この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

リューグナー&ルシェツア

盾と嘘は使いよう

ゑゐりあん/リュ-グナ- > 何かを守る為に何かを破壊する…。ふふっ。非常に愉快な話ですねぇ。誰かの大切なものを破壊しなければ、自分の大切なものを護れない…。いやはや。世界とは矛盾だらけ。矛盾も矛盾。まるで“冗談”と思えるほどに。そうは思いませんか?ねぇ?大盾のイモータルさん?(深夜。満月が淡く輝く中、騎士の制服を纏った男がいた。その男から声が聞こえる。延ばし延ばしの口調。しかし、その声は男から発せられている声ではない。男は口を動かしていないのだ。しかし、声ははっきりと聞こえる。まるで、男の影から声が発せられているかのようである)あなたは…ルシェツア…で間違いないでしょうか?(男の返事も聞かず、一方的に話し続ける謎の声)   (7/18 14:46:52)


極夜@ルシェツア > 「………………ぁ……?いもー、たる……」(がじ、じざ、ざり、ざり、黒い大地を大盾が削り、小さな砂埃が舞い上がる。何も守れない愚かな騎士が通り過ぎた後にはただ、落涙の後と零れた赤い命の残り香。けたけたと嫌味ったらしく嗤うような月が黒い大空を僅かに照らす。きっと本当は、黒なんかではないのだろう。安息の夜はもっと、色鮮やかなのかも知れない。けれど見えないの、嗚呼、その通り。見えない。化け物に綺麗なお空を見詰める権利はないのです。イモータルと呼ばれる化け物は独り、孤独な深夜と共に何処とも知れない道を歩いて、歩き潰して、……そうならなかったのは突然の声の所為でした)「ルシェツア……?んー、……う……ちがう……否……私、私は…………お前は、敵か……?うぇん、でぃあ、守護、を」(削り取られてほんの僅かにしか残っていない理性が何とか言葉らしい言葉を絞り出す。ぐるん、と布の下の瞳が白濁し、大盾が──ぐわり、と回る。振り回したのだ。敵がいる、そう認識したらしい。ぼたぼたと赤に濡れた涙を流し、がつ、と影に大盾を刺すような姿勢で止まり)   (7/18 14:57:12)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > ほぅ?これはこれは予想外。予想の外と書いて予想外ですねぇ。いやはや、頭のおかしな者が多いとは思っていましたが、まさかここまでとは…。やれやれ、やはりイモータルと言っても一緒くたには出来たいみたいですねぇ(ため息混じりに、嘲笑混じりにそう漏らした声。すると、影に盾を突き刺したのを見て、クスクスと笑い声を上げる)おやおや、敵がどこに潜んでいるか理解出来る程度の知能はあるんですねぇ(そういうと、ルシェツアの影から何かが飛び出し、彼の眼前に着地する)改めましてこんばんはぁ。…なんて、理解する知能があるかどうか、果たして謎ですがねぇ(なんて言いつつ、一応は頭を下げる)ご安心を。私は敵ではありません故。ですからその物騒な盾を振り回さないで頂けますかねぇ?(苦笑しながら彼にお願いをしてみる。徒労に終わるだろうとは思っているが)   (7/18 15:04:31)


極夜@ルシェツア > 「う"あ"……あ"あ"あ"!!!」(澱んだ碧色が影を睨め付ける。被っていた布がばさりと揺れ、吹き荒ぶ風が布の下に隠された傷だらけの孤独を暴き立てた。掠れた叫声と共にごぽりと口元を赤が彩る。乱暴に大盾を振り上げ、がつん、──二回、三回、虚しく地面から土が舞う。四回目)「…………、…………んー……?」(自分の影からひらりと舞い降りた夜更の怪奇。普段ならば恐らく、躊躇なく大盾を翳しているだろうが、不思議な事に大盾は貴方の言う通り静かに地面に下ろされる。ヨズア人のような外見ではない。尊華人と言われればそうも見えない。消去法で、壊れて崩れ行く騎士の中、貴方は"ウェンディアの人間なのでは?"と確定されたようだ。落ちてしまった布を深く被り直し、擦り切れて彼方此方に散らばった心の形の理性を掻き集め)「………ぁー……失礼、した。あなたは……うぇん、ディア?う……敵かと──ならば、守らなけれ、ば」(だいぶ、しっかりして来たらしい。歪んだウェンディアへの愛情、解れた守護の意思。ばらばらに落ちて行く言葉、焦点の合わない瞳。一先ず、ほんの少し距離を取り)   (7/18 15:20:19)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > …ほぅ(ここで再びリューグナーは納得の声を出す)なるほどねぇ。彼はイモータルになっても尚、ウェンディアに対する狂信的とも言える忠誠心で動いている…ということですかねぇ?(と、小声で自分の考えをまとめる)…となれば、敵にも味方にもなりかねない…。なるほど、これは厄介ですねぇ(しかし、利用すればきっといい“駒”になるだろう。そう思い、リューグナーは笑顔で近寄る)いやはや、流石の忠誠心。噂に違わぬ高貴な心の持ち主ですねぇ(そう言って手を差し出すリューグナー)私はリューグナー。あなたの予想通り、ウェンディア人です。よろしく(とにかく、まずは会話を重ねなければ)   (7/18 15:25:23)


極夜@ルシェツア > 「……………う"……んー、……ぅ……護、る、守護を、貴方が我が国の──どこ……の……」(一度は確立された筈の思考が再び音を立てて崩れ落ち、背中に蠢く巨大な翼が大きく大地を打った。酷く軽やかに、冷たく痛々しい音が響き渡る。ずり、と大盾が動きに合わせて引き摺られる。一歩、二歩、後ろに下がって、あら、何をする気なのだろう。攻撃姿勢ではないが、友好的なんて姿勢でもない。当然だ、神罰だのとご高尚な名前を付けられてもイモータルは元々人間だった。死の原因が何であれ、本来は墓の下で永遠目を醒ます事のなかった存在。友好、愛情、友愛、博愛、それら全ての言葉は歪んで刻み付けられる存在なのだから)「ちがうちがう、ぁ……近付いてはいけない、貴方まで殺したくない──ちがう……私が、守る、べき、……ぅ」(少し、待った方が良いかも知れない。先程からの会話で分かっているでしょう。彼の情緒は不安定、一時的に理性が生き返る事はあっても其れが永続するなんて保証は存在しない。寧ろ此の破滅騎士の前で殺意を抱かれないだけ、貴方はマシな方だよ)   (7/18 15:38:47)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > …やれやれ。扱いにはあまりにも壊れてすぎてますねぇ(やれやれと溜息をつきながら相手の様子を観察するリューグナー。どうやら色々と困惑しているようだ。兎にも角にも彼が落ち着くのを待つしかない。今“嘘”をついても効果は薄いだろう。待たねば。彼が冷静になるまで。そう思いリューグナーは指を鳴らす。すると、彼の影から黒い触手が現れ、椅子のような形になる。そして彼は腰を下ろし、未だ崩れ掛けの砂上のような状態の彼をじっと観察する)   (7/18 15:46:01)


極夜@ルシェツア > 「…………、私、は……すまない、少し、……んー……ぅ……混乱、を」(刹那の間に勝った理性が濁った心の主導権を握り、今や涙も命も歩く道道に落とし続けて消え行く理性に鞭打って何とかまともな言葉が落ちた。ぐぐ、ぐ、と伸びた血濡れの翼で己を包み、沈むように座り込んで、大盾を自分の前に構えてしまった。何から守るの?お前が守られるの?意識の狭間で囁く掠れた声は聞かないふり。相手から自分の姿が見えないように気を配るのは、己の今の姿があまりに"守るべきウェンディアの民"に見せるには悍まし過ぎるが故だ。【また】怯えさせてはいけない。だから姿を隠し、じりじりと理性を焼く炎の舌が伸びる前に声を振り絞り)「其れで──嗚呼……りゅー、ぐなー、さん、と言ったか。……私に……何か、用向きでも?」(身を縮めた怪物を、真上から宵月の金色だけが見下ろしている。嫌な程静まり返った夜に、金貨を空に放り投げたような白々しいお月様。貴方が不可思議な力を扱ったのはきっと、見えてはいないだろう。さぁ、意識のタイムリミットは何時なのやら。ご用件はお早めに)   (7/18 15:56:31)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > あぁ、そう。あなたに…ウェンディアの守護の要であるあなたにひとつお伝えしなければならない大変悲しき事実があるのです(ようやくか、そう思いつつ、大袈裟と言えるほどに悲しげな振る舞いを見せるリューグナー)なんと…愛すべき故郷、ウェンディアを滅ぼそうとする連中が…ウェンディア内にいるんですよ(と、目を開き、口元を隠しつつルシェツアを見つめる。「ウェンディアを滅ぼそうとする勢力が国内に潜んでいる」それが、リューグナーの告げたことだった)私…実は王直属の密偵部隊の者なんですがねぇ…。王から命令を受け色々と調査していたのですが…。まさかの事実です…。いやはや…なんと痛ましいことでしょうか…(もちろん嘘である。そんな事実はないし、そもそも生前何をしていたかすら知らない。…が、まるでそれが事実かのように振る舞うリューグナー)   (7/18 16:03:35)


極夜@ルシェツア > 「そ、れは、……、ウェンディアの者が……?うぇん、ディアを、内部から……?ぁ……あ、ああ、あ……」(事実を確かめなければ、事実を。ひとつひとつ、貴方の囁いた言葉を復唱するようになぞって行く。ひとつ呟く。──ぶち。ふたつ確かめる。──ぶち。みっつ確認する。────ぶちり。理性の糸が焼け落ちて、何とか築いた思考の牙城が失せる音がした。ゆうらり、ゆるり、左右に揺れながら立ち上がる。両足が大地を踏み締める当たり前の感覚さえ存在しないようで、嗚呼、寒い、寒い。翼が無理やり広げられ、落っこちた羽は血を撒きながら愛しきウェンディアの制服を濡らす。被っていた布がぱさりと落ちる。翡翠の瞳が業火の感情に焼かれてぐるりと回る。信じられない、愛すべきウェンディアを?何故?誰が?ならば護らなければ、悍ましき所業から守らなければ。敬愛すべき我が国。守護すべき我が国の民。騎士たる誇りを以て、我が国は久遠であるべきなのだから)「う"あ"……あ"あ"あ"あ"あ"あ"……!!どこに、どこ、それは、いつ、どこに、誰だ、──わたしが、守らなければ」   (7/18 16:18:01)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > (手で押えた口元が、割けんばかりに開かれる。嗚呼…これだから堪らないのだ。溢れ出そうになる笑いを抑えつつ、リューグナーはさらに続ける)どうやら反乱分子は…聖フェニクス騎士団が中心となっているそうです。恐らくですが…一兵卒ではなく、上層部の騎士たちが、王に反旗を翻そうとしているのではないか…と言うのが我々の見解です(だから嘘はやめられないのだ。だから偽りに身を置くのだ。だから…人を騙すのだ。これ程までに甘美な感覚を味わうな…と言うのが間違いである)確たる証拠がない以上、我々は動けません。ですから…あなたに動いて貰う他ないのですよ。愛国心溢れるあなたならきっと国を救ってくれるだろうと…王もご期待なさっております(そして彼はこう言った)あなたが…王を、国を…救うのです   (7/18 16:23:47)


極夜@ルシェツア > 「ウェンディアの──騎士としての誇りを、違えたか──あ……ぁー……私が、──」(ぼきり、翼の折れる音がした。其れでも構わない。飛行能力の存在しない翼を広げ、何度も地面に打ち付ける。信じられない、何たる事だ、ウェンディアの民を守り、騎士として剣を振るうが役目ではなかったのか。其れを違え、剰え王にすら楯突くとは。何たる侮辱、誇りなき愚かな騎士。其れはお前も同じだろう?お前は何人人を殺した。其の中にウェンディアの人間だっていただろう?泣き喚く無辜な幼子を大盾で潰した事だってある癖に。嗚呼煩い煩い煩わしい、守るべきものがあるのなら其処へ。国を守り、手に掛けられようとする人々を守護しましょう。其れこそ我が使命。盾を遣わされた意味でしょう?守るべきものの場所へ飛びましょう。心を喪って血濡れの死を振り翳しながら)「……ぅー……あ"……ウェンディア──守る、守り、……我が……誇り、を……ちがう、ちがうちがうちがう…………守る為に、殺すか?正しき──私は、まちがって、ない」(此の酷い大嘘吐き。眠れない死人を惑わして愉しいの?さぁ、酷いお人。もう去りなさい。──時間切れです)   (7/18 16:36:37)


ゑゐりあん/リュ-グナ- > あなたの活躍…王も“私も”期待しておりますよ(そう言いながらリューグナーは影の中にズブズブと入っていった。そして彼の姿が見えなくなったところで、辺りに声が響いた)あなたが…ウェンディアを救うのです(嗚呼、なんて素敵なんだろうか。出会った時はとてつもなく不安定だと思っていたが、こうも簡単に扱えるとは。愉快でしかない。笑いが込み上げて仕方がない。上手く行けば彼はウェンディアの戦力を大きく削いでくれる。そうすれば帝國側が王国を攻めやすくなるだろう。そうなれば再び世界に戦争という不幸が訪れる。そこで各勢力が疲弊しきったところで…)我々イモータルが世界を総べる(あとはどうなろうと勝手だ。いや、どうにでもなればいい。その方が面白い。それに、もし彼が死んだとしても、こちらの敵に回る可能性がある厄介者が消えるだけである。そこまで痛手でもない。我ながら完璧。なんという素晴らしい考えなのだろうか。リューグナーは影の中を移動しながら、自分を賞賛した)嗚呼…盾と嘘は使いよう…ですねぇ(そして後には、胸糞悪い“嘘”が残った)   (7/18 16:43:31)