この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

セリヤーナ&リィリート

フルディア/セリヤーナ > (多くの人が行き交い露店がひしめく王都の広場に自分もテントを構えて。並べる商品は毛皮や革の小物、磨く前の宝石の原石、あとは少々の木工細工。)「さ、何か興味のあるものがあれば見ていってよ。お代はそんなにはいらないよ、それより塩か布なんかを分けてくれるとありがたいんだけど。」(自分の露店の前に立って道ゆく人や隣の露店の店主に声をかける。)「え?この石いいものに見えないって?宝石屋に持ち込んで磨いてもらったらいいよ。そしたら一級の宝石になるさ。その分お代はとらないよ、そうだな、布一切れでいい。どう?」(他とは違ってここじゃほとんど物々交換で成りたってる。放浪の旅じゃ金はおよそただの荷物だ。)   (11/29 21:34:45)


愁空/リィリート > (王都に足を踏み入れてから数刻、市街をゆるりとした足取りで練り歩き、ベール越しに世界を見る。発展。繁栄。勝利。『機構の煌めき』と称したあの絵は、未だにこの国の何処かで、勝利を祝して愛される。――反吐が出ちまうよ。黒いベールはリィリートの苦い表情を包み隠し、覆う。ドレスの裾をゆらりゆらゆら靡かせて、深くフードを被る。己の肌色を隠すように全てを布で覆い隠し、声すら潜める。フードから覗くムーングレイは月明かりに煌めき、その様子はまるでウェンディアの誇る武器のよう。皮肉なモンだねと嘲笑い、溜息を付いて足を止めたその数歩先。明るい商人の声が耳に入る。『布一切れ』と指先で示した際に覗いたその肌色。重力に従いはらりと落ちゆくそのローブの裾。その、刺繍は。如何して見紛うものか。はっと目を見開き、視線を彼女に固定する。ブーツの音を高く鳴らし、彼女の店の前まで寄れば。)   (11/29 21:58:36)
愁空/リィリート > ――ねえアンタさん。私にもなんか売ってよ。そうさね、アー……絵の、モデルになるようなイイもんない?あとアンタさんの時間。 駄賃は茶の一杯と――……私達の故郷の絵。どう?(「布の一枚なんかでいいのか?」と驚く客を他所に、その声をどうでもいいとでもいうように掻き消す。高く、空を裂くかと思わんばかりの凛々しく雄々しい声。その声の音一つ一つが告げる。ベールの下、覗く笑顔を貴女にだけ見えるように見せる。声を潜めて、最後に付け加えたその一言。遠回しな誘いはこうだった。『ちょっと面貸してよ。やっと出会えた仲間なんだから、お茶でもどう?』)   (11/29 21:58:55)


フルディア/セリヤーナ > (よく通る鷹の音のような声だった。群衆は雑踏と成り下がり、そのベールでも覆い隠すには足りないほどの澄んだ視線が真っ直ぐにこちらを射止めていた。その力強さには一瞬時間を忘れたほどだ。)「ぁ…あーそうだな、ボクは芸術には明るくないけど、これらはいわば美しい世界の欠片だから。きっと絵を描くには足りると思うよ。ただ…」(でも彼女がくれた表情と、投げかけられた言葉の意味は、しっかりと受け止めた。)「"ボクたちの故郷の絵"に釣り合うものは、さすがにないかな。」(肩をすくめて見せてから笑いかける。お誘いありがとう、と視線で伝える。)   (11/29 22:30:44)
フルディア/セリヤーナ > 「さ、急で悪いけど今日はもう店じまいにするよ。大事な商談が入ったんでね。明日も店を出す約束はできないけど、いずれまた見かけたら覗いていってね。」(目の前の人々に軽く挨拶を済ませて、てきぱきと商品を片す。貴重品だけリュックに背負って天幕を下ろす。)「こんにちは、キミとぜひ、話をしたくて。ボクの時間を好きなだけ売るから、故郷の絵について、聞かせてもらえないかな。」   (11/29 22:30:57)


愁空/リィリート > ははは、悪いねお客さん。彼女は私が貰うわ。いやなに、マア仕方ないことだよ。彼女の扱う商品と彼女は素晴らしいね!また見かけたら買っていってよ。 それじゃ、バァイ!(流石とでも言ったところか。商人としての才か、同胞としての直感か。遠回しな誘いであったにもかからわず、彼女は即座に行動してくれた。その豪胆さとでもいえばいいか、明確な後ろ盾のない我々にとって、各々の商売は正に生命線。それを容易く切り上げた彼女の気前の良さがとことん気に入ったらしい。彼女の店仕舞いに合わせて周囲に機嫌良く挨拶をし、天幕の後ろへと消える。暫しの間聞こえた困惑の声が消えたころ、フードを脱ぎ、そのベールを持ち上げる。彼女と同じ褐色の肌、鼻筋の通った整った顔立ち。銀の髪が動作に合わせて揺れ、布一切れ、隔てた先に合った紅い瞳が直接目の前の同胞を見つめる。その瞳は喜びに満ち、一切の疑心を持たず、快い仲間を歓迎するように両手を軽く広げた。もしその腕に近寄るのであれば、軽く抱擁を交わしあうのだろう。)   (11/29 22:58:06)
愁空/リィリート > ありがとう。やっと会えたね、私のハラカラ。いや、ホント。やっと出会えたのがアンタさんで良かったよ。(満面の笑み、破顔。彼女の言葉の全てが良い。同じヨズアというだけで、こんなにも心が躍るものか。ヒスイの宝石を宿した同胞へ一言向ければ、次いで、求められた故郷の絵の話を語る。実物は、彼女の腰に未だ隠されたまま。正体不明の絵描きが、自らの絵を直接渡す。そのことこそ、仲間を信頼している証。だからこそ見せる前に、説明が必要だった。)楽しかったころの――……あの時を、日々を、描き留めた絵だよ。私が見つけた仲間には、これを渡そうと決めていてね。それぞれが一枚ずつ、独立した絵に見えるが違う。それぞれ繋ぎ合わせて一合わせ、一枚になる。来る故郷奪還に備えて、私たちだけの合言葉、のようなモンとして活用できないかな。   (11/29 22:58:14)