この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

ウンブラ&エヴリカ

Underdogは月に吠え

ルーズ@ウンブラ > 「相も変わらず平和ボケした連中しかいないな……」尊華帝国。とある市街にて。彼女は顰めっ面をして歩き回っていた。というのも、傭兵家業を続けるために、資金が必要であり、とうとう底をついてまったので、仕方なく街に戻って何か良い仕事はないかと探していたのだ。まさか子猫を探す依頼を受けるとは思わなかったが。それはさておき、彼女の魔術は探索にはあまり向いていない。誘き出すのは簡単だろうが、街中で魔術を連発しては騒ぎになる。ひとまず、真面目に探そうと思って今に至る。「つーかどこにいんだよ」子猫の行動基準などよく分からないので完全に当てずっぽうである。   (8/3 22:14:29)


骨牌/エヴリカ > ……ったく、ほんとここ何処よ。(尊華帝國。王国とまったく異なった文化を歩むこの国は書類上、彼女の出身地ということにはなっているが、彼女の生まれ故郷である美虎が帝國に征服されたのは今から3年ほど前の話。それまでは王国の一地域として暮らしてきたのだ、20を超えた年齢になれば3年前というのはつい昨日の話のようなもの。着古した仕事着に肩から鞄を掛け、手にはカメラという姿で尊華帝國の領土を歩く彼女はきつい眼差しを殊更にきつくして瓦屋根の建物をレンズに収めた。ここが自分の国だとは思えない)ん、ちょっと貴女。そう貴女よ、そこの……あんたどこの人?(はぁと溜息をついて、道を尋ねようと周囲を見渡せば何かを探しているのだろう、辺りを見渡しながら歩く貴女の姿が目に入り、声を掛けてはみたもののその奇抜な髪色と痛々しい赤い眼に本来口にする筈だった言葉は別のものへと姿を変えて、カメラを胸元で構え注意深く貴女の様子を観察しながら訪ねるのだった)尊華人、っていう風でもないわね。あなたも道に迷ったの?   (8/3 22:26:40)


ルーズ@ウンブラ > 「あ?」(声がした方に振り返ってみれば、こちらを睨みつけてカメラを構えている女が1人。初対面だと言うのに人様に著作権侵害の塊のようなものを突きつける態度にも腹が立ったが、なによりもその上からな物言いが癪に触ったらしい。)「アンタに答える義理はねェよ。取材なら他所に行け」(しかし、事を荒立てて人が集まるのは避けたい。何よりここは敵の陣地のど真ん中。うなじに刀の刃を当てられているのと同じ状況で、誰が争いなど起こそうか。まぁ、恐らく虫の居所が悪かったら幻覚を出すくらいはしたであろうが)   (8/3 22:37:46)


骨牌/エヴリカ > あら、貴女見る目があるじゃない。(貴女がこちらを振り返ったことでその容姿の奇抜さは見間違いではないことがよく分かった。多民族国家であるウェンディア王国には赤や緑、様々な髪色の人間が存在しているが排他的な雰囲気の強い尊華にも貴女のような人がいるのは意外だった。彼女が貴女をヨズア人と思わなかったのは、貴女の肌の色がヨズア人らしい褐色ではなかったからだが、つっつけどんな貴女の返事にも眉根を寄せることはなく寧ろ貴女の口から洩れた『取材』という言葉にルージュを塗った唇の端を持ち上げて不敵に笑い)これがカメラだって分かる人は増えてきたけど、それで取材されると思う人は少ないのよね。貴女、魔術師でしょ?(胸元に構えていたカメラを片手で持ち上げて相手に示してみせた。そうしてもう一度貴女の姿をざっと見直せば、周囲の様子から悪目立ちしている様子からなにか訳ありだと嗅ぎ取って声をひそめる)……これから、なにか悪いことでもする気?   (8/3 22:48:47)


ルーズ@ウンブラ > 「……ちっ。私が魔術師だったとして、アンタになんの関係がある?」魔術師と見抜かれたことに顔を歪ませて舌打ちを1つ。下手に隠そうとしたのが裏目に出たらしい。これだから洞察力の高い奴はやりにくい、と内心で恨み言を吐きながら軽蔑したような笑みを浮かべた。「それに、私は愛国主義者だぜ?悪いことなんか、これっぽっちも考えてねぇよ。キヒヒッ」彼女の肌が褐色では無い事には理由がある。彼女はシュクロズアリ旅団の団員であるため、当然ながら刺青が刻まれている。それを隠すために幻覚によって相手から見える自分の認識を弄っているのだが、尊華という敵陣に入るに当たって目立たないような色に変える必要があった。そういう訳で、今の彼女の肌の色は尊華人にも、王国の者にも見られるような曖昧な色合いに変わっているのだ。   (8/3 23:02:49)


骨牌/エヴリカ > アタリ、偉そうな人って、大抵魔術師なのよね。なにか関係があるかどうかはこれから探るわ。私はエヴリカ・アゾット、新聞記者よ。新聞記者のなんたるか、貴女に説明は不要みたいね、名詞はいる?(歯に衣着せぬ物言いはお互い様。相手が嫌な顔をしようが強引なドリブルで距離感を縮めていくのが新聞記者というもの、魔術師でない彼女なら猶更に心臓に毛が生えているような豪胆さがなければやってはいけない。ゆえに貴女の舌打ちを聞いて思わず眦が下がってしまったのは貴女が踵を返して逃げ出すことをせず、自分とまだ会話をする気があるということに感謝したからで、貴女の冷たい眼差しにウィンクをひとつ。空いている片手を鞄に入れて薄い紙きれを一枚とりだせばヒラヒラと振ってみせる)自分のことを本心から愛国者なんていうのは、だいたい頭のいかれたキチガイね。これは経験則よ、貴女のそれはただの冗談に聞こえるけど、どう?そうね、貴女ももしかして道に迷ったのかしら。   (8/3 23:15:03)
骨牌/エヴリカ > (冗談と断じたのは貴女が耳馴染みのない特徴的な笑い声をあげたから。自分の発言を思わず笑ってしまうような貴女の言葉はどうも信じられず、先ほど何かを探すように周囲を見渡していた様子を思い出し、首を横に倒せば色素の薄い金髪が剥き出しの鎖骨のうえに流れ落ちた)   (8/3 23:15:09)


ルーズ@ウンブラ > 「ケッ、世の中には知らない方がいい事の方が多いんだぜ、記者様よ。おいおい心外だなぁ。私は本気でこの国の為に、今もこうして必死になって働いてるのになァ?」下卑た笑みを絶やさずに、彼女はそう言って天を仰ぐ真似をして見せた。とうの昔に太陽など見えなくなってしまったが、一応それっぽく、目の上に手を翳したりして。「道に迷う……?あぁ……そう見えるのか……めんどくせぇ……。私は依頼を受けててな、こういう猫を探せっつうもんだ」心底嫌そうに首を傾げて、手に持っていた写真を見せつける。彼女は事前に色や大きさ、形状を聞いているがそもそも盲目の彼女が猫を見つけられるはずもなく、つまり、全て嘘。彼女は適当に時間を潰して依頼主に幻覚で再現した猫を見せて終わりにしようと考えていた。イメージを具現化するだけの幻覚は光のない彼女にも扱いやすい。それでも大分訓練はしたが。   (8/3 23:29:56)


骨牌/エヴリカ > どうかしら?私は今まで知って後悔したことなんて一度もないわ。(先ほどから繰り返される貴女の乱暴な言葉と笑顔はこの世の全てを嘲笑っているかのようで、今にも折れそうな華奢な躰の内に秘められた暗いナニカの正体を見定めようと彼女は眉根を寄せた。そうして見ると何か違和感がある、先ほどから貴女の視線は確かに此方をみているのに、その見る者の視線を逸らさせる痛々しい赤い瞳は自分を透過して何処か遠くを見据えているようなのだ。まさかと思い、貴女の手に握られたおどろおどろしい杖を見る。貴女の奇抜な髪色を見てファッションの一部だと誤解していたがまさか)……その   (8/3 23:45:46)
骨牌/エヴリカ > (そう見える、そう呟いた貴女の言葉に彼女は息を飲む。無意識のうちに貴女の盲目を揶揄していたのだろうか、と誤解したからだ。差し出された写真を見てエヴリカは唇を舐めた。必要のない名刺を鞄の中に押し込めば、僅かにルージュが剥がれた唇を汗とともに手の甲で振り払ってから、写真をぱっと奪い取った)いいわ、探してあげる。こう見えても探しものは得意なのよ?(ごめんなさい、と言わなかったのは彼女が特別扱いを嫌うから。魔術の使えない彼女は小さい頃から魔術師とそれ以外で分けられて暮らしてきた、ゆえに目が見えない相手にも態度を変えないことが相手を尊重する一番のことだと考え、敢えて強気な態度と言葉を貫いた)   (8/3 23:45:54)


ルーズ@ウンブラ > 「そいつァ単に、アンタが無意識に情報を選別してるだけだ……まぁどうでもいいか」相変わらず目の前の女の態度は気に食わないが、自分の意見を押し通す奴は嫌いじゃない。そして、彼女は、自分に向けられた眼光の意味を知らなかった。否、知ることが出来なかった。「あ━━━━」不意に手の内から取り上げられた写真は恐らく、女の手に渡ったと思われる。それだけなら、別に、奪い返せばいいだけだったのだが。「……探して……あげる?オマエが……?く、くくっ……ヒヒヒッ…………あはっ……はぁ…………」彼女から仕事を奪うだけなら、別に怒りはしたが、大事を起こすことは無かっただろう。だが、その言葉の裏に込められた遠回しな"気遣い"は、彼女の地雷だ。   (8/4 00:03:15)
ルーズ@ウンブラ > 「あー……━━━━━━騙せるとでも思ったか?」刹那、彼女の周りの景色が揺らいで見えた。そして、それは周りの人間にも可視されていた。「知ってんだよ……私は"嘘"が分かるんだ……私に甘い言葉を投げかけてきた連中は、みんな、みんな、」彼女の瞳に、暗い意思が宿った。『私を裏切った』手を伸ばした。口は詠唱を始めようと、開きかけ、その声色は酷く廃れて、寂しげだった。   (8/4 00:03:25)


骨牌/エヴリカ > どうでもいいって……、なに逃げんてのよ。(すぐに会話を打ち切ってしまう貴女に不満げに唇を尖らせてそう呟くけれど、急に笑い声をあげた貴女を見て彼女は言葉を続けるのをやめて大事な仕事道具を両手で胸に抱えなおした。不気味な笑い声が帝国の夜空に響き渡る、夜空に浮かぶ月は冴え冴えとした黄金の輝きを貴女へと降り注いだ。騙す、という言葉に張り詰めた弦が無理やり掻き鳴らされたような悲痛な響きを感じた。何を、とは問わなかった、なぜなら彼女の疑問を補足する言葉を貴女が吐いたから。強い単語の羅列とは裏腹に寂しさに満ちた声は、貴女と最初に言葉を交わした時の印象――野良犬、そのままだった。人に邪険に扱われて暴力を振るわれて、自分で自分を守ることに精一杯になってしまったのね、きっと。彼女はカメラを鞄に押し込むと拳を作った。ただの人間が魔術師に立ち向かおうなんて無謀だと理解していた。死にに行くようなものだ。それでも、分かった風な貴女の態度が気に食わなかった。)   (8/4 00:25:22)
骨牌/エヴリカ > 知りもしないくせに、甘えたこと言ってんじゃねぇよ!魔術に逃げんな!(そうして貴女が伸ばした手首を右手で捕えんとしつつ、左手で拳を叩きつける、彼女は手加減のできる女ではない。)悲劇のヒロインかよ、私に名前も教えないくせに、最初から自分が傷つかないように守りに入って、私のことを拒絶してる癖に、なに私のこと知った気になってるわけ! アンタに私のなにが分かんの? おら、かかってこいよ臆病者!    (8/4 00:25:30)


ルーズ@ウンブラ > 「は、 ━━━━?」触れられて初めて気がついた、この女、全く魔力を帯びていない。訳が分からなかった。非魔術師のくせに、魔術師とわかっている相手に、殴り掛かるなんて。しかも、なんの縁もゆかりも無い、こんな、薄汚れた、【野良犬】に。女の拳は彼女の右頬にクリーンヒットした。少しのけ反って、地面に血混じりの唾を吐く。血の味には慣れているのに、酷く、苦かった。 「ふざ……っけんなよ……私は……私は………………ァ、ァああァァァァ!!!!!!!」なにが、悲劇のヒロインだ、なにが、甘えだ、なにが、『野良犬【臆病者】』だ。反論は滝のように流れた。しかし、上手く言語化することが出来ない。彼女の中の何かがそれを拒んでいた。それは、少なからず、女の言葉を肯定してしまっていたからだろう。それはとても腹立たしいことだ。過去の自分が受けた所業を鑑みてもこれは正当な怒りのはずなのだ。なのに……どうして。どうして胸が痛いのだろうか。   (8/4 00:50:59)
ルーズ@ウンブラ > 「「ダー……・ニト・ロロイ……ッ……・ズィッル!!!!アングル・ヴィダール!!」」そして彼女は遂に、魔術を唱えてしまった。自分のこめかみに、指先を突き付けて。本来ならそれは、人の持つ本能的な怒りを解放し、敵味方関係なく攻撃するバーサーカーを作り上げるための魔術。それを自分に使えばどうなるか。当然、理性の枷が外れ、敵に噛み付く猛獣と化すだろう。そして、怒りとは、エネルギーでもある。怒りによって本来なら到底出せないような膂力を、解放してしまう。勿論、反動は大きい。だからこそ彼女は2小節付け加えることで時間と効果を調整したのだ。   (8/4 00:51:39)
ルーズ@ウンブラ > 「ァあ゛ァ゛アアあ゛gァ゛アグッゥギィ゛ッ!!!!!」凡そ人語ではない言葉を発して、筋力のリミットを解除した彼女はその傭兵家業で鍛え上げた鋭い拳を目の前の女の鳩尾に撃ち放つ。間もなく全ての酸素が押し出され、気絶するだろう。全力の一撃を終えた彼女は荒い息でフラフラになりつつも、去り際に捨て台詞を吐いた。「ワタシ……ッは……ウンブラ……おぼえておけッ……クソ女…………」1つ、瞬きをすれば、彼女の姿は蜃気楼の中に溶け込んで消えてしまうだろう。彼女にとって女との出会いが、どのように、彼女の選択に作用するかは分からない。しかし、一つだけ確かに言えることは、彼女がこれから、長い苦悩と葛藤に包まれるということだ。   (8/4 00:51:51)


骨牌/エヴリカ > (砂利を汚した赤い血潮を見下ろして、彼女は拳を構えなおす。奇妙な色をした髪の下から爛々と輝く赤い瞳が此方を睨みつけていた。大きく開かれた口から鋭く伸びた犬歯が見える。立ち上がり牙を剥いて叫ぶ貴女に、彼女もまた意味のない言葉を腹の奥底から絶叫していた。) うおおおらああああああああああああ!(何が正しいのかなんて分からない、でも後悔だけはしたくない。握りしめた拳にはまだ貴女の人形のように軽い感触が残っている。見た目よりも軽い体重に貴女がこれまで育ってきた環境が偲ばれた。けれども同情はしない、だってようやく貴女は彼女に向き合おうとしてくれたのだから。魔術を嫌うエヴリカだが貴女がそれを選んだことに不思議と嫌悪感は沸かなかった。先に手を出したのが自分だからだろうか、然し貴女の唇から紡ぎ出された言葉には目を丸くした。)   (8/4 01:16:59)
骨牌/エヴリカ > シュクロズアリ…!!(旅団、その名前で知られたヨズア人達はかつて大陸を混乱に陥れた。瞬く間に貴女は拳を握り、素人の彼女のそれとは比べ物にならない精確な動作で彼女を屠る。悲鳴をあげることも動作を知覚することすら出来ずに彼女は肺に詰まった空気を吐き出すと、ぐっという短く汚い声をあげた後に地面に叩きつけられ、その体は二度ほどバウンドして動かなくなった。それから半日が経った後、彼女は町の医療施設で目を醒ます。まず一番に仕事道具を確認した彼女は、それらが壊れていないことに安堵した後、不承不承料金を払って街に出た。やることはたったひとつ。勿論、行方不明の猫を探しだすことだ。一日中街を彷徨い歩いて泥まみれになりながらも猫を見付けた彼女は、猫を持ち主に返して言うだろう)料金は……そうね、ウンブラとかいうクソ女が来た時に渡しておいて。私、約束は守る女なのよ。【Underdogは月に吠え】〆   (8/4 01:17:08)