この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

瑞希&花崗

乙女二輪、大通りにて咲く

愁空/瑞希 > 季節のお花、各種様々に。一輪・花束ご自由に。恋しい人へ、愛しい人へ、もしくは誰より素敵な貴方様へ。季節のお花、いかがでしょうか。こちら花屋瑞希、あなたのために、すべてを選んでお渡ししましょう。(澄んだ声に、喜色が滲む謳い文句。言いなれた、何度も口にしたその口上は歌の一節のようで。独特のリズムに乗せた言葉を載せて、帝國内大通りを闊歩する花籠背負いの少女。籠の隙間からは数多くの花が顔を覗かせ、そのどれもが生き生きと花弁に水艶を纏わせていた。発色が良く、そして日持ちが良い。と近頃噂の『花屋瑞希』。魔術師であるにも関わらず、花売りを選んだ異色の子。しかしながら本人、その人生、その選択に満点の満足感を得ているようで、こうして客が付かない日であろうが、常に笑顔を絶やさず花籠を背負い歩くのである。二藍色の髪が歩く度に尊華の風に揺れ、花の匂いを振りまいた。どうか自分が歩いているだけで、花の匂いが誰かに届きますように。小さな祈りを胸に、まっすぐに続く道の真ん中を迷いなく歩く。述べた謳い文句を一拍置いたのち、再び口に出す。「季節のお花、各種様々に。一輪・花束ご自由に――」   (7/25 15:23:54)
愁空/瑞希 > 先ほどよりは声を張り、誰かの耳に届くように。踏み鳴らすブーツも気持ち音高らかに、軽やかに。自分自身が売り物だとでもいうように、姿勢・声、すべてに気持ちを配りながら。きっと出会える素敵なお客様のところを目指して、花売りは鼻唄交じりに、一人一人に目を合わせて進む。)   (7/25 15:24:17)


黒助/花崗 > 花、か……(軍人というのはただ強くあれば良いわけではなく、私事と仕事を分別し、拾捨選択が確り出来ることが求められる。それを確認するため、定期的に事前通告のない視察や見学行われるのだ――だが、そうして視察にやって来た元帥殿に花がないね、と友人宅へと遊びに来たかのように言われるとは思わなかった…確かに、自分の仕事場はそこまで色がない。書類の白、服の黒、茶色の家具と壁と床。それと、常に変わる窓の外の景色と、照明の色ぐらいだ。だが、それを見た上で。元帥殿は『花がない』と言われたのだろう。ならば何とかせねばなるまい。ここで何もせず、変化のない状態で次の視察がやって来てしまえば。減点されることもありうるのだ――故に、今日の分の書類を手早く終わらせ、見廻りがてらの休憩を利用し、何か使えるものがないかを探すために街へと躍り出たのだ)   (7/25 16:03:58)
黒助/花崗 > しかし、花か…何にするべきかしら…(だが、いざ街に出たのは良いものの、何をどうすれば良いのかが思い付かなかった。壁や床についてはかなり難しいだろう。木造建築であるがゆえに、色を変えようとすれば使っている木材を変えなければならないため、かなり大がかりな工事になってしまうだろう。家具もまた同じだ。大将の執務室専用に拵えられたものを変更するのは、専属の大工たちからの大きな反発があるだろう。故にその二つは却下…だが、そうなれば変えられるものは限りなく少なくなる。小物を追加するか、この際いっそ服に何かを追加してみるべきか――そんなことを思いながら、何気無く向けた視線の先に、小柄な、しかし華やかな姿を見つければ)   (7/25 16:04:01)
黒助/花崗 > そうか、花か…!(最初に呟いた台詞と全く同じの台詞を告げていた。花をおけば部屋全体が華やかになるだろうし、慣れ親しんだ木材の匂いに加え、花の香りで部屋全体が綺麗に見えることだろう――決めた、そう思うと。やや足早になりながらその花屋へと近づいていった)   (7/25 16:04:04)


愁空/瑞希 > 恋しい人へ、愛しい人へ、もしくは誰より――(述べた口上、外に出てから何度目か。その歌にも似た台詞を止める者もあらわれず、早数十分と。それでも地から根が離れた花が如く萎びることもなく、むしろ、自ら先へ先へと根を伸ばし続け、更なる場所へと向かい咲く少女は、こちらに向かう意思のある足音にすぐ気が付いた。道歩く花屋を生業としてから、そういった『意思のある足音』、つまるところ、購入意欲のある人物が、自分へ向かってくる足音というものを聞き分けられるようになった。ゆえに、あえて一拍、二拍。こちらに向かう足音が十分に近寄るまで、流水のように流れ続けた口上をせき止める。丁度良い台詞区切りだったが故に。その足音を聞き分け、方角さえも聞き取り。あと数歩。その位置まで来たことを確認しては、身体をそちらに翻して。にこりと、春の麗らかさを宿した柔らかな微笑みとともに、目の前の女性に告げるように口上を再開するのだった。   (7/25 16:23:12)
愁空/瑞希 > 「素敵な貴女様へ。」すでに、相手をお客様として捉え、口上の一句をただ一人、貴女のために向ける。花籠を揺らさない程度の会釈とともに視線を一度下げ、下から上へと花浅葱の視線をなぞらせる。ふむ。軍の方か、とその服装を見てはまず一つ。そしてその髪色、目の色を見て、最終的に視線が留まったのは――彼女の桜の花弁をした髪留めだった。軍服を何一つ着崩さず、かつ、より実用的に改造しているところを見るに、随分と腕が立ち、それでいてしっかりとした方なのだろう。花を売ることは人を見ること、と母の教えを守りつつも、自分自身の感性で貴女を捉える。しかし、軍服を着崩さない様子とは別に、その髪留めは随分と愛らしかった。桜の花弁、この帝國によく合う花の一つではあるが、軍人であり、実用性を求めるだけならばきっと、そんな髪留めは着用しないことだろう。よって、瑞希の相手への判断はこうだった。『素敵な一人の女性』。軍に所属していようが、女性らしさを香らせる目の前の相手のためだけに笑顔を向け続け、いよいよと口を開く。)   (7/25 16:23:35)
愁空/瑞希 > 初めまして、素敵な方。花屋瑞希にございます。本日はどのようなお花をお求めでしょうか。お力添えさせて頂ければと思います。(会釈の後、彼女の深い青色の瞳と、花浅葱色の瞳の視線を交わらせながら、背の花籠を下ろした。その中に詰め込まれていたのは、色とりどりの花。すとん、と地面に花籠の尻が落ちた瞬間、ふわりと花の匂いが舞う。自身の右手のひらで、花籠の中身を指し示しながら一度目を伏せ、『お客様のご随意のままに』との態度を示した。)   (7/25 16:23:47)


黒助/花崗 > (降ろされた籠には色鮮やかな花々が、そしてそれを背負う少女もまた、鮮やかな和服を身に纏っていた。身長は自分と同じ程。年齢差はかなりあるはずなのに、同じぐらいなのだ。正直、どうして身長が伸びなかったのか不思議だ)あぁ、ありがとう…それで、注文したいのは仕事場に似合う花を見立ててほしいのよ(花についての知識は一般人とそう変わらない、一応有名家の出ではあるが、そういった知識を学ぶ時間を話術や実力を伸ばすために利用していた――だから、というのは少し申し訳ないが。専門家である彼女にお任せしようと思ったのだ)   (7/25 17:06:54)
黒助/花崗 > 昨日、その仕事場に知人が訪ねてきたのよ。その時に『花がない。』って言われてね、今日は仕事を早めに切り上げて、こうして街に出てきたのよ(そこで、折よく貴女にあったのよ。と言葉を区切る。これではまるで愚痴のようだが、最近はイモータル関連の書類に加え、王国との協力関係を維持する書類、新たな法案に対して自分達はどう動くのか。といった様々な仕事が増えてきており、何処かで愚痴を漏らさなければ潰れてしまいそうなのである――閑話休題。そうして、少女にたいして注文をお願いすると、足元に降ろされた籠の中身が気になるのか、少し視線を向けていた)   (7/25 17:06:55)


愁空/瑞希 > 仕事場、ですか。それでは……あまり華やかすぎては浮いてしまいますし、場の空気を乱してしまうかもしれませんね。(相手の要望は簡単だった。花というのは場に一輪あるだけで雰囲気を変えてしまう力がある。しかしそれゆえに、選択を間違えてしまえば雰囲気をがらりと変えすぎるあまり、その場の足並みを乱してしまう魔力さえある。花は基本的に一足遅くその空間に仲間入りをするもので、所謂『お部屋の中の後輩ちゃん』。部屋の元ある空気感を引き締めるか、高めるかをするためのもの。自己主張が激しすぎてはならない。それが仕事場とあらば猶更だ。ましてや、彼女の服装から察するに、軍の仕事で使う部屋、と。そこまで考えて、自身の裏太腿から膝にかけて両掌をなぞらせ、服の裾が広がらないように花籠の横にしゃがんだ。   (7/25 17:34:00)
愁空/瑞希 > 同じ高さから聞こえていた声が頭上から降って来るようになったころ、ぽそりと聞こえた言葉には疲れが滲んでいた。この花売りには二つの特徴がある。一つ、花の扱いに長けすぎている程長けていること。二つ。人の言葉そのものに、色や匂いを感じ取ること。先ほどまでの言葉にはなかった疲労が、和紙ににじんだ墨のように広がっていた。ちょこんとしゃがみこんだ少女は、目の前の女性へと視線を持ち上げる。所謂上目遣い、の状態にも近しいが、あごも僅かに持ち上げていた。)お疲れのご様子ですね。日々の激務をお察しいたします。……私は花売りですので、軍の方々の苦労は心の底から理解なんて、できないかもしれませんけれど……。(視線を斜め下、花籠へ落とし、カスミソウを手に取った。それを相手に差し出しては、もう一度視線を合わせて。)カスミソウ、別名、花糸撫子といいます。白い花は気分のリフレッシュに向いています。それに……花糸撫子、なんて、愛らしい名前でしょう。貴女のように。   (7/25 17:34:06)
愁空/瑞希 > (もし瑞希が男だったとして。その場合、紛うことなき口説き文句としかならない言葉を平然と告げる。それも、言葉のつまりも一切なく、はっきりと。心の底から思っていることを声に乗せて。カスミソウの中からも、より一層愛らしく、より美しいものを選別しては手に加え、貴女の顔と見比べながら花籠の中の色鮮やかな花を視線で示す。)……そして素敵な貴女の魅力を表すには、カスミソウだけでは足りませんね。もう少し、花自体が大きくて…色合いのある花も取り入れましょうか。何色がお好きでしょうか。(先程の口説き文句に似た台詞は、本当になんてことのない、思った通りの言葉であったようで。更に言葉を重ねるも、それさえも目の前の女性を褒め、愛でる。花束で部屋を明るく、というのも考えているようだが、それ以上に花で彼女を笑顔にしたいらしい。先ほどまでの麗らかな笑顔はどこへやら、真剣な眼差しで花を見続けていた。   (7/25 17:34:26)


黒助/花崗 > 花糸、撫子…確かにね。でも、私には愛らしいなんて似合わないわ。似合うとすれば貴女だと思うわよ、花屋さん?(花糸撫子。耳に残るその名前を口の中で転がすように反復し、愛らしいという言葉に微笑を浮かべながら頷いた…そこでふと、こうして花についてを教えてもらっているとかつて実家に住んでいた頃のことを思い出す。母に花を習ってみたらどうかと勧められたが、そのときの自分は実力を得るための手段のみを求めていた為にその提案を断った――もし、あの時あの提案を受け入れていたのなら。ここでこの少女と花の相談事で、文字通りの花を咲かせていたのだろう…そんなことを思いながら、こちらへと視線を投げ掛けてくる少女へと言葉を返す。それも、男だったのならば口説き文句と言えるようなものを)好きな色…そうね、この髪留めの色かしらね。もし無いのなら、花屋さんのお勧めで構わないわ(花については分からない。故に、お好きな色はなんですかと聞かれれば、髪留めを軽く指差しながらこれと同じものをとお願いする。   (8/2 14:28:59)
黒助/花崗 > これと同じ色の花というのはまず桜だろうが、あれはの花は小さく、相手の言うことには叶わない。だが、花には詳しくないからこれくらいしか思い付かないのだ。故に、もしあるのならばそれに越したことはないが。無いのであれば、花屋の店主にお任せするとしよう)   (8/2 14:29:02)


愁空/瑞希 > あら。……花は愛でるもので、愛し、愛おしみ、視線で撫でてやるものですが、同時に女性もそうですよ。愛らしくない女性など、まして、花が似合わない女性など居ないものです。ね……?(ほんのひと時の間ではあるものの。彼女の口から否定が出てきたことに驚いた。花売りをしていて相手に可愛くないよ、そんなことないよ、と言われることはよくあるもの、彼女の言葉は本質からして違うものだった。お世辞や、その場しのぎの言葉ではなく、もっと重く――何かを、感じながら話しているような。だからこそ、瑞希の言葉も柔らかく、相手を落ち着かせるために発するようなまろやかさがあった。同意を求めるたった一音は、真綿のような柔らかさと、それに蓄えられた太陽の温かさを内包していて。視線は、貴女だけに向けられていた。客としてではなく、純粋に一人の女性を捉えていて。どうかそんなことは言わないで、私が愛らしいと思ったものを否定しないで。そんな意味合いが込められた、花浅葱色。しばし硬直。貴方に届いたかどうかはさておいて、その視線を置いてから花籠を見遣る。   (8/2 15:07:47)
愁空/瑞希 > そうだな、その色合いか。とあごに片手をあてて、思考の海へ。夏に色合いの薄い桃色となると中々難しい。しかも職場だ。あれや、これや、と手に取っては下げ、手に取っては下げる。その悩みこそ、貴女への思いやりとも言えるが。あまり待たせても申し訳ない、と思っているのか、ふと口を開いた。「……素敵な貴女だからこそ。悩んでしまうんです。許してもらえますか?」)   (8/2 15:07:53)


愁空/瑞希 > そうですよ。そうなんです。私も貴女も女性です。ええ、……伝わって、よかった。今、こんな世の中ですから。なかなか萎れてしまう方が多くて……少しでも元気になって頂きたいものです。私と、花で。――一応私も魔術師の家系に生まれましたから、言葉の魔法を…使えたら……(お世辞と捉えられはしても、言葉の真意は伝わったようだ。貴女に元気が届きますように。たったその一心が伝わったことを喜ばしく思ったのか、硬く結んだ口角が和らいだ。その調子からか、ぽんぽんと言葉に花が咲く。隣国とは冷戦状態、そしてイモータルとの争いの日々。疲れた人は良く街中で見かける。戦に関係のある人も、ない人も。そんな中で花売りは、ただ一輪であろうとも明るく、元気にあろうとしているらしい。自分の生まれを添えて、魔術と絡めた冗句のようなものを口にしていた時。頭に他人の温度が宿った。不意のことで目を見開き、まんまるの瞳をぱち、ぱち。と二度瞬かせた。手にした花がぽろりと落ち、「ら」の発音の口のまま、固まった。そのあと、暫く。)   (8/2 15:48:53)
愁空/瑞希 > あの、その………えっと、私。…自分からいくのは、良いんですけど。ほかの方から来られるのは……慣れてなくて。(と。要するに。照れているのだった。桜色を頬に宿し、視線を斜め下、つまりは花籠に落として。手からこぼした花をいそいそと花籠に戻し、そのまま新たな花を手に取る。先ほどの彼女の瞳のような、まんまるとした花。花の中心から外側に向けて、ピンク色のグラデーションがかかっているそれは、ダリア。照れを宿したまま、言葉を紡ぎなおす。)……ダリア、は…栄華、気品、優美などが花言葉にあります。軍の方なら、栄華なんて特にぴったりなのではないでしょうか。   (8/2 15:54:33)


黒助/花崗 > うん、うん。貴女の言うことはやっぱり正しいわ。こうして愛でて、愛すだけで。乙女はこんなに可愛くなる…ふふ、今の貴女、さっきよりも格段に可愛いわよ?(頭に手を置き、髪の毛が崩れぬ程度に撫で動かす。たったそれだけで言葉と動きを止めた花屋の少女を見ると、先程の言葉の意味を深く理解することができた。女の子は…いや、乙女は、こうやっている方が良いのかもしれない。少なくとも、自分のように戦場に出て、敵や、人に害をなす存在を殺めるよりも格段に良いだろう――まぁ、流石にこれ以上はやりすぎだろうと。相手が籠から花を一輪取り出すのに合わせ、撫でるのを止めていた)ダリア、ダリアね…そうね。それにするわ。合わせて幾らかしら?(栄華。その言葉を聞いた瞬間、無意識に眉を揺らす。だが、その一瞬を隠すように少しだけゆっくりと顎に手を置くと、花の名前を二度口ずさむ。聞いたこともない花だ。ここら辺には咲いていないのかもしれない。だが、その丸い様相は愛らしく。同時に、先程の花糸撫子と合うだろうと思えた。故に、それにするわと言うと。懐に手を入れて財布を取り出していた)   (8/2 16:10:38)


愁空/瑞希 > ん、ん……んん。こほん。……さておいて。閑話休題。元の流れに戻しまして。(動揺は明らかだった。わざとらしい咳払いに、重ねた三つの言葉は作りもののよう。普段の彼女の柔らかく、鈴蘭のような言葉とはかけ離れたコトコトと不自然なリズム。ただ、不快ではなかったようで。二種の花を束ねた片手とは逆の手で、自分の頭の天辺をよちよち、というように小さく撫でた。――撤回、不快ではなかった。というよりは、心地よかったのだろう。花屋瑞希、としてではなく、乙女瑞希、といったところか。すっかり仕事モードを忘れてしまっていた少女は、珍しく相手の表情を見逃す。しかし、頭に置いた手を払って、茎の先を斜めに切り落とす。切り落とすと同時に、乙女な自分もカット、と。一息ついて、茎の先端の切り口を確認する。うまく切れているのを確認したのち、おそらくは、ダリアの季節――さすがに秋までは難しいが――は、瑞々しく咲いてくれることだろうと頭に浮かべて。花のバランスをそれぞれに整えながら花束を纏める薄紫色の和紙を手に取り、くるり、と纏める。)   (8/2 16:37:54)
愁空/瑞希 > お水はお忙しくなければ毎日変えてください。あと、茎の先端が萎びたり、変色してしまったりしていたら切り口が痛んでしまっている証拠なので…斜めに、切りなおして頂ければ。これもできれば小まめにやって頂ければ長く持ちます。あと、このラッピングはサービスなので…お家についたらはがして、花瓶にさしてあげてくださいね。(茎の先端とともに、乙女もしっかりカットされたらしく。花売りらしい花の注意点をまとめて告げて、花束を作り上げたのちに代金を口にする。口にした数字は相場より少し安く、そしてラッピング分は入っていないだろうということが明確に解る値段だった。花束を差し出しながら、それぞれの花言葉になぞらえてもう一言。魔術師なのだから、願いを込めて言えば、きっと花も応えてくれるはず。彼女の部屋に華やかさを与えるのに一役買ってほしいとの心を込めながら。)…気品のあって、素敵な貴女に。幸福が訪れますように。   (8/2 16:38:02)


黒助/花崗 > ふ、ふふ。くっふふ…ご、ごめんなさい。面白くて、つい…ふふっ(頭を撫でられることに慣れていないのか。はたまた、撫でられることが好きだが恥ずかしいのか。そのどちらかは分からないものの、頭を撫でられてから花屋の少女の動きや言葉遣いがおかしくなっていた。撫でられていたところを軽く触ったり、先程までのテンポの良い会話がぎくしゃくとしていたり…そんな姿を見ていれば先程までの気持ちはどこへやら。その可愛すぎる姿がツボに入ったのか、口元を隠しながら押さえることで、つい大きくなりそうな笑い声を出来うる限り押さえていた)はー、ふぅ…分かったわ。なるべくこまめにやっておくわ…はい、これで良いわよね?(慣れた手つきで花を纏め、長持ちさせる方法を教えてくれた相手にお花を受け取りながら感謝の言葉を返した。そして、財布から取り出した『適正価格分』のお金を相手の手を掴んで握らせると、言外に『受け取ってちょうだいね?』と言わんばかりのプレッシャーを与えていた。無論、それを悪いとは思っているものの。しっかりとした働きにはしっかりとした対価を、という考え方なので、受け取ってもらわないとなんとも言えない気分になるのである)   (8/2 17:05:35)


愁空/瑞希 > いえ、こちらこそ……今の私は、花売りなのに。(仕事と自分自身の切り替えが上手く出来なかったことに恥じているのは、自分自身が花売りとしての職業に誇りを持っているからこそ。眉根を下げながらも立ち上がり、片手で裾を正してから相手と相対し直す。笑われた、ということに対して悪く思っていないのは、彼女の共感覚の賜物だった。むしろ、その言葉の端々から感じられる楽しそうな――そして、こちらに対する好意的な感情に、喜びさえ覚える。同じ魔術師でありながら、全く逆の人生を征く二人。そうでありながらも同じ女性であり、同じく花の乙女である。交差しそうで交差しない二人が、交差点のない大通りにて邂逅を果たし、同じく時を過ごし、同じく笑うこと。これにどれだけの価値があることか。瑞希としては、また一つの人との邂逅、会話を果たし、宝が増えたと同じようなもの。それだけ大切だと思えた言葉を交わした相手から提示された『適正価格』。受け取らないほうが、宝の心を汚すというもの。   (8/2 17:26:27)
愁空/瑞希 > わかりました、というようにこくりと頷き、「”丁度”。お預かりいたします」と、承知の旨をよく聞く言葉で表した。金額を受け取り、腰の花籠に仕舞っていた巾着に収めると同時、一枚の紙を花束を包む和紙の隙間へと忍ばせた。その紙には、自身の連絡先と住所と共に、こう書いてある。『誰より素敵なあなた様へ。この度はお買い上げありがとうございます。花屋瑞希、あなたのためなら、何処へでも参ります』。彼女は客を愛しているし、それ以上に、人を愛している。だからこそ、自分が宝と思った相手にはこうした手書きの紙をひっそりと忍ばせるのであった。相手がそれに気付くかどうか、そしてまたこの紙をたどってもう一度花屋瑞希を望んでくれるかはわからない。しかしながら、瑞希は望む。もう一度を。金額を受け取り、花束を手渡し。これにて、花売りと客は別れる。仕事が終わった瑞希は胸を張り、誇らしげな表情さえ浮かべていた。   (8/2 17:26:41)
愁空/瑞希 > 嗚呼。彼女がまた、私を望んでくれたらいいのに。一つつぶやいた言葉は夏空、天高く遥かへと消え、代わりに大きく息を吸い込んだ。「季節のお花、各種様々に。一輪・花束ご自由に――」再び唱え始めた口上と共に、歩みを進める。次の出会いを目指して。)『乙女二輪、大通りにて咲く』___〆   (8/2 17:26:50)