この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

真朱

宵宮金魚姫-四

マリア/真朱 > 【8/8 23:15】(終わらない祭りが、今日もまた終わる。階段の頂上で、真っ暗になった宵宮を見つめてはぁ、と息を吐く。)「いいもん、また『やり直せば』いいだけだから……。」(口にしながら、真朱はその欺瞞に気付きはじめていた。浴衣の下の身体が息苦しくて、左手で帯を軽く直せば鱗が、ぞり、と逆立つ。右手にはかわいい生きた鶉の雛が乗っている。うずらすくいの屋台から、毎日毎日抜け出してるコ。毎日同じルートで逃げるから、捕まえるのは簡単だった。真朱は丸い目を鶉に落として指先で軽く撫で、そして振り返ったかと思えば──)『ぐしゃ』(思い切り神木にそれを叩きつけた。幹から剥がれ、ゆっくりと地面に落ちる鶉は、ぴくぴくと羽を震わせてやがて動かなくなった。)「……ごめんね。」   (8/11 23:19:54)
マリア/真朱 > (さあ、今日の実験。異能によって戻された時間は、死をも無かったことにするのでしょうか。)「きんぎょーやー、きんーぎょー。」(目を瞑り、立ったまま静かに鎮魂歌を歌った。ぞりぞりぞりぞりぞりぞり。真朱の身体は赤く鈍い光を放って、肘まであった鱗は手首の近くまで到達した。首を触ればら顎の下まで細かくて、触るとざりざりとした気味の悪い鱗があるのがわかる。肌はいっそう赤く、目は、いっそう丸く。開いた目を鶉の方に向けると、それは、神木についた血ごとどこかへ消えていた。)「……え。」(いなく、なっていた。)【宵宮金魚姫-四】   (8/11 23:20:07)