この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

竜灯&婀娜

皺くちゃの紹介状

シロー/竜灯 > 王都ウェント。大通りの服屋の前で何やら騒ぎが起きていた。)「この...えっと、ジャケットの背中に、これを入れるだけでいいんじゃ!頼む!金なら払うと言うとるぜよ!」((店先のショーケースの中に飾られた男物のジャケットを指さして、大きめの声で店員と思われる人間と話す和服の男。自分の背中を見せ付けながら、交渉をしているようだが良い応えは聞けなかったらしく。何度も頭を下げられて、店員が店の中に戻って行くのを後目に。店先でばつの悪そうに髪を掻きながら、名残惜しくショーケースに張り付くように立ち尽くし覗き込んでいた。)「くっ⋯惜しい、惜しいぜよ⋯いっその事買って、尊華で染めて貰うのも悪くないけんど⋯⋯。」((腕を組んで暫く悩んでいた様だが、数十秒後には切り替えが終わったのか。肩を竦めてから大きく伸びをして、昼下がりの太陽を見上げながら瞳を細めるのだった。)「まあ、腹が減っては何とやらというしの~!」   (7/29 23:49:09)


山葵/婀娜 > すみません。(腹が減っては何とやら、そう呟き店から立ち去ろうとする男を引き止めるは絹糸の如き艶やかな髪を持ったかなり高身長の女性?が。真っ白なフリルの日傘をさし純白のドレスに身を包んだ明らかに高貴な雰囲気を醸し出した彼女は、かつかつとヒールの音を響かせ竜灯の側まで近付く。)何やら…先程から騒ぎになっていらしたのでお声がけをした所存で。…何か、御座いましたか?(ふ、とその赤い唇をゆっくりと上げて微笑むと、そう小首を傾げ尋ね。本当は尋ねる必要など全くない。だって全て見ていたから。それでも…事実確認は大事だ。何か間違っていればそれだけで一大事な職業柄故、こうして確認してしまうのかもしれない)   (7/30 00:05:39)


シロー/竜灯 > (そこらで軽く腹拵えをして、ついでにゼダスさんの所に顔を出して⋯⋯そんな大雑把なこれからの予定を頭の中で組み立てていると、突然すぐ近くで発せられた声。王国人にしては妙に聞き取りやすい声色にそちらに視線をやれば女性にしては高身長な...着飾った人がいた。真っ白なドレスには少しの汚れも見当たらず番傘とは違った真っ白い傘、眩しさに思わず瞳を細めてしまい。はっとして髪をかきあげた。)「あ、こりゃあすいません...!いやぁ、この服に一手間加えてくれんかとお願いしたんやけんど、何やらそれは無理みたいで...何度も聞き返されたから、つい声を張ってしもうたちや。許しとうせ。」((見ての通り尊華訛りが酷くての。と心の中で呟いてから、『ちゃんと俺の言葉通じていますか?』と聞き取りやすい言葉遣いを意識して、自分の事を親指で指差しながら笑った。そのまま上から下までじーっと貴女を見詰めると)「ああ、俺は竜灯ぜよ、宜しく頼みます。毎年花祭りは楽しませて貰っちょるぜよ。」   (7/30 00:29:29)


山葵/婀娜 > 成る程…。そうだったんですね。(これは…尊華人でも珍しいくらいの訛りだな。そう考え顎に手を当てる。己は別に尊華の訛りなんかはある程度覚えているので大丈夫だが、彼に手っ取り早くきちんと通じているのを伝えるには…) ……大丈夫や、ある程度尊華の訛りは勉強しちゅーき。私相手なら気にせいでも平気やよ。……んー、合っていますか?間違えていたら申し訳ないのですが…。(そうはに噛んだような笑顔をふわり、と浮かべて見せる。花祭りの話題が彼の口から出れば、此方もこくりと頷き)ありがとうございます。尊華人の方にも楽しんでいただけて、光栄です。……あの、宜しければ…服飾のことは私が言いましょうか?此処でこうしてお会いしたのも何かの縁ですから。(少し重く、そして少し恥ずかしげにそう切り出してみる。此処でお近付きになれれば…尊華の内情ももっと詳しく知れるかもしれない。そんな欲混じりで。)   (7/30 00:49:33)


シロー/竜灯 >  「お⋯⋯おお!?」((竜灯はあなたの口から発せられた声に目を丸くした。驚きを隠しきれずに感嘆の声を漏らしてから、みるみるうちに表情を楽しげなものに変える──事も出来ず、暫くの間驚きが抜けない、といった様子で己の首を撫でていた。)「合っとる合っとる!い、いやあ驚いた。げに、まっこと⋯⋯。凄いの、完璧じゃ。もっかしておまん厘都訛りも出来んか!?幾ら何でも無茶ぶりかぁ」((舌を巻いた、完璧だった。故郷の皆の顔を脳裏に思い出してしまう程だ。興奮冷めやらずといった表情で目を見開き気味に貴女を見つめ、捲し立て気味に問い掛けてしまった。髪を掻きながら、ばつの悪そうに眉を寄せて下げると貴女のありがたい提案を首を振って「ええよええよ」と否定した。竜灯にとって服などもう興味の外なのだろう。今は生粋の王国人でありながら自分の故郷の方言を流暢に話した貴女本人の興味が勝っていた。先程とは真逆に、貴女を見つめ楽しそうに輝く瞳を見れば分かるはずだ。   (7/30 20:04:08)


山葵/婀娜 > 一応は話せますえ。…あまり正確では無おすが。こないな感じで合うてますのん…?(かなり興奮し、まるで少年のように輝いた瞳を向ける男に、此方も嬉しくてつい厘都訛りを口にしてみる。)…戦争が終結した三年前…それよりももっと前から尊華訛りは勉強していましたもので。こうしてこの自身が学んだ事を生かす事が出来て嬉しいです。(実際に密偵時でも役に立ったのだから、なんでも学んでみるものだな…なんて心の中でひっそりと考え。)…おや、宜しいのですか?…ふふ、分かりました。(彼の心底嬉しそうな目を見れば、もう服への興味は微塵も無くなっているのだな…とよく分かる。こくりと頷き竜灯に微笑むと、手を差し出すと握手を求める。)…私は、アーデルと申します。…宜しければ、お名前をお聞きしても?   (7/30 22:53:14)


シロー/竜灯 > 「おぉ合うちょる合うちょる!まこと流暢ぜよ、火津彌さんに聞かせても完璧ちやな⋯⋯。」((上手な厘都訛りの一つ、上司である火津彌さんの故郷の訛りも話せるかお願いしてみたら案の定。語尾の微妙なアクセントまで合っているかは自分には分からないが、守山の訛りが全く違和感無かったんだ、きっとこれも細かい所まで完璧なのだろう。面白い、その他に少し尊敬に似た感情を抱きながら名乗られると、はっとして貴女の手を握り返して自己紹介をした。)「あっすまんの、そちらから名乗らせてしまって申し訳ないぜよ。俺は竜灯、いつかこの大陸に名を馳せて伝説を作る男じゃ、あーでる、⋯⋯アーデルさんも覚えといて損は無いぜよ。」((宜しく、と人の良い笑顔を浮かべながら握手を受け、何度か上下に振ってから「こがな美人と知り合えて今日は運がいいの。」と出会って間もない相手に歯の浮くような台詞を吐き出した。   (7/30 23:08:43)


山葵/婀娜 > …そ、そんなにお褒め頂けると…何だか歯痒いですね…。(照れ臭そうにはにかみ笑いを浮かべ。完璧だ、との言葉に何だか嬉しさがふつふつと沸き、どうにもこうにも恥ずかしい。)いえ、大丈夫ですよ。…竜灯さん、ですね。…伝説を…ですか?…ふふ、そうですね。竜灯さんが伝説を作るまで…しかと心に刻んでおきます。(伝説を作る男、との竜灯の言葉にこくりと頷き。伝説を作る、その単語に目を輝かせ微笑むと、彼からの歯の浮くようなセリフに思わず顔を赤くする。)…!そ、そんな、美人だなんて…(思わず顔を両手で覆い隠せば、暫く身悶えし)   (7/30 23:32:08)


シロー/竜灯 > 「アーデルさんは美人ぜよ、そうやって笑う所も...いやぁきっと大勢から好意を寄せられちょる筈ぜよ、その奥ゆかしさがあれば尊華でもきっと皆が放っておかんと思う。」((顎に手を当てて貴女をじーっと値踏みするように見つめると諦めたかのように眉を下げながら目を閉じて、口元を軽く緩めた。肩を竦めて呟かれた言葉は「でもいい所の御息女っぽいの、こりゃあ俺には無理ぜ、諦めるちや!」冗談っぽくあっはっは!と一頻り笑った。軽く話しただけの仲だけれど、名を教えあって笑いあった仲。袖振り合うも多生の縁とも言うことだし、ここでお別れというのも寂しいの。すん、と鼻を鳴らして笑みを収めると何やらガサゴソと羽織の中をまさぐって。懐から取り出された手の指に摘まれていたのは少し皺のついた小さな紙だ。これじゃこれじゃと頷くともう片方の手で貴女の手を取り。小さな紙を掌に乗せて握らせた。)「俺はもう飯を食って行くがの、これは礼ぜよ。帝都で一番美味しい茶屋の割引券じゃ、どれだけ安なるかは忘れたけんど⋯⋯兎角!兎角安くなるき、是非行っとうせ。」   (7/30 23:49:18)


山葵/婀娜 > …尊華の方は本当に…褒めるのがお上手なのですね…。(顔を手で覆い隠したまま、蚊の鳴くような小さな声で呟く。いやいや、これは演技でも何でもない。こんなに色々と褒められたのも何だか久しぶりで歯痒い。かっ、と湯が沸きそうなほど赤くなった顔をどうにか落ち着かせる。そうして冗談っぽく笑う竜灯に此方も口元を手で隠しながらふわりと笑うのだった。)……宜しいのですか?(くしゃり、と少し皺が寄った紙を受け取る。帝都で一番美味しい、その言葉に期待を膨らませ、何より彼が己に物を渡してくれたのが、嬉しかった。)…此方も何かお渡ししたかったのですが…生憎手持ちが無く…。ごめんなさい、また会えた時には必ずお礼をさせて下さい。(そう微笑み、竜灯にペコリと礼を一つ。)   (7/31 23:05:41)


シロー/竜灯 > 「勿論ぜよ。⋯その店は可愛い看板娘がおるからの。そん人に竜さんの知り合いと言うてくれれば俺の所にも話が回ってくる筈ぜ。」((渡された小さな髪には茶屋「里桜」との文字が書かれていて。なんだかんだ良い子やき、この二人も仲良くなれるだろうと頭の中で想像しつつ、腕を組んだまま片方の人差し指と中指をピースの要領で立てて、歯を見せて笑った。さて──。と僅かに屈みながら羽織の裾を払うと、熱さから汗が滲んだ額を拭う。正確には額に巻かれた鉢巻に汗が滲むのを感じて前髪を整えただけであるが、気持ちよさげに眩しい太陽を一瞥すると踵を返そうと貴女に半身を向けた。)「⋯⋯では、そろそろ行くぜよ。こう見えて俺は軍人じゃき、榮郷基地を尋ねればまた会えるぜよ。いい手土産を期待しとるちや、アーデルさん。」((最後にふっと笑顔を残すと、ひらりと手を振って人混みの中へ竜灯は消えていった。【皺くちゃの紹介状】   (8/1 00:10:05)