この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

イルフィム&サハル

ゑゐりあん/イルフィム > もー!最悪!なんで雨が降るのよぉ!(ウェントからホーリアへ続く道にあるとある森林地帯。空は完全に曇天ですっかり暗くなっている森の中を、びしょぬれで駆ける一人の女がいた。やけに扇情的な服を身にまとい、磨き抜かれた道のような美しい肌を雨に濡らしながら、慌てつつ森の中を駆けていた。彼女はイルフィム。ヨズアの民であり、シュクロズアリ旅団の構成員である。そんな彼女は道すがら予想外れの雨に合ってしまいびしょ濡れになりながら雨宿りできる場所を探していたのだ。女身一つで旅をしている彼女。物を持っていても運ぶ体力が削られるだけである。故に、最小限の荷物しか持たずに旅をしており雨具の類は持っていなかったのだ。だからこそ、こうやって体を濡らしているのだ)   (9/29 18:12:44)
ゑゐりあん/イルフィム > どこかに雨宿りのできる場所は…。…あら?(うっそうとした森の中を走っていると、とある大木の下に人影が見えた。同じく雨に降られた旅人だろうか?ちょうどいい。少し休ませてもらうことにしよう。そう思って彼女はその旅人の元へと向かった)あの、ちょっといいかしら?少し…休ませてほしいのだけれど(イルフィムは大木の元へと駆け寄り、笑顔でその旅人に言った。よく見れば、相手の肌も自分と同じ褐色である。どうやらヨズアの民のようだ。だとすればありがたい話である。同朋を見捨てるようなヨズアの民はいないだろう。そう思いつつイルフィムは大木の陰に入って相手の返事を待つ)   (9/29 18:12:49)


69 / サハル > 「(ざあざあ。雨が降っている。ぽたぽた。枝の先から水が滴り落ちる。寒いくらいの涼やかな空気が体を包み、わずかではあるが濡れた身体からさらに体温を奪おうとしていた。) 傘のひとつでも買っとくべきだったかな…… ( ちょうど雨具を新調しようと思い、思いきって合羽など捨ててしまったのだ。傘は邪魔だから持たないし、ここら辺に傘代わりにできるものもなさそうだ。ハァ、とため息をつく。雨の様子からしてもうしばらく降り続くだろう。ずっとここにいるわけにもいかないし……この状況を華麗にクリアできる策は浮かび上がってこない。仕方なくこの大木の下で雨宿りしていようと決心したとき、 ) ……? ( 雨音の中に、段々近づいてくる焦ったような女の声と足音が浮かんだ。視線を向けると、自分と同じ褐色の肌とやけに扇情的な格好が目につく女性がこちらへ走ってくるのが見えた。多分、自分と同じ_自分のことをそう呼んでいいのかは少し迷うが_ヨズアの民、なのだろう。寒そうだな、と身も蓋もない印象を呟き、それと同時に自分も同じような格好で_つまり寒そうで_あることに気づいて、くすりと笑った。 ) 」   (9/29 18:55:18)
69 / サハル > 「( 休ませてほしいと言いながら木陰に入る彼女は、遠目で見たよりもずっと薄着で、大人っぽくて、でも旅には向いてなさそうだった。妹も成長したらこうなるのかな、なんて懐かしい姿をうすらと重ねながらも笑顔で、 ) 別に構わないぜ。オレのもんじゃねーしな!( と返した。……この返事こそ勢いがよかったが、あとは彼女に視線を送るのが憚られてしまって、しばらくじっと押し黙ってしまった。( 多分 )同じヨズアの民だ、何かそういう話だとか、どこにいくだとかそういうものをしたらいいんだろう……多分。 ) あー、ええっと……あんたの名前は?…オレはサハル。一応ヨズア……にルーツがあるんだ。確かな。んで旅してる。あんたもか? ( 顔を見ながらオーソドックスな問いかけを始める。会話自体は苦手ではないのが救いだった。 ) 」   (9/29 18:55:30)


ゑゐりあん/イルフィム > ふぅ…ありがと(雨宿りの相席を承諾してくれたようで、ほっと息をつくイルフィム。すると、相手の視線が少々泳いだのが見え、クスリと笑った。あら、意外と初心なのね。なんてなんだかかわいいな、と思いつつ彼の隣に腰を下ろし、自分を抱きしめる。この薄着では少々寒い。風邪が心配だ。すると、彼が話しかけてきたので、返事をする)私?私の名前はイルフィム。あなたと同じヨズアの民で、音楽家を生業としているわ。各地を巡っていろんなところで歌ったり楽器を弾いたり…時には踊ったり。まぁ、基本は旅人ね(シュクロズアリ旅団のことを言う必要はなさそうである。別に言うべきことではないし、それよりも今は温まりたかったのだ。しかし、ヨズアにルーツがあるだなんて曖昧な言い方をするという事は、純ヨズア人ではないという事なのだろうか?まぁ、そこに突っ込む必要もないだろう。変に地雷を踏んで追い出されるよりは何千倍もましである)   (9/29 19:05:43)
ゑゐりあん/イルフィム > くしゅん…っ!(すると、くしゃみをしてしまうイルフィム。不味い、体が冷えてきたようだ。このままでは風邪をひいてしまう。一人旅での風邪は危険だ。下手をすれば風邪ですら命取りとなるのだ。かといってこの雨だ。火は起こせそうもない)ねぇ…何か毛布のようなものは持ってないかしら…?(一応、タオルは持ち歩いていないことはないのだが、この雨ですっかりと濡れてしまって役に立ちそうもない。それに、近くに大きめのバッグが置いてある。きっと彼のだろう。大きさを見るにただの旅人ではなさそうだ。商人か…そのあたりの類を生業としているはずだ。それならば、体を温めるものの一つや二つ、あってもおかしくないはずだ。そう思い、イルフィムは彼に防寒具を所望した)   (9/29 19:05:46)


69 / サハル > 「音楽家……!( ぱっと顔を輝かせては、どんな歌だどんな楽器だとまるで小さな子供のように問いかけ始めた。しかしちょうど5つめの問いかけをしようとしたとき、彼女が自分の身を抱き締めて寒そうにしていることに気付いた。すぐになにか体を温められるものがあったかどうか脳内を検索する。火はおこせない。服も……かえぐらいしかない。彼女に自分の服を着せるのはサイズ的にも悪いし、彼女だって見知らぬ男の服なんて着たがらないだろう。他に……とまた考え始めたとき、イルフィムのくしゃみと何か毛布のようなものはないかという声が聞こえてきた。 ) 」   (9/29 20:44:57)
69 / サハル > 「 あったかな…… ( という声にあってくれという願いをこめ、荷物のなかを探り始める。雨はまだ止みそうにない。町までも距離がある。用意しておけばよかった、と今日何度目かの後悔のため息を微かにもらすと、指先にふわりとした何かが触った。そういえば一枚、少し前に狩った毛皮の売れ残りがあった。茶色に白い斑点がまばらに散ったそれを丁寧に取り出すと、少し広げてからイルフィムに渡す。そして申し訳なさそうに笑って ) こんなもんしかねーわ。代わりにはなんねえかもしれねえけど……まあ大きさはそれなりだし、上くらいは被えると思うぜ。……ちゃんと裏側の処理もしてるし、しばらく前にやったやつだ。 ( と言った。あと鞄の中に使えそうなものは……一枚の薄汚れた大きな布だけ。女性にこんなものを渡すのは憚られると思ったのか、きれいに畳みなおすとすぐに鞄の中にしまった。そしていつもより控えめに、声量も落とし、木に寄りかかりながら尋ねる。 ) あのさ、もしよければあんたの旅とか音楽とかの話聞きてえんだけど…… 」   (9/29 20:45:09)


ゑゐりあん/イルフィム > (音楽家だと名乗ると興味を引かれたのかいろんな質問をしてきた。だが、自分が寒さに凍えていることに気付き、また防寒具を所望したため彼は荷物の中を漁り始めた。そして出てきたのは毛皮である)毛皮…立派ね(受け取って体を覆うと随分とましになった。温かい。しかし少し血の香りがする。話を聞く限り、どうやら狩猟でもしたようだ。だとすれば、なんだか頼もしい男である。こういった野宿の際は野生の獣が恐ろしいものだが、彼ならばあるいはどうにかしてくれるかもしれない。毛皮にくるまって少し温まっていると、彼が気に寄りかかりつつ、音楽の話を聞きたいと言ってきた)   (9/29 20:58:11)
ゑゐりあん/イルフィム > 音楽の話?いいわよ。そうねぇ…何から話そうかしら(音楽の話と聞いても色々とある。何を話せば彼は喜ぶだろうか。なんて考えていると、小物入れにゴム紐が入っていることを思い出した。そうだ。こういう時の為に持っておいたんだった。そう思いイルフィムはゴムひもを取り出し、弛まないように張り、おもむろにひもを弾き始めた)ビィン ビィン(気の抜けた音が森に響く。しかし、その気の抜けた音は徐々に徐々に、一つの音楽を形成し始めた。パズルのピースが集まり、一枚の大きな絵を映し出すような、そんなイメージを想起させる音楽だった。奏でていたのはヨズアの民に代々伝わる民謡の一つ。ゴム紐だけだからか、物足りない感覚は否めないが、それでもそれは一つの立派な音楽になっていた。そしてそのメロディに彼女の鈴を鳴らすような歌声を上乗せすれば、雨宿りをするだけのこの場所は、小さなコンサート会場と化した。気の抜けた。しかしどこか安らかな気持ちになる音に合わせ、美しい歌声があたりに響き渡った)   (9/29 21:03:37)


69 / サハル > 「 ( 何から話そう、と言う彼女は、幼い頃本を読み聞かせてくれた母というよりも、物語に出てくる、遠い昔の話をしてくれる魔女みたいだ。俗世から離れたような、でもきっと彼女はそういう人間ではない。それがなんだかとっても不思議なようで、イルフィムの方を向くことすら躊躇っていたのに、いつの間にか彼女の顔を見て語りだすのを待つようになっていた。その一挙一動をじっと見つめ、ゴムひもを取り出したところで"何に使うんだ?"と言いかけたのをぐっと飲み込む。そんな話で中断するより、彼女が何をしようとしているのか見たかったのだ。そして彼女がひもをピンと張る。それは触れたことはないが、どこか見たことのあるパーツ。数秒の思考の後わかった、と声をあげるよりも先に、音楽は始まった。 ) 」   (9/30 14:39:45)
69 / サハル > 「 ( 最初は音楽どころか、楽器の音にすら聞こえぬ気の抜けた音だった。ホントに音楽になんてなるのかと疑いが首をもたげたものの、それは次第に形を作り、流れ、調和していく。聞いたことのあるようなないような、懐かしい歌だ。ヨズアの民に伝わる歌……なのだろうか。だとしたら、祖母あたりが歌っていてもおかしくはない。砂漠を潤す雨_と今言っても説得力も感慨もないがそういうもの_を浮かび上がらせるよう歌声に、じっと耳を澄ませた。 ) すッ…………げえな!いいな…オレもそういうの出来たらいいんだけどよ…………そしたら多分…まあいい、とにかく最高だったぜ! ( 聴き終わるや否や、しゃがみこんで視線を合わせ熱っぽくそう語る。雨さえも味方に引き入れて、美しく歌い上げるそれは心の底から称賛に値するものだった。雨宿りなんてことすら忘れ、ここにこの歌を聴きにきたんじゃないかと思うほどに。そして息つく間も与えることなく、「誰に習ったんだ?独学か?」とも問いかけ始めた。 ) 」   (9/30 14:40:02)


ゑゐりあん/イルフィム > (歌い終わると興奮した様子を見せる彼。どうやら満足してくれたようだった)楽しんでくれたようでうれしいわ(音楽が純粋に好きなイルフィムにとって、やはり自分の歌や演奏で誰かが喜んでくれるというのは最上に嬉しい話である。正直なところ、その大好きな歌を“仕事”に使うのは心苦しい話ではあるが、それでも音楽はイルフィムにとって体の一部。…否、魂とも呼べるものであった)そうね…。音楽の基礎は両親に教わったわ。けど、ほとんどは独学ね。あちこちを旅して身に着けたわ。私にはそれ以外の才能がないから音楽で食いつなぐ必要があったの。だから、必要に駆られて音楽を身に着けたってのもあるわね。けど…   (9/30 21:12:12)
ゑゐりあん/イルフィム > (そう言うと、柔らかく微笑むイルフィム)やっぱり、一番の理由は音楽が好きだから…かしらね。音楽が好きだから気が付けばいろんな知識を手に入れていた。そしてこれからも、いろんな知識を手に入れると思うわ(そう言うと、今度は彼の手を優しく握り、相手の目を見つめる)あなたのお仕事は?この毛皮はあなたが仕留めたものなのでしょう?狩人なのかしら?(ボディタッチは仕事柄よく行うため、完全に無意識でとった行動だった。しかし、彼への質問は純粋な興味であった)   (9/30 21:12:16)


69 / サハル > 「( 飽きっぽいオレをじっとさせるなんてやっぱすげえな、なんて思いながら、イルフィムの言葉を真剣な表情で聴いていく。両親に基礎を教わり、あとは独学だと語る彼女は、同じような道を辿ってきた自分よりもずっと努力家で、ずっと輝いているように見えた。だからこそ、"それ以外の才能がない"という言葉に引っ掛かったのだ。頑張れる才能、人の心を動かせる才能。どれも羨ましいから、そんなこと言ってほしくなかった。それに、初対面でここまで引き込まれる人は、初めてだったから。だから「そんなことない」と慌てて言いかけたとき、イルフィムは柔く微笑んだ。頭の上にクエスチョンマークが四分の一ほど浮かびかけると同時に眉をかすかに寄せたが、彼女の話を聞くとまたぱっと顔を明るくした。自分と全く同じ……ではないけど、似たような道を辿ってきたと知れば、自ずと親近感が沸いてくるのだった。 ) 」   (10/3 21:13:55)
69 / サハル > 「 ( 彼女の格好にも慣れつつあったが、突然優しくではあるが手を握られ、その温かさと柔らかさに、傷つけてしまわないだろうかという類いの不安を覚えると同時に心拍数が上がるのを感じた。それを隠すように真剣そうな表情を浮かべ、先ほど自分がしたような質問に答え始めた。 ) あー、えーと……狩人…うーん……厳密に言えばちげーや。薬売りとか…そういうやつ。毒も扱うけど売りはしねーんだ。たまーに小遣い稼ぎとか食いもんとるついでとかで出たもんを売るとか……旅人、だな。多分アンタと一緒さ。 ( いつもより歯切れが悪い。それでも言いたいことは伝わるだろう。そう信じた。 ) 」   (10/3 21:14:09)


ゑゐりあん/イルフィム > へぇ、薬売りなのね!それに毒も扱うなんて!(彼の回答を聞いてぱぁっと笑顔を浮かべるイルフィム。が、同時に自分にショックを受けた。彼の回答を聞いて笑顔を浮かべたが、それは心の底からの笑顔では決してなかった。ただ、誰かの話を聞いて笑顔を浮かべるのが癖になっていたのだ。仕事柄、そう言うことをしなければならない。だからこそ、そう言う場面以外でも同じことをしてしまう自分に、イルフィムは強いショックを受けた。「あぁ。やっぱり自分は空っぽだ」。思わず笑顔に陰りを見せたイルフィム。更に、自身の手が空いての手に触れていることに気付き慌てて離した)…ッ。ごめんなさい…   (10/5 18:03:17)
ゑゐりあん/イルフィム > (ボディタッチ。これも彼女が仕事上よくすることだ。相手の話に相槌を打ち、ボディタッチをし、夜の誘いをし、心を開かせて情報を盗み取る。それが彼女なのだ。親から教え込まれた技術。親からたたき込まれた思想。そこに“イルフィム”という存在は一切存在しない。ただ、彼女は教え込まれたことを忠実に行うだけの空っぽな存在なのだ。相手は同志。ましてや今は何も情報を引き出す必要はない。なのにそれでも仕事と同じことをしてしまう。その事実は、イルフィムの心を傷つけるには十分だったのだ)…サハル…さんだっけ。あなたは私とは違うわ。…きっとあなたは、自分の意志で旅をしているのでしょう?…私とは、ほんと大違い。羨ましいわ(そう言って笑いかけるイルフィム。しかし、その笑顔はどこか弱弱しかった)…なんてね。今のは忘れて頂戴。それよりも、毒を扱うけど売らないって言っていたわよね?それはどうして?(なんだか自分の発言が馬鹿々々しく思えて話題を無理やり変える)   (10/5 18:03:20)


69 / サハル > 「 ( 彼女は話を聞かせる力も、聞く力もあるように思える。それも才能…あるいは努力の賜物だろうか?飽きっぽい自分にはきっと無理だ、じっとしてらんないから。そこも含めて再び羨望の眼差しを向け始めたとき、イルフィムの笑顔に陰りが差す。何かよくないことを言ってしまっただろうか?いつもはあまり気にしないくせに、今回ばかりは不安になってしまった。慌てて問いかけようとするも、今度は手が離れていってしまう。しかし、短く一言告げられた言葉にすら、彼女の行動の意を見つけることは出来なかった。 ) …違う?何が?羨ましい…? ( イルフィムと自分の違いはあるにはあった。でも、どうしてそれが彼女に弱々しい笑顔を浮かべさせるんだ?解像度の違う心ではうまく理解することができなかったし……何か後ろめたいことがあるなんて疑いたくはなかった。 ) 」   (10/11 17:29:14)
69 / サハル > 「 質問に答える前に…………まず、人と比べる必要があんのか?生きてりゃいいと思うんだけどよ…まあ押し付けはしねえ。アンタにはアンタの考えと人生があるからな。でも……それがアンタをそんな風な顔にすんなら捨てた方がいいと思うぜ ( そう言いきり、眉尻をかすかにさげて薄く笑う。恥ずかしげに、しかしどこか悲しそうに。偉そうにしてわりーな、と笑い混じりに謝りつつ、頭をかいた。それから少しばつが悪そうにしながらも何か言おうとしていたが、普段ストレートにしか言葉を投げないせいもあって、上手い言葉が出てこず、 ) ……よし、質問に答えるぜ。……まあ…なんつーか……犯罪に巻き込まれたくねーしよ…あと自分のせいで誰かが傷つくとかサイアクだし……保身のためだな。( と質問に答えた。さっきの言葉に彼女がどう思ったのか気になってしまい、反応を待つのもどこか気まずくてふっと視線を逸らす。……雨の勢いは少しずつ弱まってきたが、歩いていくにはまだ強い。……心の中でため息をついてしまったのは、さっとあがってくれない雨への苛立ちからだ。 ) 」   (10/11 17:29:25)


ゑゐりあん/イルフィム > …比べる…必要…ねぇ(確かにそうだ。実際に比べなければもっと楽に生きられるだろう。だが…)…それができれば、どれだけ楽なんでしょうね(と、自虐的に笑うイルフィム。そう。そんな簡単に捨てられるのならばもっと楽しく生きられているはずだ。彼には申し訳ないが、それは難しいとイルフィムは思っていた。…が、自分のことを気にしてくれるのは純粋に嬉しかったのも間違いではなかった。すると、彼が質問に答えてくれて、イルフィムはその話に耳を傾ける)   (10/16 22:25:12)
ゑゐりあん/イルフィム > …なるほどね。確かに、自分のところで買われた毒が、何か事件にでも使われたりすれば、あなた自身の身も危うくなるものね(それは大切なことである。騎士団や帝國軍に事件の関与を疑われでもしたら、ヨズア人である自分たちは圧倒的に不利となるだろう。なるほどと、納得していたイルフィムだったが、彼が視線をそらしたのを見て同じように心の中でため息をつくイルフィム。…あぁ。やはり私は、仕事じゃないとまともに会話すらできないほどに空っぽなのか。…笑える。そんな空虚な彼女の体に、雨水がたまっていくような気がした。そう考えると居てもたってもいられなくなり、イルフィムは立ち上がった。ここに居ては、空っぽな自分を見せつけられているような気分になってしまうから)…御免なさいね。急用を思い出したわ。お話しできて楽しかったわよ。…ありがと(早口にイルフィムはそう言い、まだ降り続ける雨の中を駆け足で去っていった。顔を伝う雨に交じり、己に失望する涙が頬を伝っていたのを、彼女は知らなかった)   (10/16 22:25:16)