この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

今炉&董

鍛冶と刀は國の華

切/今炉 > 「はぁ・・・あっちィなぁ・・・(夏の日長もすっかり暮れて、ジットりとした空気が漂う午後九時過ぎ。晩飯はもう済んだが、暑さにやられて眠れない。一先ずそこらを散歩でもして、眠くなるのを待ってみよう。紺色の甚平姿の男は、下駄を鳴らしながら、茶屋の前を通り過ぎ、きっともう誰もいないであろう神社の方へと足を運んでいて。)・・・子供が居たら注意してやるか・・・(ふと、小さく独り言を呟き、溜息をつく。静かな場所に行きたいと思い、神社へと向かっているのだ。そこに誰かいるのなら、他の場所を探そうかなとも考えつつ、神社の前へと着く。)」   (7/24 21:25:25)


ゑゐりあん/董 > 貴殿…帝國軍少佐、今炉殿とお見受けいたす…(すると、夜の闇と、舞い落ちる木の葉に交じり、一人の女の声がした。よく見れば、罰当たりにも神社の鳥居の上に仁王立ちする一人の影があった。月光と重なり姿はうまく見えないものの、腰に刀、背中に棒を背負っていた)拙者と…手合わせ願いたいのでござるが…如何かな?(すると、声の主はとんでもない提案をしてきた。帝國の軍人に対して勝負を申し込んできたのだ。まとめた長い髪を風に揺らしつつ、影の主はその場から動こうとはしない。今炉の返事を待っているのだ。それが、当然の作法であるかの如く)   (7/24 21:30:49)


切/今炉 > 「・・・申し訳ないが、その提案には乗れない。なにしろ、丸腰でね。(階段上を見上げ、聞こえた声の主を確認する。内心、厄介なことになりそうだと思ったのか、奥歯をかみしめつつ、口調を明るく装っていよう。甚平姿の男はそのままこう続けた。)・・・それに。君と僕がここで戦ったとして、何か意味があるのか?武道を志すのなら他を当たってもらいたい。栄誉が欲しいのなら、少なくとも僕よりかは将官とかを狙うべきだ。違うかい?(ついでに言うのなら、神聖な神社での流血沙汰はいかがなものかと、思ったが口にはしないでおこう。ともあれ、まるで敵意が無いかのように神社の階段に腰かけ、意味を問う姿を君はどうとらえるのだろうか。)」   (7/24 21:44:22)


ゑゐりあん/董 > え?うそ丸腰なの?…きゃっ!(すると、鳥居の上の影が素っ頓狂な声を上げ身を乗り出した瞬間であった。ただでさえ細い鳥居の上である。バランスをとるのもやっとだったろうが、身を乗り出したせいでバランスを崩してしまったらしく、えらく可愛らしい声を出して落下する影)ぎゃぅっ!(そして大きな音と悲鳴を出しながら地面に背中をたたきつける影。高さはそこそこあったようだが、ゆっくりと起き上がる様子から見て、まぁ一応は大丈夫なのであろう)いつつ…(背中を抑えつつふらりふらりと立ち上がる影。…否、男とも女とも見える中世的な人間。声からして女なのだろう。その女は神社の階段に腰かけた今炉を見て、若干顔を赤らめつつ咳払いをする)   (7/24 21:53:21)
ゑゐりあん/董 > せ…拙者、この帝國の出身なれど、世界最強の称号を求めて世界をさすらう傭兵にござる。…軍人と戦えば相応の経験値が手に入ると思い、一刻前ほどから待っておったのだが無駄足だったようでござるな…(何とも言えない表情をする女)…一応、名乗らせてもらうでござる。拙者は董。先も述べた通り、帝國出身の傭兵にござる。以後、お見知りおきを(そう言って一礼をする董だが、正直それを取り換えせぬレベルで失態…というか痴態を晒していた)貴殿の言うことももっともにござる。なれど、拙者も侍の端くれ。己の戦力と他人の戦力を比べることぐらいは朝飯前にござる。…で、比べた結果、貴殿が最も良いと判断したのでござるよ(彼に会う前、董はもっと上の位の軍人に勝負を挑もうと考えていた。しかし、それらの姿を見て勝てぬと判断したのだ。逆に言えば、今炉とならいい勝負になると判断したわけである)   (7/24 21:53:24)
ゑゐりあん/董 > しかし…まさか丸腰であろうとは…(と、ため息交じりに漏らす董。これでは一時間の苦労が無駄である)   (7/24 21:54:27)


切/今炉 > 「・・・董さん、ですね。ご存じとは思いますが、尊華帝國軍少佐、今炉です。(声色からして、何となく察していたが、改めて彼女の前に立ち、その姿を確認して。そして、自分も名乗って見せれば)・・・はぁ・・・無駄な時間を過ごした、などと考えているんでしょう。貴方のその正直なところに免じて、3合までなら受けましょう。かかってきなさい。(心底、どうしたものかと困惑していたが、彼女の悲しそうな表情を見て、居ても居られなくなってしまって。両手を軽く握り、彼女と真っ向に構えていようか。)」   (7/24 22:24:22)


ゑゐりあん/董 > やはりそうでござったか。噂はかねがね。鍛冶屋の息子だと聞き及んでいるでござるよ(とりあえず、人違いでなかったことに安心する。まぁ、人違いであろうとなかろうと、先程の醜態がなくなるわけではないのだが。…と、ここからどのように会話を広げようかと考えていた矢先、向こうから驚きの提案がなされる)い…今なんて言ったの…?(思わず口調が崩れるほどの驚きっぷりである。まさか、三回まで攻撃してもよいと提案してくるとは。…が)し…しかし貴殿は丸腰ではござらんか。いくら貴殿に戦いの心得がござろうと、流石に刀と素手では戦力差がかけ離れすぎているでござる…!(この発言は、董の、自身の剣術に対する絶対的な自信の表れでもある。別に殺しに来たわけではないのだ…と思いつつ、構える相手を見て困惑する董)   (7/24 22:29:38)


切/今炉 > 「・・・ならば少々お待ちを。(彼女の様子と持つ得物、そして彼女の言動から考えられる彼女自身の考えを察し、であればとばかりに境内の砂をかき集めれば)・・・これくらいで良いか・・・『我が手には鉄、其の砂は冷度と成りて。粗鉄は玉鋼に、砂鉄は汝が得物に。炉の焔よ、消える事なかれ。』(細やかな砂の山は形を変え、次第に横長の山になって。そして、その中から何かを掴むと、彼は振り返り)・・・これならまだマシに立ち回れるだろう。君も手加減する必要はない。(右手に脇差のような刃物を握ったまま、君に向き直る。魔術を用いて作った脇差だが、急遽作った上、砂を冷却材に用いた為、刃の部分はまだ赤熱しているように見えるだろうか。)」   (7/24 22:47:52)


ゑゐりあん/董 > …?(困惑する董をよそに、何かをしだす今炉。すると、なんということであろうか。ただの砂が一振りの脇差になったではないか)…なるほど…ね(赤熱する刃を見つめながらそう言い、腰から二振りの小太刀を弾くように抜刀する。そして腰を落とし、こちらも構えを取る)尊華帝國、傭兵、董。いざ尋常に…勝負ッ!!(自分を鼓舞するように名乗りを挙げつつ、地面を蹴る董。普通刀を持つ人間というのは動きが遅いのが普通であるが、董が持っているのは小太刀。重さはそこまでないため、素早い移動が可能である。そして相手との間合いを詰める董。間合いでは敵のほうが長いが、それでも相手の一手を躱すことができればあとはこちらのものである。前進しつつも相手の攻撃を避ける準備をしつつ、今炉に向かって駆ける)   (7/24 22:54:21)


切/今炉 > 「(大きく息を吸い、その状態で留める。彼女の得物は小太刀2本。ならば少なくとも2つの攻撃が来る。彼女が踏み込む直前まで状況把握を行い、ゆっくりと息を吐き始める)・・・ヤァッ!!(彼女が向かってくる直前、握った脇差を落とし、左逆手に持ち替える。そして、体勢を彼女の下に潜り込む様に下げ、喉の辺りを狙って右手を振り抜いてみようか)」   (7/24 23:06:10)


ゑゐりあん/董 > な…ッ(攻撃が来ると思い、意識していた脇差が相手の手から離れた。何故?どうして?いったい何を?そんな予想外の行動に、董の意識は完全に彼から逸れてしまった。そして、次の瞬間には首元目掛けて飛んでくる脇差の刃が)く…ッ!!(慌てて両手に握りしめた小太刀を使い受け止める。境内に金属音が鳴り響き、なんとか相手の脇差を受け止めることはできた。そして董は意識を防御から攻撃に切り替える。体を沈め、相手の足目掛けて足払いを仕掛けたのだ)   (7/24 23:11:09)


切/今炉 > 「左手よりかは右手の方が器用、だから持ち替えた。(どうしても手数としては相手に利がある。最初にそう判断したから、防御がしやすい右手を空けたのだ。その勘は的中したようで、空いた手で彼女の足を受け止めていて。)あと、足を使うときは相手が手を使えないときに使うものだ、よっと!!(そのまま彼女の足を掴み、一本背負いのように、相手を地面に叩きつけようとして)」   (7/24 23:19:08)


ゑゐりあん/董 > な…っ!?(読まれていた。相手が自分の足払いを止めると同時に、頭の中で出来上がっていた攻撃のイメージが一気に崩れ去ったのが理解できた。そしてそのまま自分の体は宙を浮き、なすすべもなく背中から地面に叩きつけられた)が…ッ!!(頭を強打したのか、世界がぐわんぐわんと揺れた気がした。肺の空気が全部漏れた気がした。背中の骨にひびが入った気がした。気がした。だが、一体それが…)それがどうした…ッ!!(叩きつけられた董は、そう叫びながら、相手の左腕目掛けて右手に持っていた小太刀を統合する。小太刀は回転しながら今炉の左腕のほうへと向かって行った)   (7/24 23:31:18)


切/今炉 > 「・・・これで2合目。次で最後だ、準備は良いか。(必要最低限に身を捩り、小太刀を避けて。そのまま2歩程度間合いを取りなおし、君へと構えて。先ほどの背負い投げが思ったより強く叩きつけてしまったのが心配だが、今口に出しては不味いだろう。内心ハラハラしつつ、君の最後の攻撃を待っていて)」   (7/24 23:39:00)


ゑゐりあん/董 > あ…(悪あがきに等しかった、藁をも掴む思いで放った一撃は、意図も容易く躱されてしまった。しかし、相手は自身から間合いを取ったではないか。追撃する必要もない、ということの現れなのだろうか)はぁ…ッはぁ…ッ(立ち上がった董だが、その眼は見開かれ、肩で息をしていた。そんな。あり得ない。自分が今まで磨かれてきた技術が、かすりもしない。あたりもしない。何一つとして有効打を与えていないのだ。自分は、こんなみじめな敗北をするために家を飛び出したというのか?自分の弱さを実感するためだけに家を飛び出したのか?約束された将来も、温かい家族も、親しい友も捨て、家を飛び出した自分に待っていたのは、ただの少佐に攻撃すら与えれない“弱者の証明”だとでもいうのだろうか?)嫌だ…ッ!そんなの…ッ!(すると、董は地面を見ながらそうつぶやいた。弱い?自分が?認めれるわけないだろう。自分は…自分は…)私は弱くなんかない…ッ!!!(董は慟哭しながら地面を蹴りつけ、相手の懐に一気にもぐりこんだ。そして)あぁぁぁぁ!!!!(相手の右胸目掛けて、遠慮のない突きを放つ)   (7/24 23:45:57)


切/今炉 > 「・・・あぁ、君は弱くなんてなかった。(瞬間、相手の姿がかすんだ様に見えて居た。これまではっきりと見えて居た攻撃が、気付いた時には冷たいモノが肩の少し下を貫いていたのだ。かろうじて肺を貫かれることは避けたものの、紺色だった甚平が貫かれた部分を中心に紅く染まり始める。思わず、その場にしりもちをつくが)・・・これくらいなら、何とかできる。だから、心配とかしないで。(甚平の袖を噛み、自力で刺さった刀を引き抜いていて。そのまま小太刀をゆっくりと置けば、甚平の左袖を切って、そのまま包帯代わりに右肩に巻いていて。)」   (7/24 23:56:12)


ゑゐりあん/董 > っはぁ…はぁ…(相手に突き刺さった小太刀の柄を離し、同じように尻餅をつく。自分でも何が起こったかわからない様子である。しばらくは茫然としていた董であるが、唐突に我に返った。自分の小太刀を肩に突き刺した今炉が自分で手当てをしていたのだ)あ…ご…ごめんなさい…ッ!(と、慌てて駆け寄り、手当てを手伝う)わ…私そんなつもりじゃ…っ(目じりに涙が浮かぶ董。傷つけるつもりはなかった。少なくとも、こんな風な傷を負わせるつもりはなかったのだ。…なんて言うのは後の祭りである。自分は彼を傷つけてしまったのだ。よくよく考えれば、このような傷を他人に負わせたことは生まれて初めて出会った。今までに出会ってきたのは猛獣か、相手にすらならないチンピラばかりであったのだ。だからこそ、自分の手で、誰かにこれほどの怪我を負わせてしまった事実は、董の心に大きく突き刺さった)   (7/25 00:01:37)


切/今炉 > 「…そんなつもりじゃないなら、刀を握るのはやめた方が良い。(手当に対して小さく礼を言い、続けて彼女の言動には少し真剣な声色で苦言を呈して。地べたから立ち上がり、境内の階段へと腰掛ければ)…まぁ、これは僕の落ち度だ。実力を測りきれなかったからね。…あと、傷のひとつくらいあれば、佐官にも箔がつくって奴だよ。(出血で頭がボーッとするが、夜空を眺めつつ、君は悪くないんだと、間接的に伝えようとして)」   (7/25 00:19:50)


ゑゐりあん/董 > …ッ(今炉の言葉がひどく胸に突き刺さる。「そんなつもりじゃないなら、刀を握るのはやめたほうが良い」。そんなの当たり前じゃないか。自分は、どうしてこんなにも動揺しているのだ?わかっていたはずではないのか?世界最強の称号を得るためには人を殺す必要だってあることくらい。誰かを殺す覚悟を持って、自分は飛び出してきたのではないか?もしかして、摸擬刀を振るう感覚で世界最強になれるとでも思ったのか?それとも、相手を殺さないよう手加減しながら戦い続けることができるとでも思ったのか?)…違う…ッ!!(ドンっと石畳を叩きつける董。すると彼は立ち上がり先程と同じく階段に腰かけた。董も立ち上がり、先程投げ飛ばした小太刀を拾い、二振りとも納刀して彼の隣に膝を抱えて座る)…あなたは…人を殺したことはあるの…?(今炉の方は一切見ずにそんな問いかけをする董)   (7/25 00:24:52)


切/今炉 > 「…奇跡的に、まだない。でもきっと、これから命を奪う機会は沢山来る。(これまで自分が指揮を取ったのは後方の陣営や撤退戦ばかりだった。けれど、佐官として昇進していけば、攻勢的な作戦も立てなければならない日が来るだろう。ひとつ深呼吸をして)……僕は、君のように強くありたいわけじゃない。自分を守る事が出来れば十分だ。だけど、君は違うんだろう?(夜が更け、少しだけうつらうつらと、体が揺れて。)」   (7/25 00:42:18)


ゑゐりあん/董 > …そう…だよね…(命を奪ったことはないと聞いて少しだけ安心したが、続いた言葉にすぐにその安心は打ち砕かれた。彼は、決心しているのだ。誰かの命を奪うことを。大切なものを守るために)…私は…強くなりたい。世界で一番強い人間になりたい…(最初ははっきりといった。しかし、徐々に徐々にその口調は弱弱しくなった。強くなって何があるのだろうか?強くなった先に、何が待っているのだろうか?その答えを、彼女は知らない)…正直…アンタの思ってることと同じことを思ってるよ。どうして強くなる必要があるんだって…。覚悟もないのに…強くなろうとしているのかって…(そう言って、更に背中を丸め膝を抱きしめる)…でも、それでも強くならなきゃダメなんだ。…理由なんて考える暇があるなら強くならなきゃ。…自分にそう言い聞かせてる(まるで、催眠術にかけるかのように)   (7/25 00:47:44)


切/今炉 > 「……強くなりたい。…誰だってそう思う。一般的な考え方…だとは思うよ。(ふと、言葉の間隔が徐々に開き始める。そして階段の上で横になり、真上を見上げれば)………ただ、…理由のない夢は叶わなぃ………(やがて、声量が小さくなり、最終的に階段へと上で寝てしまって。きっと肩の出血と暑い夜に疲労が溜まってたのだろう。スースーと寝息を立て、泥のように眠っていて)」   (7/25 00:57:39)


ゑゐりあん/董 > …(相手の言葉を聞いていれば、だんだんと相手の言葉が途切れ途切れになってきた。そして相手が横になったため何事かと見てみれば、どうやら寝るようだ)…うっさい(理由のない夢は叶わない。そんな彼の言葉に子供っぽい反論をし、彼が寝るのを確認する)…そんなこと、わかってるよ。…ばーか(そんなセリフを吐き捨てて、董は、迷える侍は階段を降り、またどこかへとさすらって行ったのであった…)【鍛冶と刀は國の華】   (7/25 01:02:39)