この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

ピグム&パスティナーカ

陽光の記憶

丼田/ピグム > (今日もまた相も変わらず太陽は照りつけてくる。右手を傘にして太陽の光を遮りつつ、綺麗に澄み渡る空を見上げて「 まったく、憎たらしいくらい良いお天気ね 」と独りごちた。今は丁度お昼時、自分の他に歩いている人はそれなりに居る。立ち止まっている間にもジリジリと肌が焼けるような感覚。これじゃお昼を食べる前にあたしがこんがり焼かれて美味しく頂かれちゃうわ。空腹と少々の焦りから見上げるのをやめ早めのテンポで歩き出した。どこかにちょうど良い食べられる場所、もとい避難場所は無いかと探していれば目に止まったのは少し寂れたような喫茶店。木製の入口の傍に置かれたメニュー黒板をふと見てみれば、そこには綺麗な筆記体と文字の下に描かれたスイーツのイラスト。どうやらフルーツやクリームがふんだんに使われたこの店の名物らしい__甘いものに目がない彼女の心を即座に奪ってしまった。悪魔的なスイーツを前にして抗える人間がどこに居る? __ううん、居るはず無いわ。今日のお昼は少しだけ…ほんとに少しだけ食べても良いわよね?だなんて心の中でカロリーを摂取する事に言い訳しながらドアに手をかけ店に入る。)   (7/23 13:12:19)
丼田/ピグム > (物腰の柔らかそうな男店主がよく響くテノールの声で、笑顔で出迎えてくれた。珈琲の良い香りが広がる店内、彼女の他に客はまばらにだが居た。促されるままにカウンターに腰掛け、先程の悪魔的なスイーツを頼むべくうきうきとしながらメニュー表を開いた。)   (7/23 13:12:44)


外/パスティナーカ > (それではまず、本の表紙を開こうとしよう。お昼寝の時間、幼稚園の先生がまだ寝付けぬ子供のために。優しい声で読んでくれたような陽だまりのお話か、はたまた。取り残された忘却の主か、またも記憶の書庫の管理を怠らないか。──────〖 舞台は昼間の喫茶店。〗惜しみなく太陽が窓から注ぎ込まれる時間帯。部屋の隅まで陽光抱きしめられた室内は、何とも心地よく心が弾むに違いない。頬を緩ませスイーツに思いを馳せる乙女なら尚更。想像してみてくれ。どんよりとそれこそ羽毛布団をお空にかけて、無理やり寝かしつけられるような重々しさが伴う雨天と比べて、…いいえ。あなたならそれすら好機に変えてしまいそう。対する『彼 』もほら、   (7/23 13:26:51)
外/パスティナーカ > ──────カランコロン。「………よォ、いつもの頼むよ。」 その口調はまるでバーに来たかの如く。スラァ、と身長の高く、背広の広いスーツを身にまとった低い声の中年の男……ではなく。『 畏まりました。』…うさぎだ。やり取りしているのは紛れもない、ふくふくとした25センチのうさぎさんである。アリスの任命式はまだやっちゃいねえが、お嬢さん。このうさちゃんを見て、思わず声をかけずには居られまい?いつもの席は、〖 あなたの近く〗。こちらに歩いてくるのは必然なんだから。)   (7/23 13:27:00)


丼田/ピグム > (やはり店の名物だけあってその"悪魔的なスイーツ"、いわゆる"パンケーキ"は数枚捲らずとも大きく書かれていた。他のものに目移りすることは無く、喫茶店の店主に注文を入れようと声をかけようとした、その時。ドアのベルが小気味よく店内に響き、中年くらいであろう男性の声も加えて耳に入り込む。そのセリフはあたしが近寄らないバーとかで言うのがぴったり合いそうな……けれどその声に良く合う素敵なセリフ。行ったことは無いけれど、何となくこういうセリフって合いそうよね。テノールの男店主も慣れたようにその声に反応を返す。どうやら「いつもの」が通用するくらい通っている常連さんらしい。何となく気になってしまって、あまり良い事では無いだろうけれどチラリとその声の主の方に目線をやった。___「?????」。)   (7/23 13:53:46)
丼田/ピグム > (これが今の彼女の思考大半を占めた。ぴょんこと生える大きなお耳、真っ白なモフモフの毛、黒くて可愛らしい目……それがビシッとスーツとハットを決めている。うさぎ以外の何者でもない、それは確かに紛れもなくうさぎだった。もしかして、さっきの声の人のペット?だなんて疑ってしまったがそこに男性の姿はない。ということは声の主はこのモフモフうさちゃんという事になる。うそ、……ほんとに? __だがね、考えてみてほしい。彼女が好きな物は"甘いもの"それと"可愛らしいもの"。こちらに歩み寄ってくるこのうさちゃんは紛れもなく、後者の部類に入るだろう?だから驚き戸惑いなんか吹っ飛んで、近くの席に座ったうさちゃんに躊躇いも無く話しかけるのだ。)「 こんにちは、モノクロうさぎさん?お隣に座っても大丈夫かしら? 」   (7/23 13:54:08)


外/パスティナーカ > (のし、のし、もふっ。あなたの横を通り過ぎる彼は、そんなオノマトペがつきそうな動き。もちもちとしたふくよかな毛玉が近くの高い椅子に飛び乗り、足をプラプラさせながらよじよじと器用によじ登る。そんな1連の動きが貴方の目には映っていたかもしれない。メニューを待つ間、帽子を脱ぎ器用にネクタイを緩め、彼はたむ、と前足を机に置いてぼんやり窓の外の街並みを──────『こんにちは、モノクロうさぎさん?お隣に座っても大丈夫かしら? 』「………。」 彼は鍔に影かかる黒の瞳をそちらに向けた。騎士団を思わせる服装に明るい瞳。柔らかいピンクの髪。そんな貴方は屈託もない笑顔をこちらに向けて、期待の篭った鈴のような声色で言葉を投げかけてくる。その好機はまるで子供、彼は口を開いた。   (7/23 14:10:25)
外/パスティナーカ > 「……………嗚呼、構わない。………座りな嬢ちゃん。」 断る通りは無い。彼は続ける。「………〝 喋るうさちゃん〟ってのは初めてかい。嬢ちゃん。……タネも仕掛けもねェ、どこにでもいる普通のウサギだが、……へへ。…………珍しいついでになにか奢ろう、今日の俺は機嫌が良いんだ。」 耳をひくり、動物の修正。柔らかそうなほっぺが喋る度にもふもふと揺れる。これはぬいぐるみなんかじゃない、紛れもなく〝 ホンモノ〟だ。 )   (7/23 14:10:34)


丼田/ピグム > (うさぎだなんて何時ぶりに見たかしら。もちもちとした丸っこい体が動く度に長く生えたお耳は揺れ、テーブルに置かれたあんよも手に持ってふにふにしたい欲にかられちゃう。でも急に触るだなんて、礼儀がなって無い不作法な小娘だと思われるだろうからやらないわ。だから徐々に距離を置いていく、そういう意味も含めて 「隣に座っていいか」 と尋ねたのだ。ただ純粋な物珍しさや、愛でたい気持ちもあったのは確か。ウサちゃんからお許しを貰えば、彼の隣の席に移動する。さて、これで物理的に距離が近くなったわけなのだが__)「 そうね、あなたみたいなうさちゃんは初めてだわ! ……ふふふ、他の普通のうさぎもうさちゃんみたいに話し出したら大変じゃないかしら?」   (7/23 14:41:10)
丼田/ピグム > (ちょっと素敵だけれど、なんてモフモフに囲まれる自分を想像しながらそんな事を呟いた。普通のうさぎにもそれぞれ性格があるから、収拾がつかない事になってしまいそう。でも想像するだけなら幸せね!)「まぁ、良いの?うさちゃん。初対面なのに申し訳ない気もするけど……ふふっ、うさちゃんに甘えちゃおうかしら。」(1度閉じていたメニュー表を再度手に取りパラ、と捲る。場所は変わらず2ページ目。彼の目に写るように少し近付けてトン、と指さした。この「悪魔的なスイーツ」が食べたいわ。それと、あと1つ__)「 …………あのね、うさちゃん。えーっと……贅沢過ぎるかもしれないけれど、……不愉快じゃ無かったら、その…触らせて貰う事ってできるかしら? 」   (7/23 14:41:21)


外/パスティナーカ > …………………お前ェらが知らねェだけで、うさぎさん達は喋ってる。…嗚呼、俺にはちゃーんと分かるさ。…………へへ、ついさっきあってきたうさちゃんの群れの1人は『 実は人参そんなに好きじゃないんだ。』って、…話していたよ。(くつくつと低く笑いながらそんな冗談をひとつ吐く。うさぎになんざ会っちゃいないが、まるで怖い夢に怯える娘に、冗談を1つ教えるあの時の父親のように。はたまた旧友と酒を飲みながら、語るように。うさぎの言葉なんて知らない。皆口を揃えて呟くのは「ぷうぷう。」そんな鳴き声ばかりだ。そうだろ?「………へへ、そうこなくっちゃ。こういう時はな、お言葉に甘えるのが礼儀だ。嬢ちゃん。……………どれどれ、…ほーん。悪魔的スイーツ、ね。…随分と甘ったるいものを食うじゃないか。」 メニュー表を彼は見遣り、薄く目を細める。   (7/23 15:17:18)
外/パスティナーカ > 悪魔的スイーツ、生クリームがたぁっぷりかかったそのパンケーキは口にほおばれば夢が広がる代物だ。お嬢さんがそれをご所望とあれば、彼は店員を呼び、それを頼むだろう。──────そのあとの話だ。『 ………あのね、うさちゃん。えーっと……贅沢過ぎるかもしれないけれど、……不愉快じゃ無かったら、その…触らせて貰う事ってできるかしら?』「何?」聞こえなかったわけじゃない。しかし聞き返したそのわけとは、言わずもがな。だって彼は御歳45のいい歳のおっさんである。照れくさくなるほどウブでも無ければ、スキンシップを嫌悪するほどの潔癖じゃない。さらに相手はレディだ。レディの頼みは答えるのが男でしょう。彼は肩を竦めた。「……俺の家はちょいとばかし寒いところにあるから、そこらのうさぎよりも丸々としちまって、だらしがねえったりゃありゃしねえが…………まあいい。今回は特別さ。好きにしな。」 やれやれと言わんばかりだ。前足で器用にふく、と頬杖をつきながら貴方の方をみやりつつ、もう片方の前足を広げる。ラッキーだったねお嬢さん。答えは触ってもいい、だそうだ。)   (7/23 15:17:29)


丼田/ピグム > (……さっきのお願いは、ちょっと急すぎたかしら?だなんて心の中で心配になりつつも、引かれてないことを願うだけ。すればやれやれ仕方ねぇなと言った様子で、こちらに前足を開いてくれた。……答えはオッケーってことよね?)「あぁ良かった!うさちゃんはきっとあたしよりも長く生きているだろうから、断られちゃうかなって思っていたのよ。嬉しいわ!」(ぱぁ、と効果音が付きそうなくらいの笑顔をあなたに向けて彼女はそう告白をした。自分の座っている椅子から更にお尻をずらし、また少し距離を縮める。女性らしい細長い指をうさちゃんのたゆっとした頬に触れる。)   (7/23 15:41:45)
丼田/ピグム > (細かく柔らかい動物特有の毛がふわっと包み込む感触、思わず「うふふ」と小さく笑ってしまった。するりと移動させ頭から鼻先を撫で上げるようにすると、親指で眉間の間の溝をなぞるようにコスコスと撫でた。どこを触られると彼は気持ちいいのだろうか、さらさらとしたまた違った感触を楽しみながらそんなことを考えた。本当だったら膝に乗せてもっと撫でたい所だけど__今目の前にいるうさちゃんは愛玩用の動物では無い。見た目はそうでも、中身はれっきとした人間(しかも男性!)なのだ。そこは見誤らぬよう慎重に、しっかりと。)   (7/23 15:41:58)


外/パスティナーカ > …………長く生きているからこそ、だろう?レディの誘いを断るのは男としては格好悪い。(貴方は若い、それこそ文字通り〝 彼の方が長く生きている〟。故に彼からすれば子供と変わりやしない、なんて。そんなことは口にはしないけれど。細い指先はふくふくとした毛の中に沈む。額を撫でられたり首元を撫でられたり。丸っこい体の正体はこのもふもふの毛だろう。ケセランパサランのよう、耳の裏はサラサラと。胸元あたりは暖かく柔らかく。額辺りを撫でられれば ぴすぴすと小さく鼻を鳴らしながら耳をぴこりと動かし、前足をお行儀よくちょこんとさせるのはうさぎの特性である。何か食べている訳でもないのに口がもしゃもしゃ小さく動いていたり、ほおぶくろが揺れていたりもまた同様。そんなことをしている間に   (7/23 16:00:15)
外/パスティナーカ > ──────『 おまたせしました。』店員のテノール声が心地よく鼓膜を揺さぶる。注文の品かきた。ほら、あなたの好きなパンケーキとあと一つは、サラダだ。かたん、かたん、と机に置かれ、店員は一例。彼は瞳を向けて口にしようか。「……そろそろ食おう。」 昼下がりのランチ、次はなんの話だろうか。名前もお互い知らぬのに、きっと他愛もない雑談で幕を閉じることは間違いない。これぞ平穏、…まさに。平穏でしたとも。)   (7/23 16:00:28)


丼田/ピグム > (ふすふすっ、と本物の__いや、" 喋らない、普通の "うさちゃんみたいな反応をする彼。それがとっても可愛くって、ついゆるりと微笑んだ。暫くそうしていれば、よく響く素敵なテノールで閉じられた。もう少しだけ触っていたかったけれど、出された食べ物を頬っていつまでも撫で続けている訳にもいかないでしょう。出された品物は" 悪魔的なスイーツ "の名にぴったりなほど、ピッタリすぎるほどだった。色とりどりのフルーツはまるで宝石のように散りばめられ、たっぷりかかった生クリームは綺麗にデコレーションされている。見てるだけでお腹がいっぱいなってしまいそうな、イラスト負けしていない堂々たる立ち姿。思わず「わぁ……っ」と歓喜の声が出てしまう。うさぎさんはサラダを頼んだみたい。明らかなカロリーの差を感じてしまい、再度仄かな罪悪感を感じるが、ふるりと頭を振り大丈夫よ、だなんて。)「 そうね、ふふ……いただきますっ! 」   (7/23 16:36:06)
丼田/ピグム > (うきうきとした様子でナイフとフォークを手に取り、生クリームをたっぷり付けた1切れを口の中に入れる。濃厚な味に満足したようにコクコクと頷けば、美味しいわ!と。)「__そういえばうさちゃん、お名前聞いていなかったわね。奢ってもらっちゃったし……このままで良い訳にはいかないわ。……あたしはピグム。格好で分かるでしょうけど、騎士団の人間よ。うさちゃんのお名前、差し支えなければ教えていただけるかしら?」   (7/23 16:36:18)


外/パスティナーカ > (きたお野菜の葉っぱをもしゃもしゃもしゃと口に含む。前足で器用に掴みながら、もしゃ、くしゃ、もしゃ。パンケーキの甘い香りを隣に、もしゃもしゃもしゃ、──────ごくん。「………………〝うさちゃん 〟でいいよ。工場から流れる部品一つ一つに名前をつけねえように、1匹1匹名前なんて、つけてられねえだろう?」 彼は貴方の方を見遣り、そんな皮肉をひとつ零した。彼は名前を敢えてはぐらかしたのだ。男はミステリアスなぐらいがちょうどいい。貴方が名乗ったのだから教えるのが礼儀だなんて。嗚呼、そんなことは差し置いて。彼は結果として教えなかったのだ。こんなもふもふのうさぎでも、屍の山に君臨する男なのだ。今はなき、背に背負った銃の重さは殺めた命の数に匹敵するのだ。彼は続ける。「………………ひとつ、俺のジョークを聞いてくれよ。お嬢さん。」…彼は貴方の名前も呼ばなかった。その代わりひとつのジョークを吐くんだ。ウケること間違いなしのラビットジョークは、その先2人のお話ですから。──────我々は今ひとつ、本の表紙を閉じまして、ここいらでお開きと致しましょう。 )   (7/23 17:10:04)