この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

綿子&竜灯

はなまる

外/綿子 > (〝流れ星は宇宙のゴミが燃えているところだ 〟。孤独な科学者が提唱した語りは、異端者だと謳われ幕を閉じようとしていました。もしそれが仮に真実だとしても、皆はきっと。〝 流れ星は神様の落し物〟と。信じていた方が良かったのでしょう。孤独な科学者は、幸福や夢と引き換えに得たのは裏切りを知らぬ現実ですが、嗚呼、それっていうのは。なんとも淋しい話じゃありませんか。──────夕焼け空が恥ずかしがっているように。雲をすう、と薄く引いて、鋭い西日はカーテンに抱き締められ漸く穏やかさを取り戻す。窓を開けてそよ風を浴び、生徒達は笑顔で手を振るの。『また明日ねっ!わたちゃんせんせい ~!』「はい、また明日ね。」『わたちゃんせんせいまたお顔丸くなるからこっそりクッキー食べるなよ! 』   (7/27 23:59:57)
外/綿子 > 「も、もうっ。余計なお世話ですっ。わたちゃんせんせい太ってませんっ。ぽっちゃりですっ。……………気をつけて帰ってね、寄り道しないようにして下さ~い。」 そんな帰り際の生徒のからかいに、彼女はぷんすこと怒りながら 仕方がないと溜息をついて困ったように微笑み、小さな背中に手を振ります。…その後ちょっとほっぺたをむにい、と引っ張って確認したのは内緒。はてさて彼女は建造物の中で1人。トントンと紙を整えては作業を開始します。──────もう少しで忘れ物を取りに来たせいとともに貴方が足を踏み入れることも、知らずにね。)   (7/28 00:00:09)


シロー/竜灯 > (生徒が帰路についた後の学び舎というのは、妙にわくわくするものだ。普段喧騒に溢れた場所が静寂に包まれる光景、その二面性。完璧な人が見せる弱い一面にドキッとするような⋯⋯。)(⋯昔、祭りが終わった日の夜、こっそり忍び込んで怒られたなあ。)(翌日片すまでは入ってはいけない、というのを振り切って友人と走り回ったっけ。── 本日の哨戒という名のぶらり旅を終え、帝都に帰って来た竜灯。尊華帝國軍人である彼がそんな記憶に思いを馳せて居るのは、隣を歩く少年が理由であった。)「おんしは本当に馬鹿じゃのう、この前も朝、家の方に走りよったのを見かけたぜよ。大方あの日も忘れ物でも取りに帰りよったんだろう?」((本当に馬鹿だなぁ、と腕を組んで笑う竜灯もまた、うつけの渾名で呼ばれていた。同じ穴のムジナである。すっかり日も暮れかけて、西の空が暗い水色に染まった頃、たどり着いた建物の中に入ってく子を追い掛け。がらがらと扉を開け放って覗いては、口を開いて声を漏らした。)   (7/28 00:24:16)
シロー/竜灯 > 「⋯えっ!ああ、もしかして⋯先生ですか?」((そこに居たのは眼鏡を掛けた鮮やかな髪と瞳の女性で。人は居ないと思っていたし、更に中々の美人な上、尊華では見掛けない容姿だった為に素っ頓狂な声を上げてから。軍服の上から重ねた羽織をぴしっと直してから、首に手を当てて軽く会釈を送り、人の良い笑みを浮かべるのだった。)「初めまして、俺は竜灯と言います。与一とは顔見知りで⋯⋯のう!!⋯⋯忘れ物を取りに来るのに付き合うた限りですちや。」   (7/28 00:24:18)


外/綿子 > (さく、ぽりぽりぽり。──────なんの音かって、勿論手作りのクッキーを食べる音ですもの。かれこれ5分後だったか、生徒の思惑通り彼女は甘味の誘惑に耐えることが出来ず、もはや無意識の領域とも言える手つきでクッキーを食べている。羽根ペンを握り、採点をしつつ、さらりさらり次の紙を、…。「…………あらっ?」 こちらに歩み寄ってくる見慣れた生徒と、見慣れぬ黒髪の男。学び舎に向かう足取り、仲睦まじそうに話す様子は、声が聞こえるその時まで気づきやしなかった。『 えっ!』「…えっ。」 合わせるように彼女はそちらを見つめ、動きを止める。『 ああ、もしかして⋯先生ですか?』「……え、ええ。そうです、けど………………ちょっ、ちょっと待ってて下さいな、殿方さんっ。窓越しからじゃ失礼ですものね。今そっちに向かいますからっ。」 そう口にした彼女は少し慌ててお外へ移動することでしょう。その途中でガシャン!とものの落ちる音と、〝ッ~~いった~~い! 〟という声が聞こえたのは、恐らく気の所為。   (7/28 00:42:31)
外/綿子 > 間もなく扉の開く音がして、ほら。そこにいるのは貴方よりも随分背の低い丸眼鏡の先生。少し髪が乱れて、ぴょん、と跳ねてしまっているのは気付いて居ないようだけれど、眼鏡のズレは気づいたみたい。それを整えつつ、コホン。改めまして。──────「……ええ、と。…はじめましてぇ、〝綿子 〟と申します。うちの生徒と仲良くして頂いているようで、嬉しいわぁ。………その、軍人さんかしら。やだわ、あまり直接話したことなくて、緊張しちゃう。」 へなへなと柔らかく笑いながら、両手を合わせて口にする。陽だまりの中、綿毛がぽわぽわ浮くように。生徒に 〝早くとっていらっしゃい 〟と優しく促した後のお話、彼女は貴方に警戒心もなく、快く思っているようです。)   (7/28 00:42:43)


シロー/竜灯 > (いやはや、なんと申せば良いものか。塾の先生というものだからもっと、厳しく理知的な人だと思っていたのに。此方に向かってきている中で聞こえた声は、少しばかり緊張していた竜灯の心を解すには十分であった。だがそれは貴女への尊敬に近い感情が音を立てて崩れ去ったのと同意であるから、一概に良い事とは言えないが。自己紹介を受けると、前髪をかき上げながら貴女をじっ、と見詰め。そのまま頭の後ろに手を当てて大きく笑って見せた。)「いやぁ⋯⋯へへ。ほら、こう見えて帝國軍人やき⋯お国の為に体を張って戦うちょります。困ったことがあったらいつでも呼んどーせ。綿子さんやここの生徒に何かあったら必ず俺が駆けつけますき!」   (7/28 01:01:00)
シロー/竜灯 > ((羽織をぴらりと片方捲り、内に着ている軍服を貴女に見せた。邪魔な装飾は省かれており、その上、己の階級を示す徽章を見えないよう隠しているのはどうやらわざとらしい。初対面の貴女に格好付けて見栄を張ると、力こぶを作るポーズを取ってそこに片手を当ててニヒルに笑う。その後、忘れ物を取りに行った生徒の方をちらり、貴女の肩越しに覗いてから「困ったもんですのう。」と肩を竦める竜胆だった。   (7/28 01:01:02)


外/綿子 > (にっ、と大きく笑う貴方は眩しい太陽のような人で、ええ。だからこそ。かきあげて顕になった双方を見つめ返しながら、彼女は目を瞬かせた後。「…えっと、……。」 と。目を逸らした後に、へへえ、と釣られるように笑みを零すのでした。軍人さんとはあまり話したことは無い。その言葉に嘘偽りはなく、次の貴方の言葉はなんとも頼もしい内容だ。国民は恐らく貴方のような人間を頼るに違いない、イモータルを薙ぎ払い、悪しきものを討伐する。前戦に君臨するベルベットの君は誰かの憧れにすら成りうるだろう。彼女は 〝まあ、すごいっ、 〟とぽわぽわ、両手を合わせて、   (7/28 01:23:04)
外/綿子 > ──────…「…ええ、………そうよね。そうね、とっても頼もしい。」…喜ぶ、と。思ったのだけれど。それに対して彼女は少し、声を小さくして口にした。一体なぜ?弾んだ声色ではなく、やや静かな声色だった。一体どうして?見せつける服装も紋様も隠されていた階級も彼女の目に映る何になりうるのか。それ相今の貴方は知らない。否、知らなくていい。 「………もしなにかあった時は〝 子供たち 〟を守ってあげてくださいな。頼りにしてます、軍人さん。」 彼女は笑う、陽だまりの中で。 魔術師でもないのに口にする、「期待していますね。」という言葉には魔法がかかっているように。【⠀どんな子供も例外なく守ってくださいね 】暗に願う彼女の悲哀はまだ悟る時じゃない。『 困ったもんですのう 』彼女はゆっくり振り返る。学び舎を見つめ、クスリと微笑む。「………ね、本当に。でもね、この間あの子とってもいい点数とったのよ。花丸さんあげちゃったわっ。……んふふ、自分のペースでいいんです、ゆっくり成長していけば。」 )   (7/28 01:23:14)


シロー/竜灯 > 「へへ、俺は俺の守りたいものは全部守ると決めちょります。俺の言葉に二言はありません、子らも綿子さんも全員纏めて守ってみせますき!!もし王国軍が裏切ってすぐそこまで迫って来たとしても、俺が居れば一人で⋯⋯⋯⋯」((貴女の歯切れ悪い言葉と声色に気づいているのかどっちか、一切気にした様子もなく胸を拳で叩くと勝気な笑みのまま言い放ち。ばっ、と広げた両手を胸の前で再度組み直して自信満々に。そのまま例え話で『無理』と一蹴される様な内容の話をし始めた竜灯だったが、何やらはっとして言葉を紡ぎ、貴女を再度見遣った。⋯⋯尊華では見ない髪と瞳の色、だが似たような髪色の人間は竜灯はとある国で何度も見掛けていた。王国。⋯⋯罰の悪そうに組んでいた腕を下ろすと、頬をぽりぽり、と掻きながら黙り込む。そのままちらり、と逃げるように生徒の方を見ればどうやら忘れ物は見つかったみたいで。ぱっ、と顔を本調子の笑みに戻して助け舟に飛び乗った。)   (7/28 01:44:15)
シロー/竜灯 > 「───あっはっは!与一さんが花丸がか、こんくらいでも解ける問題を出しよったんじゃないですか?綿子さん。」((自分の腰辺りに掌を落とし、親の手を繋いで歩くような子程度の身長を示すと、目を細めて口角を上げる。『もしかしなくても、みんな花丸だったりしての。』と付け足しては更に笑みを深める竜灯だった。   (7/28 01:44:17)


外/綿子 > …良いんですよう。そんな顔しないで。だって…………………そんなことにはきっと。ええ、きっと、なりません。大丈夫です。……なりませんようにって、今お願いしましたから。(誰にかは分からないけれど。貴方が血濡れるのは見たくないわ、きっと大丈夫だと。孤独な科学者によく似た、それでも夢を選ぶ教師が魔術師の真似事のように言葉を口にした。口にした言葉は叶いそうだからと、科学的な根拠もないけれど。〝 なんちゃって〟。そんな付け足しとともに。どんな子供も守りたい、生ぬるい教師は夢に溶ける。故に、罰が悪そうに口をつぐんだあなたに、気にしないでっ。と困ったように笑って見せた。そんな話よりも子供の成長を見届けるほうがずっといい。『──あっはっは!与一さんが花丸がか、こんくらいでも解ける問題を出しよったんじゃないですか?綿子さん。 』と口にした貴方に、彼女は   (7/28 01:58:32)
外/綿子 > 「まあ、そんなことありませんわっ。」とちょこっと真に受けたように不服そうに口にする。続くからかいを聞いた彼女は 頬をふくらませ、背伸びをするだろう。そうして貴方の口元の前でバッテンを作ったのなら、「…………軍人さんには花丸さんはあげませんっ。」 だってさ。…あーぁ。)   (7/28 01:58:50)


シロー/竜灯 > 「⋯⋯優しい人じゃ。」((ぽつり、誰に対する訳でもなく口が動く。貴女に聞かせて良いように見せる為のお世辞などでは無く、本心から零れた一言だった。何故か、おまんはとっても魔術師らしい。そして俺には凄く誇らしい。自分の放った言葉に責任を持ち、信じる姿勢は美しく、何より強く見える。語勢は弱くとも人を頷かせる言葉に、竜灯はほんの僅かに顎を下げる事で頷いてみせた。『⋯なんちゃってなんて言わず、言い切ればええぜよ。』心の内で呟くと、口元に当てられた指。そのまま眉を八の字に下げて困り顔を作り、肩を竦めながらに髪を掻き苦笑する。)「すまん、すまんぜよ、俺も綿子さんの花丸が欲しいなあ。誰より頑張っちょるきに、の。の?」((『──綿子さんの花丸があれば、もっともっと頑張れるがやけんど、なあ?』自分より幾らか低い位置にある貴女の鮮やかな瞳を見下ろすと、腰に手を当てて困った、と言わんばかりに頭を振って見せる竜灯だった。なんて巫山戯ている間に忘れ物は見つかったらしく、与一は筆入れを手にして二人の元へやって来た。   (7/28 17:52:12)


外/綿子 > (彼女はあなたの言葉に目を見開いた。そうして、目を泳がせ、目をふせ、はにかむように小さく笑い一言。「………都合のいい人じゃなくて。………優しい人に、なりたかったから。」 研究員としての日常よりも子供に教える喜びを。彼女は貴方を見上げたのなら、いい子にしていると言い張る言葉に目を細める。そうして目を瞑り、コホン、ひとつ咳払い。)「……………うんうん、よろしい。」(優しい笑顔は陽光を沢山浴びたお布団見たい。彼女は口にした。──────「頑張ってる人には花丸さんをあげないとね。いつも頑張っていて、と~~っても偉いわ。軍人さん。」 両手をぽん、合わせてうふふと笑みをこぼし、ポケットから取り出したのは小さな飴ちゃん。「頑張ったちゃんの、ご褒美です。」 1人の一般市民の小さな贈り物。子供がパタパタ、『 あったー!』と戻ってきたのなら。「あらあら、良かったですね。さあ、もうおかえり。──────今日は本当に、ありがとうございました。また機会があれば是非いらして。その時は、美味しいクッキーをご馳走様しちゃいます。」 綿子、通称わたちゃんせんせい。今日はいい出会いをしましたと、日記に記すことでしょう。)   (7/28 19:55:21)


シロー/竜灯 > 「ははは、いやぁ⋯軍人足るもの当然の事をしちょるだけですき。」((自分で偉いと言っておいて、いざ褒められて取った態度は本当にしらじらしい。そんな褒めんでくださいと言いたげに髪を掻きながら笑っていると、ご褒美と渡されたのは小さな飴。お洒落な飴細工でも何でもない、ちょこんと己の掌に載った小さな飴を眺めると、〝ありがとう〟と笑って包み紙を捲る。)「いやいや、俺ん方こそ、急に踏み込んでしもうてすまん。⋯ほうじゃの、次会う時には⋯⋯」((隣に並んだ与一を一瞥し、行こうかと促す。挨拶を残して建物を出ていく与一を追い掛けて視線を外へと向ける。すっかり西の空も暗くなってしまっていて、街灯りが照らす時間帯。今日の勤務は終わっているけれど、生徒を家まで送るくらいはしてあげよう。そう思って、ふっと笑みを零した。)   (7/28 23:36:06)
シロー/竜灯 > 「──あっと驚くような武勇伝を手土産に持って来るぜよ。ではまた。⋯⋯⋯与一さん一人で帰っちゃあいかんぜよ!待っとうせ!」((にぃ、と笑顔を残して飴を口の中に放り込むと、離れていく生徒を追い掛けて竜灯は走り出す。真っ赤な鉢巻を翻し、はじめて貴女に見せた羽織の背には大きな竜胆車が描かれていた。良い出会いだったと特に思うことは無かったが、この後、与一に『良い先生じゃの。』とこっそり零す程度には、今日の一時は楽しかったようだ。【はなまる】   (7/28 23:36:12)