この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

由良&ソウ

置いてけぼりのまんまる太陽

マリア/由良 > (オレンジ色の優しい提灯の灯りは、どこか夕陽みたいだ。人はなぜこういう色に胸がきゅうっと締め付けられてしまうのだろうか……。そう思ってしまうのは、自分がやはり〝太陽の国〟ウェンディアの出身だからだろうか。ピンクに水色や薄紫色の花が絞られた浴衣に袖を通して、由良は千景祭に居た。手には薄い木の皮で作られた舟形の器。中には、たこ焼きのようなものが入っていた。……一般的なそれの三倍、人の拳大くらいありそうなのが特筆すべき部分であったが。)「………あ、の………へ、減らして貰えますか?お代は、そのままでいいので……」   (8/9 10:05:58)
マリア/由良 > (絶望した顔で立ち尽くしたかと思えば、先程までやりとりしていた屋台の店主に話しかける。しかし大行列となっているこの店は多忙を極めているらしく、て由良の声は届かずに店主は威勢よく次から次へ客を捌いていた。列を為す理由が知りたくてついつい末尾に加わってしまったが、まさかこれが理由だったのか。改めてきちんと見れば、幟(のぼり)には『超特大!お天道様焼き!』と書いてあるではないか。)「お、おてんとさま………」(太陽だなんて……そりゃ大きいわけだ。困った顔で立ち尽くしていると、店主がいよいよ見かねて『食いきれねぇなら捨ててくれ!列の邪魔だよ!』と声を飛ばした。)「あ、ご、ごめんなさい」(思わず屋台からはなれるも、食べものを棄てるのはやっぱり気が引ける。がんばって食べてみようかと、あたりの階段に腰を下ろしたのだった。)   (8/9 10:06:09)


ゆう。/ソウ > 尊華は榮郷。眼に映るのは小さき子から腰の低くなった婆さんまで年代は様々で有る。耳に入るのは人々の活気溢れる声。この活気が軈て暑さに変わり、彼の額からは湯気が立たんばかりに汗が吹き出し、彼の顔を湿らせる___浅葱色の生地に鼠色の帯を締めているその服装は地味で有りながら周りに存在感を主張していた。 彼の頭の中に空腹という文字が浮かぶ…昨日から何も食べいていないのだ。さっきから近くの…たこ焼きだろうか?ソースの匂いが彼の鼻の粘膜や嗅細胞を刺激する。)…何処だろう…?(辺りを見渡してもたこ焼きを焼いているだろう出店は見つからない。人に聞こうかなんて思い、人を探す。すると近くの階段に多くの人が腰を掛けているのが眼に入った。その中で座っていた浴衣を身に纏った女性に訊ねてみる事にした。よく見ると彼女はたこ焼きを持っていて。心無しかお腹いっぱいにも見える。)いやそんなわけない。空腹に気持ちを乗せられてはダメだ…!(なんてボソボソ言って階段に近づく。階段に腰を掛けている彼女に口角を上げ引かれないように…)す…すいません…そのたこ焼きって、何処で買われました?   (8/9 10:43:36)
ゆう。/ソウ > (そう言って反応を伺いながらも、やっぱり辛そうに見える。やはりお腹が一杯なのだろうか。すると、近くを通りかかった男性のたこ焼きが目に入る。それはそれは大きい物で、彼女にはお世辞にも食べ切れそうではない。水をあげようかな何て考えながら)そのたこ焼き……大きいですよね…?食べきれ…ます?(しまった。また関係ないことを聞いてしまったと激しく後悔しながらも彼女の言葉に耳を傾ける。   (8/9 10:43:55)


マリア/由良 > 「………ふーっ……」(大きな大きな拳大ほどもあるたこ焼きが六つ。舟型の器に収まりきらずにこんもりと積まれたそれを見るだけでお腹がいっぱいになりそうで、さぁ食べようかと気合いを入れて息を吐いた、その時。)「……え?」(微笑みを携えながら話しかけてきた男性がひとり。涼しげな浴衣を纏ってはいるが、その髪色や顔立ちはウェンディア人らしいものだった。褐色の肌はヨズア人風かと思わなくもないが、提灯の灯りの下ではそこまで際立つ程でもなかった。)「……あっ、これですか、そこの…」(と言いながら『お天道様焼き』の行列を指さした。自分ならこれを先に見ていたら無謀にも食べてみようとは思わなかったが、男の人なら大きくて良いなぁとでも思うのだろうか。)   (8/9 11:03:25)
マリア/由良 > 「……ふふ、お天道様焼きなんですって。大きく出たものですよね。」(眉尻を下げ、困ったように微笑む。ふう……ともう一度息を吐くと、『食べきれますか?』なんて言われて。)「……」(顔を上げ、ふるふると首を振る。食べられません。助けてください。)「あの……良かったら食べます?なんて、えへへ……あっ、まだ口をつけてませんし、綺麗ですよ。半分、いえ四つくらい食べて頂けたら嬉しいのですが…。」(そう言って差し出すけれど、爪楊枝はひとつだった。)   (8/9 11:04:04)


ゆう。/ソウ > たこ焼きの話でそうですね何て笑いながら相槌を打っていると、相手が余りにも全てを食べる様には見えなかったので食べれるかどうかを訊くと彼女は静かに首を振った。その首の動きと重なり彼女の髪が息をしているかのようにすらすらと揺れた。すると彼女は食べませんかなんて言いながらたこ焼きの入った器を差し出す。けれども良いのだろうか?こんな女性の方の、いくら口をつけていないとは言え、元ウェンディア副団長がたこ焼きを貰うなど恥ずかしい事をして良いのだろうか。もしかして共有するなど色付きの人組の男女がすることではないか。そんな事を考えると体がぼうっと熱くなるような恥ずかしさを感じ顔から恥じらいの色が溢れる。   (8/9 11:34:04)
ゆう。/ソウ > 其の恥ずかしさに顔を俯かせると衝撃な事に気付いてしまう。船型の器には爪楊枝が一本しかないではないか!然しこのままだとこのたこ焼きは塵箱へ…益々彼はいろいろな事を考えてしまい顔を赤らめながらそっぽを向く。そのまま暫く考え込みとても小さな声で。)じゃ、じゃあ…頂きます……料金はきちんとお払いします…(何て弱気になりながらも彼女の目をチラチラと見ながら。)でも…爪楊枝一本しかない…ですよ…向こう並んでますし…(溢れんばかりの活気を揃えた出店を指差して目をゆっくり閉じ手を顔に当てる。あゝ恥ずかしい…   (8/9 11:34:22)


マリア/由良 > 「いえ、お代なんてそんな、大丈夫ですよ!……え?爪楊枝……」(何故か赤くなってそっぽを向いてしまったあなたの顔と、巨大なたこ焼きを交互に見ては。由良もあっと言いながら手の甲がわの指を手を当てて恥じらうような表情をした。)「……ご、ごめんなさい、気が利かなくて。気になります…よね。えぇっと…うまく爪楊枝に口をつけないように食べるのはどうですか?こう、一口で頬張る感じで…唾を付けずに……」(たこ焼きの器を膝に置いて、身振り手振りでなんとか伝えようとする。こんなに大きなたこ焼きを一口で頬張れとは、中々頭のおかしい提案なのだが。由良はまだそれに気づいていなかった。それに、ウェンディア人でたこ焼きというものを食べなれていない彼が熱々のたこ焼きを無防備に口に入れたらどうなるかも。)「……私はそこまで気にしませんから、良ければ先に食べてもらってもいいですよ。隣、座ります?」(気にしないとは言いつつも、ゆらも少しは恥ずかしそうだった。だけどここで自分までが恥ずかしがってしまっては、変な空気になってしまいそうで。『こんなの、なんてことないよ』なんて言いたげな微笑みをなんとか繕ってあなたを隣の石段に促した。)   (8/9 11:46:09)


ゆう。/ソウ > お代は出しますと断った後、気になりますよね。何て言われて、別に良いけど。と言うふざけた言葉を心の奥深くに仕舞う。口に付かない様にするために一個丸ごと食べろという事を彼女は身振り手振りで伝えた。)分かりました…!すいません…手間かけてしまい…食べ物を残されるのは得意じゃなくて…(赤面する顔の後ろ。さらさらな髪がついた後頭部に手を回し少し口角を上げる。この時彼も彼女も気づかなかった。このたこ焼きはお天道様なのである。でかい上に熱い。こんな物を口に放り込んだ後の結末は普通なら眼に見えている。然し彼は今盲目。脳が真っ白でそんな事さえ考えられない。彼女に隣どうですかなんて言われて微笑みながら彼女の隣。なんとも言い難い距離感の場所に座った。目の前にある大きく茶色いお天道様。気のせいか暑さの理由からではない何かで額から汗が滲み出る。それは鼻の筋を通って下へと落ちる。)では頂きますね…(フゥと一息着いてから上を向く。   (8/9 12:11:56)
ゆう。/ソウ > 手の指紋がつかないように楊枝を持ち茶色い太陽に刺す。其れを口の中に放り込む。)………!?(その瞬間彼の口に途轍もない刺激が走った。いや駄目だ。此処で我慢して漢らしさをしっかり見せなきゃと何故か感じた彼はしっかりと熱い物体を彼の白く光った硬いもので挟む。目を閉じて噛んだ。とにかく噛み続けた。そしてようやく全てを口の奥で熱くなった管に滑らせた。目は閉じたまま彼女の方を向き、前歯を唇に噛ませる。)お、おいひいです…(彼の閉じた瞳からは透明で純粋な涙が溢れた。   (8/9 12:12:40)


マリア/由良 > (なんとも言えない距離感で座ったあなたへ、膝の上へ置いていたたこ焼きの器を差し出す。ぷす、と1番上のたこ焼きに楊枝が入り、そしてそれがあなたの口の中に……──)「……美味しい?…ですか?」(目を瞑り、無言になってしまったあなたの顔を覗き込もうとするけれど、男性にしては長い髪のせいであまり表情がわからなかった。やがてその顔がこちらを向き、『おいひいです』……と。)「……わぁ、そうですか!良かったですね!……えっ!?泣いてるの……!?」(びっくりして、敬語を使うのを忘れてしまった。あなたが平静を装うのが上手だったあまり、まさか熱さに悶絶しているとは思わずに、そんなに美味しかったのかな……行列の理由は大きさだけじゃなかったのか……なんて思いながら少しぽかんとした顔であなたを見つめた。)   (8/9 12:46:00)
マリア/由良 > 「どうぞ、どんどん食べてください。あなた……が食べてからわたしは手をつけますから……」(一本しかない爪楊枝の事を気遣って、由良はそう言った。決して『あなたが食べ終わるまで私が食べられない』と急かしているつもりは、これっぽっちもなかった。そして、あなた……と言いながら彼の名前も知らない事に気づく。)「あの、わたしは花連と言います。お兄さんは?……ウェンディアの人、かしら。」   (8/9 12:46:11)


ゆう。/ソウ > (「おいひぃです。」と相手を心配させない様に云うと、泣いてるの?と聞いてくれて、あゝ心配してくれているんだなぁと感じる。最初は熱いと考えもしなかったがよくよく考えるとたこ焼き…お天道様が熱くないわけがない。すると明らかに「早く食べろ」と云う様に急かしてくれていた。)いえいえ!!すいません…!!ぱっぱと食べますので!!(はっふはっふ言って熱い物を口の中に放り込む。熱いたこ焼きを食べ額から滲み出る汗をかくソウに太陽が嘲笑うかの様に気温を高くする。暫くたこ焼きを放り込んでは水を飲み放り込んでは水を飲んだ。四つのたこ焼きを物凄い勢いで食べ終わった後には器に四つのたこ焼きが残っていた。)これぐらい…食べれますか…?(ぜいぜいと息を吐きながらたこ焼きを差し出す。すると彼女が名を名乗り何人かを聞いてきたので。)あぁ。花蓮さんね……私は旅人を生業としています。ソウ…と申します。今各地を転々としていますよ…生まれはウェンディアだけどね。(ははと笑いながら花蓮という名を思い出す。   (8/9 13:55:07)


マリア/由良 > 「あっ、そんなに急がなくても……ふふ、そんなに美味しいんですね。」(優しげに瞳を細めて、あなたが食べ終わってしまうまで由良はじっと待っていた。息を着く間もなくたこ焼きが半分ほどになれば、『これくらいなら食べられますか?』とと返された器を受け取る。)「はいっ。ありがとうございます、なんだか美味しそうに食べるから、私もすごくお腹がすいてきちゃいました、えへ。」(たこ焼きを見つめながら由良は先程の質問を。何気なく聞いたつもりの一言だった。)「……え?」(ソウ、その名は決して、とても珍しいという訳では無いだろう。だけど、由良はどうしてか確信に近い衝撃を伴って、目を見開く。)「…………ソウ……副団、あっ……」(心の内を思わず口に出してしまうだなんて、密偵としては最低の行いだ。だけど、噂に違わぬ空色の髪を見れば、点と点が線でつながる感覚にエウレカを覚えて。)   (8/9 14:55:53)
マリア/由良 > (心の内を思わず口に出してしまうだなんて、密偵としては最低の行いだ。だけど、噂に違わぬ空色の神を見れば、点と点が線でつながる感覚にエウレカを覚えて。)「……ごめんなさいっ、私はこれで……!どうぞ、尊華を楽しんで下さい。」(すっと立ち上がり、ぺこりとお辞儀をするとぱたぱたと人波に消えていった。ソウ元副団長、三年前の戦争を終わらせた協定を結んだ「ウェンディア聖騎士団」の偉人のひとり。戦争が終わった事は喜ばしいはずなのに、彼女は『奇跡の世代』と呼ばれる立役者たちに複雑な思いを抱いていた。いつかの王国で、へらへらと愚痴をこぼす自分の姿を思い返して、殴ってやりたい気持ちに駆られる。『──戦争がなくっちゃ、おまんま食いあげだよ。密偵なんてさ……』 彼女が座っていた石段の上には特大のたこ焼きが残されていた。)〆【置いてけぼりのまんまる太陽】   (8/9 14:56:16)