この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

竜灯&火津彌&董

頭痛の種

シロー/竜灯 > 「寄ってらっしゃい見てらっしゃい!!さぁさそこのお嬢さんお兄さん!横目するならこっちに来とうせ!!」((丁度日が暮れ、暗くなってきた頃。千景祭、宵宮は人通りが増え始めた。浴衣姿で闊歩する尊華人の他、ここ最近は髪色鮮やかなウェンディア人も多く訪れるようになり、更なる熱気を見せていた。声を張り上げて客呼びに精を出すのは、深緑色の法被に身を包んだ壮年の男。トレードマークの赤い鉢巻ではなく、白いねじり鉢巻を額に巻いていたが、背には竜胆車が描かれており。声も顔もそのままな男の名は竜灯。尊華帝國軍の兵であった。一際大きな声を張り上げたが、客が寄らない事に肩を竦めると、屋台の中から身を乗り出して空を見上げ。)「⋯⋯お、そろそろじゃの。楽しみだなあ、正直やっとれんぜよ。」(感覚ではあるが、そろそろ提灯などが一斉に点灯する時間だろう。宵宮の最も盛り上がる時間がいよいよ始まるのかと思うと居てもたってもいられず、まだかまだかと屋台の横から外に出てきた。   (8/8 19:42:05)


マリア/火津彌 > (白地に細かい縞の入った、くしゅくしゅとした楊柳生地の涼し気な浴衣を纏って、顔にはいつもの狐面。からころと細鼻緒の真角下駄を鳴らして歩いているのは、尊華帝國軍少将、火津彌であった。連れ合いもおらず一人にも関わらず案外上機嫌で、ふらふらと扇子片手にあっちこっちへ。人垣を挟んでざわ、と小さな歓声が上がったかと思えば、それはどんどんこちらへ近づいて。目を凝らさずとも、ひとつ、ふたつと提灯が橙色の灯りを放って順に灯るのを目にした。)「ふふ……下手くそやなぁ、あんなんでは提灯が焦げまっせ」(千景祭の実行委員の羽織を着た者たちを睥睨しながら、黒き宵闇と、朱き宵宮の境目を一歩踏み出す。歓声が背中へ通り過ぎてゆき、辺りはもう幽玄の世界であった。玉蜀黍や焼きそば、焼き鳥の焦げる匂いにちん、ころ、ちん、ころとどこかで鳴る千景囃子。こんな日はアレが欲しいな、と大好物を求めて辺りを見回すと、否応でも目に入るのはへんてこな屋台。見れば、夥しい数の品書きがあり、なんでもかんでも扱っているようだった。)「なんやアレは。阿漕なテキ屋が居たもんやな」   (8/8 19:57:22)
マリア/火津彌 > (と通り過ぎようとすれば、身を乗り出したねじり鉢巻の男とばっちり目が合って……。)「………お、お前ーーーっ!ま、またかァア!!」(竜灯、あぁ竜灯!本当に貴様と言うやつだけは!)   (8/8 19:57:35)


シロー/竜灯 > 「おお来たの来たの!!宵宮の始まりじゃ!」((ぽつ、ぽつと提灯や篝火が灯り出すのを目にして、瞳をキラリと輝かせた。さあ行こう、歩きやすいように草鞋を履いてきたのだ。自分も回らねば損だとばかりに鉢巻を縛り直したが⋯⋯ふと。通り掛かった男と目が合った。)「うおおおお!?ほ、火津彌さんじゃやいか!驚かさんでください⋯⋯⋯⋯!!!」((ばっちり目が合った⋯⋯ポピュラーな狐面であったが。竜灯はその面を被る近しい人間を一人知っていた。あっと思った時に時既に遅く、大声で叫ばれると大袈裟に仰け反ってみせ、口元に人差し指を当てて、静かにしてくださいとジェスチャーをした。⋯⋯まさかまた出会ってしまうとは。大声を出すものだから、ほんの少しだけ人が此方を避けていくような気がした。しめた、驚かされたことだし少し金を落としてもらおう。態とらしく肩を竦めると額に手を当てて力無く首を振った。)   (8/8 20:16:17)
シロー/竜灯 > 「ほら見とうせ、狐面の男が大声で叫ぶから不気味がって近寄らんくなってしもうたぜよ。⋯⋯ちゅう訳で一つなんか買うてください!!⋯⋯あ、そうじゃ。」((良いことを思いついたのか、ぽん、と掌と拳を合わせて屋台の中から身を乗り出し、夥しい数の品書きを人差し指だなぞりながら探すしてゆき、お目当ての文字列の所で止め、これこれと指で叩いた。)「こん前の勝負の続きじゃ!!どっちが早くかき氷食えるか勝負しましょう!!!!」   (8/8 20:16:19)


マリア/火津彌 > (大袈裟にのけ反って驚くあなたを目にして、片手の親指と人差し指で眉間を挟ぎながらはぁと俯いた。)「……お前なァ、海祭りで懲りんかったんか?それともこの、っ鳥頭が悪いんか?」(鳥頭、と語気を強調しながら額に人差し指を当ててぐいた思い切り後ろに押した。恐らくこの屋台が竜灯の新しい鎬なのであろうが、それをほっぽり出そうとしていたことも忘れて上司である自分のせいにして何か売り付けようとしているのだから、やはり鳥頭なのだろう。つんつんと立った鶏冠のような髪を毟ってやったら少しはマシになるだろうかと睨んでいると、今度は突拍子もない提案をしてきて。)「は?」(この間の勝負の続きというのは、海祭りの飲み比べの事なのだろう。酒ならそこらにあるだろうに、酒を選ばずかき氷と来たあたりにこいつの見栄っ張りぶりが窺える気がする。『勝負の続きやなくて、勝ち逃げが気に喰わんのやろ。』と思いながら、ふんと鼻で笑った。)「立会人がおらねば受けんぞ。難癖つけて有耶無耶にしかねんからな、お前は。」   (8/8 21:04:32)


ゑゐりあん/董 > (先日の出来事…。つまりはあの火津彌の部下になってから数日後。彼に連れられるがまま帰ってきた愛しくもない故郷で、軍人の仕事を嫌々しつつあてがわれた兵舎でだらだらと過ごしていた董だったが、宵宮祭りである今日は流石に我慢できなかったようで、近くにあった着物屋で浴衣を借り一人祭り会場を歩いていた)バカ火津彌も誘ってあげようと思ったのにいないんだから…。どこでなにをしてんだか(ぶつくさ文句を言いつつ、チョコバナナを食べ歩いていると、なんだか聞き覚えのある声がした)んー?なんだろ、あっちが騒がしいな…(行ってみると、そこには火津彌ともう一人、董を連行しようとした男がいた。どうやら揉めているらしい。二人が仲良くしているのを見て邪魔するのも悪いかと思ったが、なんだかモヤモヤするので二人に向かって歩いてった)少将、なにしてんの?それに…あなたは誰?少将の友達?   (8/8 21:14:22)
ゑゐりあん/董 > (律儀にも少将と呼べという言いつけを守っているようで、そんなことを言いつつ二人に話しかける董)…って言うか、大声で騒いで何してるの?結構目立ってるよ?二人とも(どうやら竜灯のことを覚えていないようで、率直な感想を二人に言う。少将と言えとは言われたが、敬えとは言われてない。そんな屁理屈である)   (8/8 21:14:24)


シロー/竜灯 > (鳥頭と馬鹿にされても今はお構い無し。何より前回の勝負、恐らく自分が───いや、引き分けた勝負の続きをしなければ気がすまない。あのままでは面子が立たない。火津彌と会ってあの屈辱を思い出してしまい心の内でめらめらと炎を燃やしていた。そんな中、火津彌が取り敢えず勝負を受けそうな雰囲気を見せたのなら、よし来た!!と台を叩いた。)「特製のふっっっといかき氷を作っちゃりますからの!!限界まで盛ってやるき、ほうじゃの⋯⋯手頃なのを⋯⋯───」((そこら辺で歩いている適当なのを呼び止めれば良いだろう、と屋台の中から火津彌の肩越しに辺りを見渡す。⋯⋯と、近づいて話しかけてきた女に気付き。かっ!と目を見開くと乗り出しそうな勢いで指をさした。)「あああ!?お、おんしゃあ!!!!おんし、何故ここにおるちや!!あん時火津彌さんに押し付けられた奴じゃろ!よーやってくれたの!!!───火津彌さん!あの女ぜよ、とっ捕まえんでええんですか!!!」((がばっ、と火津彌の方を向くと、着物の女の方を指さしながら捲し立てた。   (8/8 21:23:47)


マリア/火津彌 > (何してんの?との声をかけてきた女性を、一瞬見違えた。仮面の下でぽかんと口を開け、『どこかで会ったか?』と馬鹿な事を思ったのはほんの一瞬の事であったが、すぐさま竜灯の素っ頓狂な声で我に返った。)「……ぁ、あぁ!おつうやないか。」(目を見開いて董を指さす竜灯に努めて落ち着いた様子で声をかける。さて、どう説明したものか。)「お前は……どれ程普段仕事をさぼっているかが伺えるな……。新人兵士の伊……」(伊丹、と言いかけて口を噤んだ。わざわざ言わなくてもいい事であれば、彼女の気持ちを尊重してやっても罰は当たらない。こいつは〝僕の〟部下なのだからと心中で独りごちながら再び口を開く。)「董や。何人かは本部で既に顔を合わせたのだがな。まぁまだ上への挨拶回りも済んではおらんし、事実上の保留状態や。お前が知らんのも無理はないか。」(語りながら、目はじっと董を、董の浴衣姿を無意識に見つめていた。普段のじゃじゃ馬らしい格好はどこへやら、淑やかに髪を纏めて裾窄まりに着付けた渋好みな黒い浴衣は、正しく良家らしい尊華美人であった。)いつぞやの台詞が脳裏を掠める。やはり、僕の審美眼に間違いはなかったのやなぁ。)   (8/8 21:57:15)
マリア/火津彌 > 「……やめやめっ。仕事の話になると肩苦しゅうてかなわん。今日は祭りや、これも何かのえにしやろう、董、僕と竜灯がこれから勝負をするから、お前その立ち会いをせえ。当然賭けるやろ?一杯につきこれや。」(これ、と指を一本立てて勝手に話を進めてしまう。董が火津彌にこんな口を聞いている事を竜灯はどう思うだろうか。そして董は『勝負』と聞いて何を想像するのだろうか。そんなことは、意に介さずに。)   (8/8 21:57:29)


ゑゐりあん/董 > え?何?何?私何かしたの…?…ってあーーー!!!あの時の!(竜灯の反応で彼の存在を思い出したのか、指をさして驚く董)あー…えっと。あの時はごめんねっ(ペロっと舌を出して簡易的に謝る董。まぁ、仕方あるまい。あの時はあの時なのだ。水に流してもらわなければ困る。というか水に流してください)えっと…でもなんでこの人が屋台してるの?兵士なんでしょ?階級は知らないけど(もしかして暇なのか?と言おうと思ったが、流石に失礼だとわかったのでやめておく)…まぁ別にいいや。…って何じっと見てんの…恥ずかしいじゃん…(すると、火津彌の目線に気付いたのか、顔を赤らめつつ文句を言う董。しかし、まんざらでもないようで、本気で嫌がるそぶりは見せなかった。そして火津彌の言葉を聞いて首をかしげる董)勝負…?え?何?喧嘩でもするの?立会人ならもちろんするけど…怪我しないでよ?(結構バカな董は、勝負事は全てこぶしだと思ってるようで、二人がケンカするものだと思っているようだった)   (8/8 22:05:02)


シロー/竜灯 > (お面の下でぽかんと口を開けていた火津彌の反応を知っている訳では無いがてっきりこの女を捕まえるものだと思っていた竜灯は、火津彌が〝普通〟に話し掛けた事に鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。あまりに予想外過ぎた光景に火津彌と董を何度か交互に見遣りながらも空いた口が塞がらず。何を普通に会話しちょるんだ?と言葉にすることも出来ず、さっきまでの威勢は何処へやら。火津彌の紹介を受けて漸く言葉を取り戻した竜灯だった。)「はぁ⋯⋯、へえ、軍人になりよったんですか。⋯ごめんで済むなら俺らは要らんぜよ!火津彌さんに免じて許してやるけんど。⋯⋯ほぉん。」   (8/8 22:23:22)
シロー/竜灯 > ((いやぁ驚いた、と未だついていけてないようで、すっかり落ち着いた敬語に戻っており。だがそこに飛んできた軽い謝罪に少しだけ反抗する様子を見せたが⋯、屋台の事を上に密告されても嫌だし、まあいいかと肩を竦め。⋯⋯やっと理解が進み、今度は二人の関係を観察するかのように見つめた。火津彌が賭けの立会人になってもらうよう頼み込む様子も特に口を出すことなく見送ってから、瞳をすう、と細めて腕を組み。真面目な顔で何度か頷いた。)「何を言うとるがか、えーお董さん。⋯⋯⋯まあ、見てもらった方が早いの。火津彌さん!味はどうしますかの!」((⋯⋯詳しくはもう少し後で聞けば良いだろう。屋台の奥へ潜りガラガラガサゴソと物音を立てながら背伸びして顔を覗かせ、声を上げた。   (8/8 22:23:26)


マリア/火津彌 > 「あ、味?……あー、霙でええぞ。」(いくつか味があるのだろうか?竜灯の質問にいまいちピンときていないまま、そう答える。程なくして火津彌と竜灯の前に『ふっといかき氷』とやらが並ぶだろうか。)「董、合図を頼む。」   (8/8 23:13:10)


ゑゐりあん/董 > …え?かき氷?(二人の前に出されたふっといかき氷を見て唖然とする董)…まさか、これの早食い勝負ってやつ…?(んなバカな…。と董は内心思った。…が、同時に若干羨ましくも思った。だって食べたら頭痛くなるじゃん。しかし、審判を頼まれたのならその責務はしっかりと負わねばなるまい。それにまだ食べかけのチョコバナナもあるので、今回はあきらめよう。また別日にでも食べよう。そうしよう)わかった…。じゃぁ、両者位置について…(そして董は二人の後ろに立ち、右腕をまっすぐ天高く上げる。切断された右腕はもう完治していた)いざ尋常に…(そして董は右腕に力を込め、息を吸い込んで)始めっ!!!(戦いの火蓋を切り落とした)   (8/8 23:18:26)


シロー/竜灯 > 「かーっ!火津彌さんが知っちょる訳無かったの!俺はちびこ達にも売れるよう色々、ら揃えちょったんだがの────」((凝り性な竜灯は苺やら果物を使って様々な味付けを施すなどしていたらしく。氷を削りつつ自慢げに苦労話を垂れ流していたが、残念なことにそれに耳を向けて貰えはしなかった。結局自分も火津彌と同じポピュラーな砂糖味にしたようだ。そしてどん、と台の上に置かれた、大きな大きなかき氷。結構な事にかき氷に刺された匙も一口が大きい。ニヤリと火津彌顔を窺うと合図を待った。)「⋯⋯ふぐ!っ、!⋯⋯負けんぜよ⋯⋯っ!⋯⋯───!!」((竜もかくやという勢いでかき氷を掻っ込んで行く竜灯だったが、この後襲い来るであろう激痛のことを考えていないようで。目を見開くと匙を持つ手を止めた。   (8/8 23:26:47)


マリア/火津彌 > (董の合図を皮切りに、勢いづいてかき氷を掻き込む竜灯を睥睨し、ふっと鼻で笑った。──愚かな、竜灯よ。貴様の命もこれまでや。……僕に楯突いた事の愚かしさを思い知り、そして恐れ慄くがよい。ゆっくりと優雅な仕草でひらりひらりと匙をとり、口の中でじわりと溶かしてゆく。)「中々いけるやないか。董、お前にも後で買うたろか」(そんな無駄口を叩けるほどに余裕綽々をかまして、匙を持って止めた竜灯に対して、語尾に(笑)が付くくらい小馬鹿にした口調で煽ってゆく。)「──くくく……これはこれは、どうされましたかな?軍人さん。そないに顔を顰めて、毒でも入ってましたかな?皿まで喰らわば楽になるかもしれんぞ、はははは。」(ニタア……と不気味に微笑む表情はいっそう影を濃くして、部下の苦しむ表情をねめつけた。我こそは軍師なり。)「さぁさ、そろそろこちらも追い込みをかけねばなァ。……あ〜しかし、腹がいっぱいや。女に〝あ〜ん〟でもしてもらわんと。ほれ、董。」(台の上に肩肘をつき、足を組んで董に顎で指示をする。いくら花と皮肉は尊華の宝といっても、さすがに、やりすぎではないだろうか。)   (8/8 23:48:03)


ゑゐりあん/董 > (合図とともに二人がかき氷をかき込むのを見ると、少しだけ羨ましそうな顔で見る。別にその後の頭痛が気持ちよさそうとか思ったわけではない。思ったわけではないんだからね!)え?ほんと?欲しい!(そんなことを想っていた矢先にこの提案なので、恥も外聞もなくすぐに了承する董。ただで痛みが味わえるのだ。なんとお手ごろなことか。そんなこんなで更に二人の食べ進める姿をみているが、火津彌が優勢である。そのことに少しだけ心を弾ませつつ、更に様子を見ていると、火津彌がとんでもないことを言い出した)は…はぁ!?ななな何言ってんの!?なんで私がそんなことしなきゃなの!?(あ~ん、である。あ~ん。破廉恥の極みだ。あーやらしい。しかし、ここで彼に食べさせなければきっと彼は負けるだろう。腹立つがせねばなるまい)…あ(と、董はここで閃く。火津彌が負けずに更には仕返しのできる方法を)ほら、口開けてね~(そう言うと、董は、匙ではなく“器”の方を持ち、火津彌の口元に狙いをつける。そして…)ほら、「あ~ん」(まるでパイ投げのように器を口元に投げつける。氷は全て相手の口の中に入ったが、かなり冷たいだろうし、相当きついはずである)   (8/8 23:59:04)


シロー/竜灯 > 凍ったように腕が通ったのも束の間。いや、それが合図だったのだろう。思えば最後にかき氷をこんな風に食べたのはもう、10年近く前の事じゃないだろうか。そう考える余裕すらなく、〝それ〟は竜灯を襲った。)「⋯⋯っ、いっ───!!!!い⋯⋯!!っくううあ⋯⋯」((思わず片肘を台に着いて上体を丸めてしまう。顬から氷に亀裂が入る瞬間のような痛みが走り、反射的に顬を抑えて猫背になった。当たり前だ、もっとゆっくり食べるのがセオリーだった筈だ、焦りがこの事態を生んでしまった。らしからぬ己が失態に苦悶の表情を浮かべながら、火津彌の顔を絶対に見ないように俯いたまま、そーっと顬から手を離してゆっくりと匙を動かし始めた。⋯⋯見なくても分かっていた、火津彌が一体どんな顔をしているのか。決してそのニヤケ面を視界に収めないよう気をはらいながら、震える手で氷を掬う。)   (8/9 00:11:41)
シロー/竜灯 > 「⋯⋯はぁぁこの俺が負ける訳⋯⋯無いぜよ⋯⋯俺はいつか、この大陸に伝説として名を残す⋯⋯男⋯竜灯ぜ⋯。」((ゆっくり無駄口を叩きながら、ずきずきと責め立てる痛みが引く時間を稼ぐ。煽られる度にもう一度かっこみたくなる衝動を抑え、匙を握る手首に血管を浮き出させながら耐え、ゆっくりと口へ運び始めた。⋯⋯よし、行けるぜよ。急ぎすぎない安全圏のペースを保ちながら着々と火津彌との差を縮めようとしていた竜灯だが、「何をお前らイチャついていやがる」と思わず上司に罵声を浴びせてしまう所だった。───ありえない光景を目にするまでは。)「⋯⋯⋯お、おい!!お董さん!!⋯⋯⋯い、いや⋯⋯⋯」((有り得ない。かき氷の器を投げ付けるように押し付けられる光景を目にして、思わず匙を進める手を止めて、火津彌を見つめた。開いた口が塞がらない。⋯⋯なんという。⋯⋯なんという。暴れて俺の足を踏み付けて逃げ出す様なじゃじゃ馬をよく、軍人にさせる程手懐けたと思っていたが。──前言撤回。)   (8/9 00:11:43)
シロー/竜灯 > 「⋯⋯⋯中々、どうして。⋯恐ろしい女ぜよ。火津彌さんも苦労人じゃ。」((負けてもいいかなと少し思った。   (8/9 00:11:55


マリア/火津彌 > 「……は?」(『あ〜ん』と言った董の手がこちらに迫る。まて、まてそれは。あかん────)「……んんんんんんッ!!」(じゃらじゃらと流し込まれる氷を吐かなかったのは、火津彌なりの尊厳であった。半分程溶けたかき氷は、噛まずとも喉の奥へと通ってゆく。その刹那、頭をぶち抜かれたような衝撃に目を見開いて目をぎゅっと瞑った。)「………っぐ、ううぉおおおっ………!!っきた……なんっ、あ゛〜〜〜〜!!」(目の奥に走る激痛に、眉間を抑えて背中を丸めた。かき氷は全て火津彌の胃の中だが、痛みに耐えているうちになんでこんなことを初めてしまったんやと本末転倒な想いがよぎる。何が一杯につき一本や。こんなもん二杯も三杯も食えるか。)「……はぁ゛っ、はぁ゛、こんのじゃじゃ馬……。畜生……勝負は終わり、僕の勝ちや、竜灯!」   (8/9 00:46:59)
マリア/火津彌 > (もはやそう吐き捨てるのが精一杯。董の方にはどう意趣返ししてやるべきか悩んだが、女相手にムキになっているところを竜灯に見られたくはなく、何とか強がってみせようと口を開いた。) 「なァに、余程僕に勝ってほしかったんやろう。これは僕と董の勝利や。約束の一万価は山分けにしよう。竜灯、こいつにもかき氷を振舞ってやってくれ、約束やからな。董、味があるそうだが何がええ」(そう言いながら、竜灯に向けてぎん、と熱い目配せをした。『賭け金は山分け──このじゃじゃ馬に〝五千価ぶんの〟ふっっっといかき氷をお見舞いしてやれ』と。)   (8/9 00:47:12)


ゑゐりあん/董 > 美味しかったねぇ~(苦しむ彼を見ながら良い笑顔で言う董。吐かなかったことを少し驚き、また頭が痛むのを少々羨ましがりつつ、とりあえずは勝利を称えて拍手する。すると、どうやらかき氷を奢ってくれるようで、目を輝かせる董)じゃぁ抹茶!(抹茶を所望する董。そして出てきたのはぶっっっっといかき氷だった。…が、董は臆した様子もなく、むしろ嬉々としてかき氷をかき込む)~~っ!!(もちろん頭に痛みが走るが、むしろ身をよがらせながら喜ぶ董。ドMにはご褒美だ。そんなこんなでかき氷をどんどんかき込んでいき、見る見る消えていく。時折痛みを感じるが気持ちよさそうに顔を緩ませ、再び食べ進め、あっという間にかき氷が無くなった)はふぅ…(そして満足げに息を吐く董であった)   (8/9 00:57:14)


シロー/竜灯 > (中々やりよる、火津彌さん。あれだけされてカッと怒らんとは、余程この女の事を好いちょるか、強がっちょるか、もしくは───ああそうか、分かったぜよ。「俺の負けだ」と言葉には出さなかったものの、竜灯は火津彌の目配せを受けて、その瞳の色を見て納得してそそくさと屋台の奥へ消える。抹茶!という威勢のいい声を聞きながら、無心で氷を削り続けた。『まっこと、仕返しの仕方が火津彌さんぜよ。』と心の中でぼやきながら。大損大損、その後曇り空な気持ちのままに真緑に染まった守山級のかき氷を台に載せると、そっと屋台から外に出て来て火津彌の横に並んだ。)   (8/9 02:07:40)
シロー/竜灯 > 「⋯⋯なんとも、破天荒な人を軍に入れましたの。手懐けたかと思えば相当な暴れ馬じゃやいですか。───どういう風の吹き回しですか?火津彌さん。」((我ながら馬鹿みたいに盛ったかき氷を物凄いスピードで消費し続ける後ろ姿を火津彌と並んで見ながら、顔を寄せて小声で話しかけた。気飾れば中々見違える程の美人やったけども⋯⋯理由がそれくらいしか見つからない。それか余っ程強いのか。⋯⋯それか。そのまま畳み掛けるように瞳を細めると肘の先で火津彌の脇腹をとんとんと小突くと、ニヤニヤした笑みで小指を立てた。)「⋯⋯それとも火津彌さん、好きで好きで堪らんとかですか?⋯あっそれとももうやる事やってしもうたとか?───いたっ!!!」((それからきっちり5000価を取られながらも、何だかんだ面白いものを見たな、と損ばかりでは無い気分の竜灯だった。   (8/9 02:07:38)