官の立場としては上に報告しなければならないのに、おかしくって笑ってしまった。))「ふふ。やっぱりうちの軍のお方だったんですね。」((事情の一つや二つ抱えるひともいるでしょうし、告発なんてしようものなら始末書やら何やらで私の宵宮は台無しになること間違いなし・・・・・・。それに、呼び込みの時の笑顔。あれは心の底からこのお祭りを楽しむ祭り好きの表情だと思うから、それが私の登場でこんな風に曇ってしまうなら、秘密にしておく方がずっといい。))   (8/13 23:12:52)
雛/珠代 > 「しょうがないですね・・・・・・ふふ。私、わたあめ大好きなんです。だからこのおっきなわたあめに免じて、私達だけの秘密にしておきます。お代もお支払いしましょう。おいくらですか?」((一度台に置いたお財布を空いた手で開けようとした拍子に、特大のわたあめがバランスを崩してぐらぐら揺れた。))「わ!あ!っと・・・・・・!」((なんとか持ち直し、ふーっと息をつく。これは、ある程度食べてからでないと持ち歩くのは難しそうだ。せっかくこんなに大きく作ってくれたのに、人混みでぺしゃんこにされちゃったら悲しいもの。))   (8/13 23:13:45)


シロー/竜灯 > (ここまで来てしまってはもうどうしようもない。逃げる道は残されていないのだから大人しく、せめて罪が軽くなるように正直に自白する罪人の気分を味わっていた。「ほうです⋯」と一言呟くと同時に頷く。が、しかし、優しそうだし何とかならんかの⋯。と口八百長しようと、頭の中で結局言い訳を考えてしまう。そんな中投げ掛けられた優しい言葉とふわりとした笑みに竜灯は瞳を輝かせた。)「ほ、本当がか!?⋯⋯い、いやまっこと⋯⋯すいません、助かりました中尉。」((500価ですと遠慮がちに差し伸ばした掌を動かすと、遅れてほっと肩を撫で下ろす。綿飴で片手が塞がっているのを見て、自分とした事がお代を貰ってから渡せばよかったと反省。もう片方の手で髪を掻きながら、漸く普段通りに近い笑みに戻って口を開いた。喉元過ぎればなんとやら、である。)   (8/14 14:43:52)
シロー/竜灯 > 「いやあ、中尉がお祭りに来ちょるとは思うてんやったです、最近は外国の人らも沢山来てくれて、賑やかで楽しいですき。中尉もとことん楽しんでください!」((「美人ですきに、気をつけてください」と付け足すとにぃ、と口角を上げた。   (8/14 14:43:54)


雛/珠代 > 「もう、お上手なんですから・・・・・・はい、五百価です。」((手のひらにお代を乗せてから、わたあめを一口。舌先で溶けていく甘さと、少し唇に残るべたつきと。少しずつ指でつまんでいただくか、ハンカチで唇を拭いた方が品が良いに決まっているのだけど、いつも串から食べた後は唇を舐めてしまう。だってその方がなんとなく楽しいし、わたあめは串から食べるのが作法だと、おじいちゃんが笑っていたのを小さい頃に聞いた気がする。   (8/14 16:39:21)
雛/珠代 > それにしても、この屋台は随分と品揃えが豊富で見ているだけでも楽しい。本当になんでもあるんじゃないかしら。色とりどりの水飴、焼きそば、たこ焼き、りんご飴、塩漬けのきゅうりに水鳥の形の笛にお面、風船、万華鏡まで。あっ、いいこと思いついちゃった。))「あの、そこのお面も一つ頂けますか。その狐の。」 ((顔見知りだと困るなら、分からなければいい。宵宮なんだもの、お面をつけていたって不自然じゃない。))   (8/14 16:39:42)


シロー/竜灯 > 「はい、どうもです。」((確かに五百価。掌の上の硬貨を巾着袋へと放り込み。凝視はせずわたあめに口を付ける中尉を一瞥するだけに留め、手持ち無沙汰な指先で自分の太股をとんとん、と叩きながら思考を飛ばした。中尉は綿あめ好き⋯と。心の付箋にそう覚え書きを残した。あまり話した事は無いけれど、意外と優しい人のよう。温和そうだし、これからはもう少し接する機会を増やそうかな、と考えた所ではっ、と再び顔を上げた。何やら指指されて振り向くと、そこは子供向けの面が下げられた場所。えっ、と驚いた顔をして狐面を手に取った。)   (8/14 19:22:51)
シロー/竜灯 > 「こ、これですか?⋯意外とお面とかも付けるんですね、こりゃあ中々⋯⋯中尉も宵宮を本気で楽しんでおりますのう。」((一瞬呆気にとられたような顔をして手に取ったお面を貴女に見せて聞き返したが、すぐにそれは笑みへと変わる。火津彌さんの面よりは少しちゃちい気はしなくもないが、中尉が付けるなら似合うだろう。こうまで宵宮を楽しんでいるのだから。ふっ、と小さく吹き出すように笑うと屋台の中から身を乗り出して、にい、と笑って面紐を引っ張った。)「頭ぁ出してください、俺がつけちゃりますき。」((綿菓子で片手が塞がっている貴女の為に、付けてあげよう。お代はそれからでいい。   (8/14 19:22:53)


雛/珠代 > 「あ……私のじゃなくて。」 ((親切なお兄さん。人好きのする笑顔が戻っている。根が真っ直ぐというか、普段は物事を誤魔化してやり過ごすようなことをしないのかもしれない。こんなひとが二足の草鞋を履いていては困ったことになるのも多かったのではないか。そこまで思いを巡らせて、あまり詮索するのはと思い直した。せっかくの宵宮に野暮なことはしたくない。))「ほら、私は‘屋台のお兄さん’とは面識ありませんから。」((見逃せるのは今年だけですよ、と付け加えて目くばせをして、わたあめをもう一口。))「来年もきっとここにいらっしゃるでしょ?」((次の夏もきっと私は宵宮に来るし、また特大のわたあめを買いたいし。そろそろ他の屋台も見てまわりたいから移動しようかな。わたあめも一般的な大きさまで減ってきた。))   (8/14 23:43:22)


シロー/竜灯 > 「え?」(身を乗り出してお面を向けた状態で固まる。あぁ、もしかして弟や妹が居たりして、お土産に買ったのだろうか。幾つか可能性を考えて首を傾げる。が、理解するのに時間を要したらしく続いた言葉に再び表情を固めてから。思わず吹き出した。)「⋯っはは、へへ、中尉。なんでそがな優しいんですか⋯⋯、知らんかったです、ありがとうございます。」((貴女ならきっと元帥になれます!!!!と私情に塗れた確証も無い言葉を心の内で叫びながら、静かに面を顔に着けた。───呼吸がし辛いなんて文句は飲み込んで、穴から珠代を覗くと笑っているのを伝えようとしてか、首を軽く傾げるように曲げた。)「毎度あり!来年はこじゃんとおもてなしするからの、また来ちょくれ。まっこと優しい美人さん!」(お金を払おうとした貴女を首を横に振る事で制止すると、屋台のお兄さんは腕を組んで指を二本立て、「楽しんで来とうせ」と貴女を送り出した。───今度、本部基地であったら話しかけてみようかの。   (8/15 00:44:08)