この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

道明寺さくら&花崗

まりも@さくら > 「少し、客足も落ち着きましたね」さくらの働く茶屋『里桜』は、毎年祭りの賑わいに便乗して和菓子の屋台を出していた。みたらし、あんこ、3色、きなこ、さくらの大好きな桜餅の串団子。さすがの千景祭で、店も大繁盛だった。…一息ついて、屋台の柱に軽くもたれる。時刻は20時を回ったところだろうか。忙しくて、時間も確認するひまなかったわね、とざわざわと賑わう歩道を眺め、少しの間目を閉じて祭り囃子に耳を澄ませる。さくらはこのざわめきも含めて、幼い頃この祭りが大好きだった。仕事もあって自由に回る時間が少ないのは残念だったが、今この場所にいられるだけで十分で。「父さん、今年も大賑わいね」なんて、つい当たり前のことを口にした。『お姉ちゃん、あんこ1つ頼むよ』ふらりと現れた客の男の声に、もたれかかっていた背中を浮かして、「はぁい!」とお得意の笑顔で返事して、ぱたぱたと屋台に戻っては、父から団子を受け取り値段を告げた。笑顔でざわめきに消えていく客を目で追っていると、やりがいや幸せを感じ、つい笑顔が漏れるのだった。   (8/11 17:16:52)


黒助/花崗 > ……?(暗転、欠落。そして修復。まるで何かが巻き戻ったような違和感を覚え、ぐるりと周囲を見渡す。だが、周囲の人々は何事もなかったかのように祭りを楽しみ、熱気を産み出していた。その様子を暫し一人で眺め、そして片手を顔に当てて軽く頭を振るうとその違和感は消えていた。一体今のはなんだったのだろうか――そんなことを思っていたことすら忘れ、何故か顔に当てていた片手をゆっくりと下ろして再び歩き出す。自分がここにいるのはお祭りの安全を守り、人々が祭りを楽しめるようにすること。それを内心で復唱し、人混みの中を気配を薄めながら歩いていくと)…あら、さくらちゃんじゃない!お祭り、楽しめてる?(ふと、眼前に見知った名前の出店を見つけて立ち止まった。そのお店は和菓子を販売しており、その店の前に見知った女性の姿を見つけると気さくに話しかけていた)   (8/11 17:41:52)


まりも@さくら > 「いらっしゃ…まあ、花崗さん?ええ、おかげさまで。こんばんはぁ!」祭りの客かと思えば、普段から店によく来てくれる花崗さんだった。いっそう、ぱっと顔を明るくさせ、さっきの客に頂いたお代を丁寧に箱へしまってから、もう一度口を開いた。「花崗さんもお仕事お忙しいでしょうに、わざわざ寄っていただいてありがとうございます」笑顔をふっと和らげて、何か買っていかれます?と、団子の種類が書かれた紙を指差して。これだけの行事なら何ら珍しくはないが、知人が来てくれるほど嬉しいことはない。祭りで気分も浮かれているのだろう、声色はいつもより少し高かった。「賑わってますねえ、ふふ、当然でしょうけど、何だか嬉しくなっちゃって。」歩道に目をやって、少し胸を屋台から身を乗り出すようにしてみる。嬉しいことは他人に共有したくなるものだ。おかしそうに小さく笑いながら、売り台に肘をついた。   (8/11 18:04:50)


黒助/花崗 > ((この位なら全然。寧ろ、何時もやってる書類仕事の方が大変な位よ(立ち止まり、話し掛けると笑顔で挨拶を返してくる様子に、微笑ましいものを感じてくすりと笑みを溢す。熱気立つお祭りの会場では見慣れた笑顔だが、この笑顔は何度見ても可愛らしいものだ。そう思っているのは自分だけではないらしく、彼女の笑顔を見るために足繁く通う人もいるほどだ。そんな彼女が指を指す方を見れば、そうねぇ…、と少し悩み)里桜さんの和菓子は全部美味しいのよね…だから、さくらちゃんのお勧めをお願いしようかしら(ちょっと無責任かもしれないが、店先を任されている彼女に任せることにした。彼女の両親が経営するお店の和菓子は絶品であることを知っている。ならば、顔馴染みであり若女将のような彼女に任せるのは悪くないだろう)えぇ。分かるわ、その気持ち。でも、これからもっと賑やかに――?(それは分かりきっていることだ。お祭りは後になればなるほどもっと賑わっていくものだ。だが、それでも何かが引っ掛かった。それは喉の小骨のような、同じ文字の中に似た文字が混じっているような、そんな違和感。思わず片手を顔に当て、それを必死に探り当てようと考えを巡らせていて)   (8/11 18:28:34)


まりも@さくら > 「ああ…わかる気がします。書類って、やってもやっても後から増えてくるし、何より楽しくないんですもの」細かな仕事は苦手な方ではないのだが、進んでやりたいかと言えばそれほどでもない。それなら客の笑顔をたくさん見られる接客のほうが楽しい。きっとそれと似ているのだろう、と思った。悩む彼女を待っていれば、予想外の返答が帰ってきて、少し戸惑って。「…えっ?私のおすすめ…全部って言いたいところですけど、決まってます。桜餅!うちの桜餅は他のどこの店にも真似できない自信、ありますから!」考える間もなく自慢げな笑顔でそう答え、すぐに渡せるよう後ろに合図した。おすすめを選ばせて貰えるのは、店で働いている者として認めてもらえた気がして嬉しかった。「…?花崗さん?どうなさったの?」急に言葉を失って、考え込むような姿勢になってしまった彼女を心配そうに覗き込む。戸惑った表情でどうしたのかと思考を巡らせたが、何も知らないさくらに、わかることは何もなくて。   (8/11 19:04:43)


黒助/花崗 > (側で彼女が何かを言っているが、それを理解できないほどに思考を加速させ続ける。それに合わせて周囲の景色から色が消えていき、煩わしかった喧騒が遠退いていく。時刻は既に夕を越え、空には星が登っている。祭りの喧騒はまるで肌を焼いているかのように思えるほどで、人々はその熱気に後押しされて流れを作っていた。意識してその流れを見てみると自分と同じように軍服を着た姿が見え、警備をしているのだと言うことが――ぁ)……ねぇ、さくらちゃん。ちょっと不思議な質問するんだけど、今日って8/7よね?(思考の加速を停滞させ、加速させる前の思考速度へと戻ってくる。それは、違和感の欠片を見つけられたから。普通ならば気がつかないだろうそれに気がつけたのは、茶屋の彼女が賑やかですねと言ってくれたからだろう…故に訪ねた、解を得るための最後の質問を)   (8/11 19:20:35)