この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

フギンムニン&アーサー

necrowphilia

山葵/フギンムニン > ………(薄暗い森の中、静まり返ったボロボロの廃墟内で、一人眠るのはペストマスクを被った男だ。沢山の羽が縫い付けられた厚ぼったいマントを布団代わりに、その不気味な廃墟内であたかも自分の家のように図々しく眠っているのだ。この不気味で湿った雰囲気の中で眠ると言うのは相当勇気が居る(そもそも一般人はこんな森の中には入らないであろうが…)事なのだが、いかんせん彼には常識、と言うものが通用しない。身を寄せる場がたまたまこの森の中であったと言うだけであり…寧ろこんな廃墟である必要も無かったのだろう。)……んー……(ごろん、と寝返りをうてば、木製の床はきぃ、と音を立て沈む。軋んだ床材の音にマスクの下で顔を歪めるが、まだ起きる気配はない模様で)   (7/16 11:08:16)


マリア/アーサー > (戛々たる蹄の音が、暗く苔むした森中に柔らかく反響する。ドッ、ドッ、ドッ……。大地をしっかりと踏み締める力強い蹄と乾いた土とがぶつかり、アーサーは前へと進んでいた。太陽の届かない深い森は涼しく、気分よく黄金の鬣を靡かせて闊歩していたその足を止めたのは、朽ちかけた廃屋だった。)「へぇ……。」(腐ったような色の枯れ蔦が蜘蛛の巣のように這い上がって、不気味な雰囲気を持つ廃墟。一目見てアーサーは何かえも言われぬ高揚感を覚えた。元は白かったのであろうくすんだ石灰岩の壁を目掛けて一歩、また一歩と異形の馬足を進める。)「きれいだ、……うん。」(自分に言い聞かせるように呟くと、満足そうに目を細めて微笑んでその廃屋へ入っていく。蹄音はやがて石を踏むものへ変わり、ギィギィと不快に軋む音と共に木を踏むのへ変わる。)   (7/16 11:41:30)
マリア/アーサー > 「おや。」(中で目に止まったのは、鴉のような不思議な仮面を被って横たわる人間の姿――いや、〝同族〟、だろうか。ふわりと掛けられた羽のついた布のせいで体の線はわからないし、顔だって、仮面のせいでわからない。)「……人間なら、いいなぁ……。」(そう呟きながら近寄って、前足をくたりと優雅に曲げて前傾した。仮面を外して確かめたい事がある……ある気がする。靄のかかったような思考の中で、アーサーはどこか突き動かされるように仮面に手を掛けた。森の中、跪いて顔を覗き込む白馬の貴公子。まるでそれは御伽噺のような一幕。――不気味で、哀しく、グロテスクな童話が、始まろうとしていた。)>フギムニさん   (7/16 11:41:50)


山葵/フギンムニン > ん…んー……(ハッキリとしない意識の中、ギシギシと床材の軋む音がする。何が何だか、そしてその音を発する物が何か。それさえ分からないままで、彼はまた夢の中へと誘われていき…)……ぅ…(不意にほんの少しだけ視界が広がり、目の前には整った顔立ちが。金色の髪の毛と、あと、あとは…)……誰だ…(ふわふわと浮かんだ思考の中、仮面が外されている事にも気付いていない哀れなカラスが一匹。顔の右半分に刺繍が入ってはいるが、その顔は確かに血の通った「人間」だ。)…(うっすらとした意識の中で、視線は下を向く。上半身こそ確かに人間の青年だ。…だが…下半身は明らかに白い馬のそれである。馬に乗って室内に入ってくる訳も無く、謎は深まっていく。それが「イモータル」だと言う思考には中々辿り着かないようだ。)   (7/16 11:52:51)


マリア/アーサー > (仮面を外して、アーサーははっと息を呑んだ。顔に細かく走る、赤い線。――刺繍ではない。その、頬の薄い皮膚の膜一つ下に透ける毛細血管。それに、何か心を動かされるような心地がした。顔の刺繍に気づいたのは、それからだった。)「……あぁ。……生きて、いたんだ。…………そっか……。」(眉尻を下げ、口元にアルカイックな笑みを湛えてあなたを見下ろした。仮面を湧きに置き、白馬の後ろ足もゆっくりと九十折になった。)「僕は、アーサーと言います。お初にお目にかかります、卿。」(ゆっくりとした口調で型式めいた挨拶を口にし、うやうやしげに右手を左胸に置いた。まるで、舞台上のプリンスのように。)「……あなたが人間でよかった。もう少し、お眠りになっては。」(顔を寄せてそう呟くと、頬へふぅっと息を吐いて。……これは、彼の儀式。『異能』を使用するためのトリガーである。)   (7/16 12:07:26)


山葵/フギンムニン > ……アーサー…?……てか、俺の仮面どこやったっ……(うやうやしい、まるで舞台上で演じられる王子のような優雅な姿に少し見惚れるが、すぐに己の仮面が無い事に気付きアーサーに懐疑的な視線を向ける。そしてすぐ側に置かれてい仮面へと手を伸ばすが…それは彼の手で阻止された。)っ…はな、せっ…(キッ、と動物が威嚇するような鋭い視線を送るが、額に掛かった息は何故か酷く心を絆すような…落ち着いてしまいそうになる。心が求める安らぎを無理矢理与えられたような感覚に気味悪がり拒絶しようとアーサーを引き剥がすが、微々たる睡魔に動きを邪魔され思うように身体が動かない。出来る事はとにかく仮面を拾う事だ。太く逞しい、筋肉質な腕が、仮面に伸びる。その腕は血管が浮き出ていて健康的で。顔以上に彼に血が流れ生きている事を示していた。)   (7/16 13:19:50)


マリア/アーサー > (突き放され、アーサーの上体は少し後ろによろめいたが、白馬の大きな体躯は少しも動かなかった。傍に落ちていた金の装飾がされた紅い杖を手に取ると、「やれやれ」とでも言っているかのようにすっと白馬の前足から立ち上がる。そのままその1メートル程の杖を使い、あなたが仮面を手にしようとするのを払い除けようとし。)「気持ちよかったでしょう?瞼が重くて蕩けそうでしょう?良いんですよ、そう突っ張らなくても良いんです。人間は皆、快楽に溺れたがってる。ちゃあとわかってます。みなさん受け身で居たいんです。みなさん一方的に愛されてみたいんです。みなさん言い訳が欲しいんです。僕はわかってます。……人間なんてみんなマゾヒストだってね。」   (7/16 14:19:18)
マリア/アーサー > (言いながら、ふっと何度も息を吐く。眉尻を下げ、また口角を上げて微笑みを取り繕った。)「言い訳を与えてあげますよ。〝自分はそんなつもりじゃなかった〟と いくらでもお言いになってください。サディズムとは奉仕、ですから。…うん、そう……。さぁ、もう少し…………眠らせてあげましょうね。」   (7/16 14:19:30)


山葵/フギンムニン > …あっ、くそッ!何から何までっ…!(自慢の赤漆が塗られた武器である「アフマルゴラーブ」。それさえも奪われ、仮面を弾き飛ばされ、無情にも手は地を掠めた。)…意味分かんねぇ事言ってんじゃねぇよ馬野郎っ…!目的はなんなんだよ、ハッキリしろっ…!(マゾだのサドだのと言葉を陳列しただけでは、何も伝わらない。ぎりっ、と歯軋りをしては、微笑みを取り繕うアーサーに向かい中指を立て。)ばーかっ、誰がテメェの言いなりになんざなるってんだ。俺は放浪の鴉だ、誰の言葉にも縛られねぇよっ(ボーッとする意識を鞭打って何とか威勢の良い言葉を吐き連ねてみせる。その虚勢がいつまで続くのかは分からないが。)   (7/16 14:40:51)


マリア/アーサー > 「鴉……?それがあなたの、名ですか?……ふふ、はははははは!」(白馬は前足をタタンと上げ、棹立ちになって嘶いた。男性にしては高めの爽やかな声で、やけに気障だった。前足を下ろして、杖を持たぬほうの片手で黄金の鬣、いや、髪をかきあげるとあなたを見下ろす目を細めて言葉を続ける。)「素晴らしい。ああ、なんて運命的な出会い。僕とあなたは愛し合うべくして産まれたんだね。」( 睡魔に抗おうとするあなたに夜伽話でも聞かせるかのように、童話めいた言葉をたたみかける。『ドスッ』大きく逞しい馬の前足が、あなたの鳩尾目掛けて振り下ろされる。)   (7/17 18:42:20)
マリア/アーサー > 「……知っているかい?鴉という動物は〝眠っている〟同胞を愛すんだ。人間ならちょっと変わった趣味だと言われるかな?……だけど鴉でもするんだ。なら、それが自然の摂理なのかもしれない。あぁいや、言い換えよう。――〝運命〟なのかも、しれない。ごめんね?ちっともムードのない言葉を使ってしまったね。」(アーサーの目は宙を見つめ、あなたなど見てはいなかった。振り下ろされた足があなたに命中していようと、既のところで避けられようと、もはやどちらでもいいらしく、一人で陶酔に浸っては勝手に盛り上がっているのだろう。)「……僕もなんだよ、鴉さん。僕は誰かを逝かせてあげる事が大好きさ。人が眠っている姿が狂おしいほど好きなんだ!……わかるんだろう?ねぇ、わかるんだろう?」(ふっと視線を下ろし、青い瞳があなたを見つめる。)「ねえ、」――「愛し合おうよ」一旦〆【necrowphilia】   (7/17 18:42:38)