この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

アルメリア&真朱

さよなら、はじめまして。

塩/アルメリア > (暗闇に映える提灯の灯りと人が騒めく屋台の光。浴衣という気慣れない服に身を包み、何日か連続でやっているお祭りにようやっと顔を出せたていた。カラコロと鳴っていた下駄は人の騒めきと和の音に掻き消えていて。不快になどなる事のない様な不思議な音が沢山飛び交う屋台並ぶ道を珍しそうに巡っていた。この祭り自体連日で開催されるものだっただろうか、とは思ったが詳しくは知らないので楽しむ事にしようか。___楽な服装ではあるが、慣れない履き物と人混みに少し疲れ、休憩にと屋台が並ぶ道から離れていく。屋台で買った赤く綺麗に輝く林檎飴を片手に楽しむ人達から少し離れ木の影へ。背を木に預けながら笑顔で楽しむ人達を見つめていた。)   (8/11 22:16:08)


マリア/真朱 > (ついさっきまでへんてこな屋台にいた真朱は、そこで何か心乱されることがあったらしく、提灯の灯りに沿って駆けていた。胸が水でいっぱいになるような、溺れそうな気持ちを抱えて、それでも、涙は出なかった。)「……わっ、きゃぁっ!」(前から来た人にどん、とぶつかり転びそうになって手を付いた。よろよろと立ち上がり両手を叩いてぱんぱんと砂を払うと、指先に走る僅かな痛みに顔をしかめる。見れば、指先の鱗が欠けてしまっていた。ぶつかった当人はとっくに人混みに紛れ、どこかへ行ってしまったようだった。)「……ちぇっ。」(当たりを見回せば、こちらを見ている中性的な男性が一人。手にりんご飴なんか持っちゃって、どうにも斜に構えた様子が気に食わず、真朱はあなたに話しかけた。)「何見てるの。」   (8/11 22:36:18)


塩/アルメリア > (林檎飴片手にぼんやりと眺めているとふと視界に真っ赤な色が目に映る。特に気にする事も無かった筈なのに釣られる様に赤くひらひらと動く方へと目を向ける。それは黒髪と赤い浴衣を着た少女で。鮮やかな浴衣だなんて思いながら他へと目を移そうとするが、ちょうど少女は誰かにぶつかりよろけていた。慌てて視線を其方へ戻すとよろよろと立ち上がる姿にほっと一息。大丈夫そうかなと再び顔を向ければ目が合い話しかけてくる少女に少し苦笑いを溢した。)ちょっと休憩に眺めてただけなんっすけど…申し訳ないっすね。大丈夫っすか?(本当にたまたま見ていただけなのだ。悪気はないのでそのまま謝るとどうせだから、と先程の事について聞いて。)   (8/11 22:53:21)


マリア/真朱 > (虫の居所が悪かったとはいえ明らかに理不尽な因縁をふっかけたのはこちらなのに、案外素直に謝ってきたあなたに、釦でもつけたように不自然な程丸い目をますます丸くしてじっと見つめた。苦笑いのオマケ付きではあったが、どうやら優しい人みたい。金魚の鰭のような兵児帯をふわふわ上下に揺らしながらとことこと駆け寄り、あなたの立っている木のそばに同じように寄り添うと)「……大丈夫じゃないから慰めてね。ねぇ、それ一口ちょうだい。だってあなた、手を貸してくれなかったし。」(異形の爪を隠そうと手を後ろに組みながら、口をぱかりと開け、自分よりいくらか背の高いあなたを見上げてりんご飴をおねだりした。)   (8/11 23:02:39)


塩/アルメリア > (自身の言葉に目を丸くする少女。何か変な事を言っただろうか?、不思議そうに小首を傾げていると少女は此方へと駆け寄ってきた。駆け寄る少女のふわふわと揺れる兵児帯は、屋台にいた真っ赤な金魚という魚の様だ。__隣へと寄り添う様に来た少女の言葉に少し思案するとにこりと笑った。)たまたま見ただけなんで間に合わなかったっすんよー。まぁ、これで許してくれるなら全然あげるっすよ!(まだ口を付けてはいなかったし、一口と言っていたからいいだろう。相手と自身との背の事を考えて少し屈むと、手を後ろに待っている少女の口元に林檎飴を差し出した。)   (8/11 23:35:32)


マリア/真朱 > (口元にりんご飴を差し出されると、急にしおらしくなりふいとそっぽを向いた。優しい人。こんなことなら、あんな声のかけ方するんじゃなかった。真朱はあなたの手からりんご飴をひったくり、下駄を鳴らして駆け出した。)「また会いましょ!」(……出会いは何度でも、やり直せばいい。黒いおかっぱの髪をばさりと靡かせながら振り返り、丸い目を開いたままに笑った。またね、優しい王国の人。)〆【さよなら、はじめまして。】   (8/12 20:21:45)