この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

セリヤーナ&竜灯

山鉾巡礼

フルディア/セリヤーナ > (帝都に足を運ぶのは本当に久しぶりだ。なぜというわけでもないのだけれど、なんとなくここの空気が肌に合わないような気がするのだ。尊華民の独特なセンスが食わず嫌いを起こさせているのかもしれない。祭りというのはいいきっかけで、そんな無用な先案じも飛び越えて榮郷へ訪れることにしたのだった。) (街を進み神社を目指すとそこかしこから聞こえてくるお囃子や祝詞は異国情緒そのものだ。日は西に傾きつつあるけど炎天の人だかりはゆだる鍋のよう。いつもの大荷物で人ごみを歩くのに恐縮していると人波に流されるように参道のたもと。目の前に延々と続く大行列を前に尻込みしていると、隣の通りでは屋台を出している人たちがいるじゃないか。これはいい、テントを建てて簡単な出店にしてしまえばいいだろう。売り物は…草原で狩った獲物の毛皮、それから山窟や河であつめた宝石のかけらたち。ちょっとまわりの雰囲気にはそぐわないけど、まぁいいだろう。)   (8/11 00:11:59)
フルディア/セリヤーナ > さ、冷やかしでもいいから覗いて行ってよ!毛皮にレザー、宝石たち!どれも天然ものだよ!(売り物か、はたまたヨズアの民の風貌か、物珍しさに通りがかる人々は頻繁に視線を寄こしてくれる。まぁ祭りの日に入用のものでもないだろうから売れはしないが。通りの真ん中へでて呼び込み。というか半分は世間話だ。祭りの縁起とか最近の帝国の様子とか…そういうものを聞いて回る。もちろん売り物には注意を払いながら。)   (8/11 00:12:07)


シロー/竜灯 > (待ちに待った宵山。この男が今日この日をどれだけ待ちわび、どれだけ準備を重ねたか、それは通りの隅に設置された一際大きい屋台を見れば一目瞭然だろう。品書きには夥しい数の文字。近くに寄らないと読めない程に敷き詰められた文字の羅列全てが、この屋台が提供するものである。たこ焼き、お好み焼き、りんご飴に射的。焼きそば、りんご飴に果てには金魚すくい。この選り取りみどりと言えば聞こえはいいものの、平たくいえば頭の悪い屋台の持ち主が、この男、竜灯であった。)「いかんいかん、すっかり忘れちょった。」((背に特徴的な竜灯車が描かれた濃緑色の法被を纏い、ねじり鉢巻を額に巻いた竜灯は、髪を掻きながら自分の屋台へと歩を進めていた。知り合いを見つけて世間話をしてしまって、つい店を開けてしまった。   (8/11 00:34:15)
シロー/竜灯 > これ程までに他のテキ屋と競合する屋台を開いているのは竜灯以外に居ないが、軍人でありながらこっそりご法度の副業に勤しむ姿は毎年恒例で受けが良く、そういった人間とも大抵仲は良いからか問題無く商売が出来ていた。自分の屋台の近くへと漸く戻ってきた竜灯はすぐ近くに設置されたテントに興味を持ったらしく。)「⋯⋯ほぉー⋯、中々面白いものを売っちょるの。」((テントの前に並べられた品々はそういった市場で出されるような物が多い。毛皮らしきものに⋯何か綺麗な石に。腰を曲げると顎に手を当て、大して鍛えられていない審美眼でそれらを眺め。ふと振り返り主であろう背の高い女性を見遣り。)「おうい。もしもし、これはおまんが集めたがか────っと、おお⋯⋯まっこと、美人ちや。」((褐色の肌に長い銀糸の髪。引き締まった体と、見ればかなりの美人が店の主らしきことに気付き、目を丸くした。こんな美人が近くにおったんに気付けんかったとは、俺の眼もまだまだじゃのう。と心の中で独りごちる竜灯だった。   (8/11 00:34:17)


フルディア/セリヤーナ > 「えっ、あぁうんそうだよ?」(その辺の観光客と駄弁っていたら品揃えを興味深げに眺めていたいわゆる、といった感じの風体の男性に声を掛けられた。話し相手になってもらった観光客を見送って、彼のもとへ歩み寄る。)「やだなぁ褒めても何も出ないよ?」(容姿を褒められて若干演技くさく照れ笑いをしてみせて。)「まぁお祭りの売り物としては異色の取り合わせだよねきっと?でも余所者には帝国のお祭りの定番ってよくわからなくてさ…そこのところは勘弁してよ。」(肩をすくめて見せながら苦笑い。)「ところで帝国はもうちょっと余所者には冷たいかと思ってたよ。まぁボクの思い過ごしたった見たいでよかったよ。」   (8/11 00:51:49)


シロー/竜灯 > (此方へとやってきた貴方を見つめながら、竜灯はぱちくりと瞬きを数回。───美人ぜよ。眼福ぜよ、と失礼な事を考えながら、ふっ、と笑って足元の品々を再度見下ろした。)「ほうかの、まあ確かに⋯⋯、尊華人はしきたりやらに縛られるのが大好きやからの。ほじゃけんど、珍しゅうて目を引くぜ、俺はこの綺麗な石が気に入ったぜよ。」((そのまましゃがみこむと、これじゃこれじゃ、と緑色の石を指差して。しゃがんだままカニ歩きの要領で今一度色々目を通してみる。毛皮らしきものを人差し指でなぞればふかふかで驚いた。楽しげに様々な反応を次から次へと見せていると、貴方の呟きに視線を向けて。肩を竦めて目を閉じると、「心外じゃ」と言わんばかりに首を振った。)「そんな事は無いぜよ。⋯⋯多分。少なくとも今日は宵宮じゃ!待ちに待ったこの祭りは尊華の祭りで一番盛り上がると言うても過言じゃないき。今日祭りに来た人に冷たくするような奴がおったら、この俺がしょっぴいてやるちや。」((「おまんのような美人さんを守れるなら役得じゃの。」と付け足すと、歯を見せてニヒルな笑みを浮かべた。   (8/11 01:05:57)


フルディア/セリヤーナ > (しきたり…とっつきづらく感じた理由の一つはそれかもしれないな、と内心うなづいて。)「あぁ、その石はね、火山の近くで採れるんだ。綺麗でしょ、ボクもお気に入りだよ。」(「まぁ宝石は全般火山の近くで採れるものだけどね」と付け足していたずらっぽく笑う。興味津々といった風に並べた品物を眺めたりつついたりする貴方を見ているとこちらまで楽しくなってくるというもの。)「一番盛り上がる祭りかぁ。それはいい時期に来たよ、楽しみだなぁ。守ってくれるって?それは頼もしい!どこかおススメはある?あぁでもその前にキミの店も気になるなぁ。。いろいろ見て回るのに案内してほしいくらいだよ、えぇと、、」(そこまで言いかけてまだ名乗ってもいないことに気が付いた。握手に、と手を差し出しながら)「ボクはセリヤーナ、よろしくね!」   (8/11 01:30:48)


シロー/竜灯 > 「ほぉ~、素敵やのう~。」((見れば見るほど面白そうなものばかり。火山という言葉にぴくり、と反応を見せたものの、それについて言葉を発する前に貴女が続きを口にしたので、会話を切らないよう黙り込む。どうやら宵宮を楽しんでくれているであろう貴女に嬉しそうに微笑むと立ち上がり。若干捲し立てる様に言葉を連ね重ねてしまう様子すらも、楽し過ぎるが故と感じたようで、一層笑みを強めると握手に応じ、一回り大きな手を差し出して握った。)「せりやーな、セリヤーナさんか。よし、覚えた。俺は竜灯、リンドウじゃ、宜しく頼むぜよ。」((朗らかな笑顔と共に握った手を何度か上下させると、そのまま貴女の手を引いていこうとし。)「ほうなら善は急げじゃ、祭りを案内してやるき。⋯⋯⋯⋯っといかん!!こんなモノを放置しちょったら盗まれるかもしれんぜ、危ない、すまんの。」((歩きだそうと踏み出した所で慌てて歩を止め手を離すと、すまん、と顔の前で掌を立て。折角祭りを楽しんで貰おうと言う所でそんな輩が居るなんて口にするのは尊華の恥を晒しているようだが、もし万が一があったら目も当てられない。困ったように頬をかいた。   (8/11 01:41:57)


フルディア/セリヤーナ > 「あー、お気遣いありがとうね。でも自分の持ち物くらい自分で守るよ。」(まぁ見てて、と頬をかく貴方を横目に、右腕の緑の留め具の革ひもブレスレットを外して。軽く目を閉じたら右手でつまむように端から端までなぞる。すると足元から影が黒い幕となって立ち上がる。それを売り物の乗せた台に掛ければ、魔術の扱いを知らないものには手が出せないだろう。最後に天幕を下ろせば、中を覗いても暗闇が広がるばかりな店じまいした無人のテントの出来上がり。)「さ、ボクの手の内は明かしたよ?キミのことも教えてほしいな、竜灯さん。キミはあれでしょ?警察…ぁー尊華ではなんていうんだっけ?そうそう、帝国軍。」(いたずらっぽく笑ってみせる。敵意というよりは好奇心。軍人としゃべれる機会なんてそうそうない。)「お祭りを見物しながら話そうよ。面白い話を聞かせてね?」   (8/11 20:47:48)


シロー/竜灯 > (セリヤーナの言葉を耳にして顔に疑問符を浮かべた竜灯は、言われるがままにセリヤーナをを見ていることにした。何処かに仕舞い込むのか、はたまた⋯⋯と考えうるだけの可能性を予想していたから、セリヤーナが右腕のブレスレットに指を伸ばした理由が理解出来ずに益々首を傾げていた。一体なんの意味が───という疑問は次の瞬間、足元に現れた闇のような影によって途切れた。)「うおっ!?な、なんじゃこれ、おんし!⋯⋯魔術師じゃやいか。」(現れた闇に驚いて素っ頓狂な声を上げると慌ててたたらを踏んで後退り。思わず魔術師!と声高に叫びそうになったのを既の所で押さえ込んだ。影に触れたら飲み込まれるんじゃないかと冷や汗を垂らしたがそんな事はなく、貴女が手際良くテントの天幕を下ろすまでの一部始終を鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして見届け。)   (8/11 21:41:12)
シロー/竜灯 > 「なんもかんもお見通しっちゅう訳か⋯⋯。」((引き攣った笑みを少しずつ感嘆の笑顔に変えてゆきながら、貴女の横を歩きながら話に花を咲かせた。)「⋯⋯いやぁ、驚いたぜ。さっきの魔術、ヨズア人のあれじゃろ、暗触魔術やったかの。シュクロズアが使っちょるのを見たことがあるぜよ、俺。」((セリヤーナさんにも使えるんだなぁ、となんてことなさげに頭の後ろで手を組むと、はははと大きな声で笑った。   (8/11 21:41:36)


フルディア/セリヤーナ > 「竜灯さんはさ、よそものに冷たくするやつはしょっぴいてやるーって言ってたでしょ?それでピンと来たよ、警察とかそういう職業の人なんだろうなって。まぁ違ってても損はないし…そうじゃないよって教えてもらえるし。分のいいギャンブル、でしょ?」(少し得意げに微笑んで、自分の身の上も明かす。)「そ、ボクはヨズアの魔術師だよ。ほら。」(服をぐっと引っぱって右の肩のタトゥーを見せる。)「暗触魔術はボクも神島で王を目の当たりにしてから修めたよ。まぁある種のアイデンティティってとこかな。」(そこまでしゃべってふと顔が曇る。)「そうかぁ、竜灯さんは敵同士だったかぁ。」(少なくともあの時は、と付け加えて。)「ごめんごめん、気にしないで。"敵"でない人のほうが少ない身の上だからさ。…近くまた戦争が起こるんだろか。少なくともヨズアは今のままで終わるわけにはいかないからね…」   (8/11 22:39:54)


シロー/竜灯 > 「いやぁ、まっこと。セリヤーナさんには敵わんぜよ。俺にもセリヤーナさんくらい優秀な人間が付いていてくれたらのう、何でも上手くいっちょったに違いないぜよ。」((そこまで言ったところで、はっとして両手を上げて否定のジェスチャーを。「勿論いつもうまくいっちょるけどの!」と付け足す。貴女の右肩が服から覗くと一切隠す様子も無く眺め、綺麗な刺青(かた)じゃの。と誤解されそうな言葉が喉まで出てきた所で、その既の所で飲み込んだ。ヨズアの魔術師というなら、敵同士というなら、きっとこの女性も戦争に出たのだろう。ゲリラ的に各地の魔術砦を襲うヨズア人の事は知っているし、何より自分も趨里でヨズア人の爺と相見えた。口をすぼめて、何処か遠くの方を見るかのように灯る提灯の灯りを瞳に映し、細め。珍しくも穏やかな笑顔で口を開いたのだった。)   (8/12 21:58:39)
シロー/竜灯 > 「俺には夢があっての、俺は、伝説になりたいぜよ。」((ぼそり、零された言葉は竜灯にしては小さな声だったが、大きくなる千景囃子や祭りの喧騒に紛れる事はなく響いた。)「それこそ、おんしらのいうシュクロズアの様な英雄になりたいと本気で思うちょる。⋯⋯その為には戦う事も辞さん気ではおるけんど、な。」((セリヤーナの体の前に腕を出し静止する。立ち止まった理由は目の前に顔を出す。千景囃子と共に現れた神輿がが通りを横切っていく。にぃ、と笑うと静止していた腕を下ろし、セリヤーナへと向き直る。)   (8/12 21:59:02)
シロー/竜灯 > 「戦争が始まれば、こがな楽しい祭りを皆で楽しむことも出来んくなる。俺は、ヨズア人も尊華やウェンディアで自由に暮らせるような、気にせず受け入れられるようにすれば、戦争も起こらんのじゃないかなと思うちょるし、それが一番やの、とも思う。」((戦争なんて良いものでは無いし、それが一番だとは思うものの。やはりヨズア人はヨズアの国を取り戻さなければ気が済まないのだろうか。自分には分からないから、いい機会だと考えていた理想をヨズア人に遠回しに尋ねてみることにした。尊華が誇る千景祭、宵宮の美しさと楽しさを自慢するように片腕を広げていたが、戻す手で頬をかき。「夢物語と思うがか?」と苦笑いを浮かべる竜灯だった。   (8/12 21:59:14)


フルディア/セリヤーナ > (尊華の軍人さんも色々大変なんだねぇ、とくすりと笑う。)「あっはは!王は尊華でも英雄だと思われてるんだねぇ!面白い話だよ全く!」(肩を揺らして大笑い。と、歩みを制止する竜灯に何かと顔を上げると、目の前を圧巻の御輿が通り過ぎる。)「伝説も夢物語も、悪くはないと思うよ?平和な理想郷、最高だ。ぁーでも…」(一通り竜灯の話を聴き終えて、相槌を打ちつつも、)「王のような伝説になりたいんだったらもう一回戦争しなきゃならないね?」(くっくっと笑いながらちょいとキツめの冗談を飛ばす。) 「まあ真面目な話、いまのヨズアに必要なものは帝都や王都での住まいじゃない、シンボルだ。」(彼の理想論に応えて、自論を話すことにした。)「竜灯さんの理想は、ある意味半分叶ってる。ボクが店を出したって、珍しがられることはあっても袋叩きにしてくる自警団みたいな輩はいなかったからね。それに旅団だって人々の暮らしを根こそぎ壊したいテロリストじゃあない。そういう意味じゃ、多少の政治的な障害はあれど、人々の交流・融和はきっと成せると思ってるよ。」   (8/13 21:02:20)
フルディア/セリヤーナ > (笑顔で話してはいるが、どこか寂しげで諦観混じり。)「でもそれじゃあヨズアは復興しないんだ。必要なのは、聖地が人の手中にあるものではなく、"虹の橋"であると信じられること。そしてそれを理解し継承する文化を持つことだ。」(聖地がどこか、あえて具体的には触れないが、そこが帝国の統治下にあることは軍人なら承知のはずだ。)「ボクはテロリストじゃあないけど手段は選ばないタイプだよ。だから、誇りを取り戻すためなら、戦争だって手札の一つさ。」(にっと笑いかけ。)「ま、いまはそのカードを切るべき時ではないけどね。」   (8/13 21:02:34)


シロー/竜灯 > 「シンボル⋯⋯虹の橋⋯⋯。ああ、華瀬戸の。」((すぐに分かった。例え家を出ても変わらず故郷は尊華守山。故郷に新しく出来た名所の事だと理解する事は容易く。ヨズア人にとっては〝あれ〟が名所だというのも聞いたことはあるが、いまいち飲み込めない。あそこが欲しいというのなら、それは無理な話だとしか思えない。聖地ならば来ればいい、それを拒む理由はない。⋯⋯そこまで考えた所で、今の自分では解決出来ないことに気づいた。ヨズア人の気持ちなぞ、余所者が簡単に理解出来る訳では無いから。⋯⋯にっ、と向けられた笑みはどこまでも裏表のないもので。竜灯も思わず肩を竦め、困ったように笑うことしか出来なかった。)   (8/15 02:14:59)
シロー/竜灯 > 「弱った、美人に刃は向けたくないちや。」((正直、たじたじだ。もしそうなれば、きっとセリヤーナさんは容赦無く俺を殺すだろう。本当に弱った。やっぱり束の間の平和だったみたいだ。3年前のあの日から、保たれていた均衡はいつでも崩れ去るのだと思い知った。平和とは戦争と戦争の間の期間の事である、とは有名な話だ。───)「───でも、まあ、起きたら起きたらぜよ。そん時は俺が何とかしちゃるき、今は楽しもうぜ。いつか、〝あの〟竜灯さんと二人で宵宮を歩いたと自慢できるようにの!」((俺が伝説になった時の為に。⋯難しい事は得意じゃないけど、出来ると言ったら出来るちや。そんな気持ちを抱いて竜灯は、屋台を放ってセリヤーナの手を引いて宵宮を回っていく。楽しい気持ち以外はここ、宵宮では不純物でしかないのだから。【山鉾巡礼】   (8/15 02:15:10)