この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

アルシラ&姫蒜

神の子と死霊親子の邂逅

カフカ/アルシラ > 「(……乾いた冷たい風が白い髪を攫う。時刻はもう日が沈み、月が光を帯び始めた頃合いだろうか……星々は雲に隠れて満天といかないが、それでも一等星は輝きを放ちながらこの地を見守っている。各国各所を旅し、巡礼する彼女にとって尊華帝國の景観はオリジナリティに溢れた、真新しいものだった)さて……神社という建物はどこにあるのでしょうか。(人通りの多い街の中心部で掲示されている地図を見ながら彼女は思索する、もちろん"神が祀られている"場所を巡礼する為である。他教徒の神も彼女にとっては等しく【神】、信仰の対象だ。様々な姿に形を変えて、人々が作り上げた崇拝の形態を見たい、という目的もあった。彼女は預言者であり、宣教師であり――そして宗教学者の一面も、知らず知らずのうちに身についてしまったのかもしれない)」   (7/10 20:24:55)


欟廼@姫蒜 > 姫蒜 月がいつもの如く夜の訪れを告げる頃、彼女は大きく膨れ上がったリュックサックと歩くたびにチャカチャカとなる自身の体より大きな獲物を背負って尊華帝國へと到着した。 「ふぅ〜、ようやく帰って来れました…流石わたくしですわ! お母様久々の故郷ですし明日からゆっくりと見て回りましょうね♪」 と久々の故郷の國に笑みを弾ませながら首を横に向けてはまるで隣に誰かいるかの用に言葉を紡ぐ。 人も多い中目立ちはしないが中々に可笑しい娘だ。 まぁそんな彼女もこれまでに様々な場所を練り歩いてきての久しい故郷ではある街並みにも多少の変化が生じているだろうととりあえずは地図でも確認する為足早に群衆を掻き分け歩みを進める。 目的の場所を目にし地図へと目を向けようとした途端彼女の瞳に綺麗な白い髪をした人物が写る。 わぁ〜と驚嘆したような声をあげながらそそくさとその人物の側に寄っては気さくに声を掛けるだろう。 「ご機嫌よう、地図とにらめっこしていますけど何かお探しですの?」   (7/10 20:48:38)


カフカ/アルシラ > 「……あゝ、こんばんは。(後ろから声がかかり、ゆっくりと彼女は振り向く。翠色の瞳に写った貴女は――――小さな少女だった。彼女の白髪は少し煙がかったような灰色を帯びているが、貴女のソレは透き通っていて純粋だ。そして何よりも目をひいたのはその大きなリュックサックだ。武器も括りつけられており、貴女が旅人であるという事は一目瞭然の事だった)……神社を、探していまして。(旅人であろう貴女がこの地の出身であるという事を知らない彼女は、旅人に聴いても、ましてや自分よりもずっと幼いであろう外見の貴女が果たして知っているだろうか。と疑問が脳裏を過るのだが……)貴女も旅人のようですが、どこから来られたのでしょう。(彼女は目を優しく薄めて、少し間を置いてから貴女の素性を問う。それほど大きなリュックサックを背負っているのだ、さぞ長旅をしている、もしくはしてきたのだろう、と予想を立てての質問だ。)」   (7/10 21:00:11)


欟廼@姫蒜 > 姫蒜 ゆっくりと振り返り地図を見つめていた瞳を此方に向ける彼女、とても綺麗な翠色の瞳で思わずまたわぁ〜と歓喜の声が漏れる。 こんなにも綺麗な人は旅をしていた中でも5本の指に入るほどには綺麗なんて感想を懐きつつ貴方から発せられる言葉に耳を傾けた。 それは…「神社…ですの?もうお月様も登ってるのに不思議なお姉様ですね。」 なんて率直な感想が口から漏れる、もう夜も訪れたのに神社を探しているとはなんとも摩訶不思議な人だと…そういえば綺麗な外見からお姉様と呼んでしまったがお兄様だったら。 等と一瞬はっ!?と思ったがまぁ優しそうだし別に気にしなくてもいいかなんて楽観的に思考を放棄し。 すると、何処から訪れたのか聞かれ「色んな所を歩き回ってましたの、直近だとえ〜と何処だったかな?お母様覚えてます?」 と唐突に彼女は自身の横を見ながら第三者へと話を振るだろう、勿論貴方はそこには何も見いだせず少女が虚空に話を掛けているように見えるだろう。 「もう〜お母さんもドジっ子なんですから♪ っとそうそう神社ですわよね?わたくし出身はここですから神社の位置なら分かりますわ!良ければ案内しましょうか?」   (7/10 21:25:38)
欟廼@姫蒜 > なんてニコニコと虚空に微笑んだ後に神社の話を思い出したのか案内をしようか?と申し出る、久々の故郷だからといって神社なら場所も変わらないだろうと思っての、いやもっとこの人とお話をしたいという考えからキラキラと目を輝かせながら餌を待つ雛鳥のように貴方の言葉を待つ。 あわよくば“お友達”に……。   (7/10 21:25:47)


カフカ/アルシラ > 「ええ、私は各国各所で巡礼をしているのです。神社には沢山の神が祀られていると噂で聞きました。(普通であれば雑踏の喧騒に揉み消されてしまうはずの静かな声も、なぜか自然に貴女の心に入り込むようにすんなりと、ストンと落ちるように聴こえてくるだろうか。それは彼女が"人に言葉を伝える事"に長けている人物だと言うことがはっきりと感じられるようなほどだった。抑揚の付け方、間の置き方。彼女の喋り方全ては自然でいて、緻密に計算されていると言っても過言ではないほどの"技術"だった。そのことに彼女は気づいていないし、それは魔術(この世界で言葉は魔術だと定義されているが、ここでは特殊能力を指す)や異能の類に匹敵するような代物ではないのだが)まあ、ここの出身だったのですね。……案内してくださるのですか?ありがとうございます。(貴女が"お母さん"と呼ぶ先には誰もいない。ただ虚空に対して楽しそうに話しかける貴女。それを彼女は微塵も咎める事も、疑問に思う事もなかった。だってそれは【私には見えなかった】だけの事だから)」   (7/10 21:46:11)
カフカ/アルシラ > 「(神は人の前に姿を表さない。しかし信仰の前では疑いようなくその存在は認めれている……つまり貴女の信仰はそこにあるのだろう―――こう彼女は思ったのだろう。彼女は決して不自然を理由も知らずに否定したりはしない。人に教えを問う人類の"先生"であるべき彼女にどうしてそんな事ができようか―――)その――荷物は重くないのですか?(そしてふと浮かんだ疑問。貴方は見たところ5フィートにも満たない身長だ。それに見合わぬ凄い量の荷物、よく顔色一つ変えずに背負っていられるものだ、と驚いたのだろう)……あゝ、きっとお母様が勇敢に育てて下さったのでしょうか。(七部ほど開いた翡翠の目は、見えない貴女の隣を【見えないけれど目を合わせて】そんな台詞を。彼女はあなたの母親を"認知している")」   (7/10 21:46:20)


欟廼@姫蒜 > 姫蒜 各国各所の巡礼、神が祀られている。やたらと聞き心地の良い声に耳を癒やされながら貴方の言葉を聴く彼女は瞳を閉じては夢見心地と行った気分だろう、まるで母親の読み聞かせを聴いているようだと。 「困った人がいれば助けてあげなさいってお母様が言ってたのですわ、わたくしにお任せくださいませ♪」 とドヤァと母親の教えを実行できて上機嫌そうにそう言っては此方ですわ!と元気に歩みを進めるだろう。 そして貴方の前を歩き神社までの歩みを進める中貴方から三度問いが飛んでくる、身長を見てだろうかいや、それを見ずともわかる大きなリュックサックが気になったのか重くは無いのかと言われれば 「そうですわね、全く重くない!なんて言えないけど慣れかな?全然問題ないですわ!」 と貴方に軽く走ってみせたりと重くないよ〜とアピールしてみたり、実際最初はここまで肥大化していたわけでは無かったのだが日に日に増えていく荷物に徐々に慣れていったお陰かこんな量も苦もなく持ち運べる屈強な肩になってしまった。   (7/10 22:23:15)
欟廼@姫蒜 > 「えぇ、お母様はわたくしをたっぷりの愛情を持って育ててくれましたわ! 色々と教えて貰いましたし。」 と後ろ歩きで器用に歩きながら母親の教えの1つである『誰かと話すときは目を見て話す。』を守る偉い偉い姫蒜は貴方の視線が一瞬自身の横に居る母親へと向けられたことに唖然して足を止める。 「お姉様…もしかして、もしかしてもしかして!“お友達”じゃないのにお母様が見えているのですか!」 と驚きと喜びと戸惑いとぐちゃぐちゃな感情になりつつ貴方へ問う。 一瞬の視線の外し、偶々母親へ視線がズレただけ。そう言われればそういうものなのだろうが彼女には、“お友達”と自身にしか認識できなかったお母様を認識できたのかもしれないという期待だけでこの問いをしない理由はない。 もし見えないのなら、認識してなかったのなら認識して貰えばいい話なのだ……この人は優しいそうだからきっと“お友達”になってくれる。   (7/10 22:23:25)


カフカ/アルシラ > 「ええ……見えています。(実体がない。それは見えない事と同義だろか?彼女はそうは思わない。何故なら神を信じているから。姿を見たわけでも、あったことがあるわけでもないモノを心から信じている。そして【そのために生きている】彼女がどうして、形という概念だけに囚われようか)そこにいるのでしょう。私は貴女のお母様の実体を視ることはできませんが、私には……分かるのです。(嘘であって嘘ではない。"ある"と信じられたもの実態の有無に関わらず存在を許される。ここ場にいる貴女と彼女がそこにいると信じればそこには"居る"のだ。器用にも後ろ歩きながら話す貴女を少しも不思議に思いながら、けれどきっと【そう教わった】のだろうと思い、彼女は優しく微笑を口元に浮かべる)私は生まれてからずっと、神の声だけを頼り生きて来ました。きっと貴女にとってお母様はそういった存在なのでしょう。故に、貴女の信仰もきっとそこにある――――(透き通るような高い女の声は、けれど低い男の声のように響いて貴女に伝わる。貴女のように会話はできないが、彼女にも同じように神様が存在しているのだ)」   (7/10 22:35:40)


欟廼@姫蒜 > 姫蒜 見えています。たったその言葉だけで彼女は酷く救われた。 実態こそ見えないと言うものの分かると言われるだけで体が熱くなり涙が自然と溢れ出てくる。 「ずっと…わたくしと同じですわ。」 ポツリとでた感想、ずっと神の声だけを頼りに生きてきた貴方。 ずっと一人死した霊を集め母親の教えを頼りに生きてきた自身、より一層貴方の事が気になってくる。 貴方は何が好きで貴方は何が嫌いで、生まれた場所や何故神の声が聴こえるのか…聞きたい事はいっぱいあるがまずは、 「ッスー、そういえばまだお名前がまだでした。 お母様に信じれる人を見つけたら本当のお名前?を言うように言われてましたの、わたくしの名前は成瀬 苅楼と言いますわ。 お姉様のお名前をお聞きしても宜しいですか?そして、良ければお友達になってください♪」 彼女は酷く単純だ、母親を認識して貰っただけでこうにもなってしまうのだから。 然し、彼女は瞼に涙を零しながら満面の笑みで本当の意味での最初の友達になってくださいと貴方へ告げる。   (7/10 23:20:59)


カフカ/アルシラ > 「(つう、と貴女の頬を涙が落ちるのを彼女はゆっくりと視る。彼女の言葉が、あなたの心を少しでも動かせたのなら、彼女もまた役割を果たせたということだ)本当の名前…。(貴女は魔術師なのだろうか?ああ、そうだとしたなら今の言葉に納得は行くけれど、字としての貴女の名前を知らずに真名を告げられたのだと彼女は気づくのに少し7秒程掛かった)……私はアルシラ。宣教師として、人々に救いを齎すべく活動しています。そして―――(一寸。空気の流れが変わったかのような感覚。重力は流転し、時間はよりゆっくりと、雑踏の喧騒でさえ無音になったかのような感覚をあなたは感じただろうか――――――)我が名は…"イェルザレム"………即ち【神の子】である。(低い男のような声と、高い女の声は交差する。真名を明かした貴女とフェアであるべきだと考えた彼女もまた真名を明かす。それは"貴女だけに"聴こえる声で。つまり貴女と彼女だけの世界で告げられた【神託】だった)」   (7/10 23:41:49)
カフカ/アルシラ > 「(……そしてそろそろ見えてきた頃だろうか、姿を表したのは木造の神社。濡羽色の瓦はただならぬ雰囲気を放ち、赤く彩られた鳥居は、見上げれば幾つか小石が乗っている。【石が乗れば願いが叶う】そんな伝承を信じた子どもたちによるものだろう)ここが……素晴らしい。(思わず感想が口から零れ落ちる。それもそうだ、今まで訪れた大聖堂や神殿とは明らかに違うが、同じく神という尊い存在を祀っているという類似性。尊華帝國独自の建築技術に彼女は大いに感嘆していた)」   (7/10 23:41:59)


欟廼@姫蒜 > 姫蒜 貴方に救われ貴方が好きになった彼女は貴方の名を聴く。 アルシラ…そう告げられた名を覚えようと復唱しようとしたその時、初めてにも思える違和感を、異質を、言葉に感じる。 時間がゆったりと流れ雑多な音が薄れては消え、、いや自身が世界から置き去りにされるような感覚。 そして、もう一つの名を知る。 イェルザレムと…口にはできなかった、してはいけないと感じた。 今日はやたらに感情が起伏する日だ。 先程は涙を流しながら喜び、名を知りまた一層喜びを感じたと思えば次はなんとも言えない異質な体験をし恐怖すらしている。 そして、そんな中案内が完了した。 尊華帝國出身である彼女からしたら見慣れた神社、貴方にはどう見えているのだろうか。 「えへへ、アルシラお姉様から見たら凄いのかな?やっぱり神社って綺麗だよね!わたくしも雰囲気が凄く好きですわ!」 と感想が聴こえて来れば不思議な雰囲気を感じる神社の感想を言ってみたり。   (7/11 00:14:54)
欟廼@姫蒜 > と唐突に彼女は別の反応を見せる、少しショックしたような様子を見せつつすぐに笑顔で 「あっ、そうかお母様…。 ごめんなさいアルシラお姉様、わたくしちょっと確認しなきゃいけない事ができてしまって、もっとお話がしたかったのですが此処で失礼させて貰いますわ。 でも!わたくしまた会えると信じてますから次お会いできたらゆっくりとお話しましょう。 それでは、ご機嫌よう♪」 と別れを切り出すだろう、嵐の様に騒がしく去っていく彼女はいつもより足取り軽やかにその場を後にする。 それにしても、本当に今宵は摩訶不思議な暖かな邂逅だったと彼女の記憶に残るだろう。   (7/11 00:15:40)