この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

ドクター&ゼダス

局所演算

ひよ。@ドクター > 凡その整備士はとうに去って、随所に置かれたランタンもその炎を消されている。火花の散る音、或いは、工具で鋼を何度も、繰り返して打ち付ける、けたたましい金属音は最早そこに無く、ただ限りなく透明に近い静謐と、……。いや、整備士と、技師が、残されていた。「──ミスター。片付けは終わりましたです? そのようでしたら、最後の照明を消すですよ」遠くを見れば、シャッターの外から微かに、淡い月光が差し込んでおり、僅かに視界を青く染めているように思える。そんな仄暗い工房──ウェンディア王国聖騎士団の魔術砦内部に建立された其処で、澄み通った水の色合い、或いは、今、丁度外を見れば視界に入り込むような月光の色合いの髪を持つ整備士、ドクターは、相対する白髪の青年に対してそう声をかける。最後のランタンを横に、その橙色の灯りが彼   (7/16 16:43:26)
ひよ。@ドクター > 彼女の顔を照らし、また、徐々に朧げに薄くなるそれは、彼女が“ミスター”と、そう呼んだ相手をも、ほんの少しだけ照らしている。彼女は、ドクターはそう告げた後、ああ、思えば此処には、私達しかいない。なればこそ私は、それこそ彼をハーメルンと、そうあの日に伝え合った名で呼ぶべきだったであろうか、なんて風に思いつつ、どうしたものかと困ったような笑みを相手に浮かべてみせた。   (7/16 16:43:44)


ガエリオ/ゼダス > (積み重なった設計図達の巣は何重にも箱を重ね、工房にて静かに眠りにつく。綺麗に並んではいるものの、一枚一枚を広げれば錆に焦げにと酷く汚れている。___それだけ貢献していると言うことだ。たかが一枚の紙切れでも情報量は膨大。我々技術者の武器。___例え使い古しでも、愛着は湧くよ。この子達には。月光の光に身を照らされながら静寂に包まれた工房にて最後の一枚を木箱に収めよう。…立ち並ぶシェルターの間を通り抜けるようにして一つだけ明るく灯ったランタンの元へ歩み寄った。僕に声を掛けてくれる整備士。優秀でありながら、探り所が見えず…なにを考えているか分からぬ人物。…しかし、そんな人物でいながらトップシークレットは知っているといった相手。___互いにランタンの光に薄ら照らされつつ貴女の前まで来れば己の手を払いつつ、一瞬貴女の顔に視線を移した後。)『……えぇ、とりあえず。__消していいですよ。待たせてしまいましたね。ドクター。』   (7/16 17:24:47)
おしらせ > しぃずまさんが入室しました♪  (7/16 17:24:58)
ガエリオ/ゼダス > 指先の所々が汚れてしまったな。今日も。……致し方なしか。…視線をズラし、貴女の横をそっと通り過ぎれば、工房の出入り口に一人歩んで行こう。今は何時か。…相変わらず、深夜帯か…はたまた夕飯時か。感覚が分からないものだ。)『……もう、“忘れてしまいました”? ミス・オネット…。』(なんて、僕から。顔は向けないよ。…ただ、ね。___一瞬目に入った表情が前回の貴女とは少し違う気がしたよ。…似合わないと言うか、何というか。……分からない貴女相手でもそれくらいなら僕は察せる。…2人の時は、なんだったか。____僕も、あえて字を向けた…けどね。)   (7/16 17:25:09)


ひよ。@ドクター. > 「そうですか。では、……。ふっ」すぐ隣に来ては、粗方の作業が完了したことを告げる相手の声を耳に、そう言葉を返しながらランタンを手に取る。細い鉄製の持ち手は、やや熱を持っていて、ほんの一瞬だけ顔を顰める。それを自分の顔の前まで持ち上げて、その内側に仕込まれた蝋燭の、ゆらりと揺れ動く炎に、静かに息を吹きかけては、もと通りの位置へと確かに戻した。そうしてくるり振り返る。工房のシャッター、そのすぐ側に立つ相手は、淡い月明かりを背に、だがこちらを向いているのが、確かにわかった。彼女は白衣の裾についた埃をぽん、と数度払い、そうして、決して焦らず、だが、極力相手を待たせることのないようなペースで、相手の方へと歩み寄った。“忘れてしまいました?”、静かな言葉が耳に入る。彼の赤い瞳は、この若干だが緑がかった青い夜に、よく映える。こちらを向いていないことは、明白、けれど、その視線は少なくとも、以前よりはしっかり、揺るがず、自らの進むべきその先を見据えているようで、彼女は平然と。   (7/16 17:47:45)
ひよ。@ドクター. > 「いいえ、重要ではない情報でしたらすぐに切り捨てるですが、まさか【真名】を忘れるなんて、面白いことを言うですね、ハーメルン」冗談なんて珍しい、いや、彼女の場合は“もっと有効的なことを考える方がいいですよ”と、それこそそう茶化す自分を茶化すかのように、あいも変わらず飄々と、掴めない。全く何を考えているのか分からないといったような物言いで、ただその後に、こう。「さ、もう遅いですから」そういう彼女は、隣の、……。ハーメルンと呼ばれた青年が一歩を踏み出すよりも先に、その細い脚を動き出していて。   (7/16 17:47:58)


ガエリオ/ゼダス > (内部を照らしていたものが失われると…通常の何倍よりも暗さを感じ取れる。 例え月光が僕らを照らし続けようと…ランタンの光には敵わない。 シャッターにそっと右手を添えつつ…貴女の回答を待とう。 この数日で…貴女の眼に映る僕は少しは変わった…?今貴女が吹き消した蝋燭の火よりも…揺らがず。貴女に向けた背は少しは大きくなれた…? まぁ、そんな錯覚紛い…わざわざ聞かないけどね。 )『___面白いことなんて、言いました? 僕はただ問い掛けただけ。』(少し似合わないことをしちゃったかな。でも…相変わらず、掴めない。___ 振り返り、貴女を見ても。…その表情ひとつ以外…なにも。……目隠しをされたように貴女を一瞬の内で察せなくなる。 ただ僕を眺める傍観者…そんな印象だけが鮮明に。しかし____)『……っ。____えぇ、そう…ですね。』(貴女が僕よりも先に、前へ歩みを進めた。その細い脚で。僕を通り過ぎて。)   (7/16 18:18:16)
ガエリオ/ゼダス > (…僕の背ばかり眺めて、言葉を紡ぐと思っていたのに。貴女も先導すること、あるんだ。遅いだなんて言ってさ…。貴女の体内時計はあって無いようなものだろうに。 心の中でクスっと、笑いたくなる。 表情は相変わらず…ポーカーフェイスを貫いているけど。こちらも外へ出るなり、シャッターを手で下ろし、脚で地まで。騒々しい音の後鍵を掛ければ…貴女の一歩後ろを歩く事にしようか。…なんだか、不思議な気分だ。考え過ぎだろうか。___貴女の行動一つ一つに、何か意味が込められているように感じる。僕の中身を唯一打ち明けた存在故に。 こうして…貴女が前進することにも…なにか、意味が…。 貴女の背を紅玉は静かに映し続けた。)   (7/16 18:19:15)


ひよ。@ドクター. > シャッターが喧しく鳴いた音がした。背後から、静かな足音がした。そうして、やけに今日は視線を感じるが、気の所為だろうかと、ふと振り返る。磨いた真っ赤な珊瑚のような、或いは、ルビーなどのような赤い瞳は、月明かりを受けて、より一層輝きを増し、そうしてその視線は、真っ直ぐに向けられている。やはりそれは、風に揺らされる蝋燭の炎などではなく、それよりももっと、真のあるような、そういったものへと変わり果てているような、どこかそんな気がした。しかし、だがどうにも視線が気になっては仕方がない。もしや背中に汚れでも付いているだろうか、或いは虫でも止まっているのかと、振り返りつつ自らの背中を確認しようとするが、よく見えない。「……あの、私の背中に何か付いているのでしたら、見えないので取っていただけると嬉しいのですが」   (7/16 18:40:26)
ひよ。@ドクター. > そう言いつつ、不思議そうな表情で相手の表情を見やり、その面持ちは逆光を受け、暗く、だが、瞳だけは不思議と、煌煌と輝いているようにも思えるだろうか。一歩、立ち止まって仕舞えばすぐに相手が隣に来る。おかしいものだ、本来であるならば私の道を切り開くのは貴方で、それを後ろから見守るのが私であるはずだというのに。そうやって思考を巡らせつつも、不思議な間が生まれ落ちたような気がしてやまないので、軈てはまた小さく「ハーメルン?」なんて、問いかけてみようか。   (7/16 18:40:38)


ガエリオ/ゼダス > 時を、不審さを。気にしていなかった。ただ考え事をするように…貴女ばかりを。 貴女から声がかかればハッとしたように右眼が大きく開かれる。不思議な表情を向けてる貴女。その眼は月光に照らされ輝きを増す結晶…暗がりだと、貴女の隈も昼間ほど目立たない。やはり…僕の考え過ぎだ。ただ僕の前を歩んだだけ。誰も歩むなとは言ってはいない。 すぐに貴女から眼を反らすものの…何故貴女を探ろうと探ろうとして、1人頭を抱えるのか。先程…忘れたかと聞いた時のように、貴女の内面を探れたという…少しでも貴女が見えたという安心感に似た何かが欲しいからか。 隣り合わせとなった貴女。僕の歩みも静かに止まり…瞳は建物の適当な壁にでも、向けていた。___ でも、再び真名を貴女から呼ばれれば。…その瞳は細く…) 『何もついてないですよ。……そんな事じゃ、ないです。』   (7/16 19:05:14)
ガエリオ/ゼダス > (…じゃあなんだ。そう、言われる。___適当に流して帰路につけばいいのに…生まれた間の内にふと僕が思った事は…“とても女々しい”事。…しかし、本当のこと。…不安要素の一つでもある。貴女はこれを打ち明けられたら、何を思うかな。……頼りない人、そう…言うだろうか。____先程まで、真のある瞳であったはずの僕の眼は…顔を貴女へと向け、再び貴女の眼と合わさる。しかし…あの時と同じ。 シェルターに囲まれていたあの時と同じ。…蝋燭の火のように揺らぎ、いつ消えてしまってもおかしくない弱い瞳が貴女に向いていると言うことは…貴女からすれば、一目瞭然であろう。)『_____僕は……貴女が何を考えて、なにを思ってるか…。まったく分からない…。 知りたいのに、分からず結局…一人で悩んで…。___ 頼りない、…先導者…。』   (7/16 19:05:25)


ひよ。@ドクター. > “そうですか”とぽつり呟く、やや高い声の後には、変わらず無表情に近いような、そんな顔で相手の目を見る。例えば暗室で蝋燭を灯せば、風も何もないから静かに揺れ動くが、今は、まるで、それに近いのかもしれない。とはいえ、誰かが息を吹きかければ、それがふわりと揺れてしまうようなそれに、似ている気がしてしまって、もう、仕方がない。「ではもっと、何か重要なお話です? それでしたら秘匿を破るわけにはいきませんですから相応しい場所を探す必要がありそうで……っとと」どうにも不思議な距離感だ、近くて遠い、未だ、透明な壁が何かを隔てているような、そんなふうにすら思えてしまう。事実、私達はまだ互いを知らない。大凡を、知らない。それこそ、99%に限りなく近いだろうから。なればこそ、そのように思えてしまうのは致し方ないが、しかし、私自身、私が何を考えているかなどは、詳しく考えたことはない。   (7/16 19:25:58)
ひよ。@ドクター. > 先が見えず、それこそ、全てが徒労に終わってしまいそうであるから。だから、そういう風に問われてしまうと、私は、適当にはぐらかすしかできなくなりそうで、無知を突きつけられているようで、不思議と良い心地はしないというのに。「……私はですね、私が“そうしたい”と勝手に思って、勝手に貴方の後ろを歩くと決めたですよ。ですから貴方が、そこまで私のことを気にする必要はあまりないと思うのですけど……貴方、どうして私が何を考えているか知りたいのです?」“貴方が私を知らなくても、それは頼りないには直結しない”といったような言葉を付け足しつつ、淡々とそう問いかける顔は一切変わらず、腕を自らの背中に回して、右手で左手のか細い手首を握りながらそう、ぽつり。随所に見えるガス灯は静かに、その灯火で僅かな足元を照らしているようで。   (7/16 19:26:09)


ガエリオ/ゼダス > (…『どうして知りたい』。___ そう問われれば生まれる解答は勿論…ある。貴女の言葉からは冷たさに似た何かが感じ取れた。…僕の後ろを歩くと。たしかに距離が近いはずなのに…遠く感じるような。 まるで…“機械”のよう。 …貴女を頼りないと感じているものか。貴女は優秀だ、とっても。…これは各々の力についての話ではない。…なんというか、もっと……人間味のある、話。静かに首を横に振る。)『 貴女は頼りなくないですよ。___ 僕は…。 確かに貴女に僕の道を見せると、宣言した。___でも……。』( …これを口にしたら、やはり人の心なんて捨て切れない気がして……ならない。でも、今の僕が己に嘘をつく事なんて、出来ないな。…ふっ…と貴女から視線を離して少し下へ。貴女の後ろの建造物にでも目を再び向けて。右手は己の左肘にそっと…触れるように。)   (7/16 20:03:18)
ガエリオ/ゼダス > 『……僕は機械だけと道を共にするわけじゃない。___…リックという一人の人間と、道を共にする。……貴女はこれに必要性…重要性を感じないと仰られるかもしれないですが……僕は、僕の道を後ろから見てくれる人の事を…もっと…知っておきたいだけ。……これじゃ、駄目ですか…。』(真名だけを知り、他を知らぬ関係。……それだって、いいはずだけど。…僕自身は…まだまだ、人間。…だから、貴女をもっと知り不安を消したいとも思うし、さらに信用したいとも思う。具体的にこれが知りたいとか…そういうのはないのだけれど…。僕の表情は…貴女が何と返してくるか読めず、多少不安げに目元を暗くするだけだった。)   (7/16 20:03:49)


ひよ。@ドクター. > 暫く、何も響かないような沈黙が流れたように思える。私は瞳をぱちくりと執拗に動かして、v字に吊り上がった、瞳の死んだ笑みを相手に浮かべてみせる。「……“人を資源と見る”私に、そのことを論じますか。ふふ、そうですか。なるほど、私は確かにひとりの人、リックです。けれどです、ハーメルン」彼の歩もうと決めた道は茨で覆われていて、それも、いつ路が塞がれて決別してしまうかも分からないようなものだ。それに、彼は技師、私は整備士、であれば彼は私を資源として扱って当然であるだろうし、それこそ、今でこそ、こうやって協力関係を結んでいるけれど、だがいつ、どのような形でそれが終わりを迎えるのかも分からない。であれば彼には、特段、私に思い入れとでも言うのだろうか、わからないが、ともかく、特別な感情の一片をも、残しておいてほしくはないのだ。それは彼のためであると私は思うし、何より、……。やめておこうか、その代わりに、こう口を動かす。   (7/16 20:37:02)
ひよ。@ドクター. > 「──けれどです、ハーメルン。やはり貴方は、私達整備士を深く知ろうとしない方がいいと思うです。親身にならない方がいいと思うです。貴方は、ただでさえ、揺らぎやすいでしょう。人を捨てるとはそういうことですよ。冷酷に思えるでしょうが、相手の為、自分の為です。それともハーメルン、邪推ですが貴方、もしかして」特段、声色を変えるでもなく、大きく表情を変えるでもなく、ただ、ちょっとばかり瞳を細めて、曰く。「──もしかして、私の前だけでは“人”でいるおつもりで? ……くふふ。だとしたら面白い、ええ、興味深いですけれど」ただそう、いつものどこか気味の悪い、不健康そうな笑い声は、静かに夜風に乗って響いたようで。   (7/16 20:37:16)


ガエリオ/ゼダス > ( 前もそうだ。貴女が語り、その死んだ笑みで僕を見る。…貴女は前も、今も。僕を見透かす。 返ってくる言葉全て…先読みをしたように。……それが前は恐くて、耳を塞ぎたかった。揺らぐ僕にはその見透かされた言葉が恐すぎた。夜風に乗り響くような貴女の笑い声が僕の周りを支配する。…本来ならば、そうだと…親身にならないようにすると言うべき。 貴女の言葉にはとても強い何かが込められている気がするから。到底…歳下と思わせないような。……静かに眼を閉じる。ここで考えを揺るがしては…今までがまるで意味を為さない。己の意思を強く示さねば。___)   (7/16 21:20:58)
ガエリオ/ゼダス > 『____えぇ。貴女の前では人でいる…。…“僕なりに捨てるものは捨てる”。…そう、人を捨てるという行為は言葉だけ、定まった形なんて持っちゃいない。…僕の道ならば、僕が作り変えても構わないはず。…設計図を書いても構わないはずだ。 僕は僕の意思で、…貫いてみせるのみ。 僕はもう、自分に嘘はつかない。____貴女が深く知らない方がいいと言っても……僕は、リック…貴女のことを深く知っておきたい。……なんと、言われようと。』(貴女を次に見つめる瞳は…先程の真なる眼差しで。…紅い瞳は貴女の細い瞳を一点に。……己の意思を無理矢理に通そうとしてるのは重々承知。僕の人間くささが前面に出ている事も。しかし…偽らない、隠さない。貴女には僕の考えを知ってもらいたい。話す声は静かながらも…一言一言をハッキリと。…夜の静寂を裂いていった。)   (7/16 21:21:28)


ひよ。@ドクター. > 全く分からない人だと、そう私の抱く感情は、凡そ彼のものと近しいのかもしれない。この炎は、弱まったかと思えば、風も無いのに、ある時にふと、思い出したかのように燃え盛る。だが、どうだろう、刹那、目を離してみれば、それはまた気弱な、小さな灯火となっていて、見ていて飽きないと言っても、足りない。というよりかは、むしろ、そこだろう。なぜだか、私の興味関心が彼に対して注がれるのは。何の前触れもなく、強まって弱まる灯火を観測したい、また、それを常に強めていたいのであれば手を加えるし、弱めたくても、だが手を加える。なるほど、彼は暗室の燭台に置かれた一本の蝋燭で、私はそれの観測者であると、そのような例えは、我ながらひどくわかりやすい。そうして今は、ごうと燃え盛る時なのだろう。彼の目は、いや、表情全体は、そうして、その声色にまで、夜という薄膜を一閃し断つような意志の力が、確かに強く、込められているようだった。私の知る彼は、凡そあのような物言いをした覚えがない。   (7/16 21:47:21)
ひよ。@ドクター. > このように何かを、向き合って、はっきり言うような一面、覚悟もあるのじゃないか、なればこそ、強く持ちなさい。瞳を瞬き、そうして軈ては夕日が地平線に沈むようにゆっくりと、その琥珀色の瞳を瞼で覆いつつ、“そうですか”と改めてぽつり零す。眉は下がり、“今回の論争は私の負けです”とでも言わんばかりの表情で、今度はまた、静かに瞳を開いて。「……そうですか。私としては、貴方がいつもそのくらいの意志の強さを見せてくれると、やりやすいですけどね」そう言い終える頃には、いや、元よりずっと表情や声色はあまり変化をしない方ではあるが、それでも、やはり月明かり照らすその顔は、いつもよりも、どこか穏やかなものだっただろうか。ほんの刹那、覗いた素顔があったとして、だがそれは、瞬く間に流されてしまっても。   (7/16 21:47:42)
ひよ。@ドクター. > 「──とはいっても、自己紹介のようなそれには全然慣れていないですよ。何かないんですか、聞きたいこととかです。予めまとめておく方が、ずっと効率的だと思うのですが。そうしてくれていれば、きっと答えたでしょうに」ぶかぶかの袖で、自らの口元を隠しつつ、やや篭った声で、だが口早にそう告げてみせ。   (7/16 21:47:54)


ガエリオ/ゼダス > 『……やりやすいだなんて、…なんのことだか。____ッ……っ。』(心当たりがありすぎる。…しかし、貴女相手に初めて…ここまで言えた。一般が聞けば…歳下相手に、しかも上司が何故物が言えないかと言われてしまうかもしれないが。…瞳の力みは次第に抜けていく。…しかし、不意を突かれたように。一瞬月明かりに照らされた貴女の素顔は…まるで月光で化粧をしたように。穏やかで……僕の知らない感情にそっと“一度”だけ撫でるような刺激を与えた。 すぐ様、ばっと目を離す。____声色などもひとつも変わってはいないし、貴女自身に変わりないはずなのに。  僕は、貴女という人を知りたいだけ。人間味ある話だろうが…不可思議な感情の介入…。流すしか、なかった。…左手を腰へ、右手で銀髪の前髪をくるり、くるりと回しながら。)   (7/16 22:25:42)
ガエリオ/ゼダス > 『……今更自己紹介をしてとは言いませんよ…。いまは、ないですっ。あれだけ大口は叩きましたけどね。非効率的ではありますが…まとめず、分からないところが生まれ次第聞きますよ。ゆっくり、教えてください…?』(…怒らせてしまうだろうか。口元を隠し、早口の相手に今は何も問わない。…あれだけ、格好もつけたけど。貴女という人物、確かに分からないことだらけ。__でも、それは話していて初めて生まれるもの。…貴女の好みだって知ってるし、一般的自己紹介は必要としない。…計画のため限られた時間の中…貴女のこと、ゆっくり深く…知っていきたいんだ。 )   (7/16 22:25:54)
ガエリオ/ゼダス > 『……僕が長引かせてしまいましたが。先程の言葉をもう一度。____“さ、もう遅いですから”。 お送りしますよ。ミス・オネット…。貴女の前では…僕は人…なので。』(変わらず隣同士であったな。そういえば…。もう少し、自分勝手にしてみようかな…? 一歩、貴女の前へ出れば。背は見せたまま、後ろを少し振り向き貴女にひとつ、ちょっとしたお誘いを。貴女の前で人であるならば…僕は貴女をお送りしよう。……一般常識、男性と…して。片手を向けるなど、そういった事までしないのは…己の奥手過ぎるが故…?いいや、僕には似合わない。でも、お送りする道…月の光が優しく照らしてくれている。それくらいが丁度良さそうではないか。僕達の、距離感なら。)   (7/16 22:26:04)


ひよ。@ドクター. > 「そうですか。ではミスター。貴方は私に訊きたいということのために、……。いえ」相手の答え、今はない。時間をかけて訊きたい。それは私の最も苦手とするような方法であって、そうして、だが私と彼を縛り付ける、よい楔でもあるということに、ふと気付いた。“訊きたいことのため、生きるですよ”と言いかけた言葉を、そっと喉奥へと押し戻す。いや、出来ることなら、言ってしまいたい。けれど、それなら別に、今でなくたって構わないのかもしれないから。だからこそ、私はそう、“いえ”と、自らの言葉を遮った。「──いえ、今のは忘れてください。ミスター。……私がそういう人物だと知った上で、そう言ったこと。貴方、何か意図がありますね」彼なら当然分かりきっていて、その上でどうせ訊いたのだろうから、しかしそこには“どうせ断られてしまう”といった弱火は凡そが見えず、いや、そう思ってはいても、否定はされないと思っているような心持ちだろうか、尤も、私はエスパーでもなんでもない。だからこそ、これこそ邪推に過ぎないが、けれど。   (7/16 23:00:45)
ひよ。@ドクター. > 「ミスター、貴方が言い出したのを忘れないでいるですよ。軈てこそ私が、多くを語り明かす時まで、投げ出したりするのは無しですからね」一歩前に出る彼、振り向きざまに、私の方へ手を差し出すその姿は、丁度、月に背き影を作り出しているが、しかし、わかる。私のよく知る小さな灯火は、そこに無く、代わりに在ったのは、少し背伸びをして……尤も、歳上なのだが。そんな風に、恰もひとりの淑女をエスコートするような振る舞いを見せたのは、紛れもなく、──。   (7/16 23:01:05)
ひよ。@ドクター. > ふっと、自分すら気付かないような微熱を帯びた頰を冷ますように夜風が吹き抜ける。柔和なその月光を受けた浅葱色の髪は、ふうわりと靡き、注ぐ光のように穏やかな香りを、少しばかり風に纏わせた。眼前の片目の隠れる白髪は、宛ら、三日月のような風貌をし、静かに笑みを浮かべるものだからこそ。──夜も深い。羊たちも寝静まるその刻に、また何処かで蝋燭は消される。真白く、溶けつつも根は堅牢なそれに、キャンドルスナッファーが、そっと被されて。おやすみなさい、王都の眠り姫。軈て王子が、やって参りますので、ぽつりと。「ええ、お願いします。──ハーメルン」(『局所演算』〆)   (7/16 23:01:18)