この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

由良&雷鏡

袖振り合うも他生の縁

マリア/由良 > (茶屋での一件から数日。俯いてとぼとぼと歩いている由良は、仕事中にも関わらず珍しくスタンドカラーのシャツに黒のズボンという質素な格好をしていた。化粧をして扮装をしてはいるものの、王国から着てきた服を引っ張り出して着ているのには、理由があった。まずは、新しい服を買いに着たのだ。泥だらけになってしまった旗袍は今はあまり着たくなかった。足を止めたのはとある呉服店の前だった。ショーウィンドウに飾られた宣伝用と思しき振り袖に目を奪われ、しばらく立ち尽くす。)「……着物……。」(悪くないかもしれない。そんな事を思いながら、入るのを躊躇っていた。)   (7/29 23:04:41)


グレー/雷鏡 ◆ > 今日はちょっとばかりのお出かけさー♪(と、気のいい歌を歌いながらトコトコと歩いている。彼は本日は万事屋をお休みにして、尊華に遊びに来ていた。理由としては、やはり美味いもののために彼はここに来ていたのだ。最近貯金が金庫に入り切らないレベルまで貯まってきているので、さすがにある程度は消費しないとと思い、思い立ったら即行動。即座に尊華の通貨に自分の貯金から引っ張り出したお金を為替し、尊華に遊びに来たというわけだ。そして、そんなこんなで歩いていると……顔から何となく分かる人がいた……あれは確かこの前助けた女性で……呉服店を眺めているようだった。相手がどんな女性だったかは分からないが、どこか困っている様子だった。)   (7/29 23:13:32)
グレー/雷鏡 ◆ > どうかされましたか?(と、相手に声をかけてみようか。そして、改めて自己紹介がてら名刺を渡す。)そうそう、この前はまともに自己紹介もせずに大変失礼しました。私は雷鏡。ウェンディアに店を置く万事屋の店長にございます。(と、しっかりと自己紹介だけしておく。彼はこの幾年かで人脈の広さが依頼を増やすということに気がついたのだ。だからこそ、しっかりと広げられる人脈は広げておくように心がけているのだ。)   (7/29 23:13:44)


マリア/由良 > 「え……。」(声をかけられて振り向くと、それは数日前に会った男性だった。)「…あ。この前の……。こんにちは……。」(正直、会いたくない相手であった。ゆるゆると顔は俯き、声は沈んでゆく。)「え?はぁ……。」(突然脈絡もなく差し出された名刺に改めて、何故?と思いながらも一応といった様子で受け取った。あなたが誰であろうと、興味はないのだが。)「……あの、なにか?……何もなければ、私行きますね。」   (7/29 23:19:25)


グレー/雷鏡 ◆ > ま、営業はこんなもんにして。自己紹介も済ませたし。(と、彼はいつもの話し方に戻る。そうして…)いや、呉服店の着物を眺めている様子だったから、もしや気になっているのではないかと思ってね。もし何かしらお手伝い出来るのならばと思って声をかけたまでだ。それと、尊華に詳しそうだから美味しい飯屋を知ってないかを聞くこともあるけどね…(と、彼は苦笑をする。実際、女性に飯屋について尋ねるというのはさすがに野暮以外のな何物でもないと彼自身は考えているが、それでも食欲には逆らえないわけだ。人間だもの。しゃあないしゃあない。しかも、彼は尊華の料理がすこぶる気に入ったので、こうやってちょくちょく食べに来るようになったのだ。)特に熊の手もそうだけど、拉麺が美味しいんだよな……しかも色んな味付けもあるから飽きないし。(と、早口でそういうが、すぐに気づき…)あ、すいません…なんか。(と、ちゃんと謝る。)   (7/29 23:26:48)


マリア/由良 > 「あ、はい。そう…ですね。新しいのを仕立てよう、かと……。」(曲がりなりにも助けてくれた相手に先程の態度は酷かったのではないかと思いなおし、ぱっと顔をあげて笑顔を向けた。だのに、話しているうちにやっぱりゆるゆると頭が下がってきて、由良はあなたと目を合わせられなかった。『その服なんとかしたほうがいいぞ』と言われた時の気持ちが蘇る。その後宿に帰って枕を濡らしながら、痴漢をされるのは女にも責任があるとか、いじめをされるのはいじめられるほうにも責任があると言われているのと同じじゃないか、と遅れてやってきた怒りも。)「…‥ごはん屋さんですか。……ううん、そうですね……私は尊華の人間ではあるのですが、榮郷は地元じゃなくって……。」(社交辞令的ではあったものの、由良の様子を意に介した様子もなく話題をリードされているうちに、段々と由良のほうも、なんとか返事が返せるようになってきて。この人は、あんまりウジウジと考えていないというか……ただただまっすぐなだけなのかもしれない。)   (7/29 23:42:38)
マリア/由良 > 「……くすっ。」(そう思っていると、突拍子もなく出てきた言葉に、由良自身も思いがけず笑みを零してしまった。)「……熊の手って?」(文字通り、くまさんの手、なのだろうか。お次は拉麺ときた。なんだか子供のようで、どこか憎めないような気もする。)「……いえ。尊華を気に入ってくださったなら、民としても嬉しいです。」   (7/29 23:42:46)


グレー/雷鏡 ◆ > 着物ならいいんじゃないか?俺のイメージとしては尊華の人達……というか、着物来ている人達はなんか清楚な感じがするし。たぶん清楚な雰囲気だと結構受けがよかったりすることもあると思うぞ?(と、相手にそう行ってみようか。まあ、あくまでも彼の偏見的なものもあるのかもしれないけど。)まあ、この前は多分失礼なことを言ってしまって傷つけてしまったんだな……と反省している。「さすがにあれは言っちゃあかんかったな…」と。なので……すいませんでした。(と、しっかりと謝る。実際、自分で振り返った際に、「それは違くね?」ってなったため、自分が間違っていることに気がついたからだ。……彼は野生児的な一面が強いからか、とても真っ直ぐな性格だ。だからこそ、裏切りとか、相手を傷つけるような真似をしてしまうと、かなり考えて落ち込んでしまう。しかし、そこからしっかりと反省して次はないようにしようと考えるのが彼なのだ。)   (7/29 23:53:38)


マリア/由良 > 「そうですね……。私も、着物は好きです。」(にこっと笑ってそう受け応える。夢にまで見る程尊華の振り袖に憧れて、それでも王国民である由良がそれに袖を通す機会に恵まれる事はなかった為、ついぞ着ることなく成人してしまった事がいつまでも心にしこりを残していたため、なまじ着物を着たくないのは、複雑な乙女心だった。だけど、わざわざ忌避して良いことがあった試しもなく、きっかけがあるとするならば、それが今日なのかもしれない。)「いえいえ、そんな……えっ、あの……。」(素直に頭を下げるあなたを目にして、ぱちくりと目を瞬かせた。本当に、なんと素直な人だろうか。)   (7/30 00:08:06)
マリア/由良 > 「……雷鏡さん、頭をあげて下さい。その、たしかにあの時は、怖い目に遭ったこともあって少しびっくりしちゃって。でも……助けてくれたのはあなたでした。私こそお礼もそこそこに、出ていってしまってすみません。」(わだかまりがなくなり、今度こそにっこりと優しげな笑みを浮かべた。)「そう、ですね。うん……一枚仕立ててみようかな。雷鏡さんもしばらく尊華にいらっしゃるようなら、ちょっと見ていかれますか?近々お祭りもあるみたいですし。」   (7/30 00:08:15)


グレー/雷鏡 ◆ > …許してくれるのか?(と、相手に問いかける。それもそうだ。もしかしたら相手の心に治ることのないような傷をつけてしまったのかもしれないと考えた時もあったからだ。しかし、彼のその真っ直ぐな誠意が……相手に届いたのかもしれない。)では、俺も……あわよくば兄貴の分の着物も買おうかな…?……そもそも俺の体に合うような着物があるのかな…?多分、尺を測ってオーダーメイドにするといいのかもな……多分これ以上身長は伸びないだろうし、体型も急激に変わることもないだろうからな……(と、彼は考えた後に)それじゃ、一緒に見ようぜ。(と、相手に後ろ手を差し出す。まあ、彼が無意識のうちに手を出しているのだが…)   (7/30 00:22:03)


マリア/由良 > 「ええ、もちろんです。……私でよければ、お見立て、お手伝いしますね。」(そう答え、差し出された手を見て一瞬たじろいだ。帝國人なら、きっと手は取らない。どうすればいいだろうかと考えた末……)「ごめんください。」(手は取らず、あなたの一歩後ろをついて店ののれんを潜った。あなたはどんな着物が似合うかな。季節的にも、お祭りとして着られる浴衣がいいだろう。色は、柄は……そんな事を考えながら、不思議な出会いは縁を強めたのだった。)〆【袖振り合うも多生の縁】   (7/30 00:41:42)