この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

花崗&竜灯

竜胆車の口車

黒助/花崗 > はむ、あむ……ふぅ。やっぱり、御手洗の垂れは多めに限るわね(団子の五つ刺さった串を口に加え、一つを咬んで口の中には固定しながら引き抜く。そうして残った一玉の味を、そして食感を楽しんだのならば。串団子の乗った皿と共に盆の上に置かれた冷えた麦茶を一口啜った――雲居は長く、また厚く。日差しは隠れているものの。空気が重く感じられる蒸し暑さは、どれだけ否が応とも今が梅雨頃であることを伝えてくる。そんな、不快感を感じるような天気の元でも、目当ての茶屋は賑わっていた。その茶屋の二人掛けの長椅子に軍服のままで座れば、長い見回りを終えた後の足を軽く癒しつつ受け嬢へと注文を頼んだ。そこから数分後、お待たせしましたと恒例の言葉と共に、真ん中の盆置き場の上に黒い盆が置かれた。その上には白い皿と薄青に染められた杯。皿には御手洗団子の五つ刺さった串が二つ、手に持ったものを会わせれば合計で三つ。杯には綺麗な薄茶の麦茶が一杯、氷を二つ浮かべながら乗っていた。そして、口の回りに少しだけ残った御手洗を名残惜しいが口拭きで拭うと、右手に持った串団子を口に加え、二つ目の団子を口に加えていた)   (7/5 15:14:05)


シロー/竜灯 > 「いやぁまっことまっこと!!またご厄介になるちや!一番今仕事が俺には合っちょるみたいぜよ!ははは!」((茶屋の店先でお盆を手にした娘と顔合わせ、大笑いする軍服姿の男が一人。背中に竜胆車の家紋が描かれた羽織を着る彼は帝都では割と名の知れた人間であった。3年間の間帝國を離れ王国を旅していたが、つい最近になって帝國へと帰り、再び軍に所属したらしい。久しぶりに顔を合わせた看板娘の背が伸びているのを満足気に眺め終えると、丁度軍服を着た女性が座っている長椅子へと無遠慮に腰を下ろすと。そのまま盆の上の団子をひょいっ、と摘み、そのまま口で団子を引き抜いてしまった。)「おまん見ない顔じゃの、新兵の癖にサボりとは中々骨があるぜよ、あっははっは!俺は竜灯、竜さんとでも呼んどーせ。」((まさか隣の女性が大将だなどと思ってすらいなかった。階級章を確認すらせずに偉そうな口振りのまま、心底楽しそうに笑い声を上げ。再び団子を口に運んで深く椅子に凭れ直す横顔はとても満足気なものであった。   (7/5 15:33:21)


黒助/花崗 > 貴方は…って、こら!人の和菓子を勝手に食べるな!(甘美甘美、と二口、三口と加えては噛み。食感を楽しんでいると、謝辞や礼感も無いままに長椅子の反対側に座った男性へと視線を向けた。これがまだ一般人であるならば、失礼な人だと内心で思うだけに止めただろう。だが、その男性が自分と同じ軍服を着ていて、しかも知らぬ人はいない『有名人』ならば話は別だ。この国の軍の規律を守らず、上下の関係など知ったことではないと砕けた口調と訛りで話す『うつけもの』――そんな相手に突如としてお気に入りの串団子を一つ奪われ、あまつさえ形式敬略語を使わずに話しかけられれば。軽く顔を赤くしながら、近頃板に着いてきた口調で叱りつけていて)   (7/5 15:48:49)


シロー/竜灯 > 「少しくらい許しとうせ、ぐちぐち言うと幸せが飛んで行ってしまうちやよ。」((この位ええじゃないか、と残りの団子を一口で引き抜くと、空になった串を指でつまんで軽く振ってみせると、お盆の上へと放って、一服、と言わんばかりに口をすぼめて息を吐いた。自分は名乗ったのに、そっちは名乗ってくれないのか、と少し不満になって体を起こすと、漸く貴女の方へ向き直った。)「おまん、名前は⋯⋯⋯⋯⋯⋯ん?⋯⋯ん??」((丁度階級章に視線を向けた所で固まってしまった。自分のものとは明らかに装飾が違うソレを見比べると、今度は貴女の顔と階級章を交互に見て、沈黙が訪れた。ごくり、と喉を鳴らして、ゆっくりと貴女の顔に視線を合わせるのだった。)   (7/5 16:05:42)


黒助/花崗 > 既に私の幸せは貴方のお腹に行ってしまったけれど…!?(五つ刺さっていた串団子、その最後の一つを加えては許しとうせと串を振る。その姿からは申し訳なさやらは見受けられず、サボり魔の自由気儘、やりたい放題の『うつけの竜灯』という渾名(この場合は愛称などではなく、軽蔑や侮蔑が込められた言葉らしい)というのが見て取れた)漸く気が付いた?私は花崗。貴方が王国へ行っていた三年間の間に大将に拝命された花崗よ――これがどういう意味を持つか、分かるわよね?(うつけというのは本当らしく、今の今まで見てもいなかったこちらへと視線を向け、胸元の階級を見て。そして漸く自分が何者か気が付いたようだった――故に、名乗り上げ、訪ねた。自分の役職を。字を。そして、こんな人通りのある場所で今の口調がどういう意味を持つのか。というのを)   (7/5 16:20:12)


シロー/竜灯 > 「⋯⋯⋯⋯っ!」((最悪の展開だ。大将といったら、元帥を抜いたら一番上の階級だ。古巣に帰った早々酷い待遇じゃ、と天を仰ぎたい気持ちになった竜灯だが。本心はと言うとそこまで危機感を覚えている訳ではなかった、この人がおっかない人であれば団子を勝手に食った時点で怒り散らしていたに違いない。取る行動はひとつか⋯⋯心の中でそう独りごちてから、頭に手を当てて困ったように笑顔を浮かべ始めた。)「いやぁ⋯⋯花崗さんでしたか!すいません、花崗さんの言う通り、帝國に戻ったのはまっこと久しぶりですきに、まだ大将は⋯⋯名前は忘れてしもうたけど、先代だと思うてました。この通りですきお許しください」((取り敢えず謝っておけばこの大将は許してくれるだろう、という直感で、何度か首を曲げるようにして小さな会釈を送った。というよりは竜灯にはこれが精一杯であった。弁償しようとお金を出す素振りすら見せない辺りが、竜灯であった。   (7/5 16:31:28)


黒助/花崗 > いや…今考えると私の方も悪いわ。三年もここを離れていれば変わったことを知らなくても仕方がないでしょうしね…まぁ、だからと言って。先程の言動はキチンと直して欲しいとは思うけれど(困ったような笑顔、そして頭に置かれた手。その姿はまさしく『凄い困って狼狽している人の様子』そのものだった。先程までの豪胆ぶりは何処へやら、へこへこと謝りながら頭を下げる様には拍子抜けしてしまいそうになる)それに、私が食べていた御手洗を勝手に食べてしまったこと。なにも言わずに長椅子に腰かけたこと。それらも反省してもらいます…そうね、反省の意を込めた三枚相当の書簡を書いてもらおうかしら。期日は六日。反省しているなら…当然よね?(だからと言って加減してあげるほど自分も優しくはない。これが互いに休みの日で、尚且つ仕事に関係ない時ならば良かっただろう。だが今自分は休憩中とはいえ見回りの最中、つまり職務の真っ只中だ。相手も軍服を着ていることから自分と同じなのだろう――故にある程度の配慮するものの、遠慮や慈悲はなく。いわば反省文のようなものを書くようにと指示していた)   (7/5 16:46:29)


シロー/竜灯 > 「さすが花崗さんですちや。話が分かりますの⋯⋯えっ?」((〝私の方も悪いわ。〟そんな謝罪のニュアンスを感じ取れる言葉にうんうん、と食い気味に頷くと。許してくれるものだろうと勝手に安堵していた。が更に続いた言葉にええっ、と素っ頓狂な声を上げてしまった。そんなに意味の無い文を書いている暇があったら飲みにも行きたいし、やりたい事が多すぎる。多趣味な竜灯はただでさえ足りない時間を無駄なく使っている状況であり、貴女が出した罰は竜灯にとって最も辛いことの一つであった。心底困った表情を浮かべると暫くの沈黙の後に今一度花崗を見遣り。ダメ元で聞いてみるのだった。)「⋯⋯花崗さんは⋯酒好きですか?」((じっ、と真面目な色を込めた瞳で海のような深い青色の瞳を見据えた。───そういえば、よく見ると中々美人じゃの。と内心呟く竜灯だった。   (7/10 19:18:33)


黒助/花崗 > お酒…?そうね。あまり呑みはしないけど、嫌いではないわ(此方からの提案は割りと優しめな方だと、自分ながらにだが思っている。これが他の人物だったらもっと酷い罰を…運が悪ければ首すらも飛んでいた可能性だってありうるのだ。それほどまでに厳しい関係性がある中で、自分が出したのはただ反省文を一週間いないに提出しろというものなのだ――だが、どうやら相手はそれが最も嫌だったらしく、すっとんきょうな声をあげた後に心底からの困り顔を表情として浮かべていた。そして、そんな相手から質問されたのはお酒を飲むか飲まないか、という質問だった。その質問に今度はこちらが不思議な表情を浮かべるはめになった…突然こんな質問をしてくるとは。もしや、この男は私を手込めにする気ではないだろうか…?なんてことを思い、そして視線や気配にはなるべく表さないように警戒しつつ。相手からの質問に答えていた)   (7/10 19:27:26)


シロー/竜灯 > 「ほうですか⋯⋯、ですよね、大将ともなると仕事も責任も付き纏って休まる時間も無いですき⋯⋯⋯⋯」((腕を組んで、うんうん。と何やら共感している事を伝えようとしてか頷きを繰り返すと、あからさまにだが今思いついたかの如く拳と掌を合わせると。勝気な笑みを浮かべて肩を寄せた。)「⋯よし、花崗さん!たまには休んで良いと思います、今夜空いてたら俺と呑みに行きませんか?頑張り過ぎですきに、花崗さんは。」((たまには休んでもいいじゃないですか、と言わんばかりにお猪口を手に持って呷るジェスチャーを付け加えると、貴女の顔を覗き込むようにしてウィンク擬きか、片方の瞳を細めて見せた。上手いことこの口車に乗ってくれれば、反省文は書かなくて済むかもしれんの、と下心はあるにしろ。普段、火津彌をはじめとした上官に対してもだが、大抵人に奢らせてばかりの竜灯がまるで〝自分が払う〟かのような口調で貴女を誘っているのはとても珍しい事で。下心以外にも、ただ単に貴女と飲んでみたいと興味は湧いているようだ。   (7/10 19:43:11)


黒助/花崗 > えぇ。それに……いえ、貴方に愚痴を漏らしても意味はないわね(腕を組み、こちらの悩みに共感するかのように頷く姿を眺め、思わず悩みを漏らしてしまいそうになった。だが、次に吐き出そうとしていた言葉を口を止めて飲み込めば、ごめんなさい、と謝罪して会話を止めた。これ以上は自分の愚痴のようなもの。それを仕事中に下級の人に漏らすのは失礼だろう、そう思ったが故に口を閉じ、これ以上の『無駄口』を漏らさないようにしていた)…お酒、ね…そうね。珠には悪くないわね(大将になってからというもの、食事の時間すら削りながら山のような書類を消化していき、それが終われば市中見廻りや演習の繰り返し。自由な時間と言えば深夜前に帰宅してから睡眠するまでのたった少しだけ。しかも、その時間の殆どを疲れをとるための入浴に当てているため、実際に自分の活動ができるのはほんの少しだけなのだ――故に、珠には仕事を少しだけ残して、お酒を飲むのも悪くはない。そう思えば、相手の提案に良いだろうと頷いていた)   (7/18 14:31:54)


シロー/竜灯 > (もう一押し。一押しくらいで来てくれるだろうか?悪くない反応をあなたが見せたことで、竜灯は手応えあり、と心の内で拳を握りしめていた。競馬場にいる気分とよく似ているかもしれない。いけ、いけ!と祈るような気持ちを顔に出さないよう気をつけながらあなたの顔を覗き込んだまま静止し。何度か頷きを返したり喉仏を上下させたりと僅かな反応を見せるだけで留まっていた竜灯だが、あなたの口から「否定ではない言葉」が飛び出した。竜灯にとってはそれで充分。否定でなければ肯定である。を地で行く竜灯は大袈裟にガッツポーズをして見せると、善は急げとばかりに席を立った。)「よし決まりですのう!!それでは今夜適当に、ああ本部基地の前で待っておりますきに。今夜は全て忘れて飲み明かしましょう!」((反省文はちゃら、最悪タダ酒に持ち込めれば御の字ぜよ。へへへ、と鼻の下を人差し指で一度擦ると、ニヒルな笑みを浮かべてあなたを見下ろした。)   (7/18 15:13:53)
シロー/竜灯 > 「花崗さん絶対ですよ、頼んますからの!では俺はこれから見回りがあるので!ごゆるりと寛いとうせ!」(そのまま直ぐに背を向けてしまうと、ハチマキと家紋が描かれた羽織を翻して駆け出していった。羽のような足取りであった。【竜胆車の口車】   (7/18 15:13:55)