この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

コカ&ニンリル

木場田/コカ > (この素晴らしき見事な晴天たる天蓋は、神様の贈り物だろうか。)「………………。」(この賑わいは、煙の揺蕩う如く、いつか消えるものなのだろうか。)「……………。」(晴天も霹靂が陰れば闇に変わる。神様の作った法則の、仰せのままに変わっていく。イモータルと呼ばれる、神罰の彼等は、果たしてこの霹靂なのだろうか。)「……………………ケッ。」(だからこそ、それを認められない人間たちは、信仰を手放し始めたのか。男は不味そうに紙煙草を吸い、紫煙を野暮ったく吐き出した。行くあてもなく、熱せられた石畳を、靴底の乾いた音で彩りながら歩く。全く、『何を考えても蒸発-煙に変え-させるような夏の日だった。太陽の名の下に————)「なんてな…………」(噴水広場。避暑地を目指して歩いていけばここにたどり着く。飛沫が頬に当たって心地がいい。なんだか涼しくなってきて、煌めく水面を眩しそうに目を細めて眺めていようか。吸殻を、ぽいと噴水に投げ入れてしまって、そこから目を逸らそうか。)   (7/13 21:42:12)


リヴァイア/ニンリル > 騎士団に所属してからというもの、魔術による適性から判断されているのか、こうして街を巡回し治安維持に努めるようにという指令を受けてから、よく街に出向くようになった。 今日も変わらず、その巡回中である。 「ポイ捨てはダメッ、ですよ」 そして、男が噴水に吸殻を投げ入れている場面へと立ち会わせてしまったようだった。現行犯である。 治安維持というのは、なにも住民間のトラブルの解決だけでは無い。噴水にタバコを投げ入れるのは、立派な治安悪化である。少なくともニンリルにとってそれは『やってはいけないこと』として分類されていた。 「タバコを捨てるなら、きちんと処理して欲しい、です」 一人がやると、なら俺も、と真似る人間が出てきてしまう。それを防ぐのも立派な治安維持である。   (7/13 22:00:10)


木場田/コカ > 「あー………?」(やけに低い位置から、幼い声が聞こえてきた。すると、どうだ。ちんちくりんの、こーんなちんまい少女の小さな騎士じゃないか!だが、男は、コカは愕然とした。いったいいつからガキが戦う国になったというのだ。)「凄みがねェな。かわいい騎士のお嬢ちゃん。そんなんじゃ、おっちゃんはお嬢ちゃんのこと怖くないぜ…?クハハハハッッ」(なんて言って見下すように、皺が深くなるみたく顔をクシャクシャにして笑うだろうか。あなたが最もな事は言えど悪びれることなんて、煙ほど無く。)「さぁ、兵舎に帰んな、かわいいお嬢ちゃん。おっちゃんはねエ、お嬢ちゃんとお話しするような人間じゃねエのさ。」(なんて突き放す始末で)>ニンリルさん   (7/13 22:08:23)


リヴァイア/ニンリル > 「…………」 ムッ、と。踏み抜かれた地雷に眉間に皺がよる……が、それがその場で爆発することはなかった。数年前の、騎士にもなれていない時ならいざ知らず、今は魔術師である以前に、騎士でもあるのだ。自分が頭に血が上って暴走してはいけないことを理解しないほど、彼女は子供ではない。 「……私が小さいのと、おじさんのポイ捨ては関係ない、です。ちゃんと捨てたゴミを処理してくれればいいだけです」 職務はきちんと全うする。両親にもやるべき事は成し遂げろと教わり、それを実践し続けていたのだ。こんな所で、はいそうですかと、引き下がったりはしない。新人ではあるが、騎士なのだから。   (7/13 22:21:03)


木場田/コカ > 「ほぅ……?いうじゃねエかお嬢ちゃん。」(苦り切った表情。顰み、煙そうな表情にコカは初めてこの少女に関心を寄せた。いい目をするガキじゃないか。愉悦にコカの唇が釣り上がった。)「お嬢ちゃん、魔術師だろう。『字』を名乗りな。」(寡黙な少女のその裏に、何故の信念があるのか、気になり始めた。コカは手持ちの最後の一本の紙タバコを加え、火をつけてあなたの返答を待とうか。)>ニンリルさん   (7/13 22:28:58)


リヴァイア/ニンリル > 「ニンリル、です」 名乗ったのは風について知識を追い求めていく末に目にした風神の名。信仰はとうに廃れてしまったというその名を、自らの字として設定した。風にまつわるものであるから、抵抗などもなかった。 「私は名乗りました、おじさんにも名乗って欲しい、です」 名乗ったからには名乗り返せと、当然の要求を口にした。   (7/13 22:54:51)


木場田/コカ > 「ニンリル…………ねえ………。いい字だ。」(風の女王ときたか。おそらく、彼女の言葉には風が宿る。なるほど、煙に吹かれれば、一拭きで消えてしまう。おやおや、これは容易に逆えんな。)「あいわかったよ、ニンリルちゃん。おっちゃんの『名前』は『コカ』。ニンリル、君のその肝っ玉座った威勢に免じて、君の言う通りにしてやろう。———よっこら……………ふぅ、これで満足だろオ。」(そう言って、嫌に素直に君の指示に従い、先程の徐に投げ捨て、水面に浮く吸殻を摘み取れば、これでいいだろうと。)>ニンリルちゃん   (7/13 23:06:40)


リヴァイア/ニンリル > 「勿論、です」 それを見届けると、満足気に微笑む。最初からそうすればよかったのに、などと野暮なことはこの際言わない。これでまたひとつ、職務を全うしたと考えれば過程はどうあれ良しとできるものだ。 「次は最初から、ちゃんと捨ててください、です」 念を押すように、そう言葉を紡いだ。   (7/13 23:24:31)


木場田/コカ > 「へッ、どオだかな。ニンリルちゃんの見てねエところでまた悪ィことするかもしれないぞ?」(ククク、なんて、この歳で子供相手に意地悪するのも大人気ない事極まりない。しかし、なんだか楽しいのだ。こうして、自分と同じ道を通って歩もうとする、騎士の卵をつつくのは。反応が純粋で面白い。)「さアて、君ならどうする?」 「———教えてくれ」 「小さな騎士サマ?」   (7/13 23:29:33)


リヴァイア/ニンリル > 「…………」 しばしの思案。また同じことを繰り返そうとしたら、どうするのかと。答えはそう経たずにでる。 「きっとまた見つけて、注意するです」 見つけられる保証はない。その時自分がほかの任務を任されていたならばそれまでだ。けれど、今日ここで見つけたように、また同じように見つけることも出来るだろうと、考えるまでもなく確信していた。だからこほ、また見つけると口にしたのだ。『言葉には力がある』のだから。   (7/13 23:35:07)


木場田/コカ > 「上出来だ。」(雨を全て受け取るには、人の手は小さ過ぎる。湖の水を救うには、手の器は小さ過ぎる。人間なんて所詮そんなもの。目の前にある事に対応する。それだけでちょうどいいのだ。責任だとか、義務だとか、そんなものに押しつぶされ、雨を全て受け止めようと雨に濡れ、湖の水を全て救い上げようと湖に飛び込むくらい滑稽なのだ。煙は絶対に掴めるくらいに滑稽。ものの道理を人は変える程の言葉を知らない。それはきっと神の所業だからだ。ふぅううと紫煙を吐く。もくもく、黙々、煙は楽しげに風で曲がる。)「ニンリルちゃん、お前ェさんは、いいセンスをしてるな………。いい騎士になるだろオ。煙のようによわっちい俺たちを精々守ってくれよなア?」>ニンリルちゃん   (7/13 23:41:25)


リヴァイア/ニンリル > 「もちろん、です!」 だれかを守るために、そんな大層な理由を掲げて騎士になった訳では無い。そうあって欲しいと願われ、自分も、そう願ってくれた両親の姿に憧れて、その後ろ姿を追いかけて努力して、たどり着いただけだ。だからこそ、再び両親に会えた時に、恥ずかしくないように、立派な騎士になるべくこうして任務に勤しんでいるのだ。   (7/14 00:38:57)