この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

雷鏡&ディラン

初依頼

グレー/雷鏡 ◆ > さーてと。(と、彼は薬の調合を行っていた。今俺は普段から売ったり、定期契約で渡している薬箱の補充のために薬を作っているところなのだ。というのも、最近は寒くなってきているためか、風邪薬の需要が少しずつ高まってきている。みんな、風邪をひいても長く休む訳には行かないと思って俺の薬を買いに来るのだろう。まぁ、「日頃のお礼を申し上げます。」と言って菓子折をくれたりとか、そういうことも時たまあるくらい、俺の店はここに根付いているわけだ。まぁ、兄貴やトール百騎長といった広告塔もいてくれるおかげだな。……そう考えると、今まで俺は色んな人に支えてもらっているな。)よし。出来たな。(と、俺はまずは定期契約の薬箱に薬を詰めていく。前々から作っているものを詰めていくだけだが、薬というのは案外売れることが分かってからは、これも俺の店のメイン収入の1つになり、もし依頼が飛んでこなかった時の生命線となるわけだ。いずれにしても、この王都の人の俺に対する信頼があってこそのこの商売だ。)   (12/20 23:22:03)


シロー/ディラン > 「けほっ、ごほっ!⋯⋯中々、冷えるなぁ。」(人だかりを避けるようにして、雑踏に紛れて咳き込んだ。時刻は午前10時頃。雲ひとつない晴天に恵まれた王都は、石造りの建物を縫うようにからっ風が吹き荒ぶ。咳をすれば肺に冷たい空気が入り込んで、また噎せるように咳き込む。幾度と無い繰り返しに嫌気が差しそうな朝であった。さて、ウェンディア王国の整備士であるディランは、見ての通り体調不良に苛まれていた。仕方が無いので仕事をしようと足を踏み入れた所で百騎長に見つかり、ここに行け、と渡された地図を見ながら歩を進めていく。)   (12/20 23:36:29)
シロー/ディラン > 「万事屋雷鏡⋯⋯ここか」(薬屋を勧められるとばかり思っていたが⋯⋯⋯⋯。歩を止めて地図から視線を上げれば、こじんまりとはしているが立派な建物が目の前にある。〝万事屋雷鏡〟。『ここの薬はよく効くからよ!』と朝方背中を押してきた百騎長の顔が脳裏に浮かぶ。王都に上ってから早数年、この店の名前くらいは聞いたことはあったが、入ったことは無い。ごくりと喉を鳴らして、扉へと手を伸ばした。⋯⋯向かいにある屋台の匂いからいい匂いが、詰まり気味の鼻を通り抜け漂ってきて、寮に帰って温かいものでも食べたいなぁなんて思いながらに。)「あの~⋯⋯すいません、薬が欲しいんですけど、今朝から体調が優れなくて。⋯けほっ」   (12/20 23:36:30)


グレー/雷鏡 ◆ > ん?(と、扉が開く音が聞こえた。俺はとりあえず作業もひと段落着いたので、薬箱を持って研究室兼調合室から表に出た。そうして、テンプレート化した挨拶とともに、客を迎え入れよう。)いらっしゃいませ。本日はどのようなって、風邪か。ならば……(と、テンプレの挨拶を言い切る前に、相手は話をしていた。どうやら体調が優れない様子で、咳もしているときた。まずは咳止め薬、風邪薬と、念の為に解熱剤も入れておこうか)ならば、この薬のセットを使うといい。中には解熱剤、風邪薬と咳止め薬が入っている。いずれも薬草を組み合わせて作ったものだが、品質は俺が保証しよう。そうそう、代金は使い終わった時にその薬を入れている箱を返してくれたらいい。減っているものだけ確認してその分の代金を貰うだけだからな。(と、俺はそう言ってから目の前の相手に渡す。そうして、「そうそう、用法の説明書も入れてあるから、使う時にはしっかりと確認してくれ。」とだけ言っておいた。)   (12/20 23:43:28)


シロー/ディラン > 「ああ、はい⋯⋯ありがとう。薬草かあ、へえ⋯⋯」(どうやら彼が店主?らしい。この態度を見るに、雇われ店員ではないだろう、居るかも分からないが。身長の高い青年に、あれよあれよという間に手提げサイズの小箱を渡された。言われるがままに中を確認すると、そこには彼の言った通り説明書もある。箱を返す、という事は、このまま返さなければ金は払わなくていいのだろうか。そこは信頼で商売をしているんかな。この様に商売をするのは初めて見たこともあって、心の中で代金はいつ払えば...と思考を巡らせた。⋯⋯が、自分は騎士団所属の整備士。足は着くだろうし、何より百騎長のお墨付きだ、顔に泥を塗る真似は出来ないに決まっていた。)   (12/20 23:58:53)
シロー/ディラン > 「分かりました、俺は王国の整備士なので、普段は騎士団寮で暮らしてます。⋯⋯ここも、トール百騎長のオススメで立ち寄ったんですよ。結構色々な事してるみたいですね、凄いなあ。」(自分の出処、立場ははっきり最初に言っておくことにした。ついでとばかりに百騎長の名を出すと、箱を手に下げたまま店の中をくるりと見渡した。まず目に付いたのは壁に貼り付けられた掲示板のようなもの。何やら木彫りで作られたかのような置物が置かれていたり、気になるものは多いがまずは壁に近づいて。)「中々、面倒な依頼とか来たりしないんですか?例えば⋯⋯そうだなぁ、迷子の猫探しとか。」(冗談気に頬を緩めると、心の中で定番すぎたか、と苦笑した。   (12/20 23:58:55)


グレー/雷鏡 ◆ > なるほど、トールのオススメか。確かに俺の作る薬は結構効果が高いと人気だからな。しかも全て薬草由来だからそういう所もウケがいいからな。(と、俺はそう答える。そうか……やはり聖フェニクス騎士団の広告力と、クチコミは凄まじいものだと俺は痛感した。そうすると、相手が面倒な依頼とか来ないのか?と尋ねてきたので……)まぁ、確かに面倒な依頼は来るかもな。隣国の尊華までの速達手紙だったり荷物だったりを届けたりとかな。郵便局みたいなこともしてるって訳だ。まぁ、尊華の人が逆に俺のとこまで来てまで薬を買いに来たりとかもするし、時たまゴザでも敷いて出張所みたいにしてることもあるな。(と、相手にそう話そう。それが俺の商売スタイルだ。)   (12/21 00:03:44)


シロー/ディラン > 「⋯⋯へぇ⋯そうなんですか」(まさか、百騎長を呼び捨てにするとは思わなくて、上の空なのが滲み出るような歯切れの悪い返事を返してしまった。確かに最初から俺に対しても敬語は使っていなかったし、そういう人柄なのだろうか。確かに、百騎長なら兎や角言わないだろうし⋯⋯。⋯⋯そこまで考えて、この人には下手なことはしないでおこう、と肝に銘じたディランだった。何処に話が行くか分かったものでは無い。掲示板から離れ、店の入口の方に向かうと、顎に手を当ててうんうんと頷く仕草を見せ。)「はははっ、そりゃああれですね、相応の報酬を貰わないと。旅費も馬鹿にならないですしね⋯。いつか機会があれば、俺も依頼をしに来ますよ。今は見合う報酬を払えなさそうなので見送りですけど」(機会があればの話ではあるが。頭が痛いのを我慢しながら顔を顰めつつ笑って。)「大きな船が一隻欲しい、みたいな話なので。あはは」   (12/21 00:13:33)


グレー/雷鏡 ◆ > そうそう、俺の代金の精算方法を話していなかったな。精算のタイミングは基本後払い。そして、その見積もり料は前もって提示はしておくが、基準としては「俺がどんだけ苦労したか。」これだけだ。(と、俺はそう話す。実際、そこの掲示板にも書いてあるが、後払い、基準は苦労の多さによってと書いてある。しかし、ある程度苦労をしたにも関わらず、料金の方は少し低めにしてあるのだ。そういうところもあるから、リピート率が高いのだろうと個人的には考えている。まぁ、基本的にどんな仕事であろうと、妥協なぞ一切せずに行うというのが初期からのポリシーであり、恐らくそのポリシーは変わることは無いはずだ。)まぁ、大きな船っつったって、俺はこの店の建築費やら土地代やら全部貯金して買った訳だがな……だから、この店はこれの店だし、誰にも譲れない誇りみたいなものなのさ。その過程で色々あった訳よ。……まぁ、基本的に食費はゼロになるように努力もしたわけだ。まぁ、店を構える前のフリーランスみたいなの時の話だけどな。(と、彼はそういう。)   (12/21 00:28:04)


シロー/ディラン > 「⋯⋯そりゃまた、そうなると中々まだ俺には手が出せそうに無いなあ。でも、そうですよね、そうじゃなきゃこんな仕事やれませんよね、本当、凄いな」(仕事には本気なんだろうなあ。誇りを持って仕事をしているんだろうな、と、ストイックなその姿勢、硬派な語勢から何故だか感じた。それを踏まえて店を見渡すと、また違う景色が見えるような気さえした。相当な苦労をしたのだろう。若くしてこうまで稼げるなんて...と、少し抱いた醜い嫉妬のような感情が、続く言葉によって燻った。)   (12/21 00:53:20)
シロー/ディラン > 「王都の一等地、中々高かったでしょうに。⋯⋯いいなぁ。俺、蒸気船を買う夢があるんですけど、それにはまだまだ足りないんですよね⋯⋯」(⋯⋯なんだか、なあ。思わず心の中でため息を零してしまった。才能もあるし、相当苦労したのは分かるけれど、こんな若い子ですら稼いでいるのに自分ときたら。⋯⋯いや、俺も恵まれている方だな。自分の就いている職業のことを思い出せば、少し気が楽になった。心無しか落としていた肩を上げ直すと、普段通りの穏やかな表情に戻って軽く会釈を返した。)「今日はありがとうございました、良くなったらこれ、持ってきます。騎士団本部に来て、整備士のディランと言ってくれればいつでも出向きますので、もし何かあればまた。」(扉に手を掛けて、大通りに出る。⋯⋯寒い、早い所帰って、安静にしていよう。明日にでも、すぐに仕事、戻らないと。【初依頼】   (12/21 00:53:22)