この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

火津彌&オウガ

因縁

マリア/火津彌 > 【リアルタイム:晴天:聖フィニクス騎士団本部、中庭にて。】「三年ぶり、か。」(狐面を被った軍服の男が、自分の背丈程ある大太刀を膝に乗せて胡座をかいていた。今回の来訪は千騎長……いや、万騎長だったか。字をオウガ、その人に会うのを目的としていた。『昼過ぎ、中庭にてお待ち致す、〝双剣〟を持って来られたし。狐より』と言伝を託して、精神統一の一人の時間を過ごしているところである。この男、火津彌もまた少将へ出世していた。)   (10/1 12:44:55)


しぃずま@オウガ > 「(鳥たちの声も静まり、人々が自らの業務を中断する、所謂「昼休み」という時間。風が葉達の囁きを拐う、優しい音だけが流れる中庭に、豪快で力強い音が響く。硬い靴の裏と、石材の廊下がぶつかり合う足音。一歩一歩が鋭い剣閃のように威圧感を持って、あなたのその澄んだ耳に届くだろう。程無くしてその音が近づき、そして止まる。)お前から誘いの手紙が来るたぁ思わなかったよ、狐。(しかし放たれた声は、先程までの「鋭い剣」からはかけ離れた、ほんのりと桧の香る木刀のような、優しいもの。それを皮肉と取るかどうかは、あなた次第だが…まあ、どうでもいいことに頭を使うような人物ではないことは、知っているだろう?さて、両腰に剣をひっさげ、その太陽のように燦々と煌めく色の制服を着こなす鬼はあなたの隣へと歩み寄り、沈黙で要件を問う。過去の記憶も相まって、見映えこそ少し老いたように見えるだろうが、その目の奥に輝く、あの日あなたを貫いた炎は今だ消えていなかった。)」   (10/1 13:03:01)


マリア/火津彌 > 「オウガ、来たな。」(大太刀が地面に触れることの無いように大切に両の手で提げたまま、あなたに背を向け立ち上がる。見返り、狐面の隙間から視線を投げた。)「知っているか、咲夜様がおらなくなった。」(理由については、ここでは割愛しよう。火津彌も全てを知っている訳ではないのだから。ただ、火津彌がこの空虚を共有したいと思った時に思い浮かんだのは、帝国の誰でもなく他ならぬあなただった。殺したい程憎んだ事もある、忌々しい因縁の仇。喉を焼かれ、顔を焼かれた。だのにあの〝降臨戦〟の際に奴に叫んだ言葉が、未だに自分の中で腑に落ちていなかった。僕は………とっくにお前の炎に絆されていたのかもしれない。)「中将の席が空いている。……じきに、埋めねばならないという話が持ち上がるやろう。僕は、誰にも渡したくないと思っている。次期中将はこの僕やと、そう思っている。」(不快に思うだろうか。中将を待てず、自分の出世ばかり考えてと思うだろうか。それも当然だ。理解し合おうとは思わない、ただ火津彌は、この因縁の決着をつけなければ前に進めないと、人知れず静かに決意を固めていた。)   (10/1 13:04:55)


しぃずま@オウガ > 「は?(瞳孔が、縮む。口が、緩む。ポカリと開いた虎の口からは、間抜けた声が零れ落ちていた。あの日探したあの人が、追ってきた蝶が、夢のように消えて。嘘か?いや、あり得ない。そうする意味が、メリットがない。こいつは必要ならば簡単に「中将」の名を傷つけてまで怒りを誘うようなやつだとしても、今回に限っては少し条件が違う。自分を挑発するためだけに本部へやって来てあの文書を送るだろうか。迷う頭に言葉が続く…冷静さを欠き、言葉の後ろに隠れてあなたの感じる妙な「絆」というやつに、気づけはしなかった炎は揺らぎ、爆発した。)そうか、お前はそう言うやつだったな?(桧の剣に、鋼が宿る。抜き身のそれはやけに鋭く、そして黒い。抜き身のそれはやけに大きく、そして剛い(ツヨイ)。角には赤い靄のような物が纏われ、周囲へと威圧感を飛ばしていた。黒い眼光があなたへ飛ぶ。一瞬視界が歪むような威圧感を感じるだろう、が、あなたは「少将」に成った。その精神ならば、振り払うことはきっと容易いだろう。…さあ、これはあなたの掌の上。殺し合いを望むか?それとも話し合いを望むか?)」   (10/1 13:22:40)
しぃずま@オウガ > 「(二人のすべてが、狐へと委ねられた。)」   (10/1 13:22:43)


マリア/火津彌 > (いとも簡単に燃え盛る情熱。眩しい程に周囲を照らし、焦らす太陽。それがあなただ、あなたという人間は三年前から何も変わっちゃいなかった。威圧感を肌で、耳奥の鼓膜で びりびりと感じながらも狐面の下でにやりと口角を上げて見せた。武者震いが大気を揺らした。)「……僕もな、自分の身の振る舞いについて色々と考えたんや。イモータルの混乱に乗じてもう一度武功を立てに行くべきか。ヨズアを攻めるべきか、ウェンディアを攻めるべきか。軍人として生きてきたからには、帝国の為に何ができるかとな。」(踵を返しあなたのほうへ振り向くと、一歩、二歩と歩み寄っていく。大太刀はまだ、螺鈿細工の鞘に収められたままだ。)「だが、僕は、僕に出来た決断は……せいぜいあの人の意志を継ぐことやった。今頃うちの元帥と佐官が、王国に和解を求めに行っているかな。……最後の戦争が勝利に終わっている以上は、国民の気持ちや軍の矜恃もある。下手に弱腰で擦り寄ることも出来んからちょっとした条件は出させて貰ったがな……僕はこの休戦を、終戦にするつもりや。」   (10/1 13:57:33)
マリア/火津彌 > (もう、自分がどうして戦いに固執するのか、正直言って分からなくなっていた。宵宮が終わったあの頃からだろうか、火津彌は──いや、月光は。もう自分がどうして戦いに固執するのか、解らなくなっていた。……そんな事を一国の武将が、まさか言えるはずも無い。だが、あなたなら──どうしてか、あなたなら解ってくれるような気がして……)「どうしていいか、もうわからなくてな。丸くなったもんやと、笑うなら笑え」と小さくつぶやいた。)「だが」「僕とあんたの因縁を、これで終わりには出来んやろ。」(依然として大太刀は、地面に触れさせぬまま。片手でなんとか垂直に持ち、もう片方の手で狐面を外した。あなたに焼かれた顔が顕になり、そこにはかつてのような好戦的な笑みが湛えられていた。)「聖フィニクス騎士団万騎長、オウガ殿。あなたを見込んでお手合わせをばお願い致します。」(柄にもない丁寧な挨拶と深い一礼を、〝尊華らしい〟と受け取るか。それとも、月光の言葉だと受け取るか。)「待った無しの真剣勝負と行こうや。」   (10/1 13:57:47)


しぃずま@オウガ > 「(宣戦布告を受け取った戦鬼は、瞳を閉じる。憤怒の炎は、あなたのその意思を受けて、瞼の裏で輝きの色を変えた。そこにあったのは赤黒く血生臭い感情ではなかったのだ。)…すまんな。お前の心意気ってやつを、少し甘く見てたようだ。(眼力を込めた瞳を開き、鬼が笑うその巨大な剣を抜く。刃が顔の前に来るよう、左手に持ったそれを天に向けて、刻まれた力を読む。)我の命は力にあり、力なくして命は持てぬ。鬼の剛力剣(ツルギ)に宿り、鎧破れて血肉を散らす。戦地に咲くは車百合。戦地に響くは凱歌の声。戦地に香るは硝煙の薫香。万を打ち砕く鬼炎万丈のその力よ、今この時、我が万剛剣へ憑くがよい。太陽の名の下に。(鬼の頭は逆さになり、吐き出された赤い歪みが、その刃に万たる力を込める。)この剣で、お前を砕く。(力に纏われた剣はより重く、より鋭く感じるだろう。地面に刃が叩きつけられると、大きく地が歪んだ。)」   (10/1 14:24:45)
しぃずま@オウガ > 「我の魂は炎にあり、炎なくして魂は生きぬ。鬼の業火剣に宿り、鎧崩れて血肉を燃やす。戦地に咲くは金蓮花。戦地に響くは憤怒の声。戦地に香るは火炎の馨香。万を燃やし尽くす鬼炎万丈のその炎よ、今この時、我が炎剣(エンケン)へ憑くがよい。太陽の名の下に。(深き黒に、溶岩のような紋が走る。紋からは次々に火炎が吹き出し、その刃に万たる炎を込める。)この剣で、お前を焼く。(炎に纏われた剣は彼のようで、燃え滾る闘志のように感じるだろう。剣が空を切れば、炎が美しく、儚く軌跡を描いた。庭園はこれより戦場、靡く花は戦火が如く。)ウェンディア王国、フェニクス騎士団が万騎長オウガ。これより、帝国少将ホヅミと、剣を交える。」   (10/1 14:24:48)
しぃずま@オウガ > 「…見せてやろう、俺の「鬼」を。」   (10/1 14:25:00)


マリア/火津彌 > (火津彌の献言を受け、あなたは双剣に魔術を宿した。だが、先手必勝と切りかかって来ることはない。これが単なる武力の力比べではなく『信仰勝負』である事を理解しているのだろう。火津彌は静かに、あの呪文を口内に響かせて神仙を呼ばう。)…葛葉。(青い狐火が浮かび、半分人間、半分狐の剣士の姿をした妖が顕現する。火津彌は大太刀をすらりと抜き、甲冑を着た葛葉が受け取るように高々と天に翳した。葛葉はその手に大太刀を受け取り。火津彌と同調している事を表すかのように、彼そっくりに口角を上げ、懐かしげに目を細めた。赤き炎と青き炎が再び睨み合う。火津彌はばさりと袂を翻しながら手を上げ、葛葉に指令を出した。)「〝鬼の構え〟。」   (10/1 14:55:52)
マリア/火津彌 > (葛葉は大太刀を構え、低く腰を落とす。まるで重さを感じない立ち姿、鬼の構えと名付けたそれは……オウガ、あなたの写鏡だ。あなたがこれから戦うのは、因縁の敵か。他国の神か。それとも、自分自身か。それは、二人を照らす白き太陽のみぞ知る。)「葛葉!」(その言葉を合図に、戦いの火蓋が切って落とされる。葛葉は一瞬であなたに間合いを詰め、横薙ぎの一閃。その勢いのまま太刀の柄を横へ放り投げ、ぱし、と反対の手で受け取ると腹部へ縦に振り下ろした。十字を描く水平と垂直。洗練された動きは、あなたを見て学んだものだ。葛葉は後ろへ飛び、すぐさまカウンターの姿勢へと入る。)   (10/1 14:56:03)


しぃずま@オウガ > 「(地に落とした大剣を逆手持ちで縦に構え、横の一閃を受ける。反撃を、というところで間髪入れず降り下ろされた刃を、地から持ち上げて半月を描くように振り上げ、刃同士をぶつけて弾く。あの頃と比べれば、ずいぶん鋭くなったものだ。完全な防御とはいかず、肩を少しだけ切られてしまった。)やるじゃねえかっ…!(ホヅミはやはり、「成長」している。それも、鬼の背中を見て。終わらせるには少し惜しい…であるが故に、全力で向かい合わねばならない。裾からオレンジ色の玉を溢し、靴裏に挟み、狐のそれに応えるように、真剣を、そして炎を目に宿らせたまま、口角を上げて剣を構え直す。)」   (10/1 15:29:25)
しぃずま@オウガ > 「(すると、その脚力で、剣を持ったまま飛び上がって迫る。空中は動けず、敵の思うがまま…だが、そんなことをかの戦鬼が知らないはずがない。)広がる炎よ、爆発せよ。内なる炎を、今は散らす時。太陽の名の下に。(突然爆発音が聞こえたかと思うと、先程まで大太刀を活かす「間合い」のギリギリだったはずの距離が、一気に彼の領域内に変化している。靴裏に隠した炎の力を解き放ったのだ。まず構えを崩すため、万剛剣を爆炎の勢いに乗った自分の身と共に降り下ろし、そしてその勢いのまま右手から炎を纏う剣を降り下ろす。距離は離さない、離すわけにはいかない。食らいついた獲物は食い千切るまで噛みつくのだ。これが本物の「鬼」。さあ、化けた狐の力はどこまで精密だろうか?戦はまだまだ、第1幕というところだ。)」   (10/1 15:29:27)

マリア/火津彌 > (剣の刃同士がぶつかり火花が散る。あなたが振り上げた太刀筋が、重たい大太刀を弾き返した。太刀は衝撃のまま宙へ放られる前に、あなたの肩を傷つける。地につかぬようにと大切に扱っていた太刀が、重そうな音と共に大地にいだかれる。)「……はっ…!」(葛葉を見るよりもオウガを見るよりも、その太刀に目を奪われてしまった火津彌は対応が一歩遅れる事となった。爆発音に振り向くと既にそこには葛葉に双剣で切りかかろうとするあなたの姿があった。)「まずい、葛葉…!」(葛葉はあなたの剣を避ける事は出来ないと悟ったのか、両の手を広げて組み付く姿勢になった。剣が葛葉の甲冑にがき、と当たると、その剣を持つ両手を掴もうか。甲冑に当たったから無事というものではない。着ているものも、すべて火津彌の信仰によって顕現している妖なのだ。痛みは火津彌へまともに同調し、火津彌は両手で頭を多いながら膝から崩れた。)「………っぐ、ア゛っ……!」   (10/1 16:10:16)
マリア/火津彌 > (それでも葛葉は、オウガの両手へ食らいついてゆく。火津彌は地面に片膝をついたまま、呪文を唱える。)「……現人の幻となり給うた神、吾の前へ姿を示し給うた妖狐の葛葉よ。………願い、奉る!その蒼き狐火を両の手に宿し、いざ給へ、我が真名との契りのもとに…!」(葛葉の組み付きが成功したかどうかは、頭を抑えている火津彌にはうまく見えなかっただろう。だが、両の手に分かれて燃え盛る青い炎が確かに見えた。その双剣を取りこぼせ……!と願い、切れ長の眼を開ける。火津彌の──いや、咲夜の大太刀は、まだあなたのそばに落ちたままだ。)   (10/1 16:10:30)


しぃずま@オウガ > 「っくぁ…!(爆発による機動力を活かした攻撃は、泥臭く受け止められる。それが彼らしい。どれだけ汚くなっても、どれだけ狂ってでも、「殺意」を、強い意思を込めて…煙から現れる。掴まれた両手が。ここで終わるわけにはいかないとそう警鐘を鳴らし、どうにか剥がそうと力ずくで引くが…どうにもなかなか離れない。青い炎を腕が纏い、熱で剣が落ちた。このまま殺せば、それで終わりだというに。先程までの殺意はどこへいった?いや、強い意思は残っている。…反射的に、投げ捨ててしまった剣から太刀へと、武器を持ち変えた。)」   (10/1 17:20:06)
しぃずま@オウガ > 「(それは無造作なもの。戦場にて幾度も行ってきた、騙し討ち。相手の武器を奪って自らのものにする、という手段は、それほど彼の体に染み付いていた。そしてその頃の、あなたのように泥臭く紡いだ短い呪文が、頭の中に走る。)―――消え行く炎!今一度我に力を与えん!(焔が、ちらちらとその美しい金の紋様と白い刀身を照らす。反射した光が、蝶のように舞っている。)太陽の…(初めて使ったとは思えないほど早い一閃。それは、不安定で消えそうだが、その分大きい炎を纏ってその首を狩らんと吠えていた。そして、喉元に噛みつこうとして。…ああ、一瞬だ。命も、炎も、縁も、消え行くものは一瞬だ。)名の下に!」   (10/1 17:20:09)
しぃずま@オウガ > 「同じ時間に、境内社で逢いましょう。あそこは人が来ないから。」   (10/1 17:20:24)
しぃずま@オウガ > 「(手が、止まった。殺意に冴えた目は、その刀の「姿」を捉えて。その刀に込められた僅かな意思を、風が囁いたのだ。あなたの首のすぐ側で、腕は細かく震えている。会えなかった人に、2度と見つけられない蝶に、最後に伝えられた言葉を、何度も何度も繰り返す。)…サクヤ…貴女は…(何を言おうとしているのか、自分が何を考えているのか分からない内に、口はその名を呼んでいた。)やめだ。(刀を振るって炎を消す。瞳の炎まで完全に。…情が移ったか?正解だ。あなたは終戦を望んでいる。戦う理由があるのかと、そう考えたのだ。貴女の優しさを、俺も持とうとそう思って。…ああ、どこに消えたのかな。会えなかったの理由はわかっている。なぜ、そのまま消えたのだろうか。逢いたい。でも、それが叶わないなら。貴女の残したものを、続けるべきだと、そう思って。)」   (10/1 17:20:41)
しぃずま@オウガ > 「お前は、諦めていい人間じゃねえ。(鞘を拾って、腰に着け、刀を納める。)それで俺に殺されようなんてバカなことを考えるんじゃねえ。(2つの剣を拾って、別の鞘にそれぞれ納める。)戦えよ。狐。(そして新たな剣が抜かれる。鋭い瞳があなたを射抜き、そしてその声があなたの首を跳ねるだろう。)終わりを作るな。戦い続けろ。お前の意思はそんなものか?お前の思いってのはそんなものかよ?答えろよ。」   (10/1 17:21:18)
しぃずま@オウガ > 「「中将」。」   (10/1 17:21:31)


マリア/火津彌 > (武器を咄嗟に大太刀に持ち替えたあなたを見て、葛葉も地に落ちた双剣を拾う。拮抗する二つの炎が睨み合い、あなたの呪文の始まりを耳にし、火津彌と同調した葛葉は心底、嬉しそうにわらっていた。)「 …………ッッ──!!!! 」(ぴたりと、太刀筋が止まる。あなたが漏らした言葉に葛葉が反応を見せることはない。だが、火津彌の戦意は揺らいだ。この一瞬だけ、神と繋がっていたものが、糸がぷつりと切れる気がした。)「……咲夜………?」(葛葉が火津彌のほうへ振り向き、目を瞑った。狐の顔をした頭を俯かせてふるふると頭を震わせ、興醒めした様子で、ふっとその姿を消した。双剣が重なり、かしゃんと地面に落ちる。)「……あ……。」(辞めだ、と言いながら瞳の炎を消すあなたの姿に戸惑いを覚える。『待った無しの真剣勝負』と、頭まで下げた戦士の誇りを──お前はなんやと思っている?……大太刀と、自身の双剣を拾いながら紡がれるあなたの言葉を火津彌は黙って聞いていた。黙って、口を挟まずに。)「……あぁ、オウガ。終わりにしよう。」   (10/1 18:49:18)
マリア/火津彌 > (握手でもするかのように静かに歩み寄り、そして下から突き上げるように胸ぐらを掴んだ。あなたがこちらの意図に気づく前に、戸惑っているうちにと口早に詠唱を完了させる。)「この一撃を最後としてなッ……!!!劫火よ……!!!」(火津彌の手に炎がまとわりつく。あなたの真似事だが、なかなか熱いではないか。こめかみに汗を滲ませ、苦痛に顔を歪ませながらもにっと口角を上げて、その拳を左頬に思い切り叩き込む。……随分と侮ってくれたものだ、このまま続ければ殺せると、勝ちを疑いもしない傲慢。趨里で死にかけた事、僕はお前を殺せた事すら忘れてしまったというのか。お前は出会った時から……傲慢な男やった。お前の言葉に聞き入っているとでも、思ったか。──────あなたの『攻撃』は確かに火津彌に被弾した。結果として、戦士葛葉が手を貸してくれるのをやめ、生身で立ち向かう羽目になったのだから。火津彌は力ではあなたの体躯と対等に渡り合えないだろう。だが、火津彌が咲夜という言葉に揺らいだのと同じように、あなたも自分自身で発したその言葉に揺らぎ、火津彌の拳があなたの頬へめり込み大火傷を追わせるのを許すだろうか。)   (10/1 18:49:38)
マリア/火津彌 > 「…己の言葉に責任を持てん魔術師を敵として見れん。辞めるのなら降参と言うべきや。……もうええ、僕の負けでええ。お前の言う通り、これで終わりや。満足か?」(『負けでいい』と一方的に戦いを終わらせられるのは、どんな気分だろうか。どれ程の屈辱か、思い知っただろうか。ましてやこちらは負ける前提で勝手に情けをかけられたのだ。どれほど侮辱すれば気が済むのだろう。……『そんな男ではなかったのに』と残念そうに目を細めるが、きっと咲夜との別れが二人をまだ混乱させていて、結局は火津彌一人の力ではどうすることも出来なかったのだ。)「お相手感謝申し上げる、オウガ殿。」(心に泥を塗ったくったような、脂がへばりつくような晴れない気分を抱え、踵を返す前にふと思い出したようにポケットに手を入れた。……お前に渡そうと思っていたもの。お前が持っていたほうがいいのでは無いかと思っていた謎の手紙。これは、ウェンディア聖騎士団時代の誰かに渡しておく事にしよう。)「そうや、その太刀はな。……中将からお前にや。確かに渡したぞ。」(そう呟き、中庭を後にした。)   (10/1 18:50:00)