この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

董&火津彌

主客転倒

ゑゐりあん/董 > ガタンゴトン(朝日が昇ってまだ間もないころ合い。帝國軍兵士董は乗合馬車に乗って王国を目指していた。いくら鉄道が発達したご時世とはいえ、動いている本数は限られているし、何より董は鉄道があまり得意ではなかった。美しい緑を切り開いてまで運用する価値があるのだろうか?緑を信奉し、緑を愛する彼女にとって、鉄道はあまり好ましいものではなかった(無論、鉄道によってもたらされた利益によって自分が生かされていることを知らないわけではないが)。それ故、董は乗合馬車に乗って王国を目指していた。乗合馬車と言えどもまだ明朝である。他に乗っている客はおらず、董は一人外を眺めながら馬車に揺られていた)「お客さん。こんな早くから王国に向かうって、何か急ぎの用事でも?」(すると、御者が董に声を掛けてきた。今の董は軍服ではなく普段から着ている着物である。故に、御者は彼女が天下の帝國軍人だとは露にも思ってはいなかった)   (10/11 12:05:22)
ゑゐりあん/董 > …左様。少しばかり王国に尋ね人がおってな。故に、このように早朝の馬車に揺られておるのでござるよ(馬車とはいえ、帝都と王都の間にある趨里は起伏の少ない草原地帯である。このままいけば昼頃には王国に着くだろう)「へぇ。尋ね人ですかい。旦那、それはもしかして想い人ではないですかい?っへっへっへ」(御者は董を男だと思ったのか、冗談めかしてそう言ったが、董の心は穏やかではなかった)そう…でござるといいが(想い人。無論、尋ね人と言うのは火津彌のことである。董はあの夜、結局火津彌の夢を見てしまい何度も起きてしまったのだ。あの時殴り損ねた恨みもあり、彼に一言言おうと彼の元を訪ねた。…しかし、帝國に既に彼はいなかったのだ。どうやら、あのまま王国へと向かった様子であり、董も後を追って彼の後を追っているところである。そんな彼が想い人)   (10/11 12:05:38)
ゑゐりあん/董 > ……(董は緑いっぱい広がる草原を見てほぅ…とため息をつく。彼は、本当に想い人なのだろうか。考えれば考えるほどにわからなくなる。董は自分でも自覚するほどのバカではある。だから、普段からこういった面倒な考え事は考えるのを辞めるのが通例だったが、今回はその手は通じなかった。考えるのをやめれば辞めるほどに彼のことが脳裏に浮かんでくるのだ。これが本当に恋なのだろうか。今まで武芸一筋で生きてきた董は、色恋事なんて馬鹿々々しいと思っていた。そんなの、己を弱くするだけだと。そんなこと考えるくらいなら、鍛錬をしなければならない。そう考えていたのだ。…が、実際にどうだろう。もしこれが恋だとすれば、自分の思考を雁字搦めにして、今やそれ以外を考えることはできない)…めんどくさ(だから、とりあえず渦中の人物である火津彌を殴る。それが董の出した結論であった)…着いたら、起こしてくれ(そう言って董は瞼を閉じた。王国に着くまでにはまだまだかかる。その前にひと眠りでもしておこう。そして着いたらあいつを一発殴るんだ。そう思って董は馬車に揺られつつ意識を深層へと落とした)   (10/11 12:05:41)


ゑゐりあん/董 > …どこに居んのさ、あのバカは…(時刻は打って変わって夜。王国に着いたのは昼頃だったが、火津彌がいるところの目星がつかず、ずっと探していたら夜になってしまった。おそらくは法皇城か騎士団本部に居るのだろうが、現状が現状である。行こうとしても衛兵に止められるし、忍び込んでばれようものなら今回の平和条約会談は見事破談である。だから、とりあえずそれ以外の場所をさがしてみたが、やはりというかいそうにもない。だからこうやって、夜まで粘って王都をほっつきまわっていたのだ。幸いにも王都には何度も訪れたことがある為、暇を潰すのには困らなかったが、それでもやはり半日もふらふらしていると疲れるもので、董は噴水広場で休んでいた)なーにしてるんだろ。私   (10/11 12:44:05)
ゑゐりあん/董 > (天を仰ぎ、月を見ながらぽつりと漏らす董。別にあいつを殴ったところで、この気持ちがどうなるわけではない。それは董自身が一番理解していたはずである。好きなのかどうかはやはりわからないが、それでも董は火津彌のことを大切に思っているのは、特別に思っているのは間違いなかった。イモータルに殺されかけたあの時から、董のなかで火津彌は特別だったのだ。あいつの為なら命を捧げてもいい。その思いは今でも変わらない。だが、あの時とは違う感情が心の中で芽生えているのを自覚していた)…酒が入ってるとはいえさ…ずるいじゃん…あんなの…(伊丹が嫌なら、鬼灯にしてやってもいい)ねぇ…馬鹿火津彌。あんたさ…気付いてないかもしんないけど(気付けば、董の目からは一筋の涙が垂れていた)泣くほど嬉しいんだよ?そのセリフ。…ほんとはさ…嬉しかったんだからね…?(彼の言葉を再び思い出した。もしあれが酒の入っていない素面での言葉だったらと思うと…。なんだか悔しくて涙が出てきた。あいつにとっての自分は、酔って告白する程度の存在だったのかな)   (10/11 12:44:20)
ゑゐりあん/董 > あーあ…。クソだなぁ…ほんっと(なんだか無性に腹が立ってきた。あいつのことを思い出すと腹が立ってきた。やっぱり一発殴ろう。そうして言ってやるんだ。私の心を弄ぶなって。あんたが思うほどに、私は女をしてないぞって)…もっかい探しに行こうかな(そう思って董は立ち上がり歩き出した。夜の街。あまり人気のない路地を歩いていた。そうすれば、彼に会えそうな、そんな気がしたから)   (10/11 12:44:24)


マリア/火津彌 > (騎士団本部での用事を済ませ、火津彌は宿も取らずに夜の王都をふらふらと歩いていた。今頃元帥と大佐は何をしているだろうかと考えるも、どこか上の空で、感情に身が入ってはいなかった。『消えてしまいたい』という思いが、浮かんでは消える。)「…………なんなんやろなあ……。」(人気が居ない道だからと仮面を外し、彼にしては随分とろ臭い動きで足を引きずる。ここへ来る時に大太刀を持っていた両腕は空っぽで、残ったのは顔の火傷と胸糞の悪い因縁のしこりと中将に持て余していた忠誠心だけ。それに、未だに一人だった。王国に発つ前、列車で不思議な夢を見て以来憑き物が落ちたかのような感覚に陥っていた。心に掬っていた黒い炎がふっと消えたようなそれは、今の火津彌にはどうにも行き場のない虚無感であった。誰も自分を知らない異国の地。乾いた空気に流されて、何か、とまり木のようなものに止まりたいと、誰かに甘えて身を委ねてしまいたい気分だった。)   (10/11 19:45:01)
マリア/火津彌 > 「……酒でも………いや。」「どうせ、酔えんな……。」(ふっと笑って、自棄になったように歩き出す。目の前にふと現れた背の高い女性の姿にはっと部下の姿を幻視したような気がするが、ああ、他人の空似だろうか。暗がりで服装もよくわからないのにどうしてか”女性”だと確信を持って、火津彌は声をかけた。)「もし、お嬢さん。こないな路地でお一人ですか。」   (10/11 19:45:07)


ゑゐりあん/董 > ……(探しに行く、とは言ったものの茫然と上の空で暗い路地を歩く董。すると、後ろの声から声を掛けられた。その声を聴いた瞬間、董は握りこぶしを作った。今更何声掛けてんの。バカじゃないの?しかし、彼は続けてこういった。“お嬢さん”と)お嬢さん…か(今日会った人々全員から男と間違われたのだ。だけどあんたは、馬鹿は)…私を、女って見てくれるんだ(そう言って董は微笑みを浮かべながら振り返った。まいったなぁ。これじゃぁ、なんだか気が抜けそうだ)…何ナンパしてんのさ。馬鹿火津彌。…部下にまで手を出すなんて、サイッテー(口調はいつも通りだったが、でも顔は笑みが浮かんでいた。私をやっぱりちゃんと見てくれているんだ、という嬉しさからか)……(あぁ、どうしてだろう。ドキドキと胸が痛いほどに高鳴っている。今までこんなことなかったのに)…この前のお返し(そう言って董は彼のほおを軽く叩いた。パチンと、彼女の筋力からはあり得ない力であった)   (10/11 20:13:42)


マリア/火津彌 > 「……へっ?」(驚きからか、放心していたからか董の手のひらを頬で受け止めて、狐に化かされたような顔で目を瞬かせた。)「董……!?」(よた、と後ろに一歩下がりながら下から上へ目線を動かし、董の全身を目に入れた。)「……何故ここに、追ってきたのか?僕を……。」(平手打ちの理由はなんだろうか。彼女は『お返し』と言っていた。それに、何ナンパしてんのさ、なんて言われてしまえば彼女の目を見れないまま俯いて、小さな声で絞りだすように呟いた。)「……いや、そんなんやない。ただ、その、おまえに似た人が居ると思って。」   (10/11 20:23:49)


ゑゐりあん/董 > 覚えてないの?昨日の夜のこと(そう言って董は一歩下がった火津彌に近寄る)…そうだね。追いかけてきたよ。あんたに色々言いたくてここまで来たんだけどさ。…なんか、面倒になっちゃった(そう言うと、董は火津彌の手を握りしめて走り出す董)色々と、言いたいことあるんだからさ!ちょっと付き合ってよ!(そう言って董は駆け出した)   (10/11 20:35:35)


マリア/火津彌 > 「わっ…ちょ、ちょっ……なんや、なんや…?」(一瞬は戸惑うものの、抵抗する気力もない。どうしてか今日はこいつに振り回されてしまいたくて、それっきり黙って手を引かれるままにした。自分よりもいくぶん背の高い女だけれど、手の感触は暖かくて柔らかくて、なのにざらりとした剣蛸があって。色々な事を考えながら、夜風になびく董の髪を眺めていた。)   (10/11 20:40:04)


ゑゐりあん/董 > (たどり着いたのは噴水広場。時刻はもうずいぶんと遅く、人影はもうなかった。そしてその噴水の前で立ち止まり、彼の手を放す。そして息を整えて彼のほうを見ずに言葉を紡ぐ)…ねぇ火津彌。昨日のことさ、ほんとに覚えてないの?私に言った言葉をさ(空に浮かぶ月を見上げて、董はそう言う)   (10/11 20:42:57)



マリア/火津彌 > 「いや、覚えてないとは一言も言っとらん。」(噴水広場で手を離されて、董に言われた言葉に返事をした。)「悪かった、酔った勢いやった。嫁入り前のお前に迷惑がかかったかもしれんかったな。……だが誰も真に受けたりせんやろう。心配せずとも……。僕はこんなんやし、ただ僕が笑われて終わりや。軍なんてもとは男社会で、むさ苦しい集まりなんや。あんな事はよくある……いや、すまん。」   (10/11 20:48:59)


ゑゐりあん/董 > …私さ。アンタにアレを言われてから、ずっと…胸が痛むんだよね。頭の中じゃアンタのことしか考えれないし、夢にまで出ちゃう。それに、こうやってアンタを追ってきちゃう始末だよ(そう言うと、董は彼のほうを向いて)   (10/11 20:55:17)


ゑゐりあん/董 > …私さ。アンタにアレを言われてから、ずっと…胸が痛むんだよね。頭の中じゃアンタのことしか考えれないし、夢にまで出ちゃう。それに、こうやってアンタを追ってきちゃう始末だよ(そう言うと、董は彼のほうを向いてじっと、彼の目を見つめる)…私さ。今まで色恋事とか、そう言うことに一切触れずに育ってきてさ。だから、“好き”ってのがどういうのか、全然わかんないんだよね(そう言うと、董は一歩、二歩と彼に歩み寄っていく。そして息がかかるくらいまでの距離まで近づき、彼に尋ねた)私…アンタのことが…“好き”…なのかな(じっと見つめる董の常盤色の瞳は、どこか不安げで、儚げで、それでいて宝石のように輝いていた)   (10/11 20:59:06)


マリア/火津彌 > 「……あぁ」(董が話をし始めると、その雰囲気からじわじわと何かを察して声色が低くなった。こんな歳になって思いがけない言葉に慌てふためく柄でもないし、董は董なりに何か戸惑っている事だけは解ったから。自分の勘違いかもしれないし、まずは最後まで聞いて彼女が話しながら気持ちを整理するのを手伝ってやらなければならないような気がした。)「……董、それは」(何故よりによって今なのか。普段の自分であれば『それは勘違いや』『お前は免疫がなかったから、一番身近な男に恋をしているような気になっているだけや』『僕じゃなくても、多分同じ事が起きていた』と正しい道に導く事ができるのに。董の瞳を見ていると、そう突き放してしまうのがどうにも寂しくてたまらなく思えて喉が詰まった。)「……やめておいたほうがええ。」(そう言うのが精一杯だった。)   (10/11 21:05:20)


ゑゐりあん/董 > …やめろ?(やめたほうがいい?)何を辞めろって言うの?アンタにこんな気持ちを抱くのを、やめろっていうの?(そう言うと、董は彼の肩をつかんで、訴えかけた)無理だよ。…こんな気持ち、どうやって止めればいいの。あるんだったら教えてよ。ねぇ…馬鹿火津彌(彼の肩を揺らしながら董は訴え続ける)   (10/11 21:10:53)


マリア/火津彌 > 「そうや。やめておけと言った。僕はな、お前の思ってるような男やない。自分の昇進の事にしか頭がなく、いつも誰かをねたんでいる小さい男や。王国の人間をぎょうさん殺した。やのに、その口で終戦がどうこうと宣う二枚舌や。女遊びだってするし、酒癖も悪い。お前を部下だと思うから言うんや、恋に恋して自分を破滅に導くような愚かな真似はやめろ。」(肩を掴まれて董が接近する。ふわりと花のような香りがして、ぎゅっと目を瞑った。)「今なら聞かなかった事にする。」   (10/11 21:19:27)


ゑゐりあん/董 > ふ…ふざけないでよっ!!!!!(そう言うと同時に、董の本気のビンタが火津彌の右頬に紅い紅葉を咲かせた。そして彼の胸倉を掴み、彼に向かって吠える)昇進のことしか考えてない!?いつも妬んでる!?王国の人間を大量に殺した!?二枚舌!?それがなんだって言うの!?(叫ぶ間に感情が溢れてきたのか、涙がボロボロと零れ始めた)酒癖が悪かったり女癖が悪いのも知ってるよ!!そのせいで私はいま振り回されてるんだからさぁ!!!でも、そんなアンタでも私に取っても大切な存在なんだよ!!(そう言うと、董は少し勢いを落とし、声を震わせる)…私はさ…イモータルに殺されかけた時に助けてもらった時から、私の名前を知ったうえで私の存在を受け入れてくれたアンタが…どうしようもなく大切なんだよ…。アンタの為なら命を捧げる覚悟はあったしそれは今もおんなじ…。…恋に恋をして自分を破滅させる…。それが…それが何さ…。私はアンタに恋をして、そして死んでいくんなら…死んでいくんなら…ッ!!(そう言うと董は意を決したような顔をして)   (10/11 21:35:19)
ゑゐりあん/董>(彼に)   (10/11 21:35:22)
ゑゐりあん/董> (口づけをした)   (10/11 21:35:31)
ゑゐりあん/董> (五秒くらい口づけをしたのち、口を話して彼の目を見つめる)…本望だ   (10/11 21:36:04)


マリア/火津彌 > 「……つ、」(平手打ちを今度はまともに受け、董の勢いに振り回されるがまま、撒き散らされた言葉を聞いた。こんなにまっすぐ思い詰める事ができるなんて、なんて自分とは違う種類の人間なのだろうか。どうにもソリが合わない底抜けに明るい王国の人間達とも違う、まっすぐな陰鬱。初めて知るタイプの女に、脳が真っ白になった。)「響希」(恋に恋する馬鹿な娘としか思えない。それでも、ためらう事なくまっすぐ奈落に飛び込んでいくような捨て身の器には、自分と通じるものすら感じて。『知っている』と『知らない』とが錯綜して、火津彌は董のペースにすっかり飲まれる寸前だった。互いにどろどろと溶け合うように依存しあって、破滅する道。それが今、どうしようもなく甘美な線を描いて手をこまねいていた。恋を知らない者同士が陥るような陳腐な筋書き。解っている、そんなものに溺れられるほど若くも無知でもない。)   (10/11 21:51:53)
マリア/火津彌 > 「………っはぁ…」(観念したように、董の肩に額をくっつけて体を預けた。自分とてどうしていいか解らないが、やはりどうしても抗えなかった。『それも、いいかもしれない』と思ってしまって。)「……すまん、もう少しだけこのままにしてくれ。疲れた、………もう疲れた。」   (10/11 21:51:56)


ゑゐりあん/董 > (彼の背中に手を回して、優しく抱きしめる。そして、彼が疲れたと吐露すれば、嬉しそうにほほ笑みながら)…お疲れ様。馬鹿火津彌(そう、口にしたのだった)   (10/11 21:56:10)