この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

ゼダス&シフィル

甘言詰めの甘い瓶

ガエリオ/ゼダス > (朝陽に照らされ王都の街はまた新たな1日を迎える。この陽を煙たがる人間は多くいるはずだ。…しかし、煙たがってカーテンを締めていられるほどメカニックは甘くはない。鳥の囀りの代わりに騎士団の魔術砦内には機械類の騒音を響かせよう。シェルターの移動音、鋼を削る音…混ざり混ざり、中央は正に騒音の嵐。整備士達の忙しさがよく分かるだろう。 熱や空気が籠らぬようにシャッターは全開に。___そんなシャッターを潜り抜ければ…青空が広がる広々とした外へ。そこに長机と椅子を二つ、広げれば…多少の音は聞こえても煩くはない空間の出来上がり。…此処は何をする場か。機械騎士達のアーツを定期的に点検する簡単な場所…。僕の工房にと言う時もあれば…室内が暑い時はこうして少しでも涼しい所に場所を移す。こればかりは…気分。性格故の。)   (7/25 23:24:08)
ガエリオ/ゼダス > 『……ナンセンス、でしたかね…。』(椅子の一つに腰を下ろせば、そんな事を空を見ながら呟いた。陽が、強い。…逆に籠った暑さというより…直接的な熱が感じられるかもしれない。涼しい所をと設定したつもりだったんだけど…。 まぁ、場所を移すのも面倒だし仕方がないか。点検が極めて混み合ってるわけでもないし。 暇を持て余すように長机に置かれた瓶入り飴の瓶を触れば…容量的にそろそろ買い時かな…なんて、ちょっとした気付きを得ていたり、得ていなかったり…。)   (7/25 23:24:20)


封船@シフィル > (夜が終わり、朝が来る。そして太陽が沈み、また夜が来る。世界はそうして回っていくということを知ったのは、つい最近のことだった。かつん、かつんと規則的にブーツの音を響かせながら、白髪の青年はそんなことを思い返していた。彼は“人間”として生きていた時間が短い分、人生経験が実年齢に全く比例していないのだ。その為か知識も語彙も少なく、精神が幼い。その上、両脚が生まれつきなかった。彼が社会で“人間”として扱われなかった大きな原因。しかしそれが今では大きな利点となっている。王国の機械技術の発達。そしてそれに伴う、筋電義体の開発。それを生かした機械騎士という役職。世界平和を願う彼にとってそれは、唯一の居場所であり、“目的”を達成するためには絶好の地位だった。しかしその地位も、“これ”が無くなってしまえばすぐに崩れる。筋電義体『Merman』。それが今日、彼を聖騎士団の魔術砦へと赴かせる大きな一つの要因だった。)   (7/25 23:59:29)
封船@シフィル > (機械には点検が付き物。緻密な計算の上で作られているとはいえ、消耗品だ。いつかは壊れていく。その為、定期的にチェックを入れる必要があったのだ。確か“これ”を作ったのは機械技師_____だったか、整備士____だったか。どちらかは忘れてしまったが、ただの点検であればどちらにかかっても問題ないと誰かが言っていた。がちゃんがちゃんと機械音が鳴り響く砦内を駆け抜け、目的の人物を探す。確か、“あの人”がいるはずだ。ぼんやりと頭に残っているその面影を急いで読み返した。さらさらとした銀髪、小柄な体格、綺麗な紅の瞳、特徴的な黒のタンクトップ。______あぁ、それなら。あそこにいるじゃないか。視界の角に、晴天を見上げている少年が映った。あの面影は、間違いなく“彼”だろう。後ろから近づき、驚かせてしまわないよう静かに声をかけた。)「………ゼダス、さん。」   (7/25 23:59:44)


ガエリオ/ゼダス > 『……ん、…おはようございます。シフィル。__来てくれてありがとうございますっ、さ…どうぞ?』(後ろから優しく掛けられる貴方の声。 それに反応し瓶から手を離せば、身をクルり後ろへ。海のような綺麗な瞳に眼を合わせれば…ふと、相変わらず高い背丈なんて。…僕より20cmは高いかな。___…まず、朝の挨拶ついでに呼び出しに応じてくれた事にお礼を。その後に、空いたもう一つの椅子に掌を上に向けて誘導を貴方へ。…ここまではマニュアル通りみたいなところがある。どんな機械騎士相手でも…ね。 眼を離し再びくるり、腰からポーチを外せば長机にそのポーチを置き、口を開けば工具を散らばせる。医者の医療道具と何ら変わりはない。見た目は違えど。)   (7/26 12:50:19)
ガエリオ/ゼダス > 『___気分は? どうでしょ。 最近楽しい事はありました…?』(右手にねじ回しのような小さな工具を取れば、それをペン回しでもするようにクルクルっと。貴方と向き合うような形になれば紅と蒼の瞳をまた重ね合わせる。…貴方はたしか、良くも悪くもとても分かりやすい人だったはず。僕よりとっても歳上ではあるけど。 でも…そんな人相手なら気分などを聞くのは基礎中の基礎と僕は思っている。いい事、嫌な事…自分の身に起きた事を引きづりやすいと思うからね。心の病気は身に響く。身に響けばアーツに響きかねない。…機械のケアだけをしていればいいのかと言われれば否定はしないが…より良くより長く使ってもらうならば、貴方の心の異常も探っておかねばね。)   (7/26 12:50:29)


封船@シフィル > 「……あっ、おはようございます。」(そういえば人物確認に気を取られて、大事な挨拶を忘れてしまっていた。慌ててぺこり、と頭を下げると彼に誘導されるがまま椅子に座る。彼が一通りのテンプレートに嵌った動きを終え、工具を準備しだすのを見て、自分も準備をしなければいけないことを思い出した。アーツの邪魔にならないようにと改造された制服。その脚の留め具をかちゃり、と外し筋電義体を露わにした。アーツの部分は肌の色と違う薄灰色をしているためかなり目立っているが、本人はそんなことは微塵も気にしていない様子だ。きっと彼が“これ”に抱いているのは、羞恥心などではなく、誇りといったような感情なのだろう。点検の準備を終えて顔を上げると、丁度紅と蒼の目が合った。彼もコンディションが整ったところだったらしい。意外にも彼が最初に訊いてきたのは、自分の気分だった。)   (8/6 16:48:55)
封船@シフィル > 「……あぁ、とっても元気ですよ!騎士団のみなさんもとっても優しいですし!……楽しいこと、ですか?………いろんなところに行けるようになったことですかね!」(何故気分なんかを訊いてきたのかは幼い頭ではよくわからなかったが、とりあえず素直に答えることにした。にこにこ、と愛嬌のある笑顔を一切絶やすことなく、言葉を紡いでいく。____そういえば、目の前の彼はあまり笑ってくれない人だ。あまり表情が動かないので、正直何を考えているのかよくわからないし、怖い。もっと笑ってくれたらいいのに。____そんなことを考えながらも、それを口に出すことはなかった。訊かれている内容とはまた違う話だからだ。)   (8/6 16:49:07)


ガエリオ/ゼダス > (騎士によってはアーツの露出を嫌う者も存在する。いくら義手や義足と言うものを言葉では皆知っていようと…普通な眼は中々向けては貰えない。その視線ひとつが…露出を嫌う騎士達の心を傷つける。そもそも世間的には未だ賛否両論だ。アーツというものは。整備士という職すら悪に染まっているかのような言われまでする事がある。…ある意味、汚れ仕事か。……だが、まぁ貴方は見ていて気持ちのいいくらい…気にしてはいない様子。…これも、辿ってきた道故か。)『…ん…元気そうで。…えぇ、そうですか、貴方が楽しそうに過ごせているようで良かった…。』(眩しいくらいの笑顔。…まるで無邪気な子供の様。 心の何処かで何か…嫌な感情が湧く。___この笑顔を振り撒く貴方でさえ、必要とあらば戦場に身を投じねばならない。…騎士という肩書き…酷く残酷なものの様にすら感じる。…深く、考え過ぎたらやられてしまう…ね。)   (8/6 19:57:48)
ガエリオ/ゼダス > (しかし、何を考えていようと…僕の表情はただ無表情。紅い瞳がよく目立つ程に。聞くことは正しくも…笑顔を見せぬと言うのは医者的立ち位置としてどうなのか。…笑い方って言うのは忘れてしまったんだ。せめて技術だけで、勘弁願いたい。身を座ったまま少し屈めれば貴方の右脚…そっと片手を当て頑丈に締められたボルトの数々を一つずつ丁寧に回し、取り外しては長机に並べて行こう。目指すは義体内部…点検程度、多少の分解を開始した。)『___失礼。……アーツの素材でもある各金属による皮膚への炎症、それによって引き起こされる……。____ぁぁ…と、。その……痒くなったり、痛みを感じたりは…してません?脚で。』(貴方に視線は向けず。作業しながら前半は早口で。…しかし、途中…言葉を紡ぐのを止め、少し簡単に。時折話す相手に関わらず自分のペースで物を言う…我ながら悪い癖だ。ゆっくりと言い換えてみせれば。)   (8/6 19:57:59)


封船@シフィル > (かち、かちゃりと金属が擦れる音がする。どうやら筋電義体の分解を始めたようで、長机にはパーツであろうボルトや金属片が並んでいた。義足とはいえ、自分の“身体の一部”であるものが分解されていくのは、何だか不思議な気分だ。__本物の脚なんて、持ったことなど無いはずなのに。痛みという感覚も知らないはずなのに、義足にそんなものは無いはずなのに。ずきり、と何処かが痛んだような気がした。それが自分の心傷であることには、彼は気づかなかった。それでも表情に出るのは笑顔だけ。笑顔以外の感情の表現方法なんて、もう忘れてしまったからだ。そう、目の前の紅緋の彼とは全くの対極。今最も近くにいる彼は、全く対の存在だった。)「………んっ、そうですね、特には無いですよ!とっても元気です!」(考え事をしていると、何やら彼が早口で喋っていたようだったが上手く聞き取れなかった。聞き取れていたとしても、その意味を理解することはできなかっただろうが。一瞬の間を置いて、言葉を選んで言い直した彼の言葉にすぐ答える。痛みも痒みも特にはないし、異常な音が鳴ったりすることもない。体感したことを彼にそのまま伝えていると、一つ疑問が湧いた。)   (8/20 12:26:55)
封船@シフィル > 「………あの、ゼダスさんは、あぁいや、もしいやだったら聞き流してもらっていいんですけど……ゼダスさんって、どうして、“機械技師”になったんですか?」(どうして機械技師になったのか。そこに別段深い意味はない、素朴な疑問だったが、彼に訊いてみたかったのだ。今自分がこうして機械騎士として活動しているのは、この地位にいないと達成できない大きな“目的”があるから。でも目の前の彼は何のために、機械技師という職に就いているのだろう。目的が何もないなんてことはないはず。とにかく、自分以外の人間がどうして聖騎士団にいるのか、どうして世間から奇怪な目で見られる機械職に就いているのか、その意味を誰かに訊いてみたかったのだ。)   (8/20 12:27:12)


ガエリオ/ゼダス > (アレルギー等の症状の心配はどうやらないらしい。…切断面に合わせるようにしてアーツを取り付けた訳でもないからか、痛みも生まれづらい様子。貴方の返答には軽く頷いた。…貴方は確か、____生まれ付き、ない人…だったか。……少し、気になるな。貴方のように絵に描いたような明るい人が、義足を得て何を思っているか。___しかし、それを直接僕が貴方に聞くのは…酷く失礼に当たるような気がしてしまったのだ。___ボルトを外し終え、加工された金属板を取り外す。…工具と共にそれらを机に置けば、代わりに一枚の紙を木製のバインダーに挟め片手に。インクと共に用意された羽ペンをもう片方の手に取ろうか。目線を晒された義体内部へと向けた時。…貴方から不意を突かれるような質問が飛ばされた。若干、眼を細めるだろう。)『……。…命題を叶えたかったんですよ。…実の父の。____今でこそ…静かな街で呑気に暮らしてて顔なんて全く合わせてませんが。_____…僕が技師になる前、先代技師は僕の父でした。…しかし、事故で技師の職務と全力で向き合う事が…叶わなくなってしまいましてね…。』   (8/23 01:52:20)
ガエリオ/ゼダス > (随分と僕の内に踏み込んでくるじゃないか。……しかし…聞かれて嫌なものでも無かった。無言の点検よりかは…いいだろう。貴方が望んだのなら。____サビ一つない義体内部。細かい部品も支障無し。チェックを付ければ…筆記具を静かに置こう。分解したのなら、元に戻さねば。再び工具を手に取った。…寂しくも貴方に眼を合わせる事は一度も無かったろう。少なくとも会話を行なっているはずなのに。)『…育ててくれた恩もあるし、血は繋がってますから。…僕に技術を教え込んだのも父です。…だから____“機械技術を絡めて、純粋な魔術を凌駕する兵器の完成”という父の命題を受け継がない理由は無かった。息子として。……これが僕が機械技師になった理由ですよ。…目的だって何ら変わっちゃいない。』   (8/23 01:52:33)
ガエリオ/ゼダス > (逆の手順で貴方の右脚の内部を包んでいこうか。話しながらも…丁寧に一つずつボルトを回して。____やがて元通りに右脚の調整を終えては、次は逆…左脚を同じ手順で点検に取り掛かった。…仕事の虫がよく騒ぐ。…だが、僕だって自分の事ばかりを聞かれたからと言って話して終えるのは好まない。…だから。)『……シフィル。何故騎士として団に身を置くんです。…戦争紛いな事やイモータルに巻き込まれ、身体の一部を失った恨みで残る者は多く居ます。復讐心を薪のようにして。……しかし、貴方は違うでしょう。…貴方が望むなら義体だけを手に平和な暮らしを取る事だって出来るんですよ。…騎士一人一人を厳重に管理するなんて不可能なんですから。…その意味は、分かりますよね…?』   (8/23 01:52:51)


封船@シフィル > 「………そうなん、ですか」(ぽつりぽつりと、彼の口から語られていく言葉。少し難しい単語を使っていたため、幼い頭でも解るように彼の言葉を自分で簡略化して変換していくと、どうやら父親の後を継いで、その父親の夢を自分が叶えたい、ということらしい。それが、彼の目的。それが、彼が聖騎士団に身を置く理由。)「……すごいですね。ゼダスさん、とってもすごい。誰かの夢を背負ってその後を追いかけることができるなんて、ちょっとの覚悟じゃできないことです、ゼダスさん、とってもすごいです、尊敬します!」(それが、率直で素直に心の底から湧き上がってきた感情だった。誰かの夢を背負って、その後を継ぐことなんて、並大抵の覚悟じゃ到底できないこと。もし仮に自分が同じような状況に置かれていたとしたら、そんな大きな決断をすることは、怖くてできなかっただろう。現に、自分は今もそうだから。そんな大きな決断をした彼には尊敬の念を抱けるということを、しっかりと伝えておきたかった。)   (8/23 10:10:00)
封船@シフィル > (そうこうしているうちに、右脚の点検は終わったらしい。先程行っていた手順と逆の要領で、分解されていたパーツがパズルのように元に戻っていく。そしてまた、左脚に手をつけられたところで彼から飛んできた質問に、ほんの一瞬だけ目を見開いた。いや、自分が先に同じことを訊いたのだから同じ質問が返ってくることは予測していたはずなのだ。でもいざ実際に訊かれると、何か緊張感のようなものが全身を駆け巡り、暑かったはずの身体が急に冷えたような気がした。ほんの一瞬、ほんの一瞬だけ。常に浮かべていた笑顔が、消えた。しかし瞬き一つする頃には顔には再び笑顔が戻っており、いつもの彼に、“シフィル”に戻っていた。そしてゆっくり口を開く。)「……ぼくは、みんなに笑顔でいてほしい。ずーっと、幸せでいてほしい。だから、ここにいるんです。ぼく、おと……父と、母に言われたんです。『ずーっと笑顔でいたら、みんな笑顔になってくれる、幸せになる』って。確かに、ぼくの笑顔で笑顔になってくれる人はたくさんいた。……でも、みんながそうじゃなかった」   (8/23 10:10:16)
封船@シフィル > 「笑顔になってくれない人もいたんです。なんでだろうって、ずっと考えてた。答えは簡単でした。……平和じゃ、ないから。まだこの国が、平和じゃないから。だから疲れた顔をしてる人がたくさんいたんです。……だから、早くこの国を平和にしたい。みんなに笑顔になってほしい。みんなに幸せにはなってほしい。そのためには、自分で動かなくちゃだめだって。だから、ここにいるんです。」(彼が聖騎士団に居る理由、そして笑顔に拘る理由。それは、幸せの象徴だから。聖騎士団にいれば、皆の不安要素を取り除けるかもしれない。そうすれば、自分の笑顔だけでは救えなかった人たちを、皆を笑顔にすることができるかもしれない。その純粋な一心だけが、彼を動かす原動力だった。しかしそれは執念にも似た信念。はっきり言って、今の彼は笑顔に拘り、呪いのように囚われている。そんな彼の信念を、あなたはどう思うのだろう。)   (8/23 10:10:31)


ガエリオ/ゼダス > 『_______ありがとう、…ございます。……』(素直に、素直に受け取っていいのか。凄いと言う言葉を。尊敬されているという事を。父の命題は立派なもの。それは理解しているし、そうと思わねば引き継ぐこともなかった。…しかし褒められるものであるかは…。_____所詮想いを込めて作ろうと…兵器だ。…自らの手を汚さなくとも己の武器で誰かが何かを殺める事に違いはない。…“人殺しを褒められる”っていうのは。…味が悪過ぎる。手は動いていたものの、目元には何か力む様な変化が感じられた。)『……。』(貴方が僕の問いによって…別人のように雰囲気が変わった事に僕が気づく事は無かったろう。目線は変わらず貴方の脚に向いていたし、瞬き一つの間ですら正確に察するだけの主人公的力は僕には無い。僕にあるのは、ただ貴方がゆっくりと語ってくれるそれを…聞き、それに対してどう思ったかを伝えるだけ。)   (8/24 11:49:44)
ガエリオ/ゼダス > (人間らしさを捨て、貴方に現実的回答を向ける……だけ、だ。____貴方の口から奏でられる理想郷。…絵本の物語の様…。しかし、単刀直入に思った事を心の内で言うのなら。【実現不可能な未来】。……人、一人の力では到底叶えられない。例え100だろうと、1000だろうと。僕がポーカーフェイスで良かった。…こういう話を聞く時は、特に。_____ただ語る声を耳に入れながら、貴方が話終えるまでの間に…点検を済ませよう。右脚と同じように元に戻し、状態を記入すれば…定期的な点検は終了を迎えた。長机に纏められる工具と筆記具達。身を少し其方へ向けていたものの、向き合うような状態へと戻り…久方ぶりに貴方の眼へ…そっと、視線を向けた。)   (8/24 11:49:54)
> 『…教えてくれて、ありがとうございます。シフィル。納得しましたよ…。……貴方がそう願い、此処に身を置くのなら…必ず叶いますとも。…全力で向き合えば、叶わないものは…ありませんから。貴方がその願いを追い続ける限り、僕は力になり続けます。遠慮なく頼って下さい。_____あと…点検、お疲れ様でした。…はいっ。』(…胸の内が、痛んだ。…捨て切れないな、人間らしさ。……腐っても、僕は人間か。貴方の信念に現実と言う釘を打ち込む事なく、背を押す。…まるでペテン師だ。 彼等に、整備士や機械騎士に情を掛けるなと言われたばかりだろうに。 言われた事すら出来ないとは。…言葉を並べた後、そっと瓶を手に取った。…蓋を開け、甘い香りを漂わせながら…そっと貴方にそれを向ける。点検終わりのご褒美、…に似たようなもの。甘い甘いキャンディだ。如何だろうか。)   (8/24 11:50:03)


封船@シフィル > 「………そうなん、ですか」(ぽつりぽつりと、彼の口から語られていく言葉。少し難しい単語を使っていたため、幼い頭でも解るように彼の言葉を自分で簡略化して変換していくと、どうやら父親の後を継いで、その父親の夢を自分が叶えたい、ということらしい。それが、彼の目的。それが、彼が聖騎士団に身を置く理由。)「……すごいですね。ゼダスさん、とってもすごい。誰かの夢を背負ってその後を追いかけることができるなんて、ちょっとの覚悟じゃできないことです、ゼダスさん、とってもすごいです、尊敬します!」(それが、率直で素直に心の底から湧き上がってきた感情だった。誰かの夢を背負って、その後を継ぐことなんて、並大抵の覚悟じゃ到底できないこと。もし仮に自分が同じような状況に置かれていたとしたら、そんな大きな決断をすることは、怖くてできなかっただろう。現に、自分は今もそうだから。そんな大きな決断をした彼には尊敬の念を抱けるということを、しっかりと伝えておきたかった。)   (8/23 10:10:00)
封船@シフィル > (そうこうしているうちに、右脚の点検は終わったらしい。先程行っていた手順と逆の要領で、分解されていたパーツがパズルのように元に戻っていく。そしてまた、左脚に手をつけられたところで彼から飛んできた質問に、ほんの一瞬だけ目を見開いた。いや、自分が先に同じことを訊いたのだから同じ質問が返ってくることは予測していたはずなのだ。でもいざ実際に訊かれると、何か緊張感のようなものが全身を駆け巡り、暑かったはずの身体が急に冷えたような気がした。ほんの一瞬、ほんの一瞬だけ。常に浮かべていた笑顔が、消えた。しかし瞬き一つする頃には顔には再び笑顔が戻っており、いつもの彼に、“シフィル”に戻っていた。そしてゆっくり口を開く。)「……ぼくは、みんなに笑顔でいてほしい。ずーっと、幸せでいてほしい。だから、ここにいるんです。ぼく、おと……父と、母に言われたんです。『ずーっと笑顔でいたら、みんな笑顔になってくれる、幸せになる』って。確かに、ぼくの笑顔で笑顔になってくれる人はたくさんいた。……でも、みんながそうじゃなかった」   (8/23 10:10:16)
封船@シフィル > 「笑顔になってくれない人もいたんです。なんでだろうって、ずっと考えてた。答えは簡単でした。……平和じゃ、ないから。まだこの国が、平和じゃないから。だから疲れた顔をしてる人がたくさんいたんです。……だから、早くこの国を平和にしたい。みんなに笑顔になってほしい。みんなに幸せにはなってほしい。そのためには、自分で動かなくちゃだめだって。だから、ここにいるんです。」(彼が聖騎士団に居る理由、そして笑顔に拘る理由。それは、幸せの象徴だから。聖騎士団にいれば、皆の不安要素を取り除けるかもしれない。そうすれば、自分の笑顔だけでは救えなかった人たちを、皆を笑顔にすることができるかもしれない。その純粋な一心だけが、彼を動かす原動力だった。しかしそれは執念にも似た信念。はっきり言って、今の彼は笑顔に拘り、呪いのように囚われている。そんな彼の信念を、あなたはどう思うのだろう。)   (8/23 10:10:31)


ガエリオ/ゼダス > 『_______ありがとう、…ございます。……』(素直に、素直に受け取っていいのか。凄いと言う言葉を。尊敬されているという事を。父の命題は立派なもの。それは理解しているし、そうと思わねば引き継ぐこともなかった。…しかし褒められるものであるかは…。_____所詮想いを込めて作ろうと…兵器だ。…自らの手を汚さなくとも己の武器で誰かが何かを殺める事に違いはない。…“人殺しを褒められる”っていうのは。…味が悪過ぎる。手は動いていたものの、目元には何か力む様な変化が感じられた。)『……。』(貴方が僕の問いによって…別人のように雰囲気が変わった事に僕が気づく事は無かったろう。目線は変わらず貴方の脚に向いていたし、瞬き一つの間ですら正確に察するだけの主人公的力は僕には無い。僕にあるのは、ただ貴方がゆっくりと語ってくれるそれを…聞き、それに対してどう思ったかを伝えるだけ。)   (8/24 11:49:44)
ガエリオ/ゼダス > (人間らしさを捨て、貴方に現実的回答を向ける……だけ、だ。____貴方の口から奏でられる理想郷。…絵本の物語の様…。しかし、単刀直入に思った事を心の内で言うのなら。【実現不可能な未来】。……人、一人の力では到底叶えられない。例え100だろうと、1000だろうと。僕がポーカーフェイスで良かった。…こういう話を聞く時は、特に。_____ただ語る声を耳に入れながら、貴方が話終えるまでの間に…点検を済ませよう。右脚と同じように元に戻し、状態を記入すれば…定期的な点検は終了を迎えた。長机に纏められる工具と筆記具達。身を少し其方へ向けていたものの、向き合うような状態へと戻り…久方ぶりに貴方の眼へ…そっと、視線を向けた。)   (8/24 11:49:54)
ガエリオ/ゼダス > 『…教えてくれて、ありがとうございます。シフィル。納得しましたよ…。……貴方がそう願い、此処に身を置くのなら…必ず叶いますとも。…全力で向き合えば、叶わないものは…ありませんから。貴方がその願いを追い続ける限り、僕は力になり続けます。遠慮なく頼って下さい。_____あと…点検、お疲れ様でした。…はいっ。』(…胸の内が、痛んだ。…捨て切れないな、人間らしさ。……腐っても、僕は人間か。貴方の信念に現実と言う釘を打ち込む事なく、背を押す。…まるでペテン師だ。 彼等に、整備士や機械騎士に情を掛けるなと言われたばかりだろうに。 言われた事すら出来ないとは。…言葉を並べた後、そっと瓶を手に取った。…蓋を開け、甘い香りを漂わせながら…そっと貴方にそれを向ける。点検終わりのご褒美、…に似たようなもの。甘い甘いキャンディだ。如何だろうか。)   (8/24 11:50:03)


封船@シフィル > (正直、どんな反応が返ってくるのかはわからなかった。が、その不安はすぐに掻き消された。彼からかけられる優しい言葉。“全力で向き合えば、叶わないものはない”。その言葉が嬉しかった。ただただ単純に、嬉しかった。もしかしたら、ずっと自分が求めていたのはこの言葉だったのかもしれない。自分の中でもどこかで、この夢は叶えられないのではないかと、不安を抱えていたのだろう。しかしそれは彼の言葉で、大きな自信へと変わった。溢れ出した喜びの感情は、すぐに表情となって表に出てくる。笑顔が溢れてくる。彼が自分のことを考えて、わざと彼自身の意思とは正反対のことを言って、胸の内を痛めているとも知らずに。)「……本当ですか?!ありがとうございます!……よかった、ゼダスさんがそう言ってくれるなら、ぼくも安心です!」(にこにこ、にこにこ。邪気も悪意も一切感じられない、屈託のない笑顔。しかしそれは、彼の心を更に痛めてしまう原因となることだろう。)   (8/27 05:23:55)
封船@シフィル > (脚の定期点検も終わり、彼の“機械技師”としての今日の役目は終わったはず。自分はもうここに居る必要はないはず。しかし、少しだけ彼は自分に情を向けているようだ。その証拠に、点検が終わった今でも何やら自分とコミュニケーションを取ろうとしてくる。差し出されたのは、色とりどりの飴玉が詰まった瓶。飴玉、というのは聞いたことはあるが実際に見たのは初めてかもしれない。彼がよく口の中で転がしているものは何だろうとは思っていたが、これだったのか。きらきらと光を受けて、瓶の中で輝くそれらをじっと見つめた。)「………いいんですか?これ」(念の為に問うてみたが、どうぞと言っているのだし別にいいのだろう。答えを聞く前に赤く宝石のように着色されたものを、一つ摘んで口に入れた。するとどうだろう、たちまちじゅわ、と甘酸っぱいシロップが溶け出してくる。ころころと、味覚を直接刺激する感覚に、思わず感嘆の声をあげて頬を緩めた。)「……おいしい」   (8/27 05:24:11)
封船@シフィル > (甘い甘い、甘いキャンディ。でも、そんな甘い甘いキャンディよりも、もっともっと甘いのは誰だろう。_____叶わない夢を叶うものだと信じて、追い続ける彼?_____人間を捨てきれずに情を向けて、更に事態を悪化させる彼?それは私たちにはわからない。わかるのは、彼ら本人だけ。でも一つ、確かなことがある。____________それは、“甘さは人を狂わせる”ということだけだ。)   (8/27 05:24:48)
封船@シフィル > _______【甘言詰めの甘い瓶】〆   (8/27 05:25:08)