この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

董&火津彌

横紙破りの女

ゑゐりあん/董 > 「なぁ知ってるか?最近剣を使うイモータルが出てきたってよ」(そんな噂を聞いたのは、仕事が集う酒場であった。火津彌とのひと悶着から少し後、仕事を探して入り度っていた酒場でそんな話をしている人がいたのだ。白く、剣を扱うイモータル。これはまさしくうってつけだと考えた。董は幼い頃より剣での戦いを繰り返してきた。その為、剣を持つ相手に対しては人一倍の自信を持つのだ。そんなわけで董は、その噂をしていた者たちに詳しい話を聞き、イモータル討伐に乗り出したのだった。…今思えば、董は躍起になっていたのだ。繰り返し味わった敗北。そして現れた高い高い壁。それをまざまざと見せつけられ、焦ってしまったのだ。だからこそ、本来ならば軍や騎士団が相応の覚悟をもって行うべき行為を、董は行おうとしていたのだ。敗北を繰り返したことなんぞ忘れ。しかし、もちろんなんの用意もなしに戦うのはまずい。まずは敵の情報を得なければ。そう言うわけで董は、噂を聞いてからそのイモータルの情報を聞きまわった。   (7/30 01:49:12)
ゑゐりあん/董 > そのかいあってか、それなりの情報が集まり、明日、討伐に向かう予定である。そこで董は英気を養うために少々高い金を払って食事をした。今はその帰り道である)…白刃の笑顔…。…イモータル…か…(相手は白刃の笑顔というイモータル。そもそもイモータルは不死の存在だという。しかし、無力化することは可能なのだ。無力化したのちに、どこか軍にでも売ればいい。そうすれば自分の名声も轟くだろう。まとわりつく不安を忘れるかのように、明るいことだけを考える董。すると、気付けば細い路地に入っていた)…ここは…(この場所は、先日あの少将と出会った路地である)…火津彌…(その時の苦渋を思い出し、歯を噛み締める董。彼は、今まで出会った中でも相当嫌いな相手である。できれば二度と近づきたくない、そう思えるほどの。よほど嫌いなのか、つい先ほどまで輝かしい未来を浮かべていた脳内は、火津彌一色に染まっていたのだった)   (7/30 01:49:14)


マリア/火津彌 > 「白刃の笑顔、か。」(書簡の取り締まりが緩和された近年、情報を手に入れる為の手段として確かな地位を確立しつつある新聞。この大陸で起きた大きな事件、事変を知ることができるそれは信憑性についてはまだ疑わしい部分も多いが、それでも紙価を高め続ける理由してはやはりイモータルの出現が関係しているだろう。誰もが情報を欲し、身を守りたいと願った。火津彌も軍部に所属する身として情報を欲している為、時々買っては目を通しており、今もその記事について思い巡らせていた。──今朝読んだ記事、『白刃の笑顔』について。王国での事であるからそれまでは知らなかったが、つい三年前まではウェンディア中を震撼させた有名な連続殺人鬼であった、らしい。そこまでならば過去のことかとすぐに頭の隅へと追いやった事だろうが、引っかかったのはそれと思われる似た事件が各地で再び見られていること、そして何より……──『白刃の笑顔』に止めを刺したのが、元ウェンディア聖騎士団千騎長、現聖フィニクス騎士団万騎長のオウガであったということだった。火津彌がその記事を目にしたことに、何か命運めいたものを感じざるを得なかった。)   (7/30 02:17:45)
マリア/火津彌 > 「王国か……。近頃は汽車で行くことも出来るし……もしもそれが死から蘇った異形であるとするならば、仕事として……ふむ……。」(ぶつぶつと喋りながら歩いていた所為で、気がつけば以前一悶着あった狭い路地に入り込んでいるのにも気づかず、前を歩いていた人物に後ろからぶつかってしまう。)「うわっ!……し、失礼。」(咄嗟に手に持っていた、白刃の笑顔の事が書かれている面を小さく畳んだ新聞を地面に落としてしまった。それを拾い上げ、顔を上げた。)   (7/30 02:18:06)


ゑゐりあん/董 > おっと…申し訳ござらん…って(董も董で火津彌のことを考えていた為か前を見ておらず、ぶつかってしまう。優れた体感故に倒れることはなかった董は、頭を下げ謝罪をする。…が)あ…(顔を上げると、そこにいたのは董の中で絶賛話題沸騰中の火津彌だった)ほ…火津彌…ッ!?(驚きのあまり声を荒げる董。しかし、彼の手にした新聞を見てドキリとする董)火津彌…お前…白刃の笑顔を…(狙いは、どうやら同じだったらしい。となれば、有利なのは向こうの方である。常に相手は自分よりも先んじている。そう思うと、再び怒り心頭になった単純な董は、火津彌を無言で睨みつける)   (7/30 02:22:47)


マリア/火津彌 > (ぶつかった相手は、またしてもなんの因果か。以前しょっぴいた辻斬りの女だった。)「あっ、お前ッ!」(……しょっぴけたのだろうか?しまった。うつけの竜灯に事後確認をするのを怠った。調書を見れば今頃名前くらいは解っているだろうに、あなたの名前も知らない火津彌とはまた対照的に、馴れ馴れしくも字を呼ばれては仮面の下の眉を顰める。)「……なんや小娘。また会うとはな。もう辻斬りはしとらんか?……ん?この新聞がどうかしたんか。……まさか、辻斬りの次『異能狩り』か?」   (7/30 02:30:08)


ゑゐりあん/董 > …私は小娘じゃない。董だ(小娘と言われるのは癪だったようで自分の字を教える董。本来ならば教えたくもなかったが、小娘呼ばわりされるよりかはよっぽどましである。そして相手から異能狩りかと言われると、バツの悪そうな顔をし、目をそらしつつ小さな声で)…そうだよ(と言った)…なにさ。悪い?私だって傭兵だ。イモータルを狩ることだって仕事なんだよ。それとも何?お上は私の仕事に口出しするつもりなの?(腕を組み、ふんっと鼻を鳴らす董。絶対にお前の言うことは聞かないぞ、と臨戦態勢だ)   (7/30 02:32:58)


マリア/火津彌 > 「そうか。では、私の事も火津彌さんと呼んで貰おう。一回りも違う小娘に呼び捨てにされるのは些か我慢ならん。少将殿でもええぞ。」(あなたが字を教えた意図を解らぬ程鈍い男ではない。意趣返しを込めた皮肉として、もう一度小娘と呼んでにやりと不器用に口角を上げた。ハリセンを叩くかのように、火津彌の手の中で畳まれた新聞がパンと小気味の良い音を立てる。厭な尊華人──それが彼だ。)「傭兵……?ほう、そうか。……ふむ、罪のない国民に決闘を申し込む事に比べれば、どう罪状を渡すか悩ましいところではある。」(腕を組むあなたをじっと見つめて、言葉を続けた。)「……イモータルを狩ったからといって、しょっぴく様なことはあらへん。しかし、辞めた方がええとは忠告させてもらおう。ま、この新聞がどこまで信憑性を持っているのか、そもそも疑わしくはあるが。各地で起こっている失踪事件が本当に白刃によるものなのか……白刃だとするならば、死んだはずではなかったのか……イモータルなのか、どうか……。これら全てを調べあげるのは、一介の『傭兵サン』の身には余るんちゃうか。」   (7/30 02:49:37)


ゑゐりあん/董 > ぐ…ッ(まさかの意趣返しである。やはり、こういった頭の回転は火津彌のほうがはるかに上である。いちいち自分よりも上にいる男だと董は憎たらしく思いつつも)し…少将…殿…ッ(と悔しそうに声を震わせつつ言う。そして相手の威圧的な態度に反感を覚えたのか、ギリギリと歯を食いしばる)…やめるわけないでしょ。…折角のチャンスなんだ。これを逃したら、私は自分の強さに自信が持てなくなる(忠告を受けてもなお、戦う姿勢は崩さない董。…が、更に言葉で責め立てられ何も言えなくなる)それは…そうだけど…(だめだ。強大な敵と戦う前にこの男に負けてはだめだ。もっと強きにならなければ)…うるさいッ!!私は!私なんだ!だから何をするかは私が決める!関係ない人がどうこう言わないで!!(と大声で叫び、相手の新聞をひったくって走り出す董)少将殿が来るよりも先に、私が白刃の笑顔を殺すんだから!(律儀に少将殿と言いつつ、舌を出して走り去る董)絶対…見返してやるんだから…ッ(走りながら、新聞を握りしめつつそんなことを想う董。もう二度と、“伊丹の”とは言わせない。私は私。それを思い知らせてやる。そう思いつつ)   (7/30 02:58:56)


マリア/火津彌 > (『少将殿と呼べ』という要求に、思いのほか従順に従ったあなたを見て、仮面の下でぶっと噴き出したくなりそうな笑いを堪えた。『な、なんやコイツ……』と思いながら、拳を口元にあてがい平然を装う。何かわーわーと喚いているようだ、強いとか弱いとか、まだ言っているというのか……なんとも頑固な小娘である。)「あのな……」(と声をかけようとするが、それはあなたの叫びによってかき消された。新聞をひったくって逃げ出され、一瞬のことに火津彌は呆気に取られる。)「……あっ、また……。くそ、帰って竜灯に確認するとするか。あのうつけ、ちゃんと仕事はしたやろな?あぁ……。」(ふと、董に大事な事を伝え忘れたことに気づく。白刃討伐を邪魔立てする一番の理由。『僕が目をつけた獲物やぞ』と言うことに。)「王国か……。」(路地を抜け、再び歩き出す。)〆【横紙破りの女】   (7/30 03:20:08)