この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

竜灯&イルフィム

宵宮セイレーン

シロー/竜灯 > (斜陽が沈み、空には紺と橙の二色がせめぎ合う。千景祭、宵宮。年に一度訪れる最高の夜が今始まろうとしていた。)「へいらっしゃい!!いよいよ尊華の夏の風物詩、宵宮が幕を開けるぜよ!山鉾巡りに千景囃子、提灯篝火大花火!!手ぶらで回るにゃ勿体ない!!さあさ寄っとうせ!ここなら何でも揃うぜよ!多すぎて詰め込んでしもうたぜ!」((大きな屋台の中から顔を覗かせて声を張るのは捻り鉢巻に深緑の法被を身に纏う男。辺りのテキ屋もかくやという声量で台を叩くと、びっしり文字で埋められた品書きを再び叩き。)「もっと寄らんと読めんじゃろ!さあ寄っとうせ!寄っとうせ!──そこの美人さんも寄っちょくれ!」((周囲をちらちらと見渡すと、丁度褐色の肌の女性が居る周囲に狙いを定めて視線をやり。この中の誰かが自分の事だと思って寄ってきてくれる事を願って手招きした。   (8/9 13:49:42)


ゑゐりあん/イルフィム > お祭りって言うのはいいわね。ヨズアの歌も好きだけど、こういった風情のある尊華の歌も素敵(いつもの扇情的な衣装ではなく、浴衣を着こみうちわ片手に路地を歩くイルフィム。しかし、着物の胸あたりを大きく開けており、きれいな谷間が見えていた。そんな彼女は“仕事”をしにここへ来たのだが、少し早めに現地入りをして祭りを楽しんでいた。そんな中、人ごみの中でも目立つひときわ大きな声がし、そちらのほうを見る。美人さん?なんだ、私のことじゃない)ごきげんよう店主さん。ここでは何を売ってらっしゃるのかしら?(ゆったりとした動きで竜灯のもとへと近づき、彼に話しかける。随分とゴタゴタした店だが、こういうのもまた風情がある物だ)   (8/9 13:54:18)


シロー/竜灯 > 「そうそう、おまんぜよ!」((イルフィムが近付いてきたと分かるや、にっ、と歯を見せて笑って数度頷いた。一丁上がり!と言いたい所ではあるけれど、なんとまあ、尊華人ともウェンディア人とも違う魅力があるの。と内心感じていたのでおくびにも出さなかった。ゆったり余裕ある歩調でやってくる貴女を見つめて待つと、掛けられた問いに無理もないか、と額に手を当てて天を仰いだ。)「あちゃー。そうじゃの、分からんのう見ても。大体のものはあると自負しちょる、たこ焼きお好み焼き焼きそばりんご飴にかき氷、⋯⋯お腹が空いちょらんなら金魚すくいもあるぜよ。」((と言っても、尊華人じゃあるまいし言ったところで全部通じないか、と眉を困らせて腕を組むと何やら悩む様子を見せ。暫くして「ほうじゃ。」と何やら屈んで足元をまさぐった。丁度貴女からは死角で見えないが氷水に手を突っ込んでいるようで。これじゃこれじゃと取り出された瓶を台に置くと、ニヒルに笑った。)「まあ取り敢えず酒でも買うて、飲みながら考えるというのはどうかの、美人さん。」((ウェンディア産の麦酒が詰められた茶色の瓶は冷気の魔力を帯びていた。   (8/9 14:07:39)


ゑゐりあん/イルフィム > へぇ、タコヤキにオコノミヤキ、リンゴアメにカキゴオリねぇ。尊華には仕事で時々来るけど、そう言う名前のものは初めてね(なんだか不思議な響きである。折角だ。何かいただくか)そうね…。じゃぁタコヤキ…ってのをいただけるかしら?(よくはわからないが、少なくとも食べれるものではあるだろう。そう思い一番最初に提示されたたこ焼きを頼む。すると、相手がビールを台に乗せたではないか。しかも相当冷えているようだ)ビールねぇ。ワインのほうが好きなんだけど…まぁいいわ。それも貰うわ。…あ、そうだ。折角だし二瓶貰うわね。私と…(そう言うと、竜灯の胸板に人差し指を添え、つぅっと撫でる)あなたの分(そしてペロリと舌なめずりをする。大抵の男はこれで多少は値引いてくれたりするのだが、果たしてこの男はどうだろうか)   (8/9 14:12:15)


シロー/竜灯 > 「おし来た!」((発破の袖を捲る仕草を見せると表情に気合いを入れた。笑みはそのままに熱を込めると、腕によりを掛けて作っちゃると意気込んだのだが。載せたビールを買うてくれると思ったのだが⋯⋯やりよるぜよ。)「⋯こりゃあ、参ったの!いやあすまんの、ご馳走になるぜよ!」((つう、と胸板をなぞられては頭の後ろに手を当てて笑った。買うてくれる所かご馳走して貰えるとは。居酒の場なら兎も角、酔ってもいない美人から奢られるとは思っていなかったようで肩を竦めた。)「しゃあないの、美人さんにここまで言われちゃあ手も足も出んかわりに見栄が出てしまうぜ、1000価でええぜよ。」((参った参ったといった風に目を閉じて首を横に振り。少しだけまけてやる事にした。手早くたこ焼き台に生地を流し込むと、使うであろう栓抜きを台の上へ寄越した。   (8/9 14:26:49)


ゑゐりあん/イルフィム > あらいいの?ありがと。優しいのね(やはり値引いてくれたか。なんと単純だ。彼の善意を利用したことに対し悪びれる様子もなくそんなことを思うイルフィム)…けど、随分と賑わっているのね。年に一度のお祭りとは耳にしたけど、具体的にはどんなお祭りなのかしら?それとも、尊華の人たちって、年に一度でも週に一度でも、お祭りならこんなに騒げちゃうのかしら?(ふふっと柔らかく笑いながらそんなことを訪ねる。最低限の情報として、この祭りがどういう祭りなのかは把握はしているが、あくまでも世間話のために無知を装う)   (8/9 14:31:06)


シロー/竜灯 > (蛸を入れると器用に串を使ってひっくり返していき。垂れた汗を手首で軽く拭いながら、手馴れた様子でたこ焼きの世話をしながら口を開いた。)「具体的に話すとなると長くなるからのう。おまんら観光客にも分かりやすく説明するなら⋯⋯ほうじゃの。神様のお散歩ぜよ、あと二刻ぐらいかしたら山鉾っちゅうふっといのがここらを巡るちや。あん中に神様を入れての、街を巡って貰うんぜ。」((くるっくるっ、と世間話を続けている内に出来上がり。船にたこ焼きを八つ、ひょいひょいと載せると青のりと鰹節を載せて爪楊枝を添え。一丁上がりと差し出した。)「ほい、あ、たこ焼きっちゅうのは中がまっこと、熱いからの。火傷せんように冷ましてから食っとうせ。」((手渡しながら笑って教えてやると、〆て1000価じゃ。と一言付け足した。   (8/9 14:41:43)


ゑゐりあん/イルフィム > へぇ、お散歩ねぇ(なるほど。そんな風に表現するのか。なんとも面白い。…なんて考えていると、あっという間にたこ焼きが完成し、出される)へぇ…これがタコヤキ…(1000価支払い、たこ焼きを観察するイルフィム。普段は金持ちしか“相手”にしない為、高級料理ばかりを口にしてきたイルフィムにとって、こういった屋台飯というのはなんとも珍しいものだった。そんなたこ焼きを子供っぽい目で眺めつつ、爪楊枝をつまんで口元に運ぶ)…いいにおい(ソースの少々酸味のある香りが小麦粉の焼けた臭いと混ざり合い鼻腔を刺激する。そして食欲をそそる鰹節の舞踊は何とも愉快であった)ふー…ふー…   (8/9 14:52:40)
ゑゐりあん/イルフィム > (そして青のりなどが飛ばぬようにゆっくりと息を吹きかけ表面を冷まし、たこ焼きをかじる)…んっ!おいひぃ…!(確かに熱い。口内が火傷するかと思うほどの熱気を感じた後にやってくるのは、外側のぱりぱりとした触感。そして内側の柔らかい触感。それらがいい塩梅で混ざり合い、ソースが味をつける。咀嚼するたびに広がる甘酸っぱいソースの味。そして時折舌にくっつく鰹節のほのかな塩味。それは、イルフィムにとって初体験の美味しさだった)…これが…タコヤキ…   (8/9 14:52:57)
ゑゐりあん/イルフィム > (すっかりとたこ焼きの虜になった。すると、たこ焼きの断面に何やら赤いものがみえる)これは…?(そう思い、今度はそれを口に含むように少し大口でかじる。すると)…!(今までになかった新しい食感。酷く弾力性のあるその“何か”は最初は噛み切れないようにも思えたが、少し力を込めるとぶつんっと千切れ口の中に放り込まれる。咀嚼すれば、それは新たなアクセントに。柔らかく、そして弾力性のあるそれは、多少の生臭さを孕んでいるもののその生臭さをソースがかき消す。ブツン、ブツンと千切れるその食感はとても楽しく、つい夢中になってしまう)ゴクンッ(そして飲み込むと、後にはほのかな熱気だけが残った)はぅ…(そしてソース臭い息を吐き、うっとりとした表情をするイルフィム。ご満悦のようだ)   (8/9 14:52:59)


シロー/竜灯 > (さて。初めてたこ焼きを口にするであろう外人さんの反応を楽しませてもらおうかの。どうやら目の前で食べてくれそうなので、腕を組んで楽しそうに口角を上げてその様子を眺めていた。ちゃんと注意した通り冷ましているのを見るに取り敢えずほっとしつつもおっかなびっくり、と小さな一口を頬張る。⋯⋯おお驚いちょる驚いちょる。ああそうだ、瓶を出しっぱにしよったら温くなってしまう、と出していた麦酒の瓶を別のものと入れ替える為に屈み、氷水が揺れる音と共に冷えた瓶を持って再び顔を上げればそこには、うっとりと心ここに在らずといった表情を浮かべる美人さんがいた。)「気に入ってくれたようで何よりぜよ。」(そんなに美味しかったのかと思いながら困り笑いを浮かべると、用意しておいた栓抜きを使って自分の瓶の栓を抜き、ラッパ飲みでぐい、と呷った。喉を鳴らして、勢いよく瓶を台に置くと溜めこんだ物を全部吐き出すかの如く声を上げた。)   (8/9 15:07:34)
シロー/竜灯 > 「~~っかーっ!!!美人に奢ってもらった酒を祭りで飲むとは、中々格別じゃの!⋯⋯⋯どうぜ美人さん、尊華は気に入ってくれたか?素敵な所だろう?」(からからと握った瓶を揺らしながら穏やかに問いかけた。   (8/9 15:07:36)


ゑゐりあん/イルフィム > (そうして残ったたこ焼きも口の中に放り込み、その全てを堪能。飲み込んで一つ目を食べ終える)…美味しいわね。尊華も、案外悪くないかもね(なんて言いながら、ビールを飲む彼を見てふふっと笑う)…そうだ。おいしいタコヤキをくれたお礼と、美人だって褒めてくれたお礼に、何か一曲歌わせてもらえないかしら?(なんて提案をするイルフィム)実は私、音楽家でね。特に歌が得意なの。…どうかしら?普段ならお金を取るんだけど、今回は特別にタダよ。それに、お店の集客につながるかもしれないし…ねっ(と提案をするイルフィム。最初こそ、彼をバカだと思っていたものの、彼の朗らかさにイルフィムの心の壁も少々薄くなったようだった)   (8/9 15:11:39)


シロー/竜灯 > (『それさえ聞ければ満足ぜ。』口には出さなかったが貴女のたった一言を聞いた途端に竜灯は表情を酷く綻ばせた。帝國を離れ王国を彷徨いていたり、王国の文化や技術をいち早く取り入れようとした竜灯であるが、それ以上に故郷である帝國の事を愛していたが故。どうやらその一言が心底嬉しかったらしい。金儲けで屋台を引っ張り出したが、一人尊華を好きになってもらえたなら十分だとすら思っていた。酒が進む、ともう一口瓶を傾けた所で貴女から話し掛けられ、その提案に首を傾げていた。)「ほんほん、歌かあ。」(吟遊詩人か何かかの。三味線で小唄を歌ってくれる風に見える訳があるまいし、それに近いものだろう。興味深そうに瓶を台の上に戻し貴女を見つめて意識を深く向けた。)「⋯⋯へえ!おまんそのなりで歌手やったがか!美人で歌も歌えるとなりゃ聞かん訳にはいかんの。聞きたい、歌うとうせ。」((ぱちぱち、と掌を軽く叩いて見せ、台に両腕と体重を預けて楽な姿勢を取り楽しそうな表情と、すっかり聴衆モードに入ってしまった。   (8/9 15:24:04)


ゑゐりあん/イルフィム > そのなりで…って失礼しちゃうわね(少しだけ頬を膨らませるイルフィム。しかし、すぐに笑みを浮かべ立ち上がる。そして)行儀は悪いけど…ごめんなさいね(箸を手に取り、空いた瓶を台の上に置く。そして、何度か箸で瓶を叩き、一番よく鳴る叩き方を見つけ出し、準備を整える)この間聞いたのよね。この祭りで親しまれている歌のこと。だから、歌わせてもらうわ(息を吸って、吐いて、吸って、吐いて。キンキンと瓶を叩き始める。瓶が実はそう言う楽器だったのではないかと思えるほどきれいな音色であり、喧騒に包まれた店の前でも、その音はきれいに響き始めた)   (8/9 15:44:30)
ゑゐりあん/イルフィム > せぇ~ 好いたお方と 添えたいためにぃ(その歌声は、まるで天からの賜りものだと思えるほどに美しく、往来する人々は足を止め、その歌を聞き入り始めた)ひとつひかるは一鏡 ふたつ振奮うは二の剣(すると)みっつ磨けよ三の玉「あーよいしょ」(聴衆の中から、そんな合いの手と手拍子が聞こえてきた)よっつ頼ろうぞ四の玉「「あーよいしょ」」(その合いの手は次第に二人)いつつ祈るは五つの玉「「「あーよいしょ」」」(三人)むっつ結ぶは六つの比礼「「「「あーよいしょ」」」」(四人と、徐々に増えていき)ななつ靡かせ七の比礼「「「「あーよいしょ」」」」(気が付けば、聴衆たちの大合唱となっていた。しかし、その中でもイルフィムの歌声は決して薄れることなく、むしろその合いの手が彼女の歌を一層引き立てていた)やっつ寠すは八つ鏡「「「「あーよいしょ」」」」(これがイルフィムである)ここのつ乞おうぞ九の玉「「「「あーよいしょ」」」」(音楽をこよなく愛し)とおで遂げたい十の比礼「「「「あーよいしょ」」」」(音楽にこよなく愛された女)これだけ神願掛けたのに(イルフィムなのだ)好いたお方と添えぬなら 神も仏もありゃしない   (8/9 15:44:46)
ゑゐりあん/イルフィム > (彼女の声がゆっくりと遠くの喧騒に消えていき、その残響さえなくなった瞬間、集まった聴衆たちは皆拍手喝采。割れんばかりの拍手や歓声があたりから飛び交う)ふふっ(そして竜灯のほうを見て、「気に入ってくれたかしら?」と言わんばかりの笑みを浮かべる。そして聴衆たちに頭を下げ、竜灯の屋台を指さす)聞いてくれてありがとう。観賞料金を払いたい人は、この屋台で何か買ってね。味は…お墨付きよ(にこっと笑うと、聴衆たちがわらわらと屋台に集まってきた。イルフィムは邪魔にならぬように避けて、竜灯を見つめた)   (8/9 15:44:55)


シロー/竜灯 > 「⋯⋯ん?」((てっきり自分の全く知らない歌を歌うものだと思っていた。それこそ彼女の地元で人気な歌やら、代々伝わる歌やら。楽しみにしていた矢先の言葉に首を傾げると、瓶を叩いて拍を取る様子を不思議そうに見ていた。⋯⋯が、それも貴女の口が開かれる前までのことであった。)「⋯っおお、おまん⋯!」((上体を倒すようにして台に預けていた体をがばっと起こすと、反射的に浮かべた驚いた表情を少しずつ楽しそうな笑顔に変え。瓶を叩く音に合わせてもう片方の手で台を叩き、いの一番に合いの手を入れ始めた。人が集まってくるのを心から嬉しそうに見渡しながら、誰にも負けないように声を張って拳を合いの手に合わせて振り上げた。急に始まった合唱ではあったが、彼女のお陰か終わる頃には人集りが出来ていて。素敵な演奏と歌声に聞き惚れてしまっていたのか、拍手喝采が湧き上がるのを何処かぼうっと眺めてしまっていた。やっと意識が戻るのは微笑みながら振り向いた貴女と目が合った時で、そのまま集まる聴衆達を後目に、ちらりと貴女を見て「多すぎるぜよ」と言いたげな苦笑いを向けた。   (8/9 16:11:32)
シロー/竜灯 > ──既に人混みから抜けた貴女の手際の良さに舌を巻きつつも、歌声や言葉一つでこれだけの人を動かすその力に少しだけ感心したのだった。『おまん、魔術師の才能があるぜよ。』小声で呟くと鉢巻を締め直し、法被の襟を掴んでぴしっと整えると、最初と同じように声を張り上げた。)「────さあさ並んで考えとうせ!逃げも隠れもせんきにの!!」(⋯⋯正直半分くらい、減らしてくれんかの。【宵宮セイレーン】   (8/9 16:11:39)