この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

透紙炉&アルメリア

優しさの代償

ルーズ@透紙炉 > 王国。現在は停戦中ではあるが、それでも国家間の問題は山積みである。しかし、今は力を合わせてイモータルという脅威に立ち向かわなければならない。そんな訳で彼女は単身、王国に派遣されていた。部下は事前に渡っているらしいが、正直直属でもない一般兵など連携が取れるかどうかも怪しいので実質彼女だけである。「ここか…………」彼女は王都の防衛本部のような場所、敵の本陣のような場所に訪れていた。ここで今回派遣を依頼した司祭と話すようにとお達しを受けている。受付を通り、応接室のような場所に案内されると、そこにあった据え置きのソファーに座り、出された紅茶を啜っていた。味は良いが、あまり慣れていないので緑茶が飲みたい、なんて思いつつ司祭殿を待つことに。   (8/5 22:35:18)


塩/アルメリア > (急いでいても走ってはならない。廊下を早歩きで歩いていく。最近、イモータルが王国内のある場所に出たという噂がある。噂を確かめる為に尊華帝國軍に協力を仰ぎ、その場に向かう事。それが今の彼の任務であった。軍などに所属していれば、一人で向かう人もいるだろうが何せ、彼自身は司祭であり戦闘には向いていない。もし、情報が本当でイモータル出たとしたら太刀打ちは出来ないだろう。相手方が待っているという部屋の前に来ると静かに深呼吸をした。)失礼します。(何処か世間知らずだと言われる彼とて礼儀はある。数回、静かにノックすると扉を開けて中へと入る。相手をじっと見るとにこりと笑顔を浮かべて挨拶をする。)どうも、初めまして。派遣依頼を出しました、聖フィニクス騎士団司祭のアルメリアと申します。(何時もの口調は何処へやら。一つ綺麗にお辞儀をすると丁寧な口調で告げた。)   (8/5 22:56:21)


ルーズ@透紙炉 > 「どうも。噂はかねがね伺っている。私は尊華帝國軍中佐の透紙炉だ。わざわざ足を運んでもらってすまないな」ノックの音で立ち上がり、依頼主を迎え入れる。軽く会釈をしてできる限りの笑顔を浮かべると挨拶を済ます。彼女にしては珍しく、かなり慎重である。それもそのはず、停戦中といえど、戦争をしていることには変わりない。ここで自分が失態をして、そのせいで両国の関係が険悪になれば目も当てられない。なのでできる限り友好的な態度を、表面上だけでも取り繕っておかなければならない。外交はあまり得意ではないので、内心冷や汗ダラダラであるが。「早速だが本題に入らせてもらってもよろしいか?」   (8/5 23:14:15)


塩/アルメリア > 大丈夫っすよ。中佐って事は忙しそうっすから、早く終わるならその方が良いっすもんね。(お互いが自己紹介をした事で彼の中では顔見知り程度になっていたので元の口調…言わば砕けた敬語の様な、聞く人からすると舐めている様にも聞こえそうな口調で言葉を返す。ただ、此れは口癖みたいなものであり、彼の言った事も本心だ。両国の関係のため早く終わらせる方が最適ととるかもしれない。しかし、彼は相手が立場上忙しそうだから早く終わらせようとしている、ただの親切心だった。其処が世間知らずだと言われる由縁なのかもそれないが…。閑話休題。本題に入ろう。)ある場所にイモータルが出たとの情報があったんっすよ。今回はそれを調べるっす。本当かどうか調べるなら一人でも良いって思うかもっすけど…オレ司祭って立場にもいる通り、護身術は学んでるんっすけど戦えないっすから(相手の座る向いのソファに座ると口を開き、今回の派遣依頼をした内容について話していく。個人的な要らない情報もあったが、それは彼の性格上仕方ない事であって…。へらりと困った様に笑うと相手の言葉を待つ様に締め括り。)   (8/5 23:31:29)


ルーズ@透紙炉 > 「ご厚意感謝する。みな手一杯でな。慌ただしくて申し訳ない」彼女はまだ良い方だが、一部の上層部や、士官達はまさしく、東西奔走している。彼女も彼女で先日の不審者の件などやることは多いが、こちらの方が帝國にとって緊急性の高い用事である。「ふむ……概ね報告通りだな。少しタイミングが妙な気もするが…………」こちらも勧められた席に座り神妙な面持ちで事前情報と彼の言葉を照らし合わせていく。司祭が駆り出されているとは、王国も相当切羽詰っているらしい。お互い様であるが、自分のような一兵士が口外することではないと気にしないことにした。「気に病むことはないぞ司祭殿。私も見た通り、刀を振ること以外はからっきしであるからな。適材適所というやつだ」彼女は自分の顔の下部にあるヒビのような傷に触れて自嘲気味に笑ってみせる。花屋の少女にも言われたが、彼女はあまり自己肯定感が高くないらしい。それが他の者に見られた時、どのように映るか、そういう経験があまりない彼女には検討もつかなかった。   (8/5 23:53:19)


塩/アルメリア > (謝る相手の少しの苦笑いを溢す。やはり慌ただしいようだが、それはお互い様である為謝る必要はない。この件に関して何故か司祭である自身が出てきているのだから、それが証拠だろう。そう考えれば、彼自身も忙しいのだから早く終えようとするのは彼の為にもなるのか、と今は関係ない場所へ思考を飛ばした。)タイミング…っすか…?(首を傾けながら復唱する。報告通りとはいえ、タイミングが妙とはどういう事だろうか。飛ばした思考を其方へ向け理由を探る。思い付かないだけかもしれないが特に思い至る理由がなく、目線を相手に向けどう云う事かと聞こうか。)適材適所って考え良いっすねー!…てか、刀振るうだけって、普通に凄いと思うっすけどね…あれ重くないっすか?オレが弱いだけなんっすかね…(自嘲気味に笑う相手。何故そのように笑うのだろうか。他の人には出来ない事が自分は出来るのだから誇っても良さそうなのに…。適材適所と聞いて顔を綻ばせるものの直ぐに不思議そうに顔を歪めながら告げる。)   (8/6 00:12:04)


ルーズ@透紙炉 > 「いや、すまない。こちらの話だ。立場上、あまり言及できない問題でな」気がつけば、あまり良くない言葉を漏らしていたことに、自分の余裕のなさを感じて今一度意識を改める。先日の一件といい、ヨズアの民となんらかの関係性を疑ってしまうのは仕方の無いことだ。特に、シュクロズアリ旅団の者達はすっかりなりを潜めてしまって、それはそれは不気味である。なんて、目の前の相手に言えるはずもなく。あくまでただの使いなのだから、相手方を不安にするようなことは慎むべきだ。「重い……か。うむ、そこは司祭殿と私のお国柄の違いということだろう。尊華の軍人はひねくれ者でな。かく言う私もそうであるが、刀とは心で振るうもの。腕力に任せて振り回すものでは無い…………という考えが一般的なのだ。そして尊華の民はみな形式を重んずる。故に、刀を振るうだけの野蛮人はあまり好まれないのだよ。気を悪くされたのなら謝ろう」   (8/6 00:32:32)
ルーズ@透紙炉 > 尊華人の基準で考えるなら、刀傷の残る軍人より、司祭という役職の方が遥かに重く見られるわけで、適材適所という彼女の言葉には、自分が主になって行動する、と言うよりも、あなたの補佐を行う、という意味合いの方が強い。故に、先程の謝罪は彼女の本心であった。   (8/6 00:32:33)


塩/アルメリア > …そうっすか。何かあるらしいっすけど、気にしない事にするっす、(へらりと笑って何でもない様に応えて見せるが実際の所気になってはいた。個人的に気になるという事もあれば、何か情報を持って帰れるかもしれないという意味で。それでも、立場上の問題なのだから仕方ないのだろう。何か洩らしたらいいなと考えている時点で全く潔くはないが諦める事にしようか。)いやいや、気を悪くするとかは無いんで大丈夫なんっすけど…。野蛮人って……国の中でも色々あるんっすねぇ?オレからすると刀振るうだけで凄いと思うっすけど…(相手の真意を読み取れておらず、必死に手を振りながら否定する。適材適所は的を得ていてポジティブに捉える事が出来たというのに其処に謝られているとは思わなかったからだ。国の中でも色々あるとは分かっていても野蛮人という言葉に不可解そうに顔を歪める。振るうだけだ凄いと褒めるがそれでも何かあるのだろう…。下手に相手の意見を否定する事はなかった。)   (8/6 00:57:56)


ルーズ@透紙炉 > 「そうか。だが"刀を振るうだけ"では何も成し得ない。それは貴方達王国人も同じであろう。…………それに、壊す力よりも、創る力、癒す力の方が尊ぶべきものだ」様々な意味を含ませて、彼女は自然に微笑んで見せた。嘘が見える、他人の犯した罪が見える。見られている側にしていみればあまり居心地のいいものでは無いだろう。だから、ここは尊華人らしく、勿体ぶった言い方で締めてみようか。「…っと。司祭殿と話すのは新鮮で、つい時を忘れてしまったな。早急に現場に向かうとしよう」ふと思い出したかのようにそう言って席を立ち上がると、襟を正し、軍帽を深く被って案内を求めるように彼の方に視線を送った。この地に明るくない彼女は、詳細な居場所など知らないからだ。   (8/6 06:58:46)


塩/アルメリア > (彼の力は癒す力だ。それを相手がそう言ってくれるのは嬉しくないわけがない。しかし、だ。尊ぶべきものが何であれ、人の役に立つのならば…中佐と位置に立ちその力を正しく使っているならば……それは褒められるべき事なのではないのだろうか。そう思えど相手がその考えをずっと思っているならば否定する気もフォローなどする気もなかった。もし、それが同じ騎士団同士の仲間であれば、もしかしたらフォローをしたのかもしれない。しかし、彼は人の考えを変える気はない。悪い方へ向かない様に、希望を見出せる様に、浄化し癒しこそすれ、相手自身が特にそうならない以上口出しは無用だと考えていた。)   (8/7 01:36:36)
塩/アルメリア > そういうもんっすかね?まぁ、攻撃も何も出来ない力を役立たずなんて言われずに尊ぶべきだ、なんて嬉しいっすねー!!("病は気から"そう言われる様に彼は相手の気持ちを、その場の空気を、明るくする様にしていた。それは母が病の時から心掛けていたことで、今となっては癖の様な物だった。何処か照れた様に嬉しそうなで何かを誤魔化す様に告げた。馬鹿にしていると思われるだろうか。天然だと思われるだろうか。どう思われようと彼はその場がどうにか明るくなればそれで良かった。重い話なんて、空気なんて、彼の性には合わないだろう?)そうっすねー!早くとか言っといて、つい話しちゃったっす。(相手の言葉に頷くとスッと席を立ち上がった。元々、急な予定が無い限り自身が案内をしようと考えていた。先程までの元気な様子とは打って変わって静かに姿勢を正すと小さく頭を下げ扉を開け相手を促した。)   (8/7 01:36:38)


ルーズ@透紙炉 > 「ここか……」暫くして、2人はイモータルが出現したという現場に到着した。場所は王都のとある路地裏……と言っても、裏通りのようなものだ。人の往来はほぼないが、こんな所で騒ぎを起こせば簡単に見つかってしまうだろう。とはいえ、調べないわけにもいかない。「では予定通り、司祭殿が専門的な調査を行い、私がその護衛、ということでよろしいかな?」移動中に話し合ったことを再度確認するためにも、各々の役割ははっきりさせておいた方が良いだろう。大分楽をしているような気もするが……適材適所という都合のいい言葉で誤魔化すことにしよう。理屈は合っているのだ。彼女は少し、心苦しいのかもしれないが。「しかし……本当にこんな場所にイモータルが……」   (8/7 13:32:08)


塩/アルメリア > 了解っす、それで良いっすよ。(イモータルが何を考えているかは分からないが、人通りの少ない路地裏はある種最適なのだろうか。今回は情報が本当かどうかだけでも分かればいいのだ。もし本当ならば上に報告のち戦いに適した陣営で向かうし、嘘ならば其れはそれで一安心。何もなかったという事になる。専門的な調査、といってもただ痕跡を調べるだけだが…周りに見て回ろうか。)何処に現れるのか、なんて分かんないっすからねー…(相手の言葉に返事をしながら念入りに探る。魔術でどうにか出来れば良いが、彼の魔術は癒しであって探索は出来ない。正直、イモータルが居た痕跡は分かりづらい。其れこそ、何かが起こっていない限り…。)本当そう、っすね……おけっす!調査は終わったすから戻りましょうっす。後の事はオレだと役不足っすから…(深刻そうにボソリと呟く。何かがあった様な後があるのに何もない空間。その側に付着していた、よく見ないと分からない程度の血痕。目撃情報の一致をすると確かに此処に居たのだろう。ぱっと笑顔を咲かせると本部に戻る様に促す。   (8/8 00:25:58)
塩/アルメリア > (その笑顔とは対照的に声は少し固かったが、後の事は相手であればまだしも彼自身は役不足…足手纏いとなるだろうと理解していた。だからこそ、本部に戻り報告、可及的速やかに対処して貰わないといけなかった。)   (8/8 00:26:06)


ルーズ@透紙炉 > 「うむ。では戻ると…………シッ!」彼の言葉に頷きかけた直後、"それ"に気づいた。咄嗟に物陰に彼の身体を引っ張って、口を手で塞ぐと、意識を裏通りの奥の方に集中させる。「イモータル…………ではないな。人間か……おっと、すまない。司祭殿はここに隠れていてくれ」大分密着してしまった彼の身体を離し、そう言って彼女は物陰から飛び出た。敵の仔細は分からなかったが、大方、国内の反乱分子、テロリストのような者たちだろう。だが、一つだけはっきりしていることがある。それは、向こうがこちらに、明確な殺意を向けてきていることだけだ。「では、尊華の軍人が、刀を振るうだけの無能ではないことを示すとしよう」敵は4人。時代に倒錯した弓持ちが1人。後は……魔術師が2人に剣士が2人。魔術は使わないでおこう。あまり人に見せびらかすものでもない。   (8/8 11:39:46)
ルーズ@透紙炉 > 先に動いたのはテロリストの方であった。風きり音と共に矢がこちらの喉元を狙って飛来する。それを上体を少し逸らすことによって回避。続いて炎と氷の魔弾が飛んでくるが、走りながら左右に体を振れば、直線的な攻撃など躱すのは容易い。一息で敵の懐まで潜り込み、抜刀。刀の背で剣士2人を昏倒させ、その後傍にいた魔術師の顔を蹴り飛ばし、詠唱を始めようとしたもう一方の足の甲に刀を突き立てて黙らした後に肘打ちを食らわせてノックダウン。弓取りが逃げようと背を向けたところに後頭部目掛けて手刀を放ち、気絶させた。瞬きの間の出来事であった。とはいえ、尊華軍の中佐とただのテロリストが相対すれば結末は目に見えている。「よし。では本部に戻るとするか、司祭殿。こいつらの始末は任せよう」屈託のない笑みで彼に呼びかける彼女は、目の前の罪人共になんの情もない、機械のようであった。   (8/8 11:39:57)


塩/アルメリア > (相手の行動に驚きながらも一足遅れて気付いた殺意に目を眇める。イモータルでもなく、軍に所属しているわけでもなさそうなその人達は一般市民と呼ばれる枠で。しかし何か不満を持ち、それを行動に移し出した反乱分子やテロリストといった様なものなのだろう。穏やかな性格をした彼でも命にを脅かす、謂わば敵となれば慈悲も特に湧かないわけで。相手の言う通り、隠れ大人しく見守る事にしようか。____自身がいるのだから多少の怪我をしても安心だろうと見ていたが、実力差があるにしても余りにも早く終わった戦い。彼自身だけだったなら未だしも、護衛役として付いている相手は戦闘に手慣れているのだ。人数を集めたとしても、相手が刀を振るうだけの野蛮人と言われていたとしても、この結末になる可能性はいやに高い事が分かるであろうに。諦めずに挑んできた姿勢だけは心の中で皮肉染みた称賛を贈ろうか。)   (8/9 23:25:56)
塩/アルメリア > はいっす!…でも、少し待ってて下さいっす。(一つ返事を掛け、少し待つ様に言う。例え殺意を向けてきた相手だろうと、怪我人を放置するのは彼には出来なかった。甲に刀を突き立てられいた1人の元へ行くと気絶を確認しながら何処からか包帯を取り出す。軽く止血をし、包帯を巻いていく。最後にナイフで包帯を切れば簡易ながらも治療は完結。"もう大丈夫っす!"そう笑顔で相手に声を掛けよう。それにしても、屈託ない笑みを浮かべる相手にテロリスト達には同情する。殺意を向けてきたのだから仕方ないとも思うが末恐ろしいものだ。怪我人を癒す事を目標としている彼が甲に傷が出来た1人を魔術で治さずに包帯を巻くだけしかしていないのだから、他人の事は言えないのだけれど。)、にしても流石っすねー。刀を振るうだけの野蛮人とかどの口が、って思ったっすよ。さっきありがとうございます!(本部へと足を進めながら言葉を紡ぐ。素早い動き、適切な対処、先程の相手の動きを思い出しながら素直な称賛とお礼を告げた。)   (8/9 23:26:11)


ルーズ@透紙炉 > 「なに、役目を果たした迄だ。それより貴殿、何故敵の治療をしたのだ?」彼の行動の一部始終を呆気に取られた顔で見ていた彼女は、先程とは打って変わって、鋭い眼光を彼に向けた。気絶している不埒者共の始末は、先程連絡を入れた王国の警備本部が代行してくれるそうだ。それは良いとして、彼女が自分の目を疑ったのは、人生において3度しかない。その栄えある3度目が、先程の彼がとった行動であった。「敵に慈悲をかける心意気は立派ではあるが、貴殿のそれは度が過ぎているように思えてならない」足を止めて、強い口調で彼を問い詰める。彼女も、自国の民ではないとの事で、かなり手を加えたため、多少の慈悲なら、かの司祭の器量を褒めたであろう。魔術を行使していないとしても、彼女の目から見える彼は、明らかに異常であった。   (8/10 13:59:23)


塩/アルメリア > (相手の言葉に進めていた足を止め後ろを振り返る。振り返った目線の先にいた相手は此方を鋭い目で此方を見ていた。なるほど…相手は敵と見做した者には容赦はないようだ。確かに普通はそうだろう。先程まで命を狙われたのだから。相手がしたように出来る限りの殺傷をなくし、気絶に持っていっただけでも褒められるものなのだろう。逆に自身がした行為は不可解に思われるのも納得できる。___そう分かっていながらも彼は相手の強い口調や鋭い眼光に怯えを見せず笑顔で答えた。)いやぁ、目の前の怪我人を放置出来ないんっすよね〜…そりゃぁ、後から脅威になりそうならしないっすけど。どうせあの人達は警備の人達に捕まるっすよ!…もし注意だけでもさっきの事で多少は懲りるもんっすし、そうそう危ない事にもならないと思うっすから!!(相手の雰囲気にも、先程の事にも、何も気にしていない様にあっけからんとして告げた内容はとても簡単な理由で。それからと、治療する相手は選んでいると補足を付け加えておこう。それが度を過ぎていようとも…慈悲が過ぎていようとも…昔医者を目指していた1人として、ただ怪我人を放置する事が出来なかっただけなのだ。)   (8/10 23:26:09)


ルーズ@透紙炉 > 「あぁ…………そうか。"貴様"から感じた違和感の正体がわかったぞ」先程から太平楽を述べている男の言葉に、訝しげながらも同意すべき点があった。ただ、先程の言葉には、別のものを感じたのだ。視界が歪むほどの強烈な違和感。掌を指すように、クリアで、それでいて、酷く不透明。「……甘い、などという言葉では説明がつかんな。貴殿……いや、司祭殿の"それ"は、どこから湧いて出ているのだ?」弾指の間、彼女は男の背後を見つめていた。男には、本来あるべきものがなかった。誰しもが平等に、与えられるべきそれが。「……罪の無い罪人。裁くことのできない、狂気。貴公、良くないものに憑かれている。それはいずれ、貴公の身体を蝕むだろう。…………いや、すまない。気にし過ぎ、だな」   (8/10 23:51:41)
ルーズ@透紙炉 > そこまで言って、彼女は少々自嘲気味に笑って誤魔化すように、歩き出した。きっと、彼はどうしようもなく優しいだけだ。人の痛みを看過できないだけだ。そう、思い込むことにした。彼女の魔術は、嘘を映さない。「本部に戻ろう。茶が飲みたくなった」滅多に言わない冗談を零すほど、彼女は現実を許容できなかった。出来得べくんば、もう二度と見たくないものだ、なんて、心中で吐き捨てた。   (8/10 23:51:52)


塩/アルメリア > (え、と笑顔で開いていた口から木の抜けた声が漏れる。その顔は笑みを見せていた表情のままに固まっており、何を言われているかが分からないといった様子だった。実際、彼は理解していなかった。"甘い"と言われれば確かに敵を怪我人として、脅威が無いだろうからと判断して、手当てをするのは確かに"甘い"のだろう。しかし、だ。"それ"とは何だ?どこから湧いてくるとは?…今までもその考えで生きてきて、何処か世間知らずだと言われる彼は相手の言う事が理解できていなかった。しかし、大概の人間は自分自身の事に言われても自覚している人が少ないだろう、そう明るく考え困った様な笑顔を溢そうとした。__それはすぐ後に告げられた相手の言葉で困惑の表情に変わる。)罪の無い、罪人……憑かれている…?(往復する様にして呟かれた言葉。すまない、と…気にし過ぎた、と…そう言われようとも理解しようと努める脳はひたすらに相手の言葉を繰り返し、答えを探っていた。)   (8/11 00:36:02)
塩/アルメリア > そう、っすね…忙しいっすし、早く帰りましょうっす…(自嘲気味に笑う相手に息を詰め…それでも意地の様にぎこちない笑みを浮かべて返事をした。理解しようとする頭には何時迄も答えは浮かばない。__自身から話題を振らず無言を貫き、彼女の背を追って歩いていれば、本部へと着いていた。)   (8/11 00:36:49)


ルーズ@透紙炉 > 「…………優しさとは甘さでは無いのだ。甘さは毒だ。甘美だが、それに溺れ、敵が見えなくなってしまえば、行き着く先は明白だろう」本部に戻って事務処理を終えた後、本部のロビーでぽつりと、彼女はそんなことを漏らした。これから部下と合流し、本国に戻らねばならないのだが、少しくらい、猶予があっても良いだろう。「出鱈目を言っているのではない。事実、私がそうであったからな」遠い昔。彼女が少女であり、天心家の次女と呼ばれていた頃の話。彼女は例え戦争であろうと、家族や仲間、待っている人たちがいる者を、斬る事が出来なかった。そして、彼女がトドメを刺さなかった相手が、当時の彼女の部隊の者たちを皆殺しにした。彼女が偵察から戻ると、そこには、夥しい血と、絶望と、怒りの残滓が漂っていて、首のない裸体と、目を開けたまま絶命している死体が、こちらを見て、口を開いた。気がした。幻覚なんて、生温いものでは無い。悪夢。━━━━『間違っていたのは誰?』   (8/11 07:55:56)
ルーズ@透紙炉 > 人を殺すことは、よくないはずだ。罪の無い者に、手をかける必要は無いはずだ。だけど………………結果として、多くが死んだ。彼女は、自分が如何に甘いことを言っていたか、また、戦争を侮辱していたのか、理解してしまったのだ。平和な世を作りたいと願うには、覚悟が足りていなかった。平和とは、誰かの犠牲の上に成り立つものだと、独りで嘆いても、あの夜が戻ってくることは無い。「弱い事と、甘いことは、全く違う。ゆめゆめ、忘れることなかれ。では、私はこれで失礼する。貴殿に、華の導きがあらんことを」彼女はそれから、後ろを振り返ることは無かった。だが、その声には、悲痛にも似た失意の感情が含まれていたのだ。彼がそれを知るのはきっと、ずっと後になるだろう。(〆『優しさの代償』)   (8/11 07:56:09)