この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

真朱

宵宮金魚姫-弐

マリア/真朱 > 【8/8 23:15】「……はぁ。」(千本鳥居の先、階段の一番上から物憂げな表情で暗闇を見つめる少女が一人。すん、と鼻を鳴らして昨日と同じ月を仰いだ。)「また会えるかなぁ。」(今日出会った人たちを思い出しながら、からっぽの掌をくるくると返しながら見つめた。まだ暗闇に慣れていない目では爪が鱗のようにちらちらと光るのを見るばかりで、自分の肌がどんな色をしているのかも分からなかった。)「やり直そう。」(ひらりと尾鰭を返しながら、くるくると回る。そのゆっくりとした動きは、祭り神楽のようであった。)「……きんぎょーやー、きーんぎょー……」(金魚売の売り声を真似て。手と足のつま先から、ぴき、ぴき、と鱗が生えて一瞬輝く。それは一見、美しい爪化粧のようで。だけれどもよくよく見れば、グロテスクな異形の姿であった。)「さぁ、宵宮を始めましょ。」【宵宮金魚姫-弐】   (8/9 23:18:33)