この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

ゼダス&ドクター

新たなる火種のための謀反

ガエリオ/ゼダス > (___3年。一言で聞けば長く長く。環境が変わるには十分な時間。いくつ作品を作り上げ、廃棄したろうか。いくつ図面を引き裂いたろうか。…僕の研究、製作…地位や名誉が欲しくてやってるのではない。“ある人を護りたいからやっている”んだ。…あの時の最悪を繰り返させないために。_____) 『……平均点以下、ですかね。___作業速度の向上が一つも見えない。そんな速度じゃ“アーツ”を取り付けるよりも先に人体に過度な負担が掛かり、被験者を危険に晒しますよ。____次はもっと迅速に。』(此処は聖騎士団本部内に存在する工房。…この3年、機械技術の急速な向上に伴い整備士並びに機械騎士等の存在も確立した。そうなれば勿論…施設の拡大も許される範囲。己の研究は己の研究。誰にも踏み込まれたくはない。そのため他の者が与えられた職務を全うする為の施設を志願した結果だ。僕自身…己の工房と本部を行ったり来たりで面倒は増えたが…。まぁ、仕方ないだろう。)   (7/8 16:11:50)
ガエリオ/ゼダス > (通う内に整備士達が僕の顔を見てギクっとする姿もよく伺える。頼んだもの…量産機の作成等を拝見して、その作業振りを評価する。これでも優しく言っているつもりだ。本来ならば…もっともっと指摘したいところ。命を持たない機体であろうと手を緩める事は許されない、答えの載ってる図面に何を手こずるのかと言った所だ。足早に去る整備士を細く紅い瞳がじーっと捉える。…姿が見えなくなれば…そっと、作成され並ぶ量産機達に眼を向けるだろう。)   (7/8 16:11:58)


ひよ。@ドクター > 騎士団本部に併設された、機械技師を筆頭とする、所謂“メカニック”の工房に、……。こつん、すっ、こつん。靴底で地を踏んでは、そのまま擦るような特徴的な足音が響く。それを怪訝に思って、視線を向けるなどすれば、猫背の科学者が、いや、ここでは整備士だろうか。ともかく、顔立ちは幼いが、目元には真黒い隈がくっきりと浮かび上がっていたり、白衣はサビだったり、煤だったりで汚れていて、表情は、強いていうならば“死んだ笑み”。広角は逆への字に上がっているが、眼に光はあまり見えない。その特徴的な風貌は自然と、どちらかといえば、悪い意味合いで人目を寄せ集めるために、整備士の間ではそこそこ、名の知れた人物であるという。リック・トゥ・エクサンティア・オネット。名門エクサンティア家の令嬢だが、その実態は煤に塗れ不健康そうな、放蕩どら娘。   (7/8 16:30:43)
ひよ。@ドクター > 今日も彼女は、だぼだぼの白衣の裾に無数の資料を抱えて、物置(いわゆる、自室である)から工房へと、足を運んでいた。「──おや、技師サン。おはようございますです、今日もお忙しそうで」そう言いつつ、彼女はひとりの男にその淀んだ瞳を向ける。相手は工房の長、機械技師ゼダス。近くにあった適当な木箱に、何らかの、よく分からない無数の、一般人が見れば何らかの落書きにしか見えないほどに数式を書き込んだ書類をドサっと置いて、振り返る。遠くには、足早に立ち去っていく整備士が見える、なるほど、つい先刻までといったところだろうか。リックは木箱にそっと凭れかかるような姿勢を以って、そうして再び彼に視線を向けた。「いやあ……いつ見ても、全く美しい。ここ数年で、目紛しいまでに進歩したですねえ」シルクハットがずり落ちそうになるのを片手で抑えながら、若干俯き気味で、だが確かに相手を見据えてそう、恰も独り言ちるように、しかし語りかけ。   (7/8 16:31:04)


ガエリオ/ゼダス > (僕ももう少し、雑務に力を入れるべきか。シェルターがいくらあってもパイロットが居なくては話にならないが。…戦場にこいつらが出撃したとて、…走る棺桶…かもしれない。…イモータル排除の役には武器も無いし荷が重い…か。……こう、工房に来ると頭が痛くなる。これからの事で主に…。 そんな時、特徴的な口調…聞き慣れた声。__そして、無数の書類の山を抱える第三者から見れば頑張り屋さん……いいや、不気味っ子。そんな貴女が通りかかった。近くに置かれた書類の山は一般人からすれば塵。…我々にとっては大切なものだが。目線は向ける事なく。)『…平常運転ですよ。…最後に睡眠を取ったのは何時です…?ドクター。』(忙しいね。…忙しい…、まぁ、それでいいか。…貴女の事はよく知っていますとも。…不気味と称した意味合いも兼ねて。…限界稼働実験)   (7/8 16:54:45)
ガエリオ/ゼダス > (だか何だか。アーツに魅入られたにしても…度が過ぎる事を行った整備士。その行為は努力と生まれ持った天才さによるものかどうか。…技師としてあの実験は気にならないと言えば嘘になるが…許可は下ろせないものだ。結局…最後に頭を下げるのは僕なんだから。)『…そうですね…。皆さんのお陰でもありますよ。機械技術は段々と純粋な魔術に追いつきつつある…。』(最終的な目標は純粋な言の葉を越えることにある。それは僕の夢でもあり、整備士達の夢でもあるはず。…戦争を望んではいないけどね。…貴女にちらり、やっと視線を向けた。相変わらずの隈。不健康そう…が第一印象。カフェイン中毒…とも呼べばいいかな。)   (7/8 16:54:55)


ひよ。@ドクター > 「最後ですか、そうですねえ……それほどに重要なことではないので、とうに記憶の彼方へ放り投げてしまいましたですよ」空いた片手で、やや後ろよりも長く伸びた横髪を指にくるりと巻きつけ、離すといった動作を繰り返しながら、終いには“くふふ”と、どこか嫌な笑い声を零した。「ですねえ……いずれは、“この子たち”が魔術に打ち勝って、圧倒する日が来るのだと……今もそんな想像をする日が絶えなくて困ります、お陰様で夜、寝る時間すら私には惜しいのですから」そう静かに、だが、どこか奥底に、野望と言っても、憧れといっても足りない、ふつふつと滾る何かの感じを漂わせながら告げる。しかし、振り返った彼のその背後に並ぶシェルター型兵器からは、いずれ来るであろう“技を以って魔を制す”時代の一端を担うという、いわば作り手の覚悟が、どうにも足りないように、不思議と思えてしまうので。「ふぅむ、この素晴らし〜い構想を生かすも殺すも、やはり私たち技術者ですからねえ。そこになにかが欠ければ、これだけ素敵な機械も鉄屑、棺桶も同然。いやぁ! それは悲しいですからね。時に技師サン、貴方も、最後に休憩を取ったのはいつです?」   (7/8 17:39:46)
ひよ。@ドクター > 工房とは、技術者が本来最も生き生きとする場であるが、どうにも、この場に入っ相手はやはり、何かを必要以上に焦っているように、そうリックの瞳には映る。それこそ、隈だったりはまるで見当たらなく、リック本人よりかはずっと健康そうだ。若いというのに、多数の整備士……それも、技量だってバラバラだというものを統制するのだ、きっと、好き勝手に(度を超えないようしつつ)作業を心から楽しみとするリックより、抱えるものは重たい。リックは腰の工具ポーチから小さな袋を取り出した。珈琲豆を乳鉢ですり潰し、粉状にしたもの。お湯を注げば、手早く珈琲が入れられる代物だ。それをふたつ、人差し指と親指で摘んでチラつかせながら、横目で相手を見やり、“どうです?”なんて問いかけてみて。   (7/8 17:39:58)


ガエリオ/ゼダス > 『ふぅん。…重要性を感じなかったら直ぐ様捨てる。__その点だけは御褒めします…。』(常人ならば睡眠不足というものは集中力を大いに欠けさせるため睡眠は絶対という意識を根強く持つ。しかしながらドクター•リックはその概念を捨て去ってる様子。貴女の身体はそのブラック企業様々なスタイルにさぞ泣き叫んでいるだろうね。笑い声は零れても。) 『…。……圧倒しているという想像…。ふむ。…____ドクター、例えばですが…貴女は機械が魔術を凌駕した後、どんな未来を望みます? 』(不思議な人。 静かなのに静かじゃないという矛盾の様な…。 人は妄想をするもの。ただ円グラフ的に純粋な魔術を機械が凌駕した。なんて単純な想像を貴女はした訳ではないでしょう? その先がありそうと踏んだのだ。“想像”という言葉に。だからこそ問いかけた。貴女のような技術者が望む未来の設計図について。)   (7/8 18:07:08)
ガエリオ/ゼダス > 『…貴女は人は殺せそうでも、機械は破壊出来なさそうですけどね。その病的な愛故に。……ん?……さぁ、前までは取ってましたが…伝説を作るだのと抜かす変人に付き纏われてましてね…。 それに重なって整備関係、アーツの調整…並びに改良。覚えていろと言うのが無理な話ですよ。』(僕なりの軽いジョークをひとつ。…貴女、機械が好き過ぎる様子だからね。…そんなとき、休憩についてなんて聞かれれば。 甘いものを取るときこそあったし、睡眠もしっかり取ってるが…。1人、“うつけ”が住み着いているし、常に抱える仕事達もある。…徐々に楽しみが削れているのは間違いない。その程度しか覚えていないよ。貴女からの些細な気遣いには首を傾げて『砂糖、あります?』なんて一言。その黒い飲料。天使の粉が無くてはとてもじゃないが喉を通らないんだ。)   (7/8 18:07:18)


ひよ。@ドクター > 「です? そうですねえ……魔術というものの価値は、まず間違いなく今よりも低くなる、ですね。私は魔術師ではありませんですから、それは有難いことこの上ない。魔術こそ全ての常識が根底から覆され、人間と魔術師の関係がより均衡に近づくような、それによって、今にはない社会形態が築かれるのではないでしょうかね」リックはポーチからアルコールランプを取り出し、そうして、燻んだ色合いが侘び寂びとした印象を感じさせる──恐らくは尊華製のマッチを取り出して、そっと火を灯してみる。近くに在った未開封の、水が入った瓶を手繰り寄せては、片手でポンと栓を抜き、金網をアルコールランプの上に、そうしてその上に金属製の簡素なコップを乗せ、水を注ぐ。そうして袋の封を開き、黒っぽい粉をさっと注げば、また、ポーチに手を突っ込み、砂糖入りの小瓶を取り出した。それを片手で持って相手に歩み寄り、手を出すように促してそこへ乗せる。   (7/8 18:28:28)
ひよ。@ドクター > 「……くふふ、変わらないですねえ。コーヒーは砂糖が必須、ええ、ええ。しっかり覚えていますとも」火にかけた水が徐々に煮立ってゆく。シルクハットを近くに置いて、横髪のその片方を耳に掛けては水面に顔を近づけ、塩梅を確かめる。「私は最近気付いたですよ、人もアーツのパーツの一部と捉えて仕舞えば、それを殺……じゃなくて、壊すわけにはいかないって。心を壊してしまって科学者としての責務を全うするか、それとも理性を離さずに、化学の境地に達することができないか、であれば、私はもれなく前者を選びますが」即席のコーヒーを入れたカップを火から離し、まずは片方を持って、相手に“どうぞです”と差し出し、そうしてリックも、自分の分に数度息を吹きかけてから、静かにカップの縁に口をつけて。   (7/8 18:28:41)


ガエリオ/ゼダス > (……。へぇ、そんな答えが来るとは予想もしてなかった。 驚き、正直。更に差を大きくだの、力を更に示すだの。暴君のような言葉でも飛んでくるかとばかり。…貴女を非道な人と言う印象、つけすぎたかな。これは失礼な事をしてしまった。…心の声ならば、許されるか。貴女が簡単な調理を行う姿を見れば、近くの適当な木箱にでも腰を下ろそうか。)『…なるほど、ね。……魔術師は酷く僕ら技術者を恨みそうですよね。場合によっては、ですが。……下克上に近い事かもしれない。』(今はまだ純粋な魔術が頂点に位置する。この関係性がズレを起こせば貴女のように良く思う者も生まれれば良く思わない者も生まれる。そうなれば…ズレを起こした原因…我々に矛先が向けられる可能性だって。恐ろしい話だね。考えれば、考えるほどに。)   (7/8 18:53:01)
ガエリオ/ゼダス > 『ドクター、貴女のように物覚えが皆良ければ大いに助かるのに。』(変わらない。変わるものか。…糖分は技術者の仕事と言う火を強くする薪とも言えるさ。…僕の勝手な自論だが。貴女から小瓶を受け取ればその蓋をポンっと。開封しよう。) 『……。…はぁ、___相変わらずな気がもしますが。……“あの時”のような限界稼働実験は控えて下さいよ。…僕とて、行き過ぎた貴女の実験の後押しは出来ない。…』(貴女から渡されたカップ。…それの匂いを少し嗅げば…小瓶を180度傾ける。少量とかではない。全部。…それを突っ込めば少しカップを揺らす。…少し、匂いは甘くなったか。…息を吹きかけ、一口。_____…眼を細めて、気に食わなそうな顔で舌を出した。…所詮、小瓶か。)   (7/8 18:53:11)


ひよ。@ドクター > 「なあに、今だって私のように、魔術の才能を持たない“人間”には魔術師をよく思わない人、きっと多くいるでしょう。それがくるっと、そっくりそのまま、逆になるだけです。そう考えればごく自然なこと、時代の流れはそれこそ、瞬きできないような一瞬のうちに決するのですから、ちょっとひとつの時代の主役が変わるだけです。その先は、観測できないので誰にも分かりませんよ。それこそまた、魔術の時代が来るかもしれない、いや、或いは、科学の時代は来ないかもしれない。それを観測するのがいやあ、本ッ当に楽しみで仕方がないですよ」珈琲を一口飲み終え、そう言って2、3呼吸のうちに話して仕舞えば、また“ふう”なんて溜息と“ああっと、失敬”なんて間の抜けた詫びを入れ、そうしてまた一口、珈琲を流し込む。この苦味は良い、一度ゴテゴテに脳内が雑念で埋まっても、それを取っ払うことができる。   (7/8 19:11:39)
ひよ。@ドクター > 「んー? ああ、臨界稼働実験を進言した時の! あれ、まだ覚えていらっしゃったのですねえ。なに、今はそのために必要なパーツも少ないですから、やりたくでもやれなくて、嗚呼! もどかしいもどかしい」冗談のつもり。リックはそう思うが、だが彼女の普段を知るものならば、薄気味悪い、張り付けられた笑みで告げるそれは、冗談か分からず、分かるにしても、非常にタチが悪い。相手は小瓶程度の砂糖では、どうやら足りなかったようで舌を出している。木箱に寄りかかり、右手をポケットに突っ込みながらそれをみては、思わず失笑した。   (7/8 19:11:50)


ガエリオ/ゼダス > 『…。それはそうと思いますが…。人間とは恐ろしい生き物ですからね…。クルッと変わったとして。時代の流れに逆らう者が現れれば…。………そう、ですね。楽しみ方は、人それぞれですから…。』(まだ分からぬ未来の話。そんな話に少し考察を述べて。…似合わない事をしてしまった。それに、仮に純粋な魔術師を敵に回すような事となれば…あの人も。…考えすぎだな。僕ってば。すぐに話に区切りをいれるのだった。。なんて自分勝手なんだか。聞いておいて勝手に終えるなんて。でも…僕は争いの火種が生まれそうな事を…恐れている。…例え話だろうと。少し表情は…暗みを帯びた。)   (7/8 19:52:06)
ガエリオ/ゼダス > 『…勿論。衝撃的な実験は脳裏によく残るものです。……。』(本当、タチが悪いよ。貴女が単純な話…善か悪か。分かった試しがない。同じ組織で、近い存在だろうと。パーツがあれば、費用があれば。直ぐ様行いそうなその様。結果さえ分かれば他者の命を危険に晒すのか。…その笑みの裏に隠れる感情がよく読み取れない。だからこそ、マッドサイエンティストか。天才とはどうしてこうも…誰もが捻じ曲がっているのか。…見えないものは信仰する気がなくとも…神の存在を疑うよ。)   (7/8 19:52:16)


ひよ。@ドクター > リックは珈琲を注いだカップに口を付け、傾け、流し込もうとしているところで、そのまま相手を見た。平然と、微動だにせず、恰も急にリックが銅像へと変化する魔法にかかったように。不思議な沈黙が、工房に流れる。そうして数秒後、リックは僅かに目元を緩めて、こくりと珈琲をあおった。「よく言われる言葉ですが、“人の歴史は争いの歴史”です。無論、それがあるからこそ科学はより一層進歩する。であれば我々科学者、いや、技術者です? ……まあ、そういった“研究者”は戦争を望むのか、大衆がどう思うかは知らないですけど、あくまで貴方はそれを“否”と捉えようとしている……なんて、下らない勘繰りですがね。──貴方は今は、兵器開発の第一人者、いわば、人を殺すため専門の物造り士です、そう板挟みになるのも、まあ赤子の頃、無垢な私なら少しはわかったとは思いますけどねえ」   (7/8 20:04:54)
ひよ。@ドクター > 少し冷めて、生温い珈琲が喉を下ってゆくのがわかるようだった。“ふう”。そう溜息を吐いたリックは、相手を見るでもなく、ただ、前を見据えて言葉を続けた。「科学者が理想を達成するには、いずれは人らしい心を捨てる選択を迫られる場面があるです。私はもう、とっくに捨てたのかもしれませんけどねえ、それをどうするか決定して、死ぬまでその責任を負う……本当、ただの兵士より重たい仕事ですよ」平坦で、抑揚のない早口な言葉。恰も“貴方がどうなのか、私は気になりますよ”といったように、そこまで話し終えて相手の方にちらり、と視線を向ける。相手からすれば、歳下。きっと、それを感じさせないような目付き、雰囲気であっただろうか。   (7/8 20:05:05)


ガエリオ/ゼダス > (貴女の勘繰り…。ぁぁ、そうとも。半分以上当たっているさ。僕は戦争を望んじゃいない。“今”は。…僕は結局、人を殺すマシンを作り続ける者。この三年…一体何人僕の兵器で死んだ。使用者だけが罪を背負うなんて生温い話。…作成した僕に死んだ数だけ降り掛かる。様々なものが。感情豊かな者であれば…当然、耐えられぬ程の数が降りかかるんだ。…分かっているとも。眼を閉じて、貴女の言葉を最後まで聞き、数秒の静寂が流れた。響く音は作業音ばかり。…)『……そうですよ。僕は今…大きな戦争を望んじゃいない。板挟みだろうと…僕は耐えられる。……初めから覚悟はしてましたよ…。』(人の死に滅入っているわけではない。それだけは伝えよう。では何故僕が今争いを望まないか。…貴女が話終え、視線を向けられた。こちらも…瞳を開け、腰を下ろしたまま。紅い瞳は貴女を捉える。先程とは…まるで別人じゃないか。…お互い…ね。ここまで力説することになろうとは。)   (7/8 20:43:28)
ガエリオ/ゼダス > 『……貴女は立派ですよ。ドクター。…僕はまだ人の心を捨てきれていない。そう、僕達は人の心を捨てる必要がある…。遅かれ早かれ、戦場に身を寄せる者なのだから。___責任に押し潰されている暇はない。……だけど、“現騎士団には…僕が人の心を捨てるという行為を邪魔をする者がいる…”』(そっと、立ち上がろう。例え雑音が響く此処でも…聞かれれば謀反を疑われる。貴女には話してもいいだろう。貴女のような人は…意外と口は割らないはず。だから…貴女の前まで歩み寄れば。)『……僕は万騎長と言う称号を現騎士団から撤廃させ、現該当者を騎士団から追放したい。…万騎長に代わる戦力は…僕達技術者が確保すればいい。……あの人が騎士団にいる限り…僕は大きな戦争を望めない…。』   (7/8 20:43:36)


ひよ。@ドクター > 「おや」リックの前へ歩み寄った相手を、彼女は見上げて、そうして感嘆の声をかける小さく零しては、宛ら、眼孔に琥珀の結晶を埋め込んだような瞳を丸くして、彼を見た。彼はあるひとつの“研究者”としての務めを全うするつもりであるという意志を観測できたのはよし、だが、彼がそのために、即ち、人たる心を捨てる前にもっと、捨てなければならないものがあるようだ。というのも、聖フィニクス騎士団現万騎長の追放だと、しかし彼も大胆なことを口にするものだ、よりにもよってリックに。「──安心してください、私の口は堅牢です。貴方が研究者として何を望むのかも伝わりました、ですけどそれってやっぱり……」リックは数度周りを見渡す。整備士が数名作業しているのが遠目に見え、火花の散る音や工具のけたたましい音が響いている。そこに凡そ、彼らの声が響くための隙間なんてないのだろうが、しかしリックはより声を潜めて。   (7/9 08:20:01)
ひよ。@ドクター > 「……くふふ、“謀反”になってしまいますねえ。“騎士団のメカニックとしては”、当然許されざる大逆だ。何かがあれば、この工房ごと上に潰されるです。──それわ理解(わか)ッた上での……覚悟ですか?」いつもの、彼女らしい、どこか嫌らしい笑い声の後に、そうしてリックは揺るぎない事実を告げた。それも足早に淡々と、だが、どこか意味有りげに。照明を背に、技師ゼダスを見上げるリックの顔は逆光で、仄暗い。しかしその特徴的な色合いの瞳は、ただ闇に呑まれず光を放っているようにすら感じられる。「貴方がそれをすれば、きっと貴方、私をマッドサイエンティストなんて言えなくなるですよ。同類になるですから」瞳を細めて、口をv字に、どこか“にたり”という表現のよく似合いそうな笑みを浮かべつつ、それは貴方の意志を問う表情のようにも感ぜられるだろう。選択を迫るような、その言葉、表情。一見するととても釣り合わないが、奥底に笑みは無いようで、ただ相手の紅玉のような瞳を、見上げており。   (7/9 08:20:21)


ガエリオ/ゼダス > (大胆…、いいや。どう見たって僕の今の発言は謀反。百も承知。…例え話というものから何故このような大事を告白する流れにへとなったのか。…それほどまで、僕の感情は揺らいだとでも言うのか。…不健康そうな貴女を彩っている綺麗な瞳…、その瞳の奥に眠るは琥珀の結晶のように美しい善か…それとも影よりも暗い悪か。それは僕には分からない。…しかし、そんな貴女へ告白してやはり心配になってしまうなんて言う…軟弱な覚悟は持ち合わせていない。貴女に話してもいいと一瞬でも思ったのなら、貫くまで。動揺を現すかのような瞳の揺らぎも一切見せぬまま…貴女を片眼で…捉え続ける。貴女が数度周りを見渡そうとも。僕の視線はそのまま。今の僕の耳に…けたたましい作業音は微塵も入らない。貴女の声だけだ。)『____当然、覚悟は出来ています。…自分勝手な技師と言われても仕方ありません。…部下の居場所を奪いかね無い行為を僕は行おうとしている。』   (7/9 09:25:16)
ガエリオ/ゼダス > (何を想っての笑い声なのだか。…僕が揺るぎない事実に怯える姿を待っているとでも言うのか。…分からない。常にその笑みを浮かべてそうな貴女の思想は。…でも、向かってくる照明の光に瞳を塞ぐ事はない。問われたのなら、力強く答えよう。貴女の整備士としての居場所すら揺るがしそうな僕の謀反そのものの行為。…貴女はその謎に包まれた思想の奥底で何を想っているのか。)『……ッ。…僕は……貴女とは違うッ…。』(カップを握る指に力が入る。…違う、人体…命ある者すらも部品とでも思っているような残酷な貴女とは僕は違う。同類などではない。さっきから何なのだ。僕へ向けるその笑みは。楽しんでいるとでも言うのか…? 例え謀反を引き起こそうと、僕は貴女とは違う。いいや…クソ…、分からない。人の心、万騎長を追放すれば捨てれるのではないのか。…捨て切れないのか…?初めて貴女から視線を少し逸らし、下へ。頭が、痛くなる。 人の心を捨てると言う事は…仲間、騎士達すらも“道具”と見る眼を持たねばならないのか…?)   (7/9 09:25:28)


ひよ。@ドクター > 「──なあに、私は魔術師でも何でもないひとりの研究者ですし、直属の上司は貴方ですし。私は機械造りに没頭できればよいので、“騎士団上層がどうなろうと、あくまで知ったことはありません”です。貴方がその気であれば、私はええ、ええ。喜んで共謀者になりますとも。……科学のために、です。けれど──」リックは、彼女から目線を逸らした彼をただ見据える。彼の手に力が入り、瓶の砂糖をまるごと混ぜた珈琲のその水面が、不規則に揺れ動いているのが分かった。特に再び視界に入り込もうとなどもせず、ただ、直立して相手の言葉を耳に受け止め、そうして、最後には、にへらと笑みを浮かべた。   (7/9 13:11:58)
ひよ。@ドクター > 「その結論には“ネガティヴ”とでもお答えするですかね。やはり貴方、どこかが蝋燭みたいに揺れ動いていますねえ。人を捨てると宣いつつも躊躇があるように見えるですよ。貴方がしようとしていることは、己の目的の成就のために他を文字通り“斬り捨てよう”とする行為に他ならないのは、分かっているはずでしょう?」その時には、すでに周囲の喧騒なんて耳に入っていないようだった。ただ、水底へと沈みゆく中で、思考の中に直接響くような、不可思議な音。限りなく静謐に近く、限りなく透明に近く、その音色は機械音を遮り、自分の発した音声、相手の発した音声だけを、より一層鋭利に、彼らの鼓膜を震わせる。リックは変わらず、真っ直ぐに彼を見つめ、だが、そう彼女らしからぬゆっくり目の速度で話す表情には、何も浮かんでおらず。   (7/9 13:12:15)
ひよ。@ドクター > 「私はですね、貴方の決断を見届けたいのですよ。それが例え“謀反”であっても、デス。それが例え、科学者の境地を諦めることであっても、です。私は、貴方のひとりの部下であって科学者なんですからねえ」こつん。一歩前に出るために響いた足音が、厭に脳裏に反響したような気がする。シルクハットを自らの胸元に、だぼだぼの白衣の袖に抱えて、そうして、一歩詰まった距離で再び、相手を見据えて。「技師ゼダスさん、私の目をもう一度見るです」そういうリックの声は、どこか落ち着いていて、柔和だった。   (7/9 13:12:26)


ガエリオ/ゼダス > (騎士団上層がどうなろうとも知ったことではない…? 仮にこの工房が潰される結末を迎えてもか。あくまで個人の研究に支障が無いなら構わない…と言うのか。 それどころか、この謀反とも取れる僕の行動に着いてくる気すら見せている。…僕のためでなく、科学のために。右眼上部にシワが寄る。____僕は追放したいと思う人間を嫌っているのではない。恨んでもいない。…ただ、《もう戦ってほしくないのだ》。あのひとに。 あの人を失うのが、怖い。危険から遠ざけたい。…でも、口で言っても聞いちゃくれないはず。…だから、行動で表すしかない。不器用なんだよ。僕は。…) 『…ッ…分かっています…。…ぁぁ、…分かっていますとも…。……だから、____繰り返さないで…。』(言うな。自分では強いと、固い決意を抱いていると思っていたのに。)   (7/9 17:27:09)
ガエリオ/ゼダス > (貴女に繰り返し、繰り返し…。揺らいでいると言われれば。否定し続けても、心の何処かで己が弱い人間だと認めているようじゃないか。耳を、塞ぎたい。…貴女の鋭利な言葉だけがこんな時だけゆっくり…僕の鼓膜を震わせる。周りの整備士達は…仕事をしているのか…? ならば、もっと騒音が鳴り響くはずなのに。耳に入ってこない…。遠ざけたい言葉だけが、脳裏にこべりつく。…嫌な汗が額をうっすら濡らし、手に握られたカップはさらに震える。___)『何故……僕の決断を…。』(ドクター、貴女は研究以外には興味を示さないのでは…?何故僕の自分勝手を見届けたいと思うんだ。科学のためにこの謀反すらも利用したいのではないのか…?本当、分からない。 ……本当に怖いものは、見えない、分からないんだ。 貴女が一歩さらに近づく。至近距離…僕よりも小さく、歳下の貴女なはずなのに。その身に纏う何かは…僕よりも、…大きい…というのか。無意識に左足が後退りをしようと後ろへ少し、引きづられた。)   (7/9 17:27:20)
ガエリオ/ゼダス > 『………っっ……。』(なんて、弱い人間か。しっかりと埋め込まれていたはずの決意が徐々に緩み、恐れを抱く。貴女の指示通り、その結晶のような瞳に…紅玉をむけた。気を少しでもズラしてしまえば、貴女から視線を外しかねない。…己を見透かされると言うのは…ここまで動揺を抱くものなのか。)   (7/9 17:27:32)


ひよ。@ドクター. > 「──“ミスター”ゼダス、貴方の役職は、貴方が背負うにはきっと重たいです。それでも貴方は、全うしようとしていらっしゃる。……こういうのも、変な話ですけれど、貴方はまだ若く、迷ってよい時期です。──くふふ、尤も、貴方はこの道に於いて、私の“センパイ”に当たりますがね」リックが一歩、前に出ると同時に、一歩下がる相手の左足。琥珀に向けられる紅玉、照らすランタンの炎は揺らめき、彼らの横顔を僅かに照らす。遠くで鳴り響くはずの作業音も、最早聞こえはしない。僅かだが、相手の手に力が入っているのがわかる。そら、やはり、貴方は覚悟を決めているつもりで、それは虚構だったのでしょうに、無理をして、繕って、それじゃあきっと、どんな量産機よりも脆い張りぼてだ。……けれど。「なあに、私は単に、ひとりの学者として貴方に興味が湧いたですよ。それに職務上、貴方の歩む科学の道が、私達……いいや、最終的には私だけになるのかもしれませんが、少なくとも誰かの歩む道になる。であれば、それを見届けるのも務めというものですからねえ──」   (7/9 17:56:13)
ひよ。@ドクター. > ふと、ランタンの灯火が消え、双方の顔が薄闇に溶け、霞んだ。リックはガサゴソとポーチを漁り、彼岸花のマッチを取り出せば、指先で箱の側面を探りつつ、それで以ってマッチを擦った。しゅぽ、と、ほの暗く染まった工房の一角に宛ら、尊華の狐火のような炎が浮かび上がり、リックはそれをそっと、ランタン内部の蝋燭に近付けて火を灯す。遠くには照明があるとはいえ、やはり、身近に光源があるのとないとでは、大きく異なる。“ふう”と溜息をついたリックは、少しばかり瞳を閉じてみる。そうしてそのまま、相手の方に顔を戻し、ぱちり目を開ける。先程とは異なり、磨かれた水晶、という言葉のよく似合うものだっただろうか。不健康そうな隈は、その瞳により影を薄くし、よもや存在すら感じさせないだろう、確かにそこにあるというのに。口角は上がり、だが、嫌な感じは、とうに消え失せていた。   (7/9 17:56:27)
ひよ。@ドクター. > 「──リック。リック・トゥ・エクサンティア・オネット。私の、いわゆる【真名】に当たるです。……尤も、魔術師ではないのであまり意識してなかったのですけれど。それでも」リックはシルクハットを持った左手を自らの胸元に、右手は大きな白衣の裾を、恰もドレスのように摘み持ち上げ、一歩下がって、紳士的なようで、どこかドレス姿の令嬢のような、交ざり物の礼をしてみせて、そう告げては顔を上げた。「ミスター、不思議と貴方には知って頂くべきだと思ったです」シルクハットをそうして頭に乗せ、だが、その顔にはすっかり、いつもの表情が戻っていて。   (7/9 17:56:42)


ガエリオ/ゼダス > 『……。…それでも、迷っている時間は…ない。 貴女も仰っていた。…一瞬で決するものがあると。___ 僕が行動を起こさねば、僕は時代というものに置き去りにされ、一生後悔する事になる…。』(…今更、恐れても。弱味を見せれるものか。…貫けよ。決めた事なんだろう。…歯を食いしばった。…そして、張りぼて同然に見えようと、再び口にする。戦争とは唐突に起きるもの、あの人を失えば…僕の中の歯車はそこで止まり、今の何倍もの苦しみを背負う事となる。負を止めるには…起こさねばならない。“謀反”を。)『 興味…。…随分な事を言ってくれる…。僕がこの謀反と共に散るとでも言うような…仰い方だ…。』(そう、今消えたランタンのように。僕は道半端、散り…その道を歩む者は貴女に。)   (7/9 19:15:35)
ガエリオ/ゼダス > (そして、貴女が新たなマッチを使い…ランタンに火を灯す。次の科学の道を引き継ぎ…新たに歩み出すかの如く。…後釜を卑しく望んでいるわけではないのは理解しているさ。…貴女はそんな存在じゃ決してないはず。ランタンによって照らされる銀髪は光を帯びたように。 …貴女にむける瞳…映る貴女は……先程とは打って変わって。…マッドサイエンティストで嫌な笑みを浮かばせる女性…ではない、宝石のような瞳を揺らし…笑みを向ける姫君のように。まるで披露宴の中だ。…貴女はその身で交ざり物の礼をしてのけた。…そして、口にした言葉。…例え魔術を司る者でなくとも…控えねばならぬもの。それを晒した瞬間…僕の眼は大きく開眼し、口を小さく開けた。ここで、…言うのか。それを。 …自ら首を僕に向けたようなものだぞ。…動揺は貴女の眼でも伺えるはず。)   (7/9 19:15:46)
ガエリオ/ゼダス > (手に持っていたカップは指から滑り落ち、地面を薄黒く濡らした。…ドロリとして混ざり得なかった砂糖と共に。…しかし…それを言われては…信用しない理由は…ない。 貴女のその言葉が、再び僕の決意を深く埋め込む。…不思議ではない、ここまでくれば。…運命だ。黙って貴女に瞳を置いていたが、口を閉じ、…ハットを被る貴女を見届ければ。…己も覚悟を決めた。…落としたカップを拾い背を向ける。伝えた後、工房を去ろう。…)『___ミス・オネット。……ハーメルンと…2人の時はお呼びください。…真名を知ってもらう相手はどっちにしろ必要でした…。___ひとり、遠ざけるのですから。…貴女にお見せしましょう。僕の科学の道…そして、騎士道を。_____でも…仮に僕が舞台を降りた時は…頼みましたよ。』【新たなる火種のための謀反 〆】   (7/9 19:16:04)