この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

ゼペタル&ジュリイ

出会い

盛岡冷麺/ジュリイ > 「ざざ〜、じゃ、ぶ、ざざ〜。(ちゃぷん、ちゃぷんと波に足を突っ込む。スザンヌの海、吸い込まれそうで、くらくらしてしまいそうなほど真っ黒な海に淡く光る海月が一匹。一人で波と会話しているようなその小さな少女は、目を細めて何度も波とお別れを繰り返していた。)ん、ん〜…おさかな、もうたべ、ちゃた。なにも、すること、ない。…よる…よる、ちょっ、ちょっと、こわい、なぁ…(ぴちゃん、と足が止まる。なんだか引いて返してを繰り返す波は、僕のなにか大切な物も攫っていってしまいそうで。嗚呼、駄目。持っていかないで、それは__"あかるいきもち"は、僕の大切なものなの。なんだかぐらりと心が揺れる。)う、うう…こわい、う…(服が濡れるのも気にせずその場でうずくまる。夜は怖い。何かしていないと、可笑しくなってしまいそう。だれか、だれか助けて。白いスーツの親切さん、水色の髪の笑顔がステキな子、盾をもった騎士様。だれでもいいの、たすけて、たすけて。一人うずくまって、耳を塞ぐ。海月は波に揺られて攫われてしまいそう。ねぇ、そう。そこの__黒い髪がステキな、紳士さん。どうかこの哀れな海月を掬ってくださらない?)」   (9/27 13:42:52)


マリア/ゼペタル > 「そこの小娘」(満月の強い光が海を照らし、光の道を作っていた。夜でも青色した影は濃く、男の顔に落ちる。砂を踏みしめ、サンダルを履いた足が波打ち際に侵入していく。右の爪先がぴちゃ、と濡れた。)「貴様は、王国人か、それとも、帝国人か。」(ローブのポケットに手を突っ込み、指先で折りたたみの小刀の冷たい柄に触れる。光は逆光になって、ゼペタルの目からはその小柄なシルエットしか見えなかった。一歩、もう一歩と近づいてゆく。何も解らない今はとにかく情報が欲しい。自分は何者なのか、そして、何をするべきかを。)   (9/27 13:55:11)


盛岡冷麺/ジュリイ > 「(目をぎゅっと瞑って、ふるふると震えていた。貴方の声が聞こえれば、そっと貴方へ目を向ける。黒い髪、黒い瞳、褐色の肌。ここらではあまり見ない貴方の姿に首をかしげる。おーこくじん…?てーこくじん…?ウェンディアと、尊華のこと…?)う…あ、わ、わかん、ない、ぼく、ぼく、どこにも、いられない、の…(そう、どこにもいられない。居場所がないの、ぼくには。ぼくの居場所は海。でも、今は海さえぼくの大事なものを攫っていってしまった。貴方がローブのポケットに手を入れたのを見ると、それはきっと良くないものなんだろうなって。ばちゃん、と尻餅をつければ、きらきらゆらゆら光る水色の瞳を揺らして「いたいことはしないで」と訴える。いたいのは嫌なの。叩かれるのは嫌なの。殴られるのは嫌なの。)   (9/27 14:05:57)
盛岡冷麺/ジュリイ > お…おじさん、こそ、だれ。こ、こわいこと、するなら、ぼく、だって…!(泣きかけの淡い瞳でキッと睨みつけて歯を食いしばる。ぼくだってぼくが何だかわからないんだ、貴方のことも、もちろんわからないの。ごめんなさい、ごめんなさい。普段は楽しげに揺れる触手さえ、今は固まって動こうとしてくれなかった。もしこの人にいたいことされたら、抵抗してやるって言いたかったのにね。)」   (9/27 14:06:08)


マリア/ゼペタル > (小柄なシルエットが後退りをし、波打ち際の上に尻餅をついた。逆光で見えなかった顔が青く照らされ、ゼペタルははっと息を飲んだ。こやつは……異形か。)「ふん……。」(顔をふい逸らし、美しい水平線を見つめた。両手をローブのポケットに入れ直し、肩の力をすっと抜く。どうしようもなく血が見たいと、戦いたいと、殺したいという胸騒ぎに駆られてここまで来たが、相手が力の無さそうな少女で、しかもイモータルであると分かると不思議とその気持ちが落ち着いた。何故かは自分でもわからない。ただ、俺は『シュクロズアリ旅団』なのだと言うから、もしかすれば深層心理で他国に強い敵意を感じているのかもしれない。……たぶん、そうなのだろう。……それだけ、だろうか?親子程年の離れた印象の少女の顔を見ながら繰り返す自問自答は。埒が開かずに、口を開いた。)「俺はゼペタル、黄昏のゼペタル。……ヨズア人だ。……ここで何をしている?」   (9/27 14:26:17)


盛岡冷麺/ジュリイ > 「(貴方からの戦意が消えたかと思うと、ふっと肩の力が抜けた。手を後ろに、ばちゃんとついてため息を零す。よかった、このひともお仲間さんかも。)たそがれ…た、そがれ?ぜぺたる、ぜぺ、たるさん…!(力が抜けてからか、へにゃりと笑って名前を呼ぶ。たそがれ、が何かはわからなかったけど、凄くステキな響き!よずあじん、だって。聞いたことある、えーっと、シュクロ、なんとかの…あんまり詳しくわからないけど、いたいことはしないでくれるみたい。ああ、そうだ。なまえと、ここで何をしているか…言わなきゃ。そう思って…ぱくぱくと何度か口を動かして、やっと言葉を紡ぐ。)   (9/27 14:40:43)
盛岡冷麺/ジュリイ > ぁ……ぼ…ぼく、ぼくねぇ、じゅりい。えと…なに、してた、んだ、け…?ここで、ねぇ、ぼく、くらげだから、うみで、ゆらゆら、してたの!(支離滅裂、自分でも何をしていたかわからない。ただ、さっきまでとても怖い思いをしていたような。海になにかを攫われたような。でも貴方のおかげで、海から其れを取り戻せたみたい。ありがとう、たそがれ?のぜぺたるさん、ぼくとぜぺたるさんはお友達になれるかも。ゆっくりと、ふらりと立ち上がって、笑ってみせる。)なん、だろ…ぼくも、よく、わかんな、い!けど、ぜぺた、るさんの、おかげで、げんき、なれそう!」   (9/27 14:40:57)


マリア/ゼペタル > 「……」(怯えたり、笑ってみせたり、忙しい娘だ。まるで人の顔色を伺う捨て子のようではないか。)「捨て子?」(その刹那、)「……ぐっ……!」(顳顬がズキンと痛みゼペタルはぎゅっと目を瞑った。光が、色が失われる……いや、違う。これは俺の目蓋だ。世界を目に焼き付けるように、ゆっくりと目をもう一度開き、少女の顔を見た。あぁ、良かった。よく見える。)「……そうか。良かったな。…ジュリイ、と言ったか。……一人なのか。」(先程の痛みは何だったのだろう。思い出そうにも、頭にもやが掛かったようにぼーっとする。あぁ、いかん。やはり俺を覚醒させるのは、戦しかないのかもしれぬ。)   (9/27 15:11:17)
盛岡冷麺/ジュリイ > 「(くるくるとその場で楽しそうに回ってみせる。ちゃぷちゃぷと回るのに巻き込まれた黒い波が渦を巻いて、やがてゆっくりと消えていった。その時ね、貴方が口にしたの。「捨て子」って。ちがうよ、ぼくは捨て子じゃないよ。だって…あれ、なんだっけ。忘れちゃったけど、ぼくは、絶対捨てられてないもん。そう、ちゃんと、ちゃんと…)んふ、た、たのし……___ッあ、れ…?(聞こえてない聞いてない聞きたくない、捨て子じゃないもん。はらりと右目から涙が落ちる。捨て子じゃないけれど、ちゃんと…ちゃんと、もらうべきものをもらえなかっただけ。思い出せないけど、もらわなきゃいけないものがあったの。それがもらえなかっただけ。涙はそれっきりでなかったけど、その一粒の涙になんだか"ぼくのすべて"が抜け落ちてしまった気がして。ごしごしと涙を拭ってまた「なんでもない、大丈夫」と言う風に笑ってみせる。)   (9/27 15:22:30)
盛岡冷麺/ジュリイ > ひとり…?うん、きょうは、ひとり、だた!いつも、いついつもはね、白い、スーツ、のしんせつ、さんとか、みずいろの、かみ、かみが、ステ、キな、子とか、と、あそん、でる、の!…さいきん、は、あんまり、あそんでな、いけど…(今度はしゅんと肩を落として顔を下に向ける。でもでも、ほんとに仲良しさんなんだよ?白いスーツの親切さんは最近忙しそうだけど、また一緒に遊んでくれるにちがいないもの!パッと顔を上げて、貴方に期待の目を向ける。もしかして、ぜぺたるさんが楽しいお話してくれるの?って。)」   (9/27 15:22:45)


マリア/ゼペタル > (少女の涙は、確かにゼペタルの目に映った。この世界の全てを見逃すまいとする瞬きの少ない黒い瞳に、綺麗な滴の青い光が吸い込まれる。健気に作り笑いをする表情ひまた、ずき、ずき、と顳顬が痛む。何故かは、わからない。)「そうか。」(少女は語った。友がいると。一人一人、大切そうに並べて語った。だがゼペタルにはもう、最初の『うん』という言葉しか聞こえてはいなかった。瞳孔を見開き、よろ、よろと近寄りそして、がば、と節立った黒い腕が少女の腰を掴んだ。そのままひょいと担ぎ上げ、臍のところを肩に乗せて両手で支える。ゼペタルは、ジュリイを連れ去ろうとしていた。)「帰るぞ。こんなところに、いてはいけない。う、うちに、帰る、ぞ。」(少女を支える腕が震える。自分は、何をしているのだろう?)「……ジュリイと、言ったな。その名は、お前が自分でつけたのか。」   (9/27 15:38:31)


盛岡冷麺/ジュリイ > 「う…うえ!?ぜ、ぜぺ、たる、さん、おうち、あるの?(ひょい、と担がれた僕の体。それはきっと余りに冷たくて、余りに軽いだろう。貴方がきっと良い人だとわかっているから、根拠もなしにそんなこと思っているから、少しじたばたするだけで大きな抵抗はしなかった。なにより、帰るところが…できるかもしれないと、そう、思ってしまった。哀れな思考、海に浮かぶ可哀想な海月は貴方の手に掬われるかも。)な、なまえ…?え、えと…たしか、くらげ、って、どこかの、ことばで、じぇりー、ふぃっしゅ?て、いうって…だれかに、おそわった、から…じぇりー、を、かえて、じゅりい!   (9/27 15:48:02)
盛岡冷麺/ジュリイ > (腕をぱたぱたと動かして必死に説明しようとする。僕には名前がなかった。誰かに名前をつけてもらえる環境なんてなかった。だから、海月は虚しく自分のことをジュリイと呼ぶようになりました。貴方が僕のことをわかってくれるかもなんて、儚い期待を寄せるの。だから、僕のことはなんでも教えてあげる。だから、ちょうだい。ぼくがもらうはずだった"何か"を。それをもらえればきっと、ぼくはちゃんと"ぼく"を大事にできるはずだから。)」   (9/27 15:48:14)


マリア/ゼペタル > (ぱたぱたと手足を動かしているが、さほど、抵抗をしていないように見える。この少女を、守山の麓へ連れこう。)「……家と言うほどのものでもない。スザンは知っているか、あそこは活火山だからな、溶岩で洞窟が出来ているところがいくつかある。」(不思議な気持ちだ。したくてしていることのはずなのに、眠れぬまま迎えた朝の時のように、心が静かに波立っている。少女の名は、自分でつけたものだと言った。)「そうか。……では、〝真名がいるな。〟」(波立った心は、この月のせいだろうか。海に映る月を見つめながら、どんどんと遠ざかってゆく。)「これから、お前は俺の弟子になるのだ。……お前の事をこれから俺は……アビゲイル。そう呼ぶ。だが、この名は、俺以外誰にも教えてはならんぞ。」   (9/27 16:18:36)
マリア/ゼペタル > (異形になった自分に魔術など使えるのかどうか。そもそも、魔術というものをしっかりと覚えているのかどうかすら、はっきり言って怪しいものである、ゼペタルはただ、何かに操られるように生前の記憶をなぞっているだけにすぎないのだ。魔術は覚えていないけれど、多分……かつて俺は、誰かの師だった。)「俺の真名は、アシェドと言う。……帰るぞ、アビー。」(光の道が、遠ざかってゆく。)   (9/27 16:18:49)
マリア/ゼペタル > 【出会い】   (9/27 16:19:26)