この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

クライス&シフィル

話も料理も冷めないうちに

枡/クライス > (陽が沈みきった午後8時過ぎ。遅くなってしまった夕飯を、たまたま仕事終わりに一緒になった機械騎士の彼と共にすることになった。__彼と直接的な関係があったわけではなかったが、どうやら行こうとしていた先が同じのようだったので、ひとりで食べるよりは良いかと思い切って自分から声を掛けてみたのだ。「良ければ一緒にどうですか?」と。普段することのない行動が出来たのは、彼が何となく話しかけやすそうな雰囲気を纏っていたからだった。渡されたメニュー表をテーブルの中心に相手の方へ向けて広げれば「何か食べたいものはありますか?」と声を掛ける。軽く摘まめるようなものはあまりないように見えたがずらりと文字が並んでおり、一通りのものは用意されているように思えた。自分も何を食べようかと考える。無難にパスタ辺り…だろうか。)   (7/18 23:33:36)


封船@シフィル > (太陽が沈み、人々が日々の活動を終えて思い思いの時間を過ごす夜。基本彼は、この時間を一人で過ごして、早々と眠りにつくことが殆ど。だが、今日は何やら違う。仕事終わりに同騎士団に所属するクライスに声をかけられたのだ。話を聞くと、どうやら行き先が被っていたらしい。それなら、とすぐに彼は快諾した。ただただ単純に、誘われたのが嬉しかった。そしてあまり接点の無いクライスと話ができることが、まるで宝探しのように未知と希望で溢れていて、幼く純粋な好奇心を掻き立てられたのだ。)「……………あっ、ごめんなさい。ぼくあまりこういう所に来たことが無くて。そうですね、……あっ、ぼくこれ好きなので、これにしますね!」(目的の店に着き、二人で向かい合って席につく。がやがや、しゃんしゃん、どかどか。声をかけられているにもかかわらず、彼はどこか上の空。りんりん、きらきら、とぽとぽ。あまり夜の街に出たことがなかったため、店の独特な雰囲気と活気に意識とを奪われていたのだ。一つ二つ間が空いたところでようやくその声に気づく。反応が遅れてしまったことに謝罪をしながらこれ、と言いながらメニューのオムレツを指さした。)   (7/18 23:54:16)


枡/クライス > あぁ!お気になさらず。辺りが騒がしいと気を持っていかれてしまいますよね。僕もあまりこういった場所には来たことがないので…。 誘っておいてなんですが、いきなりお誘いするのも如何なものかと自分で思っていたところだったので…少し安心しました。(相手が申し訳なさそうにすれば、少しだけ間を開けて自分も同じだと反応する。子供のころに叔父と一緒に何回か来たことはあるものの、成人してからは自炊することの方が多く外食自体あまりしなくなってしまった。彼がオムレツを示せば小さく頷き店員を呼び、オムレツとパスタを注文する。さて何を話そうか。__相手は機械騎士で、自分は普通の騎士。共通の話題と言うものが見つかれば楽なのだが。……そういえば、機械騎士と言う色がある事は知っていたが、具体的にどのような事をするのか等は深く聞いたことがなかった。興味があまりなかったと言っても良いかもしれない。丁度良い機会かもしれないし、訪ねてみようか。)   (7/19 00:22:03)
枡/クライス > …私達騎士は街の安全を守ったり、時に戦ったりするのが仕事ですが、…機会騎士と言うのはどういったお仕事なのでしょう?あまり他の役職について知る機会がないので、少し知っておきたいのですよ。(軽くで構いませんし、無理に話して頂かなくとも構いません。と念のために付け加えて。少しの待ち時間の間の会話としては丁度良いものなのではないかと話しかける。)   (7/19 00:22:04)


封船@シフィル > (彼が注文を頼むそのほんの少しの時間。そんな少しの時間でさえ長く長く感じてしまうほど、好奇心と探究心を掻き立てられていた。人とよく関わるようになってわかったことがある。この二つの感情は、自分で抑えることが難しいということ。しかしそれは時には誰かを傷つけてしまうということ。人を知るということはそれだけ繊細なことで、無理に土足でずかずかと、心に上り込んでしまってはいけないということ。最初彼を見たときに大人しそうな印象_______いや、何と言ったらいいのかよくわからない。何か一つの言葉で表せるような単純な人には、とても見えなかった。常に光を生み出しつつも何処かに影を落としているような、何か。その為、なるべく自分から動くのは控えようかと、彼から話が振られてくるのを待った。注文を終えると彼は、意外にもすぐに話を振ってきた。機械騎士、そういえば自分たちはそういう呼び名だったか。ともかく、自分のことや職に興味を持ってくれたのなら、とても嬉しい。なるべく答えられるだけのことは答えよう。「ぼくの知っている範囲では」と、にっこりと口角を上げながら、自分の覚えていること、知っているだけのことを口にした。)   (7/19 11:40:13)
封船@シフィル > 「そうですね、『機械騎士』は……基本的にはみなさんとしていることは同じですよ!あっでも、まだやっぱりみなさんよりも魔術が弱いので、それを強くしたりとか。あと、アーツの調整とかを整備士さんたちにしてもらったりしてます。……これが無いと、ぼくたちは何もできませんから。」(魔術がまだ未熟な分、アーツに頼っている面が多いこと。そしてそのアーツが無ければ、自分たちの戦闘能力はほぼなくなってしまうこと。その為、自分の居場所を与えてくれた騎士団の人々にはとても感謝していること。勿論、彼もその例外ではない。せめて感謝を伝えておかないと、と思っていたが無意識のうちに「ありがとうございます」と自然と言葉がもれ出た。)   (7/19 11:40:30)


枡/クライス > ふむ…そうか、基本的には同じなのですね。ではこういう時はどうしたら良いのか、どうしているのか、なんていう相談も出来なくはないわけですか。…なるほど。(彼の言葉を聞けば今まで遠く感じていた機械騎士の存在がぐっと身近にあるように感じられた。魔術が未熟でアーツがないと何もできないと彼は言ったが、自分はそうは思えなかった。“様々なものの力を借りて色々な事をこなす”。言うだけ見るだけなら簡単だろうが、実際に行動出来るかはまた別であろうし、信頼関係を構築しなければどこかで動けなくなってしまってもおかしくはない。自分には欠けてしまっているようにも思えるものを彼、彼らは持っている。その事に強い感動と感心を、そして自分が持っていない関係に対して羨ましさを覚えてしまった。仕事について軽く知れたというだけでもそれだけ魅力的に思えてしまったのだ。そんなに自分を卑下しなくても良いのだと。彼にそう伝えたくて口を開く。)   (7/19 14:25:24)
枡/クライス > 上には上がいますし、僕もあまり魔術が強いとわけではありませんが…。機械騎士、いいですね。もしかしたら失礼に当たるのかもしれませんが、僕は少し憧れてしまいます。自分の力と魔術の力、それに加えて機械の力や他の方の力も借りて何かをするなんて、そう簡単に出来る事ではありません。とても素晴らしい事なのではないでしょうか? (それから急に発された「ありがとうございます」の言葉を聞けば 驚いたと相手の方を見る。自分は今何かをしただろうか、相手の仕事について尋ねただけ…だったはず。それが彼の何かを刺激したのか、それともまた別の思考に更けた末の自分以外に対する礼をポロっと口にしてしまったのか。暫し戸惑いながらも様子を伺う。どうも無意識だったようで、その言葉を口に出したことすら気付いていないようだった。指摘して良いのか悩みつつもやわらかな笑みを作り相手に対してそっと告げる。) …どういたしまして、なのでしょうか。何に対する言葉なのかは僕にはわかりませんが、貴方の想像したお相手もきっと僕と同じ言葉を返す…返したような気がします。あくまでこれは僕の“想像”の内に過ぎませんが。   (7/19 14:25:38)


封船@シフィル > 「……あはっ、そうですか?あなたがそう思うのなら、そうなのかもしれませんね!嬉しいです!」(彼から返ってきたのは少し意外な言葉だった。『憧れ』?『素晴らしいこと』?驚きから一瞬、絶やさず浮かべていた笑顔を忘れてしまった。自分で噛み砕さずとも頭に入る彼の丁寧でわかりやすい言葉は、語彙が欠乏している彼でもすぐに理解することができる。が、呆気に取られてしまったのは、その言葉の優しさをどう受け止めればいいのかわからなかったからだった。自分はあくまで“兵器”という扱いであって“人間”ではないということは、幼い頭ながらも聖騎士団に所属した時から十分に理解していた。過程と人格は無視され、結果と成績だけが尊重される。でもこの人は、その無視された過程における努力を評価してくれた。それを理解した瞬間、何故かはわからないが心が暖かくなった。何か熱くて懐かしいものが表にこみ上げてきそうになったところで、それを悟られまいと笑顔で封じ込め、語尾を明るくして半ば無理矢理に繕った。きっと、これは表に出したらいけないものだ。)   (7/19 17:16:07)
封船@シフィル > 「……でも実際、“みなさん”が受け入れていなければ、ぼくはここにはいませんし。ぼくは今までいろんな人に合いましたけど、受け入れてくれない人がほとんどでしたから。だから、あなたにもそう言っておきたくて。」(どうやら無意識のうちに言葉を発してしまっていたらしい。感謝の言葉はきちんと伝えた方がいいのだろうが、再度同じことを言うのも少し難だろう。両脚の無い自分でも、“普通”とは違う自分でも救いの手を差し伸べ、受け入れて、居場所を与えてくれたこと。あえてそれをもう一度口に出そうとはしなかった。しかしその感謝は、紛れもなく聖騎士団の皆、そして目の前の彼に向けたものでもあるということは、静かに、かつはっきりと伝えた。)   (7/19 17:16:20)


枡/クライス > (彼の笑顔が一瞬歪んだ気がした。やはり“憧れる”という言葉は失礼に当たるものだったか。もしかしたら皮肉なんかにも聞こえたのかもしれない。それでも変わらず笑みを絶やさないのを見て少しだけ心が痛む。しかしもし本当に皮肉だと思われていたら?それは自分の望んだことでは無いし、相手を傷付けるために発した言葉でもない。__これはエゴで、相手を更に深く傷付けるものかもしれない。でも、ここで引いてしまっては行けない気がした。誤解されたままではいたくない。その一心で先程心の中で思っていた言葉を相手に贈る。) ええ。ですから自信を持って、自分をそんなに卑下しないでください。あなたも立派な人ですよ。 ……あなたの言う“みなさん”の中に、何もしていない僕も含まれているなんて恐れ多いですが…、感謝の言葉を無下にするのも失礼ですから、素直に有難く頂戴しておきます。(彼を受け入れてくれた騎士団に対する礼であることを察せば、それならともう一度返事を返す。恩を忘れず礼儀正しい。やはり彼は素晴らしい人だ、なんて思いながら。)   (7/24 21:10:32)
枡/クライス > (__先に用意してあったコップの中に入った液体を気紛れに揺らしていては、「お待たせしました」と声が掛けられ注文していた料理が運ばれてくる。湯気の漂う様子を眺めていては、暫くして横に置かれたフォークとスプーンを手に取り、相手の方をそっと見る。) ……せっかくの料理が冷めてしまってはいけませんから、一旦お話は中断して、食べることに専念しましょうか。では____。【話も料理も冷めないうちに】〆   (7/24 21:10:34)