この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

稲月&雷鏡

齋藤/稲月 > 「・・・お、いい匂いになってきました。( 空の茜色が村全体を染め上げる頃。 空の端にはまだかまだかと出番を待つ夜が藍色を持って侵食してきていた。 神社の境外、 砂利道の隅でそれは行われていた。 七輪の炭がぱちぱちと音を立て、空の茜を模倣している。 網の上のナスやゴーヤが煙と共に、 焦げた、空腹を唆る匂いを立ち上げていま。 何処か懐かしい童謡をなぞるような鼻歌は、 その七輪の前で団扇を仰ぐもんぺの黒髪の少女からである。 火の熱さ、それから肌に纏わりつく様な暑さも気にせず、 今か今かと焼き上がりを待つ姿は”待て”と言いつけされた犬の様。農村では近隣住民との交流も盛んで、お裾分けにと貰ったゴーヤはやはりシンプルな素焼きが良く合う。 グゥ、と満更でもなく鳴いた腹を摩りつつ、 箸と皿を持って今か今かと待ち構えている。 それらの夏野菜が皿の中に入った醤油に付けたらどんな味かと想像すると、今にもゴーヤの苦味が現れるようで堪らない。ゴクリと唾を飲む。彼女のその蒼色には七輪しか移っていないようだった。 )」   (7/26 23:40:01)


グレー/雷鏡 ◆ > ふぅ…あと少しで配送全完了となるわけか…いやぁ……やっぱり少しは時間がかかるものなのだな……汽車で尊華までにかかった時間を短縮したとて、最低でも2,3日はかかるものと思っといた方がいいのかもな…(と、彼は歩きながらそう考える。そんな時、とある神社の前を通った時に、彼の鼻はその神社から漂ってくる匂いを見逃さなかった……)……ん?なんだか美味そうな匂いがするな…(と、彼は唐突に走り出す。そして、その神社から漂う匂いを辿り…七輪の前にたどり着く……)これはこれは……美味そうな野菜料理だな……(と、彼はその七輪の上に乗っている野菜を見ながらそういう…)   (7/26 23:44:51)