この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

ゼダス&ドクター

価値の天秤

ガエリオ/ゼダス > (夕陽が少し眩しげに僕の背を照らす。…自身の家…ともなっている工房から設計図を数枚入れた包みを抱え、慣れた足取りで目的地を目指す。僕自身親しみは無いが…騎士団に所属する者なら大半がお世話になっている施設だろう。…何なら、僕もこうして専用の工房を持たなかったらお世話になっていたかも。そう、騎士団寮。…その日の職務を終えた者が一時の休息に浸る場。所属する場所によっては激務故に泥のように眠るだろうし、上手くやり過ごし趣味に没頭する者もいるだろう。…今から会う人は、“何をしているか”手に取るように分かるが。…休息という休息を知らないのでは?とも思える。…いいや、プライベートなエリアだからこそ気を許し物事に取り込める…即ちそれが彼女の休息に当てはまったり…。 本当、色々な考察が建てられるな。___さて、適当な考え事をしてればあっという間に見えてきた建物。)   (7/29 16:42:10)
ガエリオ/ゼダス > (確か以前送った時を思い出して進むなら…と、指で他部屋を数えつつ…確認を交え貴女の部屋の出入り口の前へ。…『ノックは何回が正解だったか…』なんて。少し心の中で呟きつつも。適当に三回くらい右拳でコンコン…と扉を叩くのだ。そして左腕で包みを抱えながら)『___ドクター。…ゼダスです。以前話してた整備に必要な設計図を数枚程描き上げましたので渡しに来ましたっ。』(なんて、要件を伝えれば…貴女が出てくるまでの間適当に辺りの景色にでも目を向けておこうか。いや…扉だけジーっと見ていても変だから。一応ね…。)   (7/29 16:42:20)


ひよ。@ドクター. > 洋墨を抱えた万年筆が、すらすらと文字を、数式を、或いは図面などを認めるべく羊皮紙の上をカリカリと音を立てて走る。薄白色、やや黄色がかったその紙のすぐ側には燭台が置かれ、蝋燭一本、その天辺に宛ら灯台のような炎を抱き、その灯りは、私が手を、万年筆を動かすたびに、影を追従して動かすので、羊皮紙は常にどこかが黒く、くすんで見える。ほんの数センチ、開放された窓からは黄昏時のやや冷たい風が頬を撫でるようにして吹き込み、またそれはカーテンを捲りあげ、部屋に斜陽を注ぎ込む……だけならよいのだが、僅かながら床に乱雑に、いや、私からすれば規則正しく並べられた新聞の切り抜き、図面の一部などを動かすので、そのほんの少しの音に耳を傾ける。口元へ運び掛けていた愛用の、特にこれといった装飾もない質素なマグカップを慌てて机に置いて振り返るなどをするので、その雫は少量跳ね上がり、机上に水滴として残される。“よいしょ”なんて声を上げて、私はそれを元の位置に戻す。尤も、年頃の少女であれば、こんな“よいしょ”などという、どこか年寄りじみた声など、いやらしい。   (7/29 17:00:30)
ひよ。@ドクター. > そう思って、また、そういった声を発したのなら、自分自身を厭に思うだろうが、私自身は、決してそんなことを気にする素振りなど見せずに、再び机の上に広げられた図面に向き合い……だが、ふと、耳に入る異音。その音源を辿れば、自室の扉である。はて、と、隈の目立ついつもの目付きでそちらを眺めていれば、それは聞き慣れた声で“設計図を渡しに来ました”と。……開けてやるのが礼儀だろうか、だが、生憎と私は今、手を離せない。どうせ彼ならば、この部屋の有り様も理解するはずだろうか、いや、或いはそうでなくても、彼には何ら害はないはずだろうから、私は扉の向こうから聞こえる声に、しばらく声を発していなかったのか、まるで寝起きの人間が話すような、どこか掠れ気味の、だがいつもの高く澄んだ音の面影を残した声色で。「ミスターですか。それはそれは、お疲れ様ですよ。扉、開いているですから、すみませんが玄関にでも適当に置いておいてくれませんですか。私は今、生憎と手が離せません」洋墨瓶に万年筆の筆先をつけて、滴るそれを瓶の縁で気怠くいなしながら、そう返してみせようか。   (7/29 17:00:50)


ガエリオ/ゼダス > (てっきり扉でも開けてくれると思ったのに。貴女の声が扉を突き抜け、籠もったような音で僕の耳に入り込む。…一つ、ため息を溢した。没頭し出すとこれか…。僕も人の事を言えた身じゃないけど。景色から目を離し、扉に視線を向ければ)『……えぇ、そうでしたか。……では置いておきますから、明日工房で会った時にでも詳しく…。』(貴女くらいなはずだ。僕にこうして物を言えるのは。しかしそれに対して指摘する事も無ければ感情を乱すこともない。眼を通してくれるならそれでいい訳ではあるし。…こちらも貴女の言葉に承諾し包みを置くために右手で扉を開こう。…ガチャ…と音を響かせ薄暗い室内の入り口に眼を向ける。____物置、部屋?…僅かにコーヒーのような香りが僕の鼻をつつく。…少し眉を下げてしまうよ、これは…。___だって入り口から書類がぽつり、ぽつり。…奥へ進むほどにその量は増して山にでもなる勢い。)   (7/29 17:33:58)
ガエリオ/ゼダス > (ここに適当に書類を置き、去るで僕はいいかもしれないが…。貴女の礼儀は無視出来てもこの有り様は無視出来るかどうか。僕に害が無くても…性格故にと言うか。____悩んでても仕方ない。…ただ無言で閉めるはずの出入り口の扉は開けっぱなしに。夕陽で少しでも床が見えるようにと。靴を脱げば…貴女の靴と僕の靴を丁寧に並べよう。…再び部屋に続く道へ眼を向ければ一番初めに目に入った床の装飾にでもなろうとしてる書類を拾い上げる。やはり…丁寧に包まないからシワの一つは薄くとも生まれる。また一枚、また一枚。拾い上げれば束に。包みと一緒に左手で抱えながらゆっくりゆっくり貴女のいる室内へと進むだろう。)『……これ、いつも投げたままなんですか? お忙しいのは分かりますが…。 』(やがて貴女の室内の前まで拾いながら進んでくれば。貴女に眼を向ける事なく床を見ながら一言呟いた。勝手にここまで上がるのは無礼とは思うが…まぁ、こればっかりは許して貰いたいものだ。)   (7/29 17:34:15)


ひよ。@ドクター. > さて、では立ち去るミスターを横目に、私は作業に戻ろうかと思っていた。だが、ガチャリという音、扉の軋む音と共に一気に近くなったようにも思えるミスターの声は、段々と足音を伴って、より大きく耳奥へと響いて鼓膜を揺らすようだった。物置のようだと自覚すらしているこの部屋に、凡そ面白いものなど存在しないというのに、どうして彼はこうも平然と入ってくるのだろうか、それこそ、書類などで足の踏み場もないはずであるのに、……。考えられるのは、もしかして。悲観的に想定し楽観的に対処を、なんて普段は私もいうけれど、だが、今に限ってはそう言えない。ふとマグカップを置き、隣へ顔ごと向けてみれば、玄関から射し込む夕陽の、その橙色の光を背に、やけに整えられた通路と、そこに立つ、無数の書類を抱えたミスターがいた。思わず、私は目を見開いた。そうする他なく、立ち上がった。   (7/29 18:07:06)
ひよ。@ドクター. > 「──ミスター、貴方今何をしましたか、私は凡そ起こりうるすべての自体を想定していますが確認のため問いますですよミスター、貴方、その包みに入っていない方の書類はいったいどこで拾いましたか」いつにもない早口、また、素早い動作で、相手が答える前にそのバラバラの紙類を掠め取ってしまおうか。それを両手で抱え、指先でぱらぱらと角を捲り内容を確認しつつ、“投げている”なんていう相手の声に「はい!?」と、思わず声を荒げてしまう。そうして、こう続ける。「投げているんじゃないです、置いているんです。ええ、玄関先からここまで全てが規則正しくです、ええ! ああいけない、これではまた置き直さなければ……」書類を胸元に抱えたまま、そう落胆したように項垂れつつ、“失礼、取り乱しました”なんて、今更ながらではあるが平然を、文字通り“装って”彼に対応して。   (7/29 18:07:25)


ガエリオ/ゼダス > (手が離せないのでは無かったのか。立ち上がり、声が更に近くなったと感じられた。やっと床から貴女の方へ視線を向ける。相変わらずの隈。不健康極まりないな。___貴女が妙に早口なものだから少し眉間にシワが寄る。やはり、部屋に入るのが不味かった…?)『…ぇ?……いや、此処の通りで…。___ッ…!ちょっ…』(まだ話している途中だよ。貴女らしくもない強引さで僕の左腕の中に居た書類をごっそりと取られては、驚きも含まさって包みすらもドサっと音をたてて落下する。…大切そうに確認をするのも不思議であれば、声を荒げられ肩をビクッ!と震わせる。…紅玉もこれには貴女の何処を見ていいか分からないし『そこまで悪い事、した?』なんて…困惑である。少し困った顔で下を見つつも…貴女の口から出た信じられぬ言葉をつい…目を大きく開け繰り返した。)『___お、…置いている…。 規則、正しく…。』   (7/29 18:41:12)
ガエリオ/ゼダス > (……正気か。そもそも規則正しいなんて言葉…口では言わないが貴女にとてもじゃないが似合わない。…いや、意味を履き違えている?…右眼の瞼がぴく、ぴく…と震えた。“取り乱しました。”なんて聞こえれば…『えぇ、…気になさらず…。』なんて、取ってつけたように伝えよう。とりあえずしゃがみ込めば落とした包みを両手で拾い上げた。……貴女の言葉って妙に先導性があったりするのだけど…初めてだ。“これだけは飲み込めない。” これを、並べている。 嘘でしょ。非効率的かと言われれば人それぞれかもしれないが…一箇所に纏めた方が色々と部屋としても整うだろうに。立ち上がれば…ひとつ、息を吐く。…そして。)『…リック……。 僕には一つも関係ない事で、貴女のお部屋だとは十分理解した上で言いますが…。_____ この書類の山を一箇所に纏める…という、選択肢は…ないのでしょうか…。一応、聞きますが。』   (7/29 18:41:33)


ひよ。@ドクター. > ばさっと彼が、n十枚程度だろうか、そのくらいの書類の入った包みを落とすものだから、それが床に触れる衝撃で、近くのメモなどをまた散らす。私は抱えていた書類を机の上に置いては、“はぁぁ〜……”なんて長い溜息と共に、片手を自らの細く薄い腰に添えて、もう片手は自らの頭に、頭痛に悩む人のように添えてみせる。「ハーメルン……お願いですから貴方、もうそこから動かないでください。貴方が動くたびに、また何かしらが乱されそうで仕方がありませんですよ、ええ……」彼が別に、部屋に入ってくること自体はまるで構わないし、それは、彼だから特別に許しているだとか、そういうわけでもなく、決まって騎士団全員を平等で通すのだけど。けれど、これじゃあ、あんまりではないか。平然と、相手にそう、つまりは“動くな”と伝えて、さあ、どうしたものか。この散らばった書類を片付けようにも、はあ、これでは元の位置に戻すだけでも参ってしまいそうだ。全く、困ったことをしてくれる……。   (7/29 19:00:18)
ひよ。@ドクター. > 「一箇所にまとめるということ自体、今まで頭に浮かんだことすらありませんですよ。私がここに住むようになってから、ずっとこう。此処にはこれを、彼処にはこれを……といったように、既に定位置が固定化されていますので」脱力して、蝋燭の乗ったテーブルの前に置かれた椅子に、ぽすんと腰掛ける。変わらず、参ったように片手は頭に、時折彼に向ける表情は、隈が深く、それこそいつもと同じ“ドクター”の顔でこそあれど、蝋燭の灯火でより琥珀色を強めるその瞳は、どこか、普段よりも若干潤んでいるように思えるだろうか。私は人で対応を変えたりはしない。それは、等しく彼も、……。ハーメルンも同じである。彼からすれば、きっと私の方がおかしいのだろうけれど、だが、こればかりは、……。そういった様子で、珈琲を一口、口に含んで。   (7/29 19:00:32)


ガエリオ/ゼダス > (『今の僕が悪いの…!?だ…だってリック。貴女が…』____心でどう言っても仕方ないだろう。というか…口で言えない僕が居る。前々からだが…貴女にはどうも強く行けない。包みは僕の不注意もあるかもしれないが最低でも一滴くらいは貴女の強引さ故に生まれた落下。口が波を打つように、もう、本当に困った。僕がお邪魔虫みたいじゃないか。これでは…。)『…ッ…わ、わかりました…。動きません…乱しもしませんから…』(立場上…“一応”貴女は部下に当たる。…しかし、部下に指示される上司の図は何ともこう…見るに絶えないものか。これでは立場逆転だ。…だが、このまま失礼しましたと帰ってはこれを引きずって寝不足になりかねない。)『……はぁ…、そうですか…。それは余計な事を聞いてしまいました…。 ____し…しかし…最悪を想定するならば、貴女の近くのそれ。…その蝋燭が何らかの衝撃で倒れれば、これじゃ確実に…一瞬で。この部屋は火の海に変わりますよ…。それに…』   (7/29 19:31:49)
ガエリオ/ゼダス > (腰を下ろした貴女。…僕は銃でも向けられてるのかと言うようにその場で立ち尽くしたままだ。…顎でくいっくいっ、と。蝋燭を指しながら、せめて直接的では無く、回りくどく貴女へ“一箇所に纏める事は大切なんだよ”。 と伝える。あと、何か貴女に示せそうなものはないか。申し訳なさそうに貴女の眼を少し見れば…“若干潤んで”見える。周りの配色からか。…いやしかし、そんな潤まなくても。…そんなの見せられたら強く言うことすらままならないじゃないか。直様眼を離すと次に視界に入るは…“ベッド”。書類の山が横たわってるベッド。…それを視界に捉えるなり)『…眠る事を知らない貴女だって、流石に人間ですからいつか睡眠は取るでしょうし…。ほら、あれじゃ眠れませんし…。というかこれじゃ…リック、貴女何時も何処で眠ってるか分かったものではないし…。……んぅ…。』   (7/29 19:32:32)


ひよ。@ドクター. > 「睡眠なんてものは、いつも決まって二の次ですから。それこそ、目を閉じて休むだけなら、椅子であっても、部屋のちょっとした隅でも、それこそ何ら支障はありませんです」七月の蒼穹を切り取って、絵の具にして、水に溶かして塗ったような浅葱色の髪。ボブに切り揃えられたそれの、やや長めの横髪を指先でくるくると弄びながら、相手の辿々しいというか、困惑したというか、ともかく、普段の彼のそれとは異なるようなペースの訴えかけに、平然とした声色で、さもそれが当然、世間の一般的な常識を語るように返す。軈てはゆっくりと立ち歩き、目を数度ぱちくりとすれば、先ほど彼の回収した本来床に散らかっているはずの……ではなく、きちんと整えて置かれていた書類を、元の位置に戻しにいこうか。一枚一枚、腰を下ろして、先程の位置との誤差を、最小限に抑えて、……。   (7/29 20:06:37)
ひよ。@ドクター. > 振り返れば、彼はその場を動かない。いや、動けないか、先程、取り乱しているとはいえ、少しばかり強く言いすぎたのかもしれない。それをどこか悪く思うような、だが、自分のテリトリーを侵されたような、いや、そもそも入れたのは私じゃないか、いや、奥まで入ってきたのは彼だ。そういったような鬩ぎ合いが脳裏で起こり始めて、私は、厭な頭痛を感じた。「それに睡眠なんて、月に1度くらいふかふかのベッドで寝れば十分過ぎるくらいですから。寝る場所なんて、さほど重要じゃありませんですよ」ベッドの上の書類の束を見つめる相手に、床へ書類を戻し終えて椅子へ戻りつつ、そう回答して。   (7/29 20:06:48)


ガエリオ/ゼダス > (だめだ。…非常識を常識のように語る。僕の訴えを飲み込む気配すら感じられない。…言うだけは言ってみせた。しかしその先に行けぬ理由がある。____貴女が僕の横を通り過ぎ、拾い上げたはずの書類を一枚一枚パズルのピースでもはめ込むように置いていく。…僕等は確かに他より親しくあるかもしれないが…何かを強制するほどの関係では決してない。自分の部屋なら許せない事でも…此処は貴女の部屋。心を広くし、そういう考えもあるんだなと飲み込むが、らしい対応。…後に残るは貴女に迷惑をかけたかなと言う後味の悪い申し訳なさだけか。…貴女が僕の背後の道に書類を置いたものだし…後ろにも下がれない。だが…事情を知らなかった僕も僕…。他の人なら怒れる面でもあったはず。何故彼女には少し強くいけないのか…。分からないな…。)『そう…でしたか……。月に一度…ね。』(固まった身体を解すのに月に一度しっかりふかふかの場所で横になればそれでいいと。)   (7/29 20:30:21)
ガエリオ/ゼダス > (貴女らしいと言えば貴女らしい。______……“月に一度”…?…先程少し場を乱しただけで怒りに似た何かを浮かべた貴女が、月に一度あの書類専用ベッドを片す?…まさか。…そんな二度手間のような真似貴女ならしないはず。……じゃあ何処にそのふかふかは存在する。…そうか、僕は…貴女の実家たるものを知らない。…貴女がしっかりと平凡な実家に帰る姿って言うのも想像つかないけど…この際だ。包みを握りながら、眼をそっと貴女が椅子に戻った事を確認した後。瞳へと合わせれば)『……話を変えてしまって申し訳ないですが…貴女に一つ、聞きたい事が出来た…。…その…“実家”…はどちらに…?』   (7/29 20:30:51)


ひよ。@ドクター. > 「──ああ。ええ、そういえば、貴方にもまだ話していませんでしたか、ハーメルン。いえでも、それなりに目立つ場所にあるので、とうに気付かれているものかと」椅子に腰かけ、ふう、と溜息を吐く。全く、ここまでバタバタと忙しく、忙しなく動き回る日になろうなど、数刻前の私は予想していただろうか。いや、していたがとても、現実に起こり得るものとして捉えていなかった。軽視しすぎていたのか、だとすれば詰めが甘いぞ、ドクター。そう自戒の声を、心の奥底でさながら祝詞のように唱えながらも、不意に、彼の問いかけに私は瞳を丸くして数度瞬きをしてみせる。ああ、平然とベッドの話をしたが、彼はそれが何処にあるのかを知らないようであって、以前話したような、そうでもないような。   (7/29 20:45:56)
ひよ。@ドクター. > むしろ、相手自身が勝手に気付いているものだと思っていたので、なんとも拍子抜けしたような表情でそう返しつつ、どうだろうか、これでは、微妙に説明が足りないだろうか。ならばと、私は脚を組みつつ(尤も、一応は上司の前であるのだが)、思い出したように言葉を付け足す。「ええとですね……噴水広場、もちろん分かりますですね。そこのちょうど向かいに、若干小さな、古い様式の家があると思うのですが──」昼間には王国の民を始めとし、様々な人々で賑わう爽やかな噴水広場。その向かいには、純白の壁に紺碧の屋根を、またその上に、尖塔を抱いた邸宅が存在する。とても豪邸とはいえないが(もちろん、あくまで、私が観測した感想ではあるが)、そのことを伝えようと、相手の赤い瞳を見つめつつ。   (7/29 20:46:07)


ガエリオ/ゼダス > 『……。目立つ場所…?』(一体何処の事やら。見当もつかない。…僕、そんなに察しの悪い男だったろうか。…首を小さく傾げた。貴女は既に僕が気づいていたとでも思っていた様子…拍子抜けしたような表情がそれを教えてくれる。脚を組む相手には特に何も思うまい。だって、今まで見てきたなら分かるでしょう? 此処で何か思う方がおかしい話。)『____えぇ、勿論。……若干小さな…古い…____はぁ、……。…………はぁぁ…???』(頭の中に噴水広場を描く。…あのような場所に小さな古い家…あったかな。そもそもあのような場所を得るのに土地代だけで幾ら掛かるか…。それを考えた時だった。鮮明に映った確かに古い…?家。ドサっと再び音をたて、包みを落とした。貴女の言った通り、しっかり書類…新聞紙達の並びを再び乱しましたとも。……口を開けたまま、間抜けな声まで出してしまう。だって、だって…それ。____とてつもない豪邸だぞ。というか古い!?…な、何言って…。   (7/29 22:20:33)
ガエリオ/ゼダス > 今まで貴女とあった事。それら全てが一気に振り返る。寒気の様な何かと共に…思わず、口を閉じ唾を飲んだ。なんで平然と僕の眼を見てられる。いや、見てられるか…。相手にとっては普通だもの。僕自身で貴女から視線を外し、適当な壁へ。…この前まで、ただの部下だったひと。それが…お嬢様だった。…そんなお嬢様が僕の真名を知り、相手に真名まで教えて。莫大な資産を抱えた家を他所に謀反を僕と共に起こそうとしているだと??……何故と聞いても貴女の返しは決まっている。あえて言いはしない。…貴女が頭を抱えるより、もっともっと凄まじい事に僕は頭を抱えそうだよ。ふらっとしてもおかしくない事実だ。貴女が冗談を言う様には見えないし…執事が居そうなお嬢様が自ら片付ける術を知らないとなると妙にリアルな話になってくる。恐らく…これ、嘘じゃない。というか本当の話。だから貴女には常識が通じないのか…?__左手で己の頭に手をつけた。そして…一度大きく息を吐くのだ。)   (7/29 22:20:47)
ガエリオ/ゼダス > 『_____…ぁぁ、…。あの……リック…?____下らない事を聞きますが……何故、整備士に…。』(当主になるとか、僕は深くその手の世界は知らないが道はあったはずだろう。何故大のお嬢様が手を汚して機械を弄り回しているんだ。生まれた時から僕と住む世界そのものが違うはずだろう。左手を少し離し、人差し指を立てる。つん…と、眉間に指をつけながら眼をゆっくり閉じて落ち着きを取り戻そうとはするものの、ぷるぷると左手が妙に震えている。意識したら仕方ないだろう。というか思い返したらあの送った時…お嬢様の貴女に庶民の僕が手なんて差し伸べてさ。_____…こんな蝋燭と差し込む夕陽程度の灯りしかない部屋でも…明る過ぎだと怒りたくなる。……だって頬が、思い返した途端に真っ赤に染まるのだもの。…さっさと、平常に…戻れよ……。)   (7/29 22:20:58)


ひよ。@ドクター. > 私が思うに、ただ、私の実家を教えただけなのだが、それだというのに書類を落とし呆然とする必要などは、一体何処にあったものか、到底見当もつかない。不可思議である、例えば、厳重に閉じられた小箱の奥、何かあるかと思って、合う鍵を挿し込む、そうして、捻ってみて、開けてみて、何もない、あの感じだろうか。つまり、この場合に置き換えてみるのなら、私が小箱であり、鍵であるのだろうけど、では、一体私が何をしでかしたと彼は云うのだろうか、わからない、私は別に、空っぽの小箱なんかでは無いはずであり、それも彼はよく知っているはずだ。そんな相手の、ありふれた実家の様子を空想し、何故、口を開いて何とも間の抜けた表情をしているのだろうか。何だか、もう、床の書類のことは考えない方が、ずっとマシなのかもしれないなんて、私自身を否定するように、厭世的にすら思えるようになってきている、そんな気すらして仕方がないので、特になにかを訴えることもなく、小さな溜息だけを室内に響かせる。そうして、彼の落とした書類を眺めるように視線を落としつつ。   (7/30 23:11:57)
ひよ。@ドクター. > 「何故って、それはもちろん私が好きだからですよ。機械を弄ったり、もっと広義的に言うならば、そうですね……何かを創造することが好きだからです。いけませんですか、ハーメルン?」目を細め、どうして今それを問うのか、そう脳裏で密かに唱えつつも、平然と淡々と、ただ相手の問いかけに答えてみせようか。しかし、厭なほどに態度が変わるものだな、彼も。手は静かに震え、恰も発熱した病人のように、そのやや幼さの残る顔は赤みを帯びてゆく。全く、もしかするのならば、今日の彼は不調だろうか、なんて思いつつ、ひとこと。「……あの、ハーメルン。今日の貴方はどこか変です。私、何も変なことは言っていないですよ。体調不良が疑われるのでしたらすぐに司祭か、街の医者にでも──」足元の書類から視線を上へ、上へ、彼の顔に琥珀色の視線を注ぎつつ、そう提案して。   (7/30 23:12:11)


ガエリオ/ゼダス > (何もいけなくない。自由であってこそだよ。…そうは思ってる…僕はね。思ってはいるが…“全人類”その考えを抱いているかと思うならばナンセンス。実にナンセンス。…偏見ではあるが大金持ちは皆が皆頭が固いイメージだ。“後を継げ” “ 私の様に生きなさい”。と…着せ替え人形の如く子は親の言いなりに生きるもののように見えていた。…しかし、その偏見をこうも貴女が簡単にぶっ壊してくるとは。…貴女が『いけませんですか』なんて向けてくるなら僕は首を横に振るしかない。…一度、ふぅぅ…と、ゆっくりゆっくり息を吐く。指を離し…両手は腰へ。…そして…赤い頬を残したまま瞳を静かに開こうとした時だ。貴女から放たれる流石の変化球。変な事ではないんだけど…変な事なんだ。感覚的に世界が違うと言えばいいか。…これを1から説明するとなると骨が折れる。今度僕の家にでも招けば何かしら理解してくれるだろうか。視線を感じれば何時ものように…紅玉を向けよう…?)   (8/1 06:07:25)
ガエリオ/ゼダス > 『_____ッ…! ……べ…べっ、別に体調は万全です…! ……ぃ、ぃゃ…やっぱり……。』(一瞬…重なった僕らの視線。しかし、やっぱり今までみたいに合わせていられなかった。直ぐに慌てて目を離せば、くるっと背を向けて腰の手を移動させ前にて腕を組んだ。…何故か。“やっぱりあの時の手の重ね合い”。…ほんっっとに引きずってしまっている。今さっきから…ずるずる、ずるずると。似合わない事なんてやっぱりするものじゃなかったんだ。…脳裏に浮かぶ貴女のあの時の思考。もしかしたら『庶民が下手に手なんて引いて…』とか貴女が思ってるとしたらどうする?今まで散々格好をつけてしまった。ぁぁ、やり直したい。あの夜にタイムスリップしたい。頬の熱は伝わっていく様に両耳へ。赤さは考えれば考えるほど遠のく事を知らない。寧ろ湯気が出てくるのでは?なんて程。…恥ずかしい事をしてしまったと感じた時…本当に意識をその事にしか向けられなくなる。馬鹿になったように。)   (8/1 06:07:38)


ひよ。@ドクター. > 少しだけ、身体を前に傾けては、相変わらずの顔色をして動転する相手の顔を、下から怪訝そうな表情で見上げてみる。だが、すぐに相手が私から目を離し、背を向けて腕を組むものだから、一体どうしたものか。やはり、そこにいるのは、まぎれもない彼に他ならないが、だが、その様相は、普段のそれとは、どう見ても、どう考えてみても、掛け離れている、この感じ、いつか見た? とするならば、例の実験のとき? いや、違う、あの感じなんかではない、あの時は、もう、死に物狂いで、何が何でも私を止めようとする意志が感じられた。では、今は、どうだろうか。やけに柔らかく、つつけば、すぐに崩れてしまいそうではないか。あの、技師である彼が。凡そ、私はこんな彼の姿などを、見たことなどはなかった。それだけは揺るがない。では、あれほどの堅物──なのだろうか。そんな彼の気を、ここまで動転させるような何かが、きっとあるに違いないのだろう。「“いや、やっぱり”と言いましたねハーメルン、では貴方、一刻も早くそれを万全に治すですよ」   (8/1 17:42:28)
ひよ。@ドクター. > 不意に椅子から立ち上がり、ベッドに脱ぎ捨てたまま、皺が綺麗に張り付いた白衣を、尤も、白衣というには、少しばかり余分な装飾の目立つ気がするのだけれど、それを羽織って、古いハットスタンドからよれたシルクハットを手に取り、被る。刹那、振り返っては、未だに腕を組んで、その火照って、恰も湯気を吹き出しているような顔を他所に、片手を自らの両手で掴んでは、そのままひ弱ではあるのだろうけれど、ぐいと寄せる。「──技師、まあ言うなれば、筆頭整備士の貴方が病で床に伏すなどいけませんですから。さあ、行きましょう行きましょう、時間が惜しい。ああ、厭だ厭だ、風邪ならば無理をせずに……」そう、普段より少しばかり早い口調で、相手に伝えるというよりは、自分に言い聞かせてしまうようにぶつぶつと呟きつつ、私は、微かに熱を帯びた相手の骨ばった手を引いて、薄暮れないの、開け放たれたドアのその向こうに、止むを得ず、駆け足。(『価値の天秤』〆)   (8/1 17:42:49)