この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

獅子唐

七色とんがらし

山葵/獅子唐 > …あの、これ下さい。(此処は、名の知れた香辛料の専門店。その中でも選りすぐりの素材だけを使い作られた七味を手に、会計を済ませる。)……喜んでくれるかなぁ……。(眉を八の字に下げそう呟くと、空をふと見上げる。今日は火津彌少佐の誕生日だ。その為のプレゼント…とは思ったが、安直にハンカチなんてのも何だかつまらない気がして七味を購入した。繊細に材料の絵が描かれた漆塗りの容器をすり、と撫でる。容器をくるりと手の中で回せば、中で七味がしゃらりと揺れて音が奏でられる。)…あとは…まぁ無難に…(近くの雑貨屋で唐辛子模様の小さい手拭いを一つ。それに七味を包めば、何とも可愛らしい包装になった。)よし…あとは渡すだけだ。(再び空を見上げる。眩ゆい陽の光に目を細め、眩んだ目をぐしぐしと擦ってから…火津彌の待つ本部へと駆けていった。)   (8/1 22:44:39)