この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

リューグナー&名取

僥倖の前戯

ゑゐりあん/リューグナー > ちょいとそこのお方。少々お話をよろしいでしょうかねぇ?(死んだ身内が蘇り、再び会えそうな雰囲気を醸し出す丑三つ時。草木すら眠りにつき、起きているのは変人か、怪人か。そんな時刻に、一人の男が一人の女に対して話しかけていた。しかし、女はずっとそこにいたが、男は突然現れたかのようであった。それは、人にずっとくっついて離れない影とはかけ離れているかのような唐突さであった。そんな男は、全身白いスーツに身を包み、張り付いたような笑みを浮かべながら言葉を紡ぐ)名取さんでお間違いないでしょうか?…まぁ、間違えではないでしょうねぇ。私の“同胞”を、よもや間違おうハズがありませんから…ねぇ(同胞をやけに強調して言い放つ男。彼は、リューグナー。嘘の権化である)   (10/21 21:29:47)


清瀬/名取 > 「……あら今晩は、素敵な盟友さん。」(素敵な月の今宵、日を跨いだ秋の夜は深まり、そこに映えるは女郎花の簪。亜麻色の髪に咲いた花は、声に呼応してゆっくりと開花する。挨拶は明るく、潔白を表すそのスーツは何故か最初、まるで貴方に似合わないような気もしたけれど。驚きを顕著にせず、まるで歓迎するように花の頭は垂れて貴方を手招く。再度この世に存在を置くようになってから、成長をしなくなったからか、随分と感性も思考も鈍ってしまった。新たなことに驚くこともなく、さも既知であるように繕えてしまう。己の情緒や慈悲、所謂人間らしさの芽を欠いていることを否応なしに認知させられる。)   (10/21 21:58:05)
清瀬/名取 > 「こんな夜更けに、一体この私に何のご用? 生憎私、男には興味がないのだけれど」(頭部で渦巻く角は枯れた木の枝、その乾いた二本から髪へ手を通しながら、僅かに怪訝に、品定めの如く貴方をじっとりと睨む。一体どこで私の名を知り、何を私にもちかけるつもりだろうか。それ程口は達者ではないのだけれど。同じように張り付けた笑みを描いて、少し離れた貴方の元へゆったりと寄る。互いに瞳という瞳は開いていない、それでもその眼からは、今にも凍った火花が飛び散りそうだ。少なくとも私には、彼との対峙は乾燥と緊迫を呼ぶ。)   (10/21 21:58:08)


ゑゐりあん/リューグナー > あぁ、ご安心を。別段あなたをどうこうしようというわけではありませんよ。それに、元より私たちは死人。今更、男だとか女だとか。それこそ、上辺だけの“嘘”というものでしょう?(何が愉快なのか、クスクスと耳障りな笑い声をあげるリューグナー)失敬。話がそれましたねぇ。あなたに声を掛けました理由。まぁ、回りくどいことはなしにして単刀直入に言わせていただきましょうかねぇ(そう言うと、リューグナーは彼女に向けて手を差し伸べる)私と共に、イモータルの国を作り上げませんか?(ニィッと笑うリューグナー。その笑みは、酷く愉快そうだった)あなたの目的はもちろん存じておりますよ。確か、子供を探している…とかなんとか。もし、あなたが私に協力していただけるのなら、あなたの目的に、私は協力させていただきましょう(そして、ニコッと優しそうな笑みを浮かべるリューグナー。一体、どこまでが本当なのだろうか)   (10/21 22:14:46)


清瀬/名取 > 「……うぅーん、そうなのかな。元は私達人間だったのよ? 日の下を堂々たる様で歩いて、同じように鼓動を巡らせていたのに。その生前に準じようとすること、私は理解できるのだけれど」(印象は、正へ傾くことなどまずなかった。止まる脚、握られた拳。嘲笑にも聞こえるそれに、少なからず不快感が表情へと現れる。ざわ、と波を立てた蔦は彼女の右半身から僅かに飛び出し、貴方へ矛を向けるように鋒を鋭く睨ませている。そんな此方を意にも介さない貴方が差し出す手は、初め再度の地獄への片道切符を連想させた。)「イモータルの、国。それはとても……」(言葉を反芻して一呼吸、蔦を引っ込めては顎を片手で撫でるように覆う。戸籍も家族も、身分証明の記憶もない孤独が作り上げる国。彼の目的は本当に建国が終点なのだろうか?もしやその先の、混沌だったりが目的地点ではないだろうか。…そしてわかったことも幾つかある、彼の情報網は完全ではないのか、信じたくないがもしくは愉快犯の類いであるか。私が探しているのは子供ではない……いや、もしや記憶に残されていないだけで。…兎に角、信用には程遠かったわけだ、が……)   (10/21 22:44:23)
清瀬/名取 > 「──改革、ね。とても魅力的よ、親愛なる盟友!私達は確かに命を持たぬ死者、この世の歴史に何かを刻み侵すのは不可能で無粋かと思っていたけれど……。私の目的に協力してくれるのなら、そう。──貴方に協力していいよ」(何かを追い求める者同士、仲間意識を感じたのかもしれない。残念ながら建国の文字に心は踊らなかったが、彼が本当に立国し世間を脅かしたとしよう。この世界は、神々の産み出した異物によって大きくその貌を変えるのだ。こんなにも面白いストーリーが待っているのならば別だ、その手を取る価値はこの先見込めるだろう。私の望む通りに進まないのであれば切るまでだ、今はこうして、薄っぺらな虚実に約束を印してもいいだろう。それにどうせ、彼が真実を話している根拠もないのだ。深く考えては、彼の娯楽の餌だ。)   (10/21 22:44:56)


ゑゐりあん/リューグナー > …まぁ、あなたは私を信用はしていらっしゃらないでしょう?それで充分です。むしろ、全面的に信頼されるほうが困りますしねぇ(相手の態度から、自分が信頼されていないことを感じ取った彼。しかし、それでいい。信頼されすぎても困るし、そもそもこいつらは“ただの捨て駒”でしかない。そんな奴らに、知られて困るような情報を与えるわけないだろう?)まぁ、何はともあれ、これで交渉成立ですねぇ。互いの目的のために、協力しようじゃないですか(そう言って笑顔で握手を求めるリューグナー。ともかく、これでまた一つ駒が増えた。大国同士との戦争が起きるかもしれないのだ。駒はいくらあっても困らない)して、あなたの目的を、少し詳しく教えていただけますでしょうか?私の情報が間違っている可能性もありますからねぇ。間違っているのなら正しい情報を教えていただければ(ニコッと営業スマイルを浮かべるリューグナー)   (10/21 23:02:43)


清瀬/名取 > 「あはは、それは貴方もでしょ?盟友。世という柵のない自由な者同士とはいえ今日初めて会ったの。いきなり現れて私のこと知ってて、すぐに信用しろなんてそんなの……そうね。無粋、でしょう?」(相手の提案に握手で応えれば、生のない肌が互いに触れる。信用だとか並べているけれど、彼は私と対等でいるつもりは、恐らくないのだろう。イモータルに男も女もないと口にしていたのだ、もしかしたら、というか。命もない我々に慈悲なんてものを抱いてすらないのかもしれない。全ては道具である、わかりやすい悪役の思想ではないか。)「そうね、まずさ。自分は名乗らずに此方のことばかり根掘り葉掘り聞き出そうなんて、中々失礼じゃないかな」(低い塀に半端に乗り腰を下ろせば、クスクス、と囁くように笑う。貴方のそれは下手なんかじゃなくて、使役を上手く覆えていないだけだ。)「協力する者同士、フェアにいこうよ、盟友」   (10/25 21:15:27)


ゑゐりあん/リューグナー > えぇ…まぁそうですかねぇ(駒を信用する馬鹿がいるかよ、なんて心の中で悪態をつきつつも苦笑を浮かべるリューグナー。いつもジュリィといるために少々感覚がマヒしているが、イモータル側は脳筋の馬鹿ばかりではないのだ。こういった“頭脳戦に長けた個体”も一定数いる。リューグナーにとってはそう言ったやつらは悩みの種である。…が、いつかはぶつからねばならない障害なのだ。ならば、被害の少ないうちに手駒にしておいて手懐けたほうがいい。そう思いリューグナーは彼女と協力することにしたのだ)おぉっと。これは失敬。あなたとの会話に夢中になって、うっかり名乗り忘れていましたねぇ   (10/28 19:21:15)
ゑゐりあん/リューグナー > (そう言えば、彼女に会って名前を名乗っていなかった。正直信用するに足らない手駒に名乗るのは気が引けるが、まぁいい)私はリューグナー。目的は、先ほども言いました通り、イモータルによる国を作り上げることです。あなたが興味がおありでしたら理由をお話ししますが、いかがでしょうか?(相手が座ったのを見て、自身も影から触手を出し、椅子を形成して座る。目的を抱いた理由、と言うのは他人を説得するためには必要不可欠である。戦争をしたい、という目的があったとして、「戦争は金になるから」という理由と「国を強くして国民を守る」という理由があった場合、どちらがより賛同が得られるかは一目瞭然。つまりはそう言う事である。まぁ、興味がないのならそれでもかまわないのだが)   (10/28 19:21:18)


清瀬/糸依 > 「リューグナー、ね。こっちも名取で良いよ、これから宜しく」(ほんの少しの上向きにはにかみを添える。英名は些か発音しづらくて、舌だけが起き抜けの時を経ているような感覚を覚える。話を進める中、ずっと心に不快という名の刺が食い込んでいく。彼と私が交わしているのは会話ではなく表裏を探す死線上の遊戯だ。片方は可笑しそうに楽しみ、私はというとただ苦痛を腸で擂り潰している。ぐぢり、と苦痛の原型が崩れる度に鈍った筈の痛覚が無理矢理体外へ引きちぎられそうになる。)「いや、今度は私から話すね。その後にゆっくり聞かせてよ」(そこまで口を開いて、言葉が喉の壁にへばり付く。咎めたのは本能のような、とにかく解明に困る不可思議な力だった。このリューグナーという盟友を前にして、声が自ら出るのを拒んだ。喉に凝りを覚えながら、咳払いを一つ。)   (11/3 00:50:50)
清瀬/糸依 > 「えぇっと、聞かれてたのは私の目的、かな。貴方の言うとおり、私は人探しをしてる。でもそれが誰なのか、名前も年齢も、子供かも恋人かも、それすらわからない。けどね…………」(月を見上げて呟くそれは、最初こそ噛み締めるような端々を見せていた。けれと段々、貴方という客に聞かせる気はさらさら感じられない、畳み掛けるようなものへと変わっていく。終いには徐に立ち上がり、腕を天へ掲げたかと思えば手を組みその場で祈りを捧げていた。)「ああ、あの可愛らしい子よ。私はなんて幸せなのかな、貴方を探し、そして想い、それと同時にこの世界を観ていられるなんて!!!」(ゆっくりと花開いた薔薇は、情熱の赤を迸らせる。恍惚に濡れた彼女は、この僅かの間に貴方のことなど最早意識の外らしい。神に祈るその姿も、抱えた乙女の心も、どちらも歪であった。)   (11/3 00:51:00)


ゑゐりあん/リューグナー > (一見穏やかな会話だが、その実情は酷く荒れていた。一歩でも間違えれば足元をすくわれかねない。そんな言葉のやり取りだった。そんな薄氷を踏むような、地雷原で踊るような、そんな会話がリューグナーは好きだった。そうすることで、初めて生を実感できるような、不思議な感覚だった。…否、ただ会話が好きなのかもしれない)そうですか。では、聞かせていただきましょうか(どうやら、先に相手が話すようだ。そう思いリューグナーは少し体勢を楽にする。そしてしばらく沈黙を貫いて彼女の話を聞いていると、どうやら自分は早とちりをしていたようであることに気付く。彼女が探していたのは子供だとかそういう具体的なものではなく、とにかく“人”という曖昧なものだった。…まぁ、イモータルは生前の行動や理念に強い執着心を抱いており、それを無意識のうちにイモータルとしての行動に取り入れている例がある。例えば正義を強制する男や国を守ろうとする騎士。おそらく、彼女もその一種なのだろう。生前の何かに雁字搦めに囚われて居るのだろう。全く、無様なものだ。自分は、何一つとして囚われてはいないというのに。そう…。囚われてはいないのだ。   (11/3 14:44:12)
ゑゐりあん/リューグナー > なんて考えていると、突然彼女が大声を出し始める。おそらく、感情が昂ったのだろう。だが、不思議と憐みの感情は、侮蔑の感情はわかなかった。普段なら湧くはずのそう言う類の気持ちが不思議と湧かなかった。どうしてか、同情の気持ちが湧いてきていたのだ。…同情?馬鹿か、私は。駒風情にそんな感情を抱く理由はないだろう?…きっと、疲れているのだ。きっとそうに違いない。そう思ってリューグナーは彼女に声を掛ける)…あなたの目的はよく理解しました。えぇ、理解しましたとも。あなたの目的、是非とも協力させていただこうではありませんか。あなたの探し人を、一緒に探し出しましょう(そう言って立ち上がったリューグナーは、祈る彼女に手を差し出す)   (11/3 14:44:17)


清瀬/名取 > 「ええ、ありがとうリューグナー。貴方の目的は今は聞かないでおくね。この昂りは誰かに聞いて欲しがっていたから、勝手に喋ってだけのことよ」(灰まみれの祈りの最中、貴方が手を差し出すのをあまり快くは思わなかった。和解は交わせど、傲慢の異形が完全に理解しあうのも馴れ合うのも不可能。握手ならさっきしたでしょう、と言わんばかりに接触を拒む。貴方がせめて可愛らしい少年の姿をしていたのならば別だったのだが、性別がないとはいえれっきとした男にしか見えない彼に触れようとはどうにも思えなかった。)「その代わりにね、私からお願いしたいことが幾つかあるの。物によっては、そうね…交渉の方が正しいのかな」(顎にとん、と指を添え、俄に市街の方角を向く。今は居らぬ可愛いお人形くんは、きっと今日も片付けを頑張っているのだろう。整理すればする程、かわりに思わず酸っぱくなる程の鉄の匂いと赤黒い染みが増えていく。汚物は置き土産まで汚い、えらく迷惑だ。……しばらくして向き直ると、人差し指をすっと己の眼前で立てた。己の意思を示すものでもあるそれは、また貴方を根絶するように、指先まで真っ直ぐと伸ばされている。)   (11/5 19:26:44)
清瀬/名取 > 「まず一つ、私には連れが居るの。彼も探し物をしていて、私よりも情報が浅くて……見つけるのは困難でしょうね。私と関係を組んでも、私はその子を使役したりはできないし、協力関係にあるからそちらも手伝わなきゃいけない。私が暇だからと言って盟友、あなただけに十を裂けるわけではないのをわかって欲しいの。きっと彼は、コルキカムは……イモータルには優しいでしょうから、少し誠意を見せれば喜んで殺戮に及ぶわ」(葦の覗く右手は、次に弐を示す。表向き穏やかであった形相は変わり、麿眉をひそめ怪訝の意を顕にしている。)「次に、私は男が嫌いなの。盟友に性別がないとはわかっていても、その姿形は紛れもない男性。適度な距離を考えてくれないと、単に不愉快。リューグナーにも苦手はあるだろうから、これはお互い不干渉、ということで飲み込んで欲しい」(貴方に口を挟む隙も、呼吸を差し込むその間だって与えずに、矢継ぎ早に捲し立てる。そうでもしないと、という使命感に駈られるように、明細の先行しない行動理念を掲げていた。最後に、三つ目。と、そこで息を整えて、くらくらする頭に空気を送り込む。)   (11/5 19:27:19)
清瀬/名取 > 「もし帝國の軍人を見かけたら、殺さないで欲しい。捕虜にしてくれたら尚更都合が良いな、……勿論私達の無事が第一、でね。これを認めてくれるならば、それ相応の見返りを要求してくれていいよ。何にせよ、白と黒ははっきりさせておいた方がいいでしょう?」   (11/5 19:27:30)


ゑゐりあん/リューグナー > それであなたが満足したのであれば、私も嬉しい限りですよ(彼女の言葉に笑顔で答えるリューグナー。すると、差し出した手を拒まれる。む、と内心不快に思うがここで表に出してはならない。誤魔化すかのように手を引っ込めズボンで拭いた)   (11/9 00:47:25)
ゑゐりあん/リューグナー > えぇ、なんでしょうか?なんでもお聞きしますよ(すると、彼女からお願いしたいことがあると言われたので笑顔で応じるリューグナー。すると、彼女は人差し指を立てた。何をする気だろうか?そう思っていると、”お願い”を言い出した)…なるほどなるほど。理解しました。えぇ、理解しましたとも(つまり、彼女も全力でこちらを援助するわけではないということである。それはそれで好都合だ。こちらもお前如きに全てを裂けるわけではない。ちょうどいい理由ができたと、内心リューグナーは喜んだ。それと同時に、脳の隅にコルキカムの名を記憶した。協力者が、駒が増えることはありがたい限りである。そして、二つ目に提示された条件は、要約すればなれなれしくするな、という話である)えぇ。えぇ。了解いたしました。私にも嫌いなものはありますからねぇ。了解しました。あなたとは、適切な距離で接させていただきましょう(別に彼女の体目当てで近づいたわけではないのだ。別に不用意に接さなければ問題ないのだ)   (11/9 00:47:27)
ゑゐりあん/リューグナー > 帝國軍人…ですか。なるほど、了解しました。手を出すな、と言われれば難しいかもしれませんが、殺すなと言うのであれば容易いですねぇ。殺さずに無力化することが得意な仲間を知っております故(彼女の最後の条件も快諾するリューグナー。殺さない前提であれば、ジュリィにでも頼めば問題はないだろう)すべて、了解しました。守りましょう。あなたとの約束、盟約を。そうして初めて、私たちは”同志”となりますからねぇ(笑顔で答えるリューグナー。ともかく、これでまた一つ駒が増えた)…まぁ、しかし。仲間になったとはいえ、今はまだやっていただくことはありません。あるとすれば、私の話を出会ったイモータルたちに話していただけると嬉しいですねぇ。リューグナーというイモータルが、同じイモータルの仲間を探している…とねぇ。まぁ、覚えていてくれたらで構いません。ともかく、もし何か用があるときは私からあなたへとコンタクトしますよ。それまでは、あなたのやりたいことをしておいてください。私も、私のやることをしながら色々と情報は集めてみましょう   (11/9 00:58:06)


名取/清瀬 > 「………いいね、話が早い。そういうの好きだよ」(彼の了承に喜ぶ心もあるものの、一体彼が腹のなかでどんな黒いものを抱えているのかが気になってしょうがなかった。閉ざされた瞳は何を目し、釣り上がった笑みは何を嘲っているのだろう。それでも、踏み入れば帰ってこられなくなるような、粘着質の底無し沼を踏んでしまうような危機感が纏う。彼がこれ以上干渉してこない以上は、私もまた関心のない素振りを見せる他なかった。)「ええ、それじゃあ連れの子にも話を通しておくよ。生憎と私は盟友達に関心があるわけじゃないから、コンタクトをとれた盟友って少ないんだよね。申し訳ない、それでもやれるだけのことはやりたいな」(実際問題、私にイモータルの知り合いはコルキカムしか居ない。目的が生前の人間である以上、一人でも多くの生きた人間に触れる必要がある。頭を掻きながら眉を釣り下げ、私は始めて己のスタンスに後悔した。これからは人脈も大切になってくるのだろうか。)   (11/15 17:07:42)
名取/清瀬 > 「……うん、そろそろ切りもいいかな。それじゃまたね、リューグナー。──私達イモータルが失ったものは大きい。私は、せめて今持ってるものぐらいは守りたい質なの。盟友がどうかはわからないけど、また奪われるなんて癪じゃない? ……ふふっ、じゃあ、お互いまた会ったときは、何事も変わっていませんように」(ブルーベリーよりも何倍も暗い空を仰げば、かなり傾いた月が私達を傍観していた。恭しく会釈、くるん、と靴の爪先を回して貴方に背を向ける。その場から去る途中、私は忘れものを思い出したように「そうそう!」と留まった。何事も、そう、目的も願望も、何も解決せぬまま会えますよう。なんだか今日はやけに疲れてしまった、体の彼方此方が糸でくくりつけられ、地面に引っ張られているようにも感じる。最後に右手を振り、街の一角へとそのおかしな体を溶かし消えて行く。やがて貴方も消えた頃合いだろうか。朝を迎えたその街に残っていたは、アイビーと寂れた廃工業の匂いだけであった。)〆【僥倖の前戯】   (11/15 17:08:07)