この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

オウガ&竜灯

錆止め加工

しぃずま@オウガ > 「(ぽつりぽつり舞う蛍、ふわりふわりと漂う燐粉。提灯の灯りに消え行くその光は、一体どこへ還るのですか。)」   (8/9 17:22:19)
しぃずま@オウガ > 「(賑わう大衆の中で、大きな落胆を持ち歩くオウガは、その巨体と相まって、まるで死んだ魚のように、人波の中で浮かんで揺らめいていた。あぁ、どうして彼らはそこまで賑わうことができるのだろうな。昨日となにも変わらぬではないか。皆、疲れはないのだろうか。ふぅ、と悩ましげにため息をつけば、あのときの行動を思い出す。あなたに会えれば、と思い、あの時、早口に言った言葉の風が導いた境内にて1時間は待ったのだが…結局来なかった。一応他も探してみたが、やはりいない。よく考えれば当たり前だ。3年も出会っていない男に、腰を背を触れてしまったのだ。気味が悪くて、自分を遠ざけるのは、楽しみを邪魔されたくないと考えるのは当たり前だろう。尊華人は真意を隠すのがお得意なようで。サクヤ、あなたの望み通り俺はまんまと騙されちまったよ。風でさえ嘘をつく始末、並大抵のもんじゃないね。…ふと、力強く美しい声と、等しく空気を含んだ空の瓶から響く音が聞こえた。)」   (8/9 17:22:23)
しぃずま@オウガ > 「(甚歌、というやつか。…神も仏もなんだって?怖いものなしの歌う俗世を語ったような歌であった。だが…本当、今日ばかしは恨むぞ、太陽さま。…自然に、引き寄せられるようにオウガはそちらへと歩いていた…だが、たどり着く頃にはもうその跡は残っていないようで。そこにあったのは、竜胆車の紋様を背負った、店仕舞いの支度をする男の姿だけだった。)失礼、御仁。(と、「鬼」は。いつもの朗らかな空気とは違う、礼儀正しい口調で、その男へと問いかけた。)」   (8/9 17:22:39)
しぃずま@オウガ > 「先程の甚歌は、何と呼ばれているか、知っておりますか?(と。)」   (8/9 17:23:15)


シロー/竜灯 > 「いやーまっこと、こんなに売れるとは思わんかったの、疲れてしもうた。」((色々手を出して見たがその殆どが在庫切れという始末。どれもこれも美人さんのお陰ではあるが、客を捌いているうちに何処かへ消えていってしまった。名前くらい聞いておいた方が良かったかの、とは思ったが「尊華も悪くない」と言ってくれたからきっと、来年も来るのだろう。名も知らぬ美人さんの事を考えるのは最後にした。額から流れる汗を拭いつつ片付けに集中し。屋台の横で丁度貴方に背を向けて屈んでいた竜灯は、声を掛けられるとしゃがんだまま振り返った。)「ん?おお、俺か?」   (8/9 17:50:06)
シロー/竜灯 > ((振り返ってまず驚いたのはその体躯だった。『───まっこと、ふといのう⋯⋯』額から角が生えている事に驚く程、竜灯は世間知らずではない。ウェンディアに長い時間滞在した経験のある竜灯は、そういった特殊な容姿の人間を何度も目にしたし、そんな事よりも図体のデカさの方が驚く要因だった。しゃがんだまま思わず貴女を見上げると、氷水に突っ込んでいた手を抜いて軽く振り。水を切りながら立ち上がって向き直った。)「さっきの⋯⋯ああ、あれを聞いちょったがか。神輿甚句じゃ。おまん、この祭りは初めてのようじゃの。」((にっ、と腕を組んで笑うと、自分より幾分か背の高い貴方の暗い顔を覗き込むようにして上体を前屈みに倒した。)   (8/9 17:50:09)
シロー/竜灯 > 「あと数刻もすれば神輿っちゅうふっといのが、この辺りを巡る。いわば神様のお散歩じゃ、そん時に嫌でも聞けるぜよ、神輿甚句は。」((にい、と嬉しそうな笑みを浮かべて「気に入ってくれたかの?神輿甚句。」と付け足して明るくなってもらおうと背筋をしゃんと伸ばして胸を張り。自慢げにかつ、満足げに鼻を鳴らした。   (8/9 17:50:40)


しぃずま@オウガ > 「ふとい…(聞き慣れない使い方に、ふと疑問を抱いたが、神輿という言葉を聞き、あぁと少し声を出して合点した。)神輿甚句…なるほど、ありがとう。(そうか、そういえば。あのときの歌がそうか。虚ろに眺めていた時はあまり気にしていなかったが、確かにそんな音だった。あの大きな神輿には、虚ろながらも見ていて驚きが溢れた。きらびやかなそれがお調子者の歌と音色に乗せ、きらびやかなそれを魂込めた男たちに乗せ。その様子は、本当に圧巻された。あの時、雑踏が耳から離れ、確かにその響きと魂2つだけが感覚に訴えかけてきたのだった。)」   (8/9 18:32:34)
しぃずま@オウガ > 「神様の散歩。へえ、そんな意味があるんですね…(その意味を聞いてみれば、なるほど尊華らしい文化だ。あの箱の中にはその「神様」がおらせられると言うことか。初めて…と言えばはじめてではある。まぁ、昨日はなかったようなものだ。大体しか覚えていない…まぁ今は、歌の是非を答えるべきだろう。)気に入ったと言えば気に入りましたけどね、なんというか…(オウガにとって、それを聞くことは、苦痛であった。だって、それは添えぬあたしを音の中に見てしまうのだから。だが、それを思い出すことは、苦痛ばかりではない。あの人との、完全な別れだ。ここから自分は新しく生きていけばいい。…一人で悠々と、祭りの中でそれを聞くことにしよう。…だから、好きになれるはずだ、この曲も。気に入っていないわけではないのだ、とそう答えたのは、そんな思いがあったからである。…さて、神輿。神輿か。)そういえば…(あのきらびやかで豪華な神輿を思い出す。)」   (8/9 18:33:01)


シロー/竜灯 > 「ほうかほうか、気に入ってくれたならええんじゃ。来てくれる人が増えるのは嬉しいからの、是非来年も来とうせ。」((自分より高い位置にある盛り上がった肩を横から強めに叩く。いい筋肉をしていた。担ぎ手にはうってつけじゃのう、と思いながら、竜灯は相も変わらず表情が暗い大男を見据えて肩を竦めた。どうしたもんか、折角の祭りやき笑って貰わんと困る。気に入ったという割には曇り空な雰囲気の貴方に眉を困らせると、そうだ。と貴方に背を向けてしゃがみこんだ。先程手を突っ込んでいた氷水の中にもう一度手を突っ込むと何やら漁りはじめ、取り出したのは瓶ビール。ぽん、と栓抜きで小気味良い音を立てて栓を飛ばすと、しっかり冷えているのを確認して立ち上がり。そう言えば、と言いかけた貴方に「うん。」と相槌を飛ばしていたが、続いた言葉に数秒の間目を丸くすると、くつくつと笑い始めた。)   (8/9 19:06:42)
シロー/竜灯 > 「⋯⋯ああっ、はは!昨日は神輿出とらん筈ぜよ、神輿渡御も山鉾巡行も今日からぜ。何と見間違えたか知らんが、安心せい、今日からじゃ。見逃しちゃあいかんぜよ。」((何やら落ち込んでいる貴方を察してか、大丈夫じゃ、と何度か相手の肩をぽんぽんと叩き。瓶ビールを差し出しながら笑いかけた。)「何か悩み事か分からんけんど、中々くっきり顔に出とるぜよ。俺からの奢りやき飲んじょくれ。祭りってのは、笑って楽しむもんやからの!!あっはっは!!」   (8/9 19:07:02)


しぃずま@オウガ > 「(叩かれる肩に、少しの痛みを感じる。その痛みは、竜の息吹でも浴びたかのように暖かく、というかどちらかというと熱いくらいで。しかし落ちた太陽は登ることなく、曇った顔も晴れることはないが、ただありがたさに微笑みをそちらに向け。言葉をあなたに向け。)来年も。…今日はちと、世話焼きな妹の目を抜けてやってきちまったもんでさ。約束するのは厳しいもんがある…(と、人差し指で後頭部を掻き、申し訳無さげに眦を下げながら、牙を見せて笑う。だが、その笑みが少しずつ消えていくのが、わかる。まずは「昨日は神輿出とらん筈ぜよ」と言われて、)勘違いだったのか…(という落胆の声。だがしかし、本物が今日ここを通るというのだから、興奮の気持ちも大きく、すぐにその落胆も消え去った。だが、本当に笑みを消したのは。)」 「(「昨日と全く同じ行事」の並びだった。)」   (8/9 21:51:56)
しぃずま@オウガ > 「あ…あ、ありがとう。(とにかく、落ち着くために酒をひと口飲み込む。酒気を微かに帯びた脳は冷静に、辻褄合わせを始める。揺れるビールの水面が均衡を保っていくのと同時に、オウガの心は平静を取り戻していく。きっと日時を聞き間違えたのだろう、8月9日と言う告知を、8月8日と勘違いしていたのだな。ふぅ、と一息つき。)ガハハ、聞いてもらえるかい?そしたらちったぁ楽になるかもしれねえからよ。あー、そうだな…箱とかあったら寄越してくれないか?長話になりそうだ。(いつの間にか、気を許せると思ったからなのか敬語も消え去っている。あなたの関わりやすさというか、いい意味で、気軽い調子があったからなのだろう。張り詰めているいるときこそ、そういう調子は救いになるものだ。)」   (8/9 21:52:27)


シロー/竜灯. > 「たんと飲んどうせ。今日は正直飛ぶ鳥を落とす勢いで売れたからの。この位のタダ酒屁でも無いちや。」((未だ遠慮がちに一口瓶を口に付ける様子を見ると、顔の前で軽く手を振って「遠慮するな」という意の言葉を投げ掛けた。体格と拳のでかさのせいで瓶が小さく見えるのう、とたわい無い事を考えていると、漸く笑顔を見せてくれた貴方に口の端を吊り上げた。)「ようやっと、少しはマシな顔になったの大男さん。ちっくと待っちょくれよーー⋯⋯」((貴方に背を向けると屋台の中に潜り込むように姿を消し。大きな物音を響かせて探すと、丁度腰を下ろせそうな木箱が二つ見つかった。自分は兎も角この大男には少々心許ない気はしなくもない、が、飛んだり跳ねたりしなければ大丈夫だろう。と地面を引きずって木箱を引っ張ってくると貴方の方に一つ滑らせて押し付け。自分も瓶ビールを手に取って栓を抜くと、貴方の前にゆっくり腰を下ろした。)   (8/9 22:11:08)
シロー/竜灯. > 「あー、よっこいしょと。うん、これも何かの縁ちや、折角やき、お目当ての神輿渡御まで付き合ってやるぜよ。────っぷはぁ!くうー!染みるのう!」((正直こんなに繁盛するとは思わなかった、仕事終わりの一杯は中々に来るのう、と思いながら気持ちよく息を吐き出せば、足を組んで貴方を見据えた。)「⋯で、一体全体どうした、大男さん。」   (8/9 22:11:11)


しぃずま@オウガ > 「そうかい?そんなら好きに飲ませてもらおうかね。(と言えば、もう一口喉に通し。今度は味わいを楽しむ…麦の香りが鼻を通り抜け、さっぱりした味わいが飲みやすく、一口もう一口とぐびぐび飲んでしまいそうだ。あなたと同じく、今度は心を込めて息を吐いた。)ん、あんがとさん。(と、箱を腰元へと持っていき、それに座る。その感謝は、持ってきてくれたことと、少しではあるものの明るくしてくれたことへの感謝だ。最近、感謝してばかりだ。世話焼き妹…ガデューカにも、何度も何度もありがとうと告げてきた。あの人にも伝えなければならないが…たぶん、それは望まれていないから。ふと強い風が吹き、緑色になってしまった桜の木々から、ほんの少しだけ葉が降る。木が自らの葉を千切って、恋占いをするように、ゆっくりと、少しずつ降ってくる。好き、嫌い、好き、嫌い、好き…嫌い。6枚目が地に落ちる時が、最後であった。)」   (8/9 23:10:44)
しぃずま@オウガ > 「ガッハッハ、そりゃ嬉しいな。(豪快に笑う。あなたの喋りを見てオウガは、虚脱感は抜けきれてはいないが元の調子を取り戻していた。)…待ち人が来なかったのさ。(嬉しいな、とそう一言発してから、暫く間を置いて、人々の足と共に石畳を眺めながら言った。)しょうもねえことだと思うよな。俺も思うよ…(人の足からも目を避け、自分の脚だけが見えるようになった。)あぁでも嫌われるのは当たり前なんだ、あの人が悪い訳じゃない。(だがすぐにバッと顔を上げて、あくまで勘違いのないように焦った様子で言う。)俺は、触れてはいけなかったんだ、3年ぶりに会った人でさ。長く会えなかったのは、俺が触っちまったのが原因なんだ。だから、俺と離れてどっかへ行きたかったんじゃねえかな…(はぁ、とため息をつきながら、オウガは月の夜を見上げて、悲哀の篭った顔をしていた。)」   (8/9 23:10:48)


シロー/竜灯 > (見ず知らずの自分に貴方が心の内を曝け出しやすいよう、明るく振る舞う事でせめてもの気遣いを終え。⋯⋯無論、気遣う気持ちだけで動いた訳では無いが、そういう気持ちもあったということ。組んだ足のうち、宙ぶらりんとなった上側の足を動かし、つま先で円を描きながら貴方の話を黙って聞いた。───ああ、やっぱり色恋沙汰に近いやつやのうきっと。屋台の台を背もたれにして預けると、瓶ビールを時折呷りながら心の中で呟いた。〝好いたお方と添えぬなら、神も仏もありゃしない〟、なんとまあ、一筋縄で行かなそうじゃ。貴方が完全に俯いて居るのをいい事に口につけた瓶の角度をどんどん上げていき。ちゅぽん、と小気味良い音と共に口を離したものの、顔を上げた貴方と目を合わせずに瓶を両足の間の地面にそっと置いた。一人で感傷に浸る貴方を後目に、目を閉じて顎を擦り。肩を竦めると口を開いた。)   (8/9 23:33:40)
シロー/竜灯 > 「大体分かった。そん人が友人なのか、それとも衆道⋯おんしがソッチの気があるのかは分からんけんど、兎角その人の事を好いちょるっちゅう事はよーく分かった。」((好きなんだな、うんうん。と言いたげに腕を組んで知った風に頷いた所で、素早く地面に置いた酒瓶を手に取り、木箱ごと貴方の直ぐ横にずれて、二の腕を肘の先でつついてやった。)「で、どこまでいったんだ、愛してると言うたのか、答えを聞いたちやか?───聞いとらんだろ、話を聞くに何もまだ分かっとらんのだろ。ん?大男さん。」((どうよどうよと瞳を楽しげに染め、ニヤニヤした笑みを浮かべながらもっと深く話すことを貴方に要求した。   (8/9 23:33:45)


しぃずま@オウガ > 「冗談はやめてくれ。(衆道…いわゆる、男色。オウガにとって、それほどの恐怖の象徴は、なかった。打ち明ける水のように揺らぐ心を、掬い取らずにふざけてこぼすようなあなたの言動に、優しいと思っていたのが全てすっぽ抜ける。穴の空いた杓子で落とされたようなな気持ちだ。空気の中に雷雲が生まれる。それ以上踏み込めば、いつ放たれるかわからない。今のあなたはさながら避雷針。…人には茶化していい領域と、してはならい領域とが存在する。だが今回は、あなたの性格と、自分との関わりの浅さを考慮すると、仕方がないところはある…だからごくり、酒をもう一口飲み込んで、一旦落ち着いた。)…あー、すまねえ。ちと大人げなかったな。(ぶんぶん、と頭を振ってその長髪を暴れさせる。)…怖いんだ。「そっち」は。(俯いた顔の中に、噛み締める歯があるのを見れるだろうか。涙こそ流していないが、それは底無しの悲しみと恐怖だ。)」   (8/10 06:25:09)
しぃずま@オウガ > 「分からない。そうだな。分からないと言えば、分からない。(脚の上につつかれる右腕を置き、その掌の上に左肘を置き、その掌の上に顎を置き。悩みと一緒に頭を支える。はぁ、とつくため息には、酒の臭いが混じっている。)だがま、これが答えだろ。約束の場所に来なかった、ってんだから。(あの孤独な時間を思い出す。悲しみよりも、虚無感が強かった。)白い髪の綺麗な人でさ。俺みたいな錆びにゃ勿体なかったんだろ。(ずしりと重みさえ感じる腰巾着から銅貨を取り出して、ピン、と空中へ指で弾いて飛ばす。)表が会える、だ。(そして器用に手の甲に乗せて、もう一方の手でそれを押さえた。ゆっくりと蓋を開けて。示したのは、「裏」だった。)ほらな。俺にゃ資格がねえのさ…(ちゃ、と巾着の中に、人差し指と中指で挟んだ銅貨を投げ入れ、きゅっと閉じる。巾着の中身には、暗闇が広がり。)」   (8/10 06:25:46)


シロー/竜灯 > 「⋯⋯ン~~。」((ちっとばかしやりすぎたかの。と、ほんの僅かに思わなくもなかった。それこそ「冗談」を言ったつもりだったが、どうやら一つ二つ拗れているらしい。解けなかったのは残念だが致し方ない、と目を閉じて鼻を鳴らすと、貴方に合わせて瓶ビールを呷った。大人げなかったと首を振る貴方の様子を目にしても「こちらこそ」とはついぞ口に出さず、からからと瓶を掴んで揺らしながら無言の空間を作り出すと、話の続きを要求した。)「ほん。うん、そうやの。」((怖いんだ、と吐露した貴方の心情を正しく汲み取れる程、竜灯は貴方の事を知っている訳ではなかったものの。貴方が何も分かっていない事だけは分かっていた、その通りだと思った。⋯⋯故に解せなかった。相手に自分は釣り合わないと言い出す流れまで何となく読めてはいたが、なんとまぁ、その通りで。   (8/10 15:22:27)
シロー/竜灯 > いつしか話の途中から竜灯の意識は他のものへ向いて行く。最早貴方のコイントスなどには微塵の興味も無いらしく、指がコインを弾く音を耳にしながら「もうそろそろやの。」と明後日の方向を見て酒を呷る。話せと言ったのは竜灯であるのにも関わらず取られた失礼すぎる態度に貴方は更なる憤りを感じるかもしれないが、知ったこっちゃないと言わんばかりに酒瓶を空にすべく勢い良く傾ける。ぷはぁ、と熱い息を零すと漸く貴方の方に視線をやった。)「⋯げに、まっこと分からんの。」((ふっ、と嘲笑のように鼻で笑うと、空になった瓶を指先でつまみ直して木箱から腰を浮かせた。)「おんしゃあ、王国人じゃろ。そこまで綺麗な人なら何故いかん、答えも出とらんのに諦めてどうするがよ。俺にはおんしの事はまだ分からんが、そのふっちょい腕は飾りかの。」((指先でつまんだ瓶をぶらぶらと宙に揺らしながら、呆れたような笑みのまま貴方を見下ろした。そのまま貴方が返答を寄越す暇も与えず、ゆっくり前へと歩を進めた。)   (8/10 15:22:29)
シロー/竜灯 > 「待ち人が来ん理由も分からんのに何を言うとるがか、何か困っちょるかもしれんし、襲われちょるかもしれん。」((暗にそうなったらお前が助けるべきじゃろ、なんでここに居る。と伝えると、再び貴方の前で振り返った。)「なーーにが、『表が会える』ぜよ。何も分からんから占いとは、おんしはそん人とどうなりたいんじゃ。もしそん人がおんしの事を好きで、困って来れない理由があっただけやったらどうするがか、勿体ないと思わんか?」((そこまで好きで好きで堪らんなら、確かめても居ないのに勝手に諦めたら勿体無いだろう。そう思って、せめて少しは冗談っぽくなるように、最後にそういった意の言葉を付け足し。⋯⋯さあどうする、腐るおんしが動けるように背中は押してやったつもり。自分の言葉に責任は無いしどうなるかなんて知ったことでは無いが、うじうじするよりはマシだろうと思っての言葉だった。口元の笑みをうっすらしたものへ変えると、黙って貴方の返答を待った。   (8/10 15:22:46)


しぃずま@オウガ > 「…(全く、とは言わないが、話をよくは聞いていない彼の姿に、不安定に風に揺られる火種へ熱が籠り、火花が散り、しかしぱちぱちと音を立てて燃え上がり始める炎に、あなたは水を差す。中途半端に差された水は、解けて火を強くする…危険なことをするものだ、いつ呑まれるかわからないぞ。)」   (8/10 21:12:17)
しぃずま@オウガ > 「(が、その水は、柄杓で引っかけただけかと思えば、バケツをひっくり返したくらいに多いらしく、揺らぐ炎を正しく消したのだった。)困って、来れない理由、ね。(立ち上がりかけた体を止めて、また箱へ腰を戻せば、顔を、目線を、貴方から反らして、群衆の脚を見ながら、かつ貴方に問う。)そう願ってもいいのかね。(脚を見るのも眠くなって、オウガは目を瞑る。どうせならここで、意識を手放してしまいたいほどに、その願いごと全部忘れてしまいたい。だがまぁ、そうもいかない。宿に戻らないと、彼らは異常に心配してしまうし、いきなり眠ってはあなたも困るだろう。王国の民とは違い、無償で「おもてなし」をしてくれるのだ。資本あればこそのその行いはまぁ驚いたものだ。チップにと金貨を渡せばお釣りですと返ってくる始末、帝国のことはそれなりにわかっているつもりだったが、実際経験してみると伝えられたものとは随分かけ離れたものだ。貴方の言動も、その内の1つだ。存外、直接的な人間もいるもんだな、と。)」   (8/10 21:12:59)
しぃずま@オウガ > 「(だがそれもきっと、「おもてなし」の範疇なのだろう。目の前の、竜のように真っ直ぐな貴方を含め、帝国の人間は、人に優しくすることが当たり前の世界に生きてきたのだろうと思う。そのまま顔を貴方の方へ向ければ、ゆっくりと眠くなった目を開く。)俺がどうしたいかで、決めてもいいのかね。(一方。こちらも、王国人らしからぬ、帝国人のような、「間」の使い方だ。踏み込みすぎないように気にしてしまうのは、結局あの人が好きだから。舞う胡蝶のような、はたまた落ち行く蛍のようなあの人が、踏み込むほどに離れていったから。恋の経験のないままガタイだけ大きくなったぶきっちょな鬼には、それが何を示すのかわからないのだ。だから奥手になる。)」   (8/10 21:13:30)
しぃずま@オウガ > 「(果たしてそれは、自分らしいであろうか。)」   (8/10 21:14:05)
しぃずま@オウガ > 「俺は…(立ち上がって、あの美しい白髪と、未だ幼い子供のような伏し目を思い出す。)行くよ。お前さんが言うにゃ明日、会いに行かなきゃならんようだ。(瞳に、提灯のうすぼんやりとした朱い金魚のような光を帯びる。提灯の照らす道が、その目に見えたようだ。もうあなたにも心配をしてもらう必要はない。)」   (8/10 21:14:26)
しぃずま@オウガ > 「(囃子の音と古木の臭い、ビールの麦味立ちしは熱気。それらと共に、神輿の姿が目に入るのに、そう間もなかった。)」   (8/10 21:14:47)


シロー/竜灯 > (ちっとはまた、マシな顔になってきた。漸く目を開けた貴方を見下ろして竜灯は鼻を鳴らす。繰り返される自問自答に似た呟きに頷きを返すような事はしない。見ず知らずの俺が良いと言ったからではなく、自分がそうしたいからする、その気持ちが大事だということくらい分かっていると信じたから。ふっちょい腕や体が飾りではない事も分かった。これ以上何かを言うのは野暮だろう、と決意を顕にする貴方を視線で追い掛け、一際大きく立派な背中を強く叩いた。)「うん、行っとうせ。ちゃっとくっついて来年は二人で来るぜよ、応援しちょる。」((さぁ!行った行った!と送り出し、姿が消えていくのを黙って眺めていた。──ジメジメするから〝錆び〟るちや。そうやって動くうちは輝いちょるぜ。先程の貴方の言葉を思い出すとそっと心の中で呟いて、貴方が消えていった先の眩しさに目を細めた。そして。)   (8/10 22:56:02)
シロー/竜灯 > 「⋯⋯さて、と。」((視線を下げた先には、手から下がるビールの空き瓶。地面は硬い石畳。貴方には自分の意思でやれ、と言ったばかりだが、ここは一つ。)「占っちゃるかの。」((にぃ、と口元に弧を描き、指の力を抜いた。手を離れて落ち──)「おぉ。良かったの。おんしら、絶対に上手くいくぜよ。」((正直、当たって砕けろと思いながら背中を押したが割れずに済んだ。拾い上げた瓶ビールの底にはヒビが入っていたけれど気付かないふりをしてやった。⋯⋯俺もそろそろ行くかのう。瓶を台に載せると大きく伸びをし、聞こえてきた千景囃子に引き寄せられて飛び込んだ。【錆止め加工】   (8/10 22:56:04)