この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

セリヤーナ&ライラ

生還

フルディア/セリヤーナ > (アガンの砦でしばらく過ごし、尊華軍が取って返してくることを警戒したがその気配もない。帝国は機会を逸したと判断し、通りすがったヨズア人のキャラバンに、万一軍使が来たら内容を聞いてもらうようにと頼んで砦を発った。どうせ尊華はほとんど要求を飲まないだろうとふんでいるから、次の目標のためにウェンディアを目指すことにした。朝早く出立し黙々と歩いてアリヤを抜けた。スザンの裾野を歩く頃には太陽が地平線にかかり始めていた。)「今日はこの辺りで野営かな…」   (10/8 18:44:56)
フルディア/セリヤーナ > (なるべくあの約束のことは意識しないようにしていた。心の支えになったのは事実だが、険しい山道にあっては杖に寄り掛かってばかりでは前に進めない。自分の足で道をつけねばならない。)「それにまだ、世界を変えたとは言えないだろうし…」(そう呟きながらも足が向かうのは彼女と語らったあの場所。スザンに抱かれて王都を遠くに望む。ここでテントを張れば、またライラが通りがかるような気さえしてしまう。)「まったく…疲れてるんだな…。うん、今日はもうここで休もう。ここで一晩過ごせばすっきりするだろ…。」(やれやれと自嘲気味にため息を吐きながら荷物をおろす。いつもより設営に時間がかかって、火を焚く頃には手元がほとんど見えなくなっていた。)   (10/8 18:45:08)


マリア/ライラ > ( 『いつか、世界を変える事が出来たら────』 ) (あの日から頭の片隅で残響していた言葉が鮮明な輪郭を伴ってフラッシュバックしたのは、不穏な星の気配を空に見た時だった。)「セリヤーナ……。」(ライラの星詠みは師匠程精度が高いわけではないけれど、それでも気にせずにはいられなかった。戦いを表す凶星、たぶん、間違いじゃないのだろう。セリヤーナは何かの覚悟を決めていた。……凶星はどちらにとってのもの?彼女は生きているのだろうか?なんて、仮説だらけの心配が取り留めのなく巡る。会おうと思って会えるものでもないけれど、賞金稼ぎをしながら徐々に足取りはスザンのほうへと向かっていた。あの日、彼女に会ったあの火山の麓に。)「……さむっ。」(夏に来た時には生命力の溢れる火山が暑苦しいくらいだったのに、今は冷たい山颪を撫で付けるように麓に冬の訪れを運んでいる。場所を間違えたかとライラが思う程だった。はぁ、と悴む手に息を吹きかけて歩きつづける。せめて火があれば…と思っていたからか、顔を上げると遠くに朧気に霞む灯りに目を奪われた。)   (10/8 19:14:38)
マリア/ライラ > 「……だれかいる」(女性ならばいいのに。だけどそんなうまい話はないだろう。こんな場所で一人旅をする女なんて、自分かセリヤーナくらいなものだもの。……欲を言えばヨズア人なら助かる。だけどここは帝国領だ。たまたま同胞だなんて、そんなことは。……でも、もっと言えば…シュクロズアリならば完璧だ。……そんな〝偶然〟には期待できない。……でも。)(もっと言えば。)(セリヤーナなら、良いと────────)「……セリヤーナ?」(見覚えのある設営の仕方。それだけでこの野営の主の顔も見ないままに、声をかけてしまった。)   (10/8 19:14:52)


フルディア/セリヤーナ > (声をかけられるまで人の気配に気づかなかった。驚いて肩が跳ねる。聞き覚えのある声に顔を上げる。)「ライラ姉?どうして…」(幻影すら見たのに、実際に再開すると喜びよりも困惑が先に来た。)「とりあえず火にあたりなよ。もう夜は冷えるねー。」(ちょうどいい石をライラに譲って、寝袋でも丸めて座ろうかと荷物を引っかき回す。)「あれ…まったく…いやになっちゃうな…せっかく再会したのに…。」(不意に目の前が滲んだ。ライラから顔を背けて瞳を拭い、息を整える。寝袋と干し肉、果物をいくつか両腕に抱えて戻る。)「いやー、こんなところで会えるなんて思ってなかったからびっくりしたよ。でも残念ながら今日は葡萄酒もないしご飯も保存食ばっかりだよ。」(肩をすくめてみせながら笑う。寝袋を椅子がわりに腰を下ろすと一緒に火にあたる。)「ライラ姉はどうしてこんなところに?マージまで下見?」   (10/10 20:19:42)


マリア/ライラ > 「いえ……、この辺でイモータルの目撃情報を見たから、賞金稼ぎをしながら移動していて、それで……」(嘘だ。セリヤーナを探してきたんだ。気ままな身の上にあかせて見つかるまで彷徨っていた。『見つける』と決めていた以上、『見つからなかったら』というもしもは存在しなかった。暗がりで、背を向けたあなたの表情は判らなかったけれど声が震えていた気がした。勧められた椅子から立ち上がり、寝袋の横に腰掛けてひとおもいに肩を抱く。)「嘘。──凶星を見たの、戦いがあったって。嫌な胸騒ぎがして、会いたくて堪らなかった。……無事でよかった、セリヤーナ。」(額をあなたの肩につけて、包み込むように言葉を放った。スザンに、夜が来た。)「旅団としてあなたの自由を尊重してる。初めに言っておくわ、縛る気はない。だけど良かったら次の場所へ行く前にスザンの街へ寄らない?」(鞄に手を突っ込むと、紙幣の束をばさっと出してにっと笑った。)「臨時収入があってね。」   (10/11 10:35:41)


フルディア/セリヤーナ > 「うん、、ありがとう、ライラ姉。ほんとうに。」(たった一度会っただけの人間をこんなにも心配してくれるのかと思うと、胸にしみるものがある。肩を抱かれ無事を祝われて初めて、荷が軽くなった気がした。)「戦い…ね…ぁーうん、実はアガンを陥してきたんだ。」(バツが悪いような照れ臭いような半端な笑みを浮かべながら頭を掻く。)「そんなに心配してくれてありがとうね。もうちょっと自分を大事にするよ。」(こんどは普通に笑えた。それにしても"縛る気はない"って、遊びに誘うだけなのにライラ姉も意外と不器用なところあるんだな、とくすりと笑みがこぼれた。)「わーぉ、さすがバウンティハンター。それじゃあお言葉に甘えて面白いところに連れてって貰おっかな?」(札束に目を丸くして。どちらかといえば落ち着いたお店がいいな、とちゃっかりリクエストもいれて。)   (10/16 18:34:16)


マリア/ライラ > 「……そう、アガンを。」(ゆらゆらと揺れていた焚き火が安定してきたようで、ようやくあなたの顔が見えるようになった。少し窶れただろうか、疲れているように見える。一度会っただけの仲だから、こんな顔だったと言われたら解らないけれど。)「ええ、ぱーっとやりましょ。」(こうして、再びライラとセリヤーナは暫くの間行動を共にすることになった。……ちょっと強引だけれど。今夜はさしずめ、厳かな前夜祭。星を肴に、あなたの武勇伝を聞かせてもらうとしよう。)〆【生還】   (10/16 19:04:25)