この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

ミザリー&由良

夜の邂逅

黒/ミザリー > (あくる日の、ウェンディア王国、その騎士団本部。魔術砦の一角にて。ごつごつと、人を寄せ付けぬ雰囲気を醸し出す砦に似つかわしくない細い線が足をゆらゆらと揺らす。......騎士団の異端。ミザリーが、壁の凹凸の凹、窪みにほっそりとした腰を収めてぼーっ、とした表情で空を見上げていた。......私ことミザリーは、数ヶ月程前にようやく騎士団へと入団できた。思えば両親は随分と過保護だった物だ。屋敷の敷地内を散歩するにしても護衛を数名寄越したり、この歳になるまで入団の許可をくれなかったりと。......私は呆れら、感謝やらの感情を込めて息を大きく吐き、強めにかくん、と首を右側へと傾けるのだった。......目に入る頑強そうな壁。それに右手、人差し指と中指を伸ばし......一撫で、二撫で。柔和な肌にざらざらとした質感が伝わる......。......他人が見れば物思いに耽っている人。騎士団員から見ればまた異端が何かやっている、と。そう感じるだろう。...この女そういう事に無頓着である。)   (7/30 23:36:08)


マリア/由良 > (仕事の為に帝国へ発つ、数日前の事であった。他の密偵達と情報共有をする為、騎士団本部に足を運んでいた由良は、砦の前で足を止めた。儚げに佇む一人の少女……いや、あどけなくは見えるが、少女というよりは女性、だろうか。騎士団員であれば何か人を待っているとか、そんな所だろうと会釈をして通り過ぎる所であったが、制服を着ているわけでもない彼女は、一体……?騎士としての霊性を持たず、人知れず仕事を熟す密偵は騎士達との繋がりが薄くなりがちなせいもあり、彼女が『異端のミザリー』であることを、由良はわからなかった。──一般人がこんな所で何を?それが、まず初めに抱いた印象だ。)「……や、お嬢さん。こんな所で何してるの?騎士団に用事なら取り次いであげようか。あー、その、ちょっと顔がきくからさ。」(主語を避けた独特の喋り方で、そう話しかける。)   (7/30 23:45:37)


黒/ミザリー > (ようやく騎士団となれた事で、感慨に浸っていた所......ふと、声をかけられた。ふわり、と長い黒髪をなびかせながら、ミザリーが振り反る。)「___あぁ。見知らぬお方。こんばんは...。」(すぅ、と軽やかに、凹の窪みから立ち上がり、そして落ち葉が落ちるような動作で壁の端から、内壁の床へと降りて。...数歩前へと歩み、由良の前で自然な動きでカーテシーを披露し)「ご親切にすいません。私、このような服装ですが、これでも騎士団なんです。今はただ、物思いに...。私、ミザリーと申します。......では、私はこれで。ありがとうございました、見知らぬお方」(自分を気遣い、声をかけてくれたであろう親切な人に、丁寧に事を説明して。そして、最後にお礼をし......お上品なお辞儀を由良にすると、長髪とマフラーを翻し、砦の暗がりへと消えて行った)   (7/31 00:05:38)