この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

セシル&エヴリカ

外/セシル > (こぽ、とぷん、たぷん、お布団を優しくかけますよう。ちゃぷん、砂浜を穏やかに撫でるよう。黒い布をお空にかけて。ズルズルと太陽は奥の奥へと引っ張って。代わりに登らせた月が、嗚呼。──────【クソッタレた人生だった】…何がそう思わせるかは分かりませんでした。だって生前の記憶はないんですもの。スノードームをやみくもにどぷりとかき混ぜて、コールタールのようになったとこりで、ことりと棚に置くあの日常のように。そのスノードームの記憶が分からぬよう、耳に当てても記憶の声は聞こえぬよう。ただ、冷えきった心の中で。何も期待してはならぬと、心の奥底にある強い枷を外すこともなく。彼女は今宵もあるはずもない記憶の監獄で、夜をトロリと身に纏う。冷えきった感情をヴェールのようにふわりとただよわせ、何人たりとも近付くことは出来ぬようにと。   (7/11 00:05:30)
クロ:白梅 > (( 今日は寝ちゃったと思ってたので連絡するの遅れました、申し訳ない…( ) ありがとうございます ~ !!!!   (7/11 00:05:37)
外/セシル > しかし母親のように穏やかな笑みは香水のように柔らかくつけおいて。浜辺と雪を踏みしめ地平線の遠くを眺める彼女の髪は、風に撫でられることでガラス細工のように揺れていた。波が誘うように彼女のつま先を濡らす。冷える世界に雪化粧、通ってきた静かな街に人はおらず。ただ、今だけは、ほら。──────「………さっきから何をジロジロと見ている、小娘。……………………こんな時間に来る場所じゃあないだろう。」「それとも何か。」「………御前様、まさか食われにきたのではあるまいに。」 そこにいる、貴方に掛けた優しい声が。風に溶けて、零れた。)   (7/11 00:05:38)


骨牌/エヴリカ > (吐く息さえも凍り付くような寒さ。絶望のように暗色い色をした海の果てから吹く風が体温を奪い去り、この時のために買い揃えたダッフルコートに毛皮のブーツという冬山の装備すら用をなさない。厚手の手袋に覆われた指先がかじかんで痛くなるけれど両手で構えたカメラを手放す訳にはいかず、雪に覆われた砂浜を歩く女の姿をフィルター越しに青い瞳に収めていたその時、遠くに立つ貴女が振り返った。硝子細工のような透明感のある髪が揺れて、おおよその人が思い浮かべるような綺麗な海色の服が翻る。その青は決して今目の前にあるような底知れぬ闇に似た海の色とは違う、透き通ったブルー。穏やかな聖母のような貴女の笑みにエヴリカは参りましたというように肩を竦めて片手でカメラを持ち上げると、浜木綿の茂みから立ち上がった。一際大きな波が貴女の足元で弾ける)まさか、私は記者よ。エヴリカ・アゾット。真名だけど、魔術師じゃないんだからどうでもいいわね、記者って仕事知ってるかしら、最近出来た仕事でね、その時世間の人達が興味を持っていることを文字にして伝えるのよ。それで   (7/11 00:22:16)
骨牌/エヴリカ > (エヴリカは大胆不敵に口角を持ち上げて笑った。獲物を見据える狼さながらのギラギラと青く燃え盛る飢えた視線が貴女を捉えて離さない。ただの人間如きが歴戦の魔術師さえも蹂躙する不死者を相手にするなんて馬鹿げている、普通の人間ならば、たちどころに心臓麻痺を起こしてしまいそうな冷水に爪先を浸してもなんともない顔をしている貴女のような〝化け物〟を相手にすることなんて特に。それでも、これが私の愛した仕事だ、柔らかな笑みを浮かべる貴女の瞬きひとつ見過ごさないようにじっとその姿を網膜に焼き付けながら、ゆっくり前へ一歩進み出た)よかったら、取材。させてくれない? 貴方たちのいう神罰とか、イモータルの倒し方について興味があるのよ、あなたは知ってるかしら?   (7/11 00:22:37)


外/セシル > …………ほう、……肝の座った娘じゃないか。………そうか。そうか、……………しかし、〝貴様 〟も。【⠀周りと変わらぬ人の子か 】。(彼女は貴方の爽快な青空を、瞳のずっと奥の方で見据えていた。同じ地面に立っている。その事実があるのにも関わらず、彼女の吐いた言葉はずっと遠くにいるかのよう。〝少しは面白い人間かもしれない 〟〝 怯まず来たのがその理由〟。そんな心中も一瞬にして失せた理由は。【⠀イモータルの倒し方 】貴方も魔女狩りを目論むただのヒト。彼女がもっとも嫌悪する人間様。彼女は微笑みを浮かべたまま目を伏せる。「………………〝 倒し方〟。まるで我らが化け物のような言い草じゃあないか。」ズズ、…表情は変わらない。穏やかだ、木漏れ日にいるようだった。暖かな日差しをめいっぱい浴びて遊ぶ子供を眺める母親のよう。   (7/11 00:45:56)
外/セシル > 「…………少し種族が違うだけ。やっていることはそう人間と変わりはあるまい?」 優しく、優しく。底知れぬ慈愛が込められた声色になるはずだったんだ。「憎み、殺し合う貴様らと。我らのやっていることの違いとは。…………不死であるか否か。そこにしか無い。」それなのに。どろり。それなのに。【⠀ズロリ 】あなたと言う人は。「それを踏まえた上で貴様は、物を言ったのか?」彼女は、視線を上げる。──────「【巫 山 戯 る な よ 。小 娘 。 これから言葉を並べる時は、よ く 考 え て か ら も の を 言 っ た 方 が い い 。⠀】」 凍てついた空気にひりつく気配。ぴき、パシリ、足元の波が凍りつく。細い女、それしかいないのに。なにかあなたの目の前には巨大な氷柱達が全て向けられているように。貴方は何も悪くない、妥当だった。人間にとっての脅威だと、そう考えるのは当たり前だ。しかし、魔法は言葉要らずか言葉を使うか、不死であるかそうでないか、────次の貴方の発言次第だ、心して質問するように。)   (7/11 00:46:06)


骨牌/エヴリカ > ……周りと変らない、ね。あなた生前は魔術師でしょ。字はなに?(遠くから降ってくるような現実味のない貴女の声音はエヴリカの不敵な言葉を歓迎しているかのようだった。貴方は周りと一括りにするけれど此の世には二つの人種が存在する、それは魔術を持つものと、そうでないものだ。余裕こきやがってと心の中で毒づいて、地面を踏む両足に力を込めるとはらはらと雪が崩れて砂が姿を現した。砂上に建つ楼閣は簡単に崩れてしまうというけれど私はそうはいかない。石に齧りついて脚を咥えてでも欲しいものは掴み取って見せる、そんな決意を胸にして貴女の穏やかな眼差しを見返すが、『イモータルの倒し方』という言葉が貴女の凍れる心に火を付けたのか途端に生母は仮面を脱ぎ捨てて鬼女へと変る。ただでさえ冷たかった空気が肺に痛みを覚えるほどの冷気となり、波が凍り付く。目に見えぬ強烈な重圧が躰を重たくする、喉元に切っ先を突き付けられているようだ。   (7/11 01:08:26)
骨牌/エヴリカ > だが、なんだというのだろう、先ほど自分が口にした言葉に間違いはなさそうだ。こんな高慢な女が、言葉が魔力を持っていた世界で『言葉を選べ』という人間が、ただの人間であった筈がない。ごくりと生唾を飲み込んで、手袋の中で手汗を掻いていることを感じながらカメラを構えた。エヴリカに魔法は使えない、けれど彼女の魔法はここにある)あなた随分と偉そうだけど、誰かに頭を下げるのはごめんだわ。あなたは私を殺す方法なんて五万と知っている癖に、わたしは貴方たちを殺す方法を知らない。これってすごく不平等じゃない。貴方たちが私たちと平等だと、同じことをしてるっていうのなら、答えたってかまわない筈よ。私は貴方に私を殺す方法を教えられる、あなた氷を操るんでしょ。なら氷柱で私を貫いたら、私はそれであっさり死ぬわ。   (7/11 01:08:37)