この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

董&火津彌&白刃の笑顔

ゑゐりあん/董 > カツン…カツン…(荒れ果てた王都のスラム街を緊張した面持ちで歩く一人の女。両脇に小太刀を掃き、背中には長い棒を背負ったその女は、片手にある地図を時折見ながら、周囲を見回していた)この辺りに…白刃の笑顔が…(時は遡ること一時間前。イモータル・白刃の笑顔の討伐の為汽車に乗って王都まで来た董は、最後の準備を終え、白刃の笑顔が出現するという王都のスラム街へとやってきたのだ。もちろん心臓はうるさいほどに鼓動しており、今にも逃げ出したいほどの恐怖を抱いていた。…が、ここで逃げるわけにもいかない。ここで逃げれば、もう何も残らないのだ。ここでイモータルを討伐し、皆を…あの忌々しい少将を見返してやるのだ。その一心で、董はスラム街を歩く)もうそろそろ姿が見えてもいいはずだけど…(聞いた話では、この辺りで白刃の笑顔が出るという。董はより一層緊張を強め、あたりを警戒する)   (7/31 22:06:08)


しぃずま@白刃の笑顔 > 「(無防備なものだ。…どれだけ小さかろうと、足音など立てれば、蟲にはそれが聞こえている。あなたの背中に、ゆっくり、ねっとりと近付く蜘蛛が一匹…いや。蜘蛛のような、人影だ。これは「イモータル」。そして、歪んだ男。真正直に面と向き合って人と「戦う」ことなど、するはずもない。ひたり、ひたりと6本の手足を器用に使い、夜の闇に紛れて近づいていく。ふと、その体はゆっくりと、4本ある腕の2本だけ腕を持ち上げ這い、…2筋の銀光が闇の中を走った。…すると、瞬間白い蜘蛛はまず前に構えられた手をまっすぐに伸ばし、次に後ろ足を地面へ叩きつけ、大きく飛び上がる。前へ前へと進むその白い身体とは反対に、腕と背を大きく反らし、警戒するあなたの背中を狙い、長剣の2本だけを降り下ろす…これに、気づくことができるか。)きれいな髪…だねェ…(剣閃とともに降り下ろされた、気味の悪い称賛。確かに笑いながら、その白き笑顔はそう言った。)」   (7/31 22:25:32)


ゑゐりあん/董 > …誰ッ!?(背後から聞こえた声。先程までは誰もいなかった。それに警戒もしていたのだ。もちろん背後にも。…が、その声は背後から聞こえた。振り返ろうとした瞬間、背中に激痛が走る)っぐぅ…!(まるで燃えるような痛み。…が、董は急いで前転し、背後の敵から距離を取る。そして慌てて立ち上がり、腰の小太刀を二振りとも抜刀する)っはぁ…っはぁ…。感心しないでござるな…ッ。いきなり背後から攻撃を加えるとは…ッ(突然現れた敵に驚きつつも、己の心を折らぬためか、笑顔を浮かべる董)貴殿でござるな…?白刃の笑顔という輩は…ッ(異形の姿の化け物。おそらく間違えではないだろう。相手の間合いを図りつつ、董は名乗りを上げた)拙者…董と申す者也…ッ。貴殿を討伐しに参った…覚悟いたせ…ッ(そして刀を構え、董は地面を蹴る。背中の痛みが逆に心地よい。董は左右にぶれながら相手の懐目掛けて駆け出す。そして、相手の右の脇腹目掛けて一太刀を繰り出した)   (7/31 22:33:23)


しぃずま@白刃の笑顔 > 「(ゆらりゆらりと、闇の中から現れたのは、まさに一振りの「白刃」のような、白い包帯に包まれた細い男。)uh-oh、面白い冗談だね。お人形さんにそんな気遣い、要らないでしょ?(血の滴る長剣をうっとりと眺めて、狂気と殺意を、再度刃に充満させていく。その「愛」とは相対して、知らぬ名前がこちらに向けられた…)…誰のことかな。ボクはボクだ。(白刃の笑顔…自分で名乗ったわけではないのだもの。「ボク」でしかない、名前などないイキモノだもの。そう呼ばれて憤るのは、当然の道理だと思わないかい?しかし、あなたの笑う顔を見れば、その憤りも薄れてしまったが。)…いい顔だねぇ…(堕ちた顔が楽しみだ。にたりと隈の深い目が、ぐにゃりと歪む。名乗り?そんなもの、ボクにとっては必要ない。名前など、最も最も最も不必要なものだ。お人形さんはお人形さんらしく、名もなく美しくあればよいのだ。笑っていれば、あなたが突進して来るのが見える…愚直だが、早い。剣を抜き…)」   (8/1 15:58:06)
しぃずま@白刃の笑顔 > 「(不動、だった。いや。それどころか、腕を四方へ広げている。…狂喜の笑みを浮かべ、あなたの一閃を受け止めれば、その笑顔は痛みを知らぬかのように躊躇いなく刃を傷口で挟み、開いた腕を、剣を、あなたに向けて閉じていった。)」   (8/1 15:58:18)


ゑゐりあん/董 > 当たった…ッ!(振りぬいた刀に手ごたえがあった。この調子で攻撃を加えればきっとすぐに相手を討伐できる。そうだ。私は強いんだ。この程度の相手に負けるはずが…)え…(違う。様子がおかしい。そう気づいたのはあまりにも遅すぎた。気付けば相手は、四本の腕を広げ、その手に持った剣をこちらに向けて振り下ろしていた)しま…ッ!!(回避。否、間に合わない。攻撃する際に体を前のめりにしたせいでバランスが保てない。後ろに戻ることできない。このままじゃ、斬られる…ッ!)カハッ(胸のあたりにバツ印の大きな傷が、更には下手に防ごうとしたためか、利き腕である右腕が肘の部分から切り落とされる)ゴトッ(小太刀を握ったままの右手は鈍い音を立て地面に落ちる。その音が合図かのように、董はその場にうずくまり)あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っ”っ”っ”!?   (8/1 16:20:43)
ゑゐりあん/董 > (慟哭する。心臓が鼓動を打つたびに右腕の断面図から血が噴き出す。血を止めようと腕を抑えると、今度は胸の傷から血が溢れる)あぁ…っいたぃ…ッ(敵の目の前だというのに、痛みに苦しむ董。しかし、なんとか意識を保ち、後方に跳んで相手との距離を取る。しかし、着地の瞬間バランスを崩し、尻もちをつく董)っがぁ…。私の…右手が…ッ(目に涙を浮かべながら、地面に落ちた右腕を見つめる董。圧倒的過ぎる。これが、イモータルの力だというのだろうか?…こんなの…こんなの…)勝てるわけ…ない…ッ(董は震える声でそう呟いた。目は絶望の色に染まっており、もはや戦意すら感じられない)   (8/1 16:21:10)


しぃずま@白刃の笑顔 > 「A-ha…いい、いい、いいねぇ、い~い顔だねェェェ!(ぬか喜びのマーチ。漏れる息のプレリュード。慟哭のファンファーレ。痛みと絶望のレクイエム。それらが生み出すのは、恍惚と興奮と狂喜と…入り乱れる感情のオーケストラだ。包帯の隙間から覗く、ぎらりと輝く目と、黄ばんだ歯。それは、もはや避けてしまうのではないかというほど見開かれ、瞳は上を向く。口からは自らの唇を舐めずる舌がべろりと出されていた。十字に切られた傷口から吹き出す血を包帯に浴び、それを真っ赤に染める。)…あぁ、でもごめんね…(転がる右腕を、その細い方の手で持ち上げて、その腕が目に入ってからもう動けないあなたへと、蜘蛛のように這って近付く。その笑みを、嫌でも目に入るように這い寄るのだ。。)」   (8/1 16:59:48)
しぃずま@白刃の笑顔 > 「(4本のうち半分の手は腕を掴み、もう半分は両肩を掴む。あなたの右腕の傷に、そっと腕をぐりぐりと押し付ける…)縫ってあげるからね、大丈夫だよ…お人形さん…(右肩から生える腕が、ばらばらに分離し、あなたの腕の傷へと近付く。そして、触れれば…強い激痛が走る。それは、その細い糸のような腕が、あなたの肌を突き破ったから。)ボクと一緒にいてね…(ゆっくり、ねっとりと、しかし確かに、その腕は腕と腕を糸となって繋ぎ合わせていく。…彼の能力は、欲するが故に現れる。戦意の無くなった、「人形のような」あなたを欲しがるから、腕は繋ぎ合わせられるのだ。あなたが「生き」なければ。この腕は拒絶することはできない…そう、例えば、離れてしまえばこいつはすぐに興味を無くす…つまり、糸もほどける。今のあなたに、それができるだろうか?…今も白刃は、笑顔を浮かべていた。)」   (8/1 16:59:51)


ゑゐりあん/董 > この下衆やろう…ッ(自分が苦しむ様子を見て笑みを浮かべる相手を睨みつける董。しかし、逃げようにも足がすくんでしまい上手く立ち上がれない。近づいてくる相手を睨みつけることしか、董はできなかったのだ。そして相手は自分の体をつかみ、ついぞ動くことすらできない。もはや、抵抗する力すら残っていないのだ。そして相手は切断面を触れた)っがぁぁぁぁ…っ!!!(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。頭の中ではそれしか考えることができなかった。まるで縫い付けられるような痛み。もはや何もできない)助けて…ッ(できることは、助けを求めることだけだった。誰に?)たす…けて…ッ(助けを求める?)たすけ…てぇ…ッ(思い浮かぶのは)ほづ…み…ッ(あの男の顔だった)   (8/1 17:08:37)


マリア/火津彌 > (白刃の笑顔と呼ばれていた殺人鬼について、王国にて聞き込みを続けて三日が経った。収穫と言えば、白刃が出現するのがほぼ必ずスラムのような裏路地であったこと、往来で無差別に大量殺人を起こすような単純なものではなく、まるで神隠しにでもあったかのように、一人、また一人と“消えて”ゆき、結果として大量殺人となっていたらしい事であった。)「つまり奴さんは一対一の真剣勝負が好きなのかも知れませんな。そら願ってもない…。スラムには何度か足を運んでますがね、今日こそ現れるかどうか……。」(聞き込みの途中で紹介して貰った探偵事務所で、そう声をかける。相手は探偵ではなく助手のようで、時折嗚咽を混じえながら白刃の情報を話してくれた。)「あんたのボス、この事務所の主が生還する事を私も願いますわ 。」(そう言いながらぱさりと謝礼を机に置き、事務所の扉を引いた。『待ってください』と背中に声をかけられ振り向く。)「……ほう。そうですか。……解りました。どうも、おおきに。」   (8/1 19:55:59)
マリア/火津彌 > (路地を歩きながら、最後に助手が聞かせてくれた情報を反芻するかのように鼈甲飴を取り出し、口の中へ含んだ。これからの魔術線に備えて、口の乾きを潤しているかのようだった。……多くの魔術師が奴に挑まんとしながら、まるで“刃が“立たなかった。むざむざとやられ帰った騎士は口を揃えて言った。“あの剣術は魔術師にとって分が悪い”と。情報を繰り返しながら、火津彌は脳裏に一人の人物を思い浮かべた。)「……なるほどなァ、剣術か。剣術ではアイツの右に出る物はおらんかもな。そういうわけか…… オウガ。」(何度か足を運んでいるスラムに、たどり着いた。太陽の光が届かぬ“日陰”のそこは、今が昼なのか夜なのかも分からない程にじめじめとしていてほの暗く。静寂さえもじっとりと濡れたような重さを纏っていた。)   (8/1 19:56:11)
マリア/火津彌 > (静寂を破ったのは、何か重いものが飛び跳ねるような、いや、もんどり打つような鈍音。そして、脳裏に見事な太刀筋を思い浮かべる事の出来るほどに鋭い、剣戟の振るわれる音と小さな悲鳴だった。)「……お出ましか。」(かり、と鼈甲飴を噛み砕き、ぷッと串を吐いた。火縄銃をがちゃりと抜き、構えながら音のする方に駆ける。魔窟のように入り組んだスラム街。やたらと階段が多く、昇り降りを繰り返しているうちに、目に飛び込んできたのはおぞましい姿の異形、そして、見覚えのある女だった。)「……うっ……」(異形を目にし、その冒涜的な姿に目を見開いた。蜘蛛のように動く四肢…否、六肢は、恐怖よりも先に嫌悪感を覚えさせる。本能が『殺せ』と叫び、全身に鳥肌が立つのを感じた。)「っ、小娘」(声が漏れ、はっと口を噤み建物の影に隠れた。死角の多いスラム街なればこそ、奇襲を狙える好機を逃してはならない。『絶対…見返してやるんだから…ッ』最後に会った時の捨て台詞を思い返し、ふっと笑みを零す。緊張を取り払うかのように、強がるかのように、いびつな笑みを。   (8/1 19:56:47)
マリア/火津彌 > ──そうかそうか。そんなら見せてもらおうか。僕は剣術はどうしても修める事が出来なかった。魔術師にとって分が悪い戦いであるならば、お前の力を借りるぞ、小娘。……お手並み拝見や。──)「 十三観、十二因縁、十一処、十波羅蜜、九次第定、八斎戒、七覚支──」(仮面の下、口の中で響くような発声。ガラリと掠れた声が静かに詠唱を始める。ちらりと見れば、白刃と思しき異形が董の剣戟を止め、そして彼女の胸にまともに太刀筋が……、目を見開き、額から流れる汗が目に入る。大声を出してはならない。冷静さを失った瞬間、その魔術は綻びて行く……。火津彌はぎゅっと目を瞑り、澱みなく詠唱を続ける。──耐えろ、耐えてくれっ…!)「……六道、陰陽のまぐわいを。 五行、紅蓮の火生土を。四智、妙観察智の赤と 大円鏡智の青とを。三相、我を清浄なる天命へ。」(瞑っていた目。耳からの情報で、白刃が剣を振るった瞬間何が起きていたのか遅れながら悟った。──『私の…右手が…ッ』 ──『い~い顔だねェェェ!』──)   (8/1 19:57:08)
マリア/火津彌 > 「二諦、真諦と俗諦の清濁をッ…一如、絶対唯一の実相をッ……!」(喉を絞り声を抑えながら振り頻った呪文。もはや董を時間稼ぎに使う事よりも、死なせるものかという気持ちの方が上回っていた。そのためには自らが冷静さを欠いてはならない。そう長くはない呪文、あまりにも早すぎる二人の攻防。もう少し、あと少しで……『っがぁぁぁぁ…っ!!!』痛みの声が響き、渡り。)「…禍つ劫火の燈よ、いざ給え!」(最後の最後に、焦りが出てしまった。『零』の句を言うことが出来ぬまま呪文は締めくくられる。地から渦を巻くようにしながら青い炎が白刃をとり囲もうとしていた。)   (8/1 19:57:25)


しぃずま@白刃の笑顔 > 「はぁ」   (8/1 20:43:14)
しぃずま@白刃の笑顔 > 「(小さな、小さなため息だった。しかし、そこに込められた感情は、あまりに大きい。…包帯から見える肌は赤く染まっていき、瞳はぎらりと確かにあなたの方を向いていた。口元は、先程の笑みとは逆に曲がっていた。…ぷくり、ぷくり、包帯が所々で浮き上がっている…血管だ。やがてそのまま、白い異形は炎に巻かれる…あなたは、殺せたと思っただろう。それとも、あの「鬼」が自分に対して侵した油断を思いだし、警戒を止めないだろうか。いずれにせよ、蜘蛛は炎の中からは消えている…しかし、それは決して「燃え尽きたから」などではなかった。…足下から、鋭く「力強い」一撃が、放たれる。当たれど当たらねど、闇の中の彼の口はべらべらと動き出す。)」   (8/1 20:43:27)
しぃずま@白刃の笑顔 > 「…楽しみが無くなっちゃうじゃないか…(まず、赤い腕たちが見えた。よく見れば細い腕たちが絡まり合ってできているようだ。蠢きながら形を保とうとするそれらを見ると、吐き気を催す。救いを求めて他の腕にしがみつき、そしてその腕もまた違った腕にしがみつき、またそれも。またそれも。またそれも。蜘蛛の糸にしがみつく人々を見ているようで。気味の悪くなる腕だ。)   (8/1 20:44:22)
しぃずま@白刃の笑顔 > ねぇ、キミはなんでそんなことをするんだい?人の楽しみを邪魔するなんて、悪の権化じゃないか。悲しいよ、キミのことも好きになれそうなのに、そんなことをされちゃ愛せないじゃないか。あ~あ、やっぱり人間は嫌いだなァ。脳があるからこうなっちゃうのかな、やっぱりみんなお人形さんにならなくちゃいけないよね。だって、お人形さんならボクが愛しても、受け止めてくれるもん。壊しちゃっても何も言わないもん。ねえ、生きるのは「叫ぶとき」だけでいいよね。顔を歪めてさ、痛みにうちひしがれてさァ、大声あげてさァッ…♡(喋る内に、感情は憤怒から、興奮へと変わっていく。語るほどに声は上ずり、笑みも深まり。)…死ぬまでが芸術なんだよ。(しかし。またの怒りは唐突に現れた。笑みは突然そこから失われる。…あったのは、憤りのみだった。…そして。ゆらりゆらりと闇から現れたその赤い姿は。)」   (8/1 20:44:26)
しぃずま@白刃の笑顔 > 「(あの鬼を思い出させるほどの、巨体であった。)」   (8/1 20:44:41)
しぃずま@白刃の笑顔 > 「(包帯は燃えて地面に投げ捨てられ、ニッカポッカも半分黒く焦げている。…そして、露になった肉体は、先程の細身とは全く違った姿となり、「修羅」のようであった。脇腹や腕、至るところに生えた「腕のようなものたち」と、背中を覆う鱗のように張り巡らされた刃。元より異形であった六肢の男の姿は、更なる異形を見せたのであった。)」   (8/1 20:44:56)


ゑゐりあん/董 > ……(もはや脳みその処理が追い付かなかった。突然声が聞こえたかと思うと、目の前の化け物が燃え上がった。声のした方を振り向くと、そこにはあの忌々しい少将がいた)火津彌…ッ!!(彼の攻撃なのだろうか?しかし、この手を逃さないわけにはいかない。董は何とか立ち上がり、後ろに跳んで相手との距離を取る)…なんであいつがここに…ッ(そう言えば彼は白刃の笑顔の討伐をしようとしていた。…なんという偶然だ。彼のお陰で助かったのは間違いない)…助かった。ありがと(と、相手に聞こえるか聞こえないかの声量でそう言った董。そして炎に包まれた白刃の笑顔のほうを見ると、そこにはもう彼の姿はなかった。あったのは、もはや形容しがたい化け物…。否、化け物ともいえない。“何か”としかいえない物体はどうやらイラついていたようだ)   (8/1 23:12:33)
ゑゐりあん/董 > …どうするの火津彌…。痛みは慣れてきたけどさ…正直戦えるか怪しいんだけど…ッ(元々痛みには慣れているのと、アドレナリンが放出していることもあり、痛みはだいぶましになったが、出血多量でふらふらだ。正直今にも倒れてしまいそうだ。ここで自分が取るべき最良の選択は…)指示を頂戴…火津彌。…この状況を打破するには…経験豊富なあんたに頼るしかない…癪だけどさ…(白刃の…。もはや白の要素はないが、白刃の笑顔から目を離さずにそう言う董。生きるためには、意地は捨てねばならない)   (8/1 23:12:36)


マリア/火津彌 > (火津彌の魔術をほとんどものともしなかったばかりか、べらべらと喋りながら、めきめきと、より異形の様相を増す白刃に顔を歪めた。董にその姿を見せまいと背で隠すように立ちながら、視線は目の前の異形から一切離すことができない。こめかみに汗が伝い、本能的な騒つきを覚える。”炎”への畏怖に似たそれは、恐怖を通り越し、己を鼓舞する。どくん、どくんと心臓が早鐘を打ち、開いた瞳孔が細かく揺れた。もしかすれば今、正気を失わない為に火津彌の心が脳内麻薬を出しているのかもしれない。気味の悪い”美学”を語るその声まで、脳の奥で耳鳴りと共にわんわんと反響しているように思え、火津彌はトランス状態へと入ってゆく。)「……下がれ……。」(董に『どうするの』と声をかけられ、思わずそう答える。その声が聞こえなかったのか、それともまた『弱いと言いたいのか』と不貞腐れているのか。後者だとしたら、随分肝の座った女だ。)「……董と言ったな。」(顔は白刃に向けたまま、足を董に向けて一歩踏み込み、両手で肩を掴んで口早に告げる。)「よくやった。よく戦った。お前が死ななかった、それだけで評価に値する。」   (8/2 23:54:09)
マリア/火津彌 > (少将である自分の魔術も効かないほどの強敵なのだ。当然だろう。火津彌は白刃の顔を見る。包帯で隠れていてわからなかったが、怒っているような、にたにたと笑っているような、恍惚に浸っているような気味の悪い表情だった。…その顔のまま今にも白刃がこちらに向かってくるような気がして、火津彌は火縄銃を構えて小さく短い点火用の呪文を詠唱した。せめて最後まで喋らせろ、と。)「……いいか、これが戦場や!ここに存在できるのは、”強者と弱者”ではない、”生者と死者”や!どっちになりたいのか、まずは生きてから決めろ!死んでから決める事はできんからな!解ったらはよう!」(重厚から煙を上げる火縄銃の先端部を掴み、白刃に向かって駆け出した。刺し違える覚悟で目ン玉に熱々のこいつを打ち込んでやるくらいしか思いつかない。銃は刺さったか、それとも、白刃に止められ、にらみ合う形になったか。――再び、賽は投げられる。)「人形遊びなら僕としようや…!悪いがあの小娘はまだ壊してもらっちゃ困るんやわ!あの胆力…僕の部下にする事をたった今決めた!」   (8/2 23:54:20)


しぃずま@白刃の笑顔 > 「(オォ、と空気が嘶き、鉄と鉄とがぶつかり合う音がする…繰り出した火縄銃の口は、固いもので弾かれる。そして、その銃弾でさえも、その白い鋼鉄を貫くことはできなかった。人ならば、こいつがただの人間ならば、きっと狙い通り、目へと直撃し、頭ごと焼いたことだろう。…しかし。こいつは、もはや人では無いのだ。突き出される銃口は、振り上げられる長剣の腹に直撃し、弾ごとそのまま弾かれた。そして人でなしは、その勢いを利用してバク転し、6肢で着地する。)Huh、綺麗だねえ…まるでチープな悲劇を見てるみたいだよ。(振り上げた剣を、そのままもう一度降り下ろす。ちらちらと光る白刃が、その顔の前から消えた時。見えた表情は、やはり、「笑顔」だった。この短い間で、何度見たことだろうか。あの怒りの時以外は、その表情は全く変わらなかった。…一度怒りを向けた、ホヅミを見ても同じだ…狂気。笑みとは幸せを象徴するはずなのに。彼には。狂気、ただそれだけが口元に集まっていた。)…そっちのは、後にしておくよ。君が、好きになっちゃった…♡」   (8/3 18:45:37)
しぃずま@白刃の笑顔 > 「(少しの間、考えるように目を瞑ると、長剣を空中へと放り投げる。すると。その笑顔がさらに深まっていく…)だからもういいや。…もっと、楽しませてくれるよねェ?(その一言が、放ちきられるのと、長剣が落ちてくるのは、同じだった。回転する剣の柄を器用に掴めば、そのまま地面を擦らせながらも腰の後ろあたりに持っていく。…そして、ホヅミの方へと近づけば、左腕の剣がまた振り上げられる…かに思われたが、それは止められ、代わりに右の、怨念ではない、肉体である赤い腕から剣が落下していく。…その前に。異常な、音がした。「バキ」「ボキ」と、骨が折れるような…いや。実際、折れている音が。…降り下ろされる異常な早さの剣の筋は、)」   (8/3 18:45:56)
しぃずま@白刃の笑顔 > 「(鞭のようにしなやかだった。)」   (8/3 18:46:09)


ゑゐりあん/董 > え…(命令された指示は“下がれ”だった)ちょ…ちょっと待ってよ!確かに私はこんな状態だけど、でもまだ戦え…(と抗議しつつ一歩踏み出した途端だった。逆に彼がこちらに踏み込み、肩を痛いほどに強く掴む。その相手の表情にただならぬ気配を察知した董は、何も言えなかった。そしてかけられた言葉は董に対して響いた。それは彼が評価してくれたことが嬉しかったわけではない。そうでもして自分を逃がそうとする彼の意志を感じ取ったのだ)なんで…(なんでそこまでして自分を生かそうとするんだ。私を置いて逃げればいいではないか。そう思った。出来損ないの屑を生かして、国を支える軍人を殺す。そんなの、おかしな選択だ。火を見るよりも明らかである。…が、彼は自分を生かそうとしているのだ。しかし、その考えは白刃の笑顔を見て中断された。私も戦う。もう一度そう言おうとしたが、再び火津彌が言葉を遮った)…ッ!(生きるか死ぬか。生か死か。生者か死者か。もはや選択肢はないに等しかった。董には彼の必死の訴えかけに更に反論するほどの図太さがなかった。彼に逆らうという考えはなかった)   (8/3 20:49:51)
ゑゐりあん/董 > …わかった…だけど生きて!あんたも生きて!!色々と文句言いたいんだから、絶対に生きて帰ってきてよね…ッ!!馬鹿火津彌…ッ!!(そう言って董は踵を返して走り出した。なんで自分を助けた。なんで自分を逃がした。なんで自分を捨て駒にしなかった。色々と聞きたいことがあるのだ。今死んでもらっては困る。だから生きて欲しい。…なんてことを言い訳がましく心の中で繰り返しながら必死に逃げ出した。何故だか止まらぬ涙を零しつつ)   (8/3 20:50:32)


マリア/火津彌 > (振り上げた腕、突き立てた銃口の先端部、投げられた、賽子。──爆発音と共に来る仰け反りそうになる衝撃に耐え切り、虎の子の一発を脳天にブチ込むべく手首に力を込める。が……銃口も、弾丸も、白い玉鋼によって弾き返された事を、宙返りをしながら距離をとった異形を見てようやく、0コンマ数秒遅れて火津彌は理解した。まずい。小娘は……董は逃げられそうだろうか?もはや気にかけながら戦う余裕も残ってはおらず、董が逃げてくれなければ共倒れをする運命だろう。それを悟ってくれたのか、どうやら董は逃げる事を選んでくれたらしい。耳に飛び込んできた『馬鹿火津彌!』という言葉に火津彌はふっと息を吐いた。笑える余裕は、なかったけれど。睨み合う両者の表情は、酷く対照的だった。)「あぁそうか、そらおおきに……。」   (8/4 00:32:01)
マリア/火津彌 > (気味の悪い“アプローチ”をする異形に、ぽつりとそう答える。華と皮肉は尊華の宝……なんて、この状況では、その言葉が一番の皮肉だろう。それでも減らず口を辞めないのは、打つ手のないこの局面にもなお打開策を求めての事だった。言葉を紡ぎ続ける事だけが、魔術師の矜恃だから──とでも言うべきか。……どうすれば時間を稼げる?どうすれば詠唱の時間を確保出来る?挑発?対話?こいつの奥底に、あるものは…………──硝煙の匂いが立ちこめるスラムの路地で睨み合う両者……先に動いたのは、白刃だった。)「…くっ!」(弾がありもしない火縄銃を斜めに構えて、微かに重心を下げた。まるで才能を感じない下手くそな姿勢に……鬼が笑うだろうか。しかし、随分と大袈裟に助走をつけて振りかぶった白刃を見て、『受け止められる…!』と火津彌は即座に感じた。銃を横に構えた、瞬間。)「……う…ッあぁ゛…!!」   (8/4 00:32:23)
マリア/火津彌 > ( 振りかぶったほうの腕ではなく、反対側から放たれた靱やかな剣戟が火津彌を切り裂いた。肩からまともに命中し、ずるりと鳩尾、脇腹まで、赤い線が迸る。内蔵は裂けられたようであるが、最も傷が深い肩はもう上げられそうになかった。一瞬の事であったが、その瞬間何かが折れる異音を確かに耳にしていた。長いものが折れる音、パキポキだなどと可愛いものではなく、どこか肉感を伴う、ボグ、ボキ、という気味の悪い音。それも、無数に……。振り下ろした白刃の腕がぶらりと揺れるのを見て、ゾッと鳥肌が立つ。……異形とはいえ、先程はまだ『腕』の形をしていたはず。……目の前の怪物は、みるみるうちに形を変え、もはや人型であったことすら手放し、何か概念的なものになろうとしているのだろうか。)「…バケモンめ…ッ、『好きな相手』に対して、随分な愛情表現、やない、か……」(筋を絶たれた右肩を左手で庇いながら、減らず口を叩き始めた。もう何も残っちゃいない……ここまでか、月光。)   (8/4 00:32:42)


しぃずま@しらは > 「(空気のソナタに血のコーラス、浴びる指揮者の振るう指揮棒、赤く染まりて夜に煌めく。)」   (8/4 01:49:26)
しぃずま@しらは > 「(闇の中の黒に、あなたの隊服の黒に、色彩のない建物の白に、空の月の白に。唯一の赤は、その朱を浴びるとすぐに消え去った。怒りや悲しみ、苦しさ、辛さ、そんなものよりも、もっと大事な感情があるのだもの。それに見合う対価を手に入れることができたのならば、その全てが消え去るほどに。血を浴びては思い出す、あのコの血飛沫。わき腹を貫いて、絶望したあの顔は、とっても愉快だった。邪魔が入らなければ、もっと、もっと楽しめたのに。…どうして、この世はこんなに厳しいのかな?壊したくなっちゃうよ。…あれ。こんな感情、なんて言うんだっけ…?一瞬、後ろにのけ反る顔が靄にかかったように闇の中に沈んでいく。しかし、「まぁいいや」と呟けば、その首もかくんと力なく下ろされる。その下ろされた顔の中にある口の間から、月光を弾き返す歯が、黄ばんでいながらもやはり輝いていた。光のない瞳とは真逆の、煌めく歯。対照的で、いっそ鈍い反射光も眩しいほどに見えてしまうほどなのだった。)」   (8/4 01:49:43)
しぃずま@しらは > 「Ah!Ah!Ah!いい、いい声だねえ!(脇にある、どこへ繋がっているのかもわからない、崖のように急な階段は、底が見えないほど暗く。古ぼけた木でできた、がたがたの建てつけが悪い家の壁の隙間から覗いている視線は、無感情で光も熱もなく。その瞳は、彼に、白い刃にとても似ている。何かはあったのだろうが、今何があるわけでもないのに、無秩序に絶望をし続けている。または、何かに執着している。あるいは、何も出来ないままでいる…そんないくつもの「ナニカ」が込められていて、逆に「ナニモ」ないような瞳が。獣のような瞳が、ただ見ている。品定めするでも、襲いかかるでもなく、ただ見ている。…スラムに住む人間だ。救えない人間ばかりの、闇の街。見るも見ずも、傷つけるも傷つけられるも、どうだっていいのだろう。人格破綻した人間の、それが心理だ。)」   (8/4 01:50:01)
しぃずま@しらは > 「あぁでもね、ボクが好きなのは、君じゃないよ。(最後に。動けなくなるように。2つの剣が、あなたの両足へと向けられる。)ゆっくり、終わらせてあげる…♡(肉体たる腕の刃は既に乱雑に鞘へ突っ込まれ、そしてその空の手には、ニッカポッカのポケットにあったらしい、10本ほどの投げナイフが握られていた。そして。それも、足へと投げられ。そして白刃も、それを追うようにして走り出す。すると、投げナイフを長剣で打ち込み、さらに加速をさせてから、そのままあなたの脚、その筋へと剣を降り下ろした。…あなたしか見ていない、この刃には関係ないだろうが。空を見上げれば、満月が上っている。)」   (8/4 01:50:24)
しぃずま@しらは > 「(今日は、月満つ日であった。)」   (8/4 01:50:41)