この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

アルシラ&クライス

蒼空の下、緑地の上にて

カフカ/アルシラ > 「(ここは緑生い茂る自然に囲まれた草原。ある時は恵みの雨の恩恵を、そして今は太陽の光を浴びて、背を伸ばした草木は悠然と風に体を揺らしている)あゝ……なんて――心地の良い昼時なのでしょうか。(言葉を零さずには居られなかった。頂点に上るは最も明るい恒星。それが眩しい光を熱とともに地上に送り届ける。ああ、このままだと暑いかもしれないけれど、涼しげな風はそれを感じさせないように優しく彼女の頬を撫でるのだ。白い修道服は一般的に知られているシスター=修道女とは少し違う。そして彼女の持つ金色の大きな槍はシャン、と音を立てている。その姿はエキゾチックで、彼女が神の信仰の元に生きている、そしてそれを生業としている人物だということは一目瞭然だろう。白のゆったりとした服と金色の十字架のピアスは、彼女が他人とは明らかに違う、人間よりも御子……という言葉が似合うような佇まいと言えるだろう。まるで別の次元、別の世界、森羅万象の枠に当てはまらない、大きすぎる存在感にきっとあなたは興味を覚えるだろう)」   (7/4 15:41:07)


枡/クライス > (さくり。心地良い音を立てる土を踏みながら、彼は気分が落ちた時に訪れる神聖なる場所へと向かっている。緑に囲まれているからか、街中より幾分か明るく広く感じるあの場所を想像すれば、それだけで気が晴れるようだ。一歩一歩をゆっくり踏みしめて歩けば、暫くして目的の場所に辿り着いた。この場所から見る景色はとても美しい。それは、日常から離れ別の世界に迷い込んでしまったのかと錯覚してしまう程に。そんな現実離れした景色を見渡していれば、ふと、見知らぬ姿が目に入った。この辺りでは見かけたことのない姿。後ろを向いているので顔はわからないが、何故だか彼女に強く惹かれた。怪しい人だと思われるかもしれないが、遠くから眺めているのもまた不審だろう。彼はそう考え、彼女に近付いてそっと声を掛ける。) こんにちは。ここから見える景色は素敵でしょう。……貴女は良くこちらに来られるのですか?   (7/4 16:02:32)


カフカ/アルシラ > 「あゝ―――(心地良い風を感じながら目を閉じていた後に、後ろから声がする。彼女はゆっくりと振り返ってあなたの姿を目に入れるだろう)こんにちは。とても素敵な景色ですね、自然とは尊いものです……。(第一印象は爽快な雰囲気を持った騎士。透き通るようなあなたのブロンドの髪もまた同じように風に揺られている事だろう。自分とよく似た貴方の碧眼に彼女は少し親近感を覚えただろうね。彼女はにこりと、まるで聖母のような優しい微笑を口元に浮かべながら挨拶を返す。彼女の顔を見た貴方はきっと性別が掴めなかったかもしれないが、透明感のある高いトーンの声から女性なのだと判断できるだろう)……私は異国から来た宣教師でございます。世界中の人々に教えを説く為に、各地を転々としているのです。故に、ここには初めて訪れました。(素性を隠すことなく彼女は話す。ゆったりとした口調は余裕を持っていて、"話すこと"つまり、"何かを教えること"に長けている人物であるという事が伺い知れるだろうね)貴方はこの国の騎士様でしょうか……?お勤めご苦労さまです。(翠の瞳はすっと架け橋を作って優しい笑顔を浮かべながら労いの言葉を貴方に。)」   (7/4 16:17:44)


枡/クライス > えぇ、仰る通りです。自然は人間には作り出せませんし、操ることも出来ません。だからこその美しさと良さがあるのでしょう。(彼女の言葉を聞きそっと頷いては肯定の意の言葉を紡ぐ。やわらかな笑みを浮かべる彼女にこちらもそっと微笑み返せば、失礼にならぬ程度に顔を…目を見る。それは自分と似たような色をしていたが、映す光の色は全く違うもののように見えた。) 宣教師、ですか。自分の信じるものを伝え教えるのは、素晴らしいですが大変なもののように思えます。(…あぁ、だから彼女の事が気になったのだろうか。自分も過去、叔父に教えを伝えてもらった身だ。理解できないことも多く、何度も同じ内容に対して質問を返した記憶が蘇り、そっと苦笑した。)   (7/4 16:40:15)
枡/クライス > 初めて来るとなれば、この景色を見て驚いたのではないですか?…あぁ、いや、旅をしているとなれば、こういう場所も幾つかあるのでしょうか?(この国の外にはあまり出たことがない。もしかしたら似たような場所が他の国や土地にもあるのかもしれないと興味を抱く。そもそも彼女は自然が好きなのだろうか。) えぇ。聖フィニクス騎士団に所属しています、クライスと申します。…ありがとうございます。ですが、今は休憩時間のようなものでして。少しばかり暇をしているので、良ければ話し相手になって頂けませんか。__貴女の信仰するものについても、可能なら知りたい。   (7/4 16:40:17)


カフカ/アルシラ > 「もちろんで御座います。誰かと言葉を交わすこともまた尊い。(話し相手になって頂けませんか――そんな頼みに彼女は快諾の意を示せば、一つ息をついて。彼女はシャン、と右手に持つ金色の槍を鳴らす)宣教とは、客観的に見れば大変なのかもしれませんが……私は決してそうは思いません。(様々な地に赴いて自らの信仰する神の教えを説く。この事が大変だと、普通の人ならばきっとそんな意見を持つだろう、それを理解した上で彼女は優しく否定する……否、肯定した上で"教えを説く"だろう。気のせいか、風はぴたりと止んだだろうか、燦燦と照りつける太陽もまた雲に姿を隠した……)なぜなら、私は人に教えを説く為に生まれて来たからです。私には神の声が聴こえます。それは人々に救いを、新しい景色を……彩りを、安らぎを。そして生き方を教えてくださいます。そんな素晴らしい教えを、どうして私だけが知っているべきでしょう?私はこの教えをより多くの人々に伝導したい。教義を認知してもらいたい―――それが私の生き甲斐、つまりは使命なのです。」   (7/4 17:02:02)
カフカ/アルシラ > 「(宣教師はつらつらと、けれど決して早口ではなく柔らかい口調で自らの活動について語り、話を続ける)万人が私の教えに対して首を縦に振るとは決して思いません。それでも存在を。そんな教えが在ったという事実を知っていただくだけで構いません。……私は唯一神を信仰しています。そして私はその声をあなた方に授けます。こうしてあなたと話している私の言葉も一つ一つは神の御言葉……故に神託なのです。宣教師であり預言者。それが私で御座います。(シャン、と再び槍が音を鳴らして、彼女は説教に終止符を打つ。さすれば、隠れた太陽は再び雲から顔を出した。偶然か必然か、いやきっと偶然だろうが…彼女が教えを説こうとする事を自然はまるで助力するかのように動くだろうか、あなたの彼女を見る目はきっと一人の女性から一人の預言者に。神聖な職業であるということを再確認させるには十分な説教だったことだろう)【教えを説く】と書いて説教と読む。世間はこの意味を勘違いしています。少し長くなってしまい申し訳ありません。と同時に、聴いていただいてありがとうございます―――――」   (7/4 17:02:15)


枡/クライス > 神の声が聞こえるとは…とても珍しい事ですね。…もし、僕も神の声が聞こえるなら…今貴女が仰ったように何をすべきか、何を信じるべきかははっきりするのでしょうか。__いえ、こう言ってしまうと失礼になりますね。すみません。(“信仰”そのものに対して何とも言えぬ疑問を抱いていると、そう彼女に伝える事は出来なかった。先程の話からするに、彼女は神の言葉が聞こえ、その言葉も頼りにして自分の生き方を信じて行動しているのだろう。そんな相手に信仰は正しいのかなんて、とてもじゃないが聞く気にはなれなかった。)   (7/4 17:28:17)
枡/クライス > いいえ、とても素敵な御言葉でした。私は自然を___正確に言うと草木を信仰の対象としている身です。ですから、叔父の教えに基づいて定期的にこの場所に訪れ祈りを捧げたりしているのですが…。たまに疑問に思うのです。神の御言葉を、誰かを通して聞くことが出来たとしても、神は僕らの声を聞くことが出来るのだろうかと。ですがこれは、先程のあなたの言葉から察するに、私の信仰心が足りないだけなのでしょうか。気持ちの整理をするべきかもしれません。(胸にそっと手を当てれば、俯きぽつりと言葉を溢す。正確に言うと自分が信仰しているのは神ではなく精霊になるのだが、細かい部分を今は気にするべきではないだろう。行動を見ていると言われることはあれど、言葉を聞いていると言われたことはなかった。ぽつりと湧いてきた疑問をそのまま口に出せば自らその言葉を否定し、相手の先程の言葉を思い出しなぞった。) 教えを説くことを説教と読むのは初めて知りました。貴女の言葉は…貴女の主の言葉は、心に響くだけではなく、心を落ち着かせてくれるものでもあるのですね。   (7/4 17:28:18)


カフカ/アルシラ > 「いいえ、謝る必要は御座いません……時として信仰や信条を失うこともあるでしょう。誰にでも神の声は聴こえます。但し、自ら答えを神に求めてはなりません。只、耳を傾けるだけでいいのです。さすれば神は口を開き、言葉を授けてくださります。例えば、今――――――私はこうして貴方の信仰を正そうとしています。(預言者はゆっくりとあなたの問いかけに答える。応える、と言ったほうがそれらしいだろうか?思えばこの出会いは、必然だったのか。信仰に疑問のある貴方を正す為に、あなたの礼拝所であるこの豊かな草原に彼女は姿を表したのだろう。もしかすると、貴方はきっとそんな前兆(=Omen)をどこかで感じていたのかもしれない……。彼女は優しくあなたを安心させるような声でこう続けるだろう…)私とて信仰心が揺らぐ瞬間はあります。しかし……私はその度に己が未熟を恥じます。どうして神は私に御言葉を授けてくださるのか、その度に考えるのです。人は悩む生き物ですから、常に自問自答が必要です。もしも己の信仰に少しでも疑問があるなら自分に問いかけてみなさい。」   (7/4 18:16:35)
カフカ/アルシラ > 「いいえ、謝る必要は御座いません……時として信仰や信条を失うこともあるでしょう。誰にでも神の声は聴こえます。但し、自ら答えを神に求めてはなりません。只、耳を傾けるだけでいいのです。さすれば神は口を開き、言葉を授けてくださります。例えば、今――――――私はこうして貴方の信仰を正そうとしています。(預言者はゆっくりとあなたの問いかけに答える。応える、と言ったほうがそれらしいだろうか?思えばこの出会いは、必然だったのか。信仰に疑問のある貴方を正す為に、あなたの礼拝所であるこの豊かな草原に彼女は姿を表したのだろう。もしかすると、貴方はきっとそんな前兆(=Omen)をどこかで感じていたのかもしれない……。彼女は優しくあなたを安心させるような声でこう続けるだろう…)私とて信仰心が揺らぐ瞬間はあります。しかし……私はその度に己が未熟を恥じます。どうして神は私に御言葉を授けてくださるのか、その度に考えるのです。人は悩む生き物ですから、常に自問自答が必要です。もしも己の信仰に少しでも疑問があるなら自分に問いかけてみなさい。」   (7/4 18:16:35)
カフカ/アルシラ > 「(彼女の目は決して貴方から離れようとしない。『『天啓』』そんな光が彼女の瞳の奥から覗かせていることをあなたはきっと感じたはずだ。そしてもしも、彼女の言葉に貴方が感銘を受けているのならば、『彼女に翼が生えているかのような錯覚』を感じただろう。さきほどまで預言者として貴方は彼女を見ていただろうが、今の彼女を貴方はきっと【神の使い】=【天使】の類にまで見えることだろう。しかし…………)………!!(そうして、ここまで来て…彼女は一つの事実に気づく。そういえば、まだ貴方に字としての名前さえ教えていないではないか!)あ、あぁ……。ごめんなさい、クライスさん。申し遅れました。私は【アルシラ】と言います。(説教に身が入ってそんな儀礼さえ忘れていた事に彼女は少し顔を赤くして取り乱すような姿を初めて見せるかな。ただそれは一瞬神格に等しい存在になったかのような彼女が、やはり一人の人間だというとことを貴方に再度認識させる事になる。)」   (7/4 18:17:00)


枡/クライス > 耳を傾けるだけ、ですか。……そうですね。上手く言葉にすることは出来ませんが、思い返してみれば今までそうして信じるものの言葉を聞き、信じるべきものを疑い見失うことのないよう自分の中での確かなものへと変えていったような気がします。(これは自分の中の“感覚”としての言葉であり、相手に伝わるかどうかはわからないが__彼女ならなんとなく理解してくれるような気がして。自分の言葉を何一つ否定せず受け入れ、肯定したうえで正している。そんな彼女の言葉を聞くと気が楽になるような、救われる気さえしている。そんな自分がどうにもおかしく感じてしまい小さく苦笑した。) …何かを信じる前に、自分の事も信じなくてはいけませんね。貴女の仰る通り、一度自分と相談し、何をどうするべきか考え直してみようと思います。……ええ。叔父は育ての親であり先生でもあります。とても素晴らしいお方です。   (7/13 15:37:56)
枡/クライス > (自らを救ってくれた叔父の事を褒められれば少し嬉しそうに、しかし続いた聞きなれぬ言葉を聞けば表情を強張らせる。試練とは一体どんなものなのか。全く予想もつかず彼女の言葉を待つ。___「理想」。それを見つけ、それになれるように努力をしろと、彼女は確かにそう言った。自分の理想とはどんなものか?…わからない。今まで人に従って生きてきた。誰かの望む自分になる。それが自分の理想だ。……理想、“だった”? どこかで感じていた違和感の正体は、もしかしてこれではないのか。本当は自分は誰かの言いなりや誰かが望む誰かではなく、違う誰か…本当の自分になりたいのか。暫くの熟考の末、少し間を開けて口を開く。) …理想と等しく。難しい内容ですが、試練だからそうなのでしょう。先程考えると言いましたが、実は何を考えるべきかも解っていなかったんです。ですが今、それが確かになりました。それと同時に、今の言葉を聞き、そして考え、今までは誰かの言う事だからそれは正しいのだと信じてやみませんでしたが…。実際はそうではないのかもしれないと。そう思うことが出来ました。   (7/13 15:37:58)
枡/クライス > 貴女の言葉の通りに自分としての理想を探してみます。辿り着く先がどこになるかはわかりませんが、自分の考えたものであれば確かにそれこそが真に正しいものなのでしょう。自分にとっての、ですが。(美しく儚さを纏った雰囲気と、他人の心を救うような説教の影響か__彼女は自らを宣教師と名乗ったが、それよりも尊い光を纏った神聖な存在にも見えた。しかしどうだろう、そのような事を考えていれば彼女は慌てだし、謝罪の言葉と名前を告げた。突然の事に驚き、一瞬理解が追いつかないといったように動きを止めていたが、我に返り最初に会話を交わした時と同じように微笑みを浮かべれば、右手を軽く胸元にあて姿勢を少しだけ低くした。) お気になさらないでください。アルシラさん。…名前、しっかり記憶しました。助けてくださった相手の名前もわからなければ、何もお返しできませんから。……あぁ!少し語弊があるかもしれません。きっと金品などの礼では受け取ってもらえないでしょう。そういったものではなく、感謝の言葉や貴女が困ったときに助けられるような意味でのお返しです。ですから、その時はどうか受け取ってくださいね。   (7/13 15:38:02)


カフカ/アルシラ > 「ええ、ありがとうございます。(取り乱したかのような素振りを見せたが、本来このような姿を人に見せることのない彼女はすぐ様穏やかないつもの雰囲気を身に纏い、自己紹介を済ませた後ににこやかな表情で目を薄めるだろう)信仰は常に人ともにあります。この言葉を忘れないでください。(最後に一言、助言をして微笑み、再び目を伏せて会釈すると、彼女は踵を返す。人々の信仰を導き、そして正す。自らの教義を押し付けたり、無理に布教し神の尊さを説くようなこともしない、おおよそ普通の宣教師とは一風変わった彼女。この出会いは鮮烈でありながら、あなたの記憶に深く刻み込まれた事だろう。同じように彼女も貴方との出会いを忘れることはない。出会った道行く人の一人一人を彼女は名前も体も特徴も覚えているのだから。信仰は人を導き、そして強くする。【我が神は天上におはします――貴方にもその加護があらんことを】快晴のもとで風に揺られる草原と貴方を後にして、彼女は蒼空に溶けていった――――)」〆   (7/14 21:42:53)