この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

セリヤーナ

灯台守

フルディア/セリヤーナ > (ライラと別れて、自分にできることは何か、自分のしたいことは何か、そのことばかり考えた。途中すれ違ったキャラバンに千景祭の話を聞き帝都に立ち寄った。帝国一の都市だけあって活気があったし、なにより神社を通じて人々が祝いお詣りする大きな流れを感じることができた。) (やはりそこが決定的にヨズアの民には足りないのだ。ライラ姉に会うまで、もう旅団は自分しか残っていないんじゃないかって疑念を振り払うことは出来なかっただろう。ヨズアに必要なのは、この世界にまだ信仰を同じくする人たちがたくさんいると、それぞれの旅人たちが思えることで、そのためにはライラ姉の学校や…街が、必要だ。ずっと定住しなくたっていい、ただたくさんのヨズアの民が入れ替わり立ち替わり訪れ、学び、祈りを捧げる場所があればいい。)   (9/25 18:30:24)
フルディア/セリヤーナ > (そのためには2大国で膠着した大陸の支配に抗わなくてはならない。滅ぼす必要はないが、少なくとも対等に渡り合うだけの状況に持ち込む必要がある。ホーリアを落とした先人はほんとうに先見の明があった。2大国で押し合いへし合いしていた国境を、3勢力入り乱れる難局へと一気に変えたのだ。しかしそれを押し留めて不可侵協定を結んだ大国の政治手腕はさすがだった。もっともそれはヨズアがナメられていることをも意味するが…。) (ホーリアの砦はヨズアの民にとっては執着すべき土地ではないが、良い交渉材料にはなるはずだ。いままでは交渉するだけのパイプなどなかったから活かせて無かったが…ボクがそれを変えて見せる。砦をもう一つ落とし、大国の目をヨズアに向けさせてやろう。)   (9/25 18:30:37)
フルディア/セリヤーナ > (攻略目標は『阿岸(アガン)』。帝都から遠く、なによりホーリア周辺の国境交錯地から真反対に位置することが大きな理由だ。いくら帝国といえど全く状況の違う2正面作戦はかなりの負担になるはずだし、それによってホーリアの交渉材料としての価値を上げることができる。さらにリントへの道を塞ぎプレッシャーをかけると同時に、シントへも海路からアクセスする余地がある。スザンまで少し遠いのが難点だが…高望みしても仕方ないだろう。アガンを攻略できれば、今後欲しい土地は交渉でもぎ取る余地がある。)
フルディア/セリヤーナ > (千景祭の余韻を残しつつ、ガーラからシントを望む。王はかつて帝都の砦を一晩で落としたそうだ。シントで最期を見届けてから今まで、王にとって戦争とはなんだったのか、いまいち想像が及ばなかった。しかし今決意を新たにしてようやくその片鱗に触れたような気分だ。あのとき、王の命すら捧げて灯した篝火を、まだ途絶えさせるわけにはいかないんだ。) (胸に手を当てて、目を閉じて、海の向こうへ鎮魂の祈りを捧げる。あそこには王だけでなく、王国帝国の魔術師達も眠っている。自分が今からしようとしていることは、誰かの命を奪うかもしれない。覚悟が無いわけではないし、懺悔しようというわけでもない。ただ、自分が火を灯した分だけ誰かの火を吹き消すことになるのだろうと思うと、生半可な心持ちではいたくない。) (一日ガーラで過ごしてからついにアガンの土を踏んだ。見渡す限り美しい草原が広がって、遠くからでも砦を視認できる。大きな荷物は砦から離れた木に括り付け、機を待つ。日が傾き影が長くなる頃が攻め時だ。)   (9/25 18:31:16)
フルディア/セリヤーナ > 瞳を閉じて 翼を戴け 地に潜む黒き蛇は死霊を天に供え 天を舞う黒き翼は魂を冥府の秤にかける 迷宮と毛糸 蝋の大翼 巻貝に糸 冥界の審判 影を抱いて飛び 陽を背負いて舞え ~ダー・ニト・ロロイ・シュクロズア~《黒きケルビーニ》   (9/25 18:31:28)
フルディア/セリヤーナ > 「こんにちは、見張りご苦労さま。突然で悪いけど、この砦貰うから。」(見上げるほど高い砦壁に静かに"舞い降りる"。自身の影が蝙蝠を思わせる翼を背中に象り飛翔する魔術。翼を畳み、コツコツと砦壁の上を歩いて見張り台への距離を詰める。普段はほとんど使わないマントのフードを深く被り目元は伺えないが、張り付いた冷たい笑みだけが鮮烈だ。)「こんな辺境の地でも、砦の守護についてる兵士なら知ってるでしょ?ボクはシュクロズアリ旅団。ここにヨズアの旗を掲げに来た!」(兵士たちの困惑は、マントの裾の刺繍を見て戦意へと変わる。敵襲を知らせる鐘、味方を呼ぶ割れんばかりの怒号。背筋を暗い高揚感が走る。) (これが戦か…悪くない。)   (9/25 18:31:38)
フルディア/セリヤーナ > 瞳を閉じて 剣を掲げよ 戦塵に煤けた古の神々よ 我らその灰を雪ぐ者 群青の淵 黄金の涯 雲を霞と稲妻を追っても 英傑の仲立ちが狼煙を上げる 廃墟の信仰 睥睨の寂滅 亡国の怨嗟を背負い 恐怖と憤りの杯を呷れよ ~ダー・ニト・ロロイ・シュクロズア~《大覚醒のリバイバル》   (9/25 18:31:48)
フルディア/セリヤーナ > (先手必勝、日が沈むまでの短期集中。砦壁の影が蠕き出し、幾本もの触手となって目の前の見張り台に襲いかかる。詠唱の時間は与えない。守衛を見張り台から追い出すと、続けざまに下からの上り梯子を破壊する。) (無人になった見張り台から、砦の内部を俯瞰で観察する。辺境の地だけあって小規模なものだ。最近は機械兵器なんてものもあるって聞いたけどどれかな…と思案していると別の見張り台から砲撃を受ける。)「わゎっ…崩れる…!」(慌てて外へ飛び出すと2,3続けて砲弾が飛んでくる。翼を広げて瓦礫と共に砦内に降り立つ。)「ちっ…狙われてるな…!」(歩兵に取り囲まれ、銃口を向けられる。慌てて見張り台だった瓦礫に隠れると、直後乾いた音が響く。そろそろ日が落ちる。目眩しの火柱を上げて一時撤退だ。)「灯せ 再起の篝火 失意の嘆息にも吹き消されず 涙の雨にも喪わず 天を衝く烽火は已往の灯標 燦として前途を翳す ~ダー・ニト・ロロイ・シュクロズア~ 《巨人の注ぎ火》」(歩兵銃の間合いを埋めるように炎が吹き上がる。それを目隠しにして一気に飛び上がり砦から離脱した。)   (9/25 18:32:02)
フルディア/セリヤーナ > (翌朝、今度は東側から攻勢に出る。見張り台の制圧まではやはり順調だ。今度は砲撃される前に飛び降りる。目標は倉庫街、とりあえず派手に暴れる。歩兵をいちいち相手にしていたらキリが無い。なんとか兵長を誘き出さないと。) 「踊れ 大地を駆ける炎のロアよ 姿を顕し夜を祓い 蹉跌の巡礼を照らせ ~ダー・ニト・ロロイ・シュクロズア~ 《ジャック・オー》」(火の玉を撒き散らす。ちらほらと木材から火の手が上がり始める。歩兵銃の展開も牽制できる。相手が対処を考えてるうちに中心部に攻め込もうとしたとき、砦の部隊長を名乗る魔術師が立ちはだかった。)「よろしく隊長さん。ボクは旅団…うん、ちゃんと名乗ろうか。セリヤーナだ。ここの砦を貰いに来た。サシを御所望とは隊長は魔術師かな?」(帝国式の敬礼をして見せるが相変わらず笑みは冷たい。)「フードは取らないよ。キミがボクに勝つまでは。」   (9/25 18:32:16)
フルディア/セリヤーナ > (結果から言えば危なげない勝利だった。暗触文字を利用した防御壁の展開は相手の詠唱を聞いてからでも間に合ったし、壁に隠れたまま影の触手で叩きのめすコンボは、間合いをとって戦う魔術師には覿面に効いた。日が照り建物が密集する倉庫街では、影の連結領域"テリトリー"をかなり広範囲に展開できたから、2ブロック離れた路地を破壊したりして隊長を脅して降伏の条件を呑ませた。すなわち、)「1.砦の構成員は非戦闘員も含めて全員退去し、アリヤとガーラの境界を進んでサンホーリに避難すること。サンホーリ砦のキャパを超えた場合は帝都に向かうこと。2.サンホーリ砦到着まではここの状況を帝国軍他部隊に伝えてはならない。王国騎士団はその限りでない。3.この書状を帝国軍の司令部に届けること。中身を読んではならない。守られない場合は相応の報復があると覚悟するように。」(いかにも実直な武人といった趣の隊長が約束を違えるとは思いづらいが様式美というやつだ。)「あぁ、必要なら物資は持ってっていいよ。」   (9/25 18:32:51)
フルディア/セリヤーナ > 《帝国軍元帥殿 過日の千景祭は多少の困難はありましたが壮麗で素晴らしいものでしたね。さてこの度は阿岸の砦を賜り大変に光栄であります。美しい草原は田畑を耕すにも良く、また海山の幸にも都市にも近く、まさに理想の地であります。ところでここの守護についておられた部隊長殿ですが、どうか責めないでやってください。彼はよく戦い、敗れはしましたが兵の命を捨てない決断をしたのです。武官としては二流でしょうが文官としては優秀でしょう。さらにこの書状が山北里からの急報と共に届いたのであれば、彼が約束を守れる人間であることの証左です。(そうでないのなら前言は撤回いたします。) さてこの書状を認めたのは一つお願いがあるからございます。~2枚目へ続く~ 》   (9/25 21:41:33)
フルディア/セリヤーナ > 《もし帝国が王国との戦争をお望みならば、ヨズアは鳳頼を献上しましょう。その褒美として"守山・厘都・神島"を頂戴したい。またヨズアが王国を攻める手助けをすることを約束しましょう。見事王国を攻め落とすことができた暁には"瑠岸"を頂戴したい。あるいはもし帝国が王国との和平をお望みならば、王国に示されたその寛大な御心を持って"守山・厘都・神島・瑠岸"をヨズアの民が治めることを認めていただきたい。我々の文化・信教は尊重していただきたいが、大陸の秩序は乱さないことをお約束しましょう。不躾なお願いではありますが、帝国の大きな器ならば受け入れて下さることと思います。不躾ついでにこの書状への返信は、ここ阿岸へ軍使を立てて伝えて頂けないでしょうか。帝都へ伺うことも考えましたが、なにぶん住んで間もない土地、ひと時でも長く過ごしたいのです。もしお聞き届け頂けなくとも、今後の目標のため粉骨砕身努力する所存であります。それでは元帥殿におかれましてはお身体に気をつけて過ごされますよう。 旅団・セリヤーナ》   (9/25 21:41:42)
フルディア/セリヤーナ > (砦を出て西へ向かう隊列を砦壁の上から見送ると、得も言われぬ感情が沸き上がる。それは決して爽やかな達成感などではなく、焼けて燻ぶった灰の上を歩くような息苦しさだった。この大きな世界にわずかでも火種を残すことができただろうか。あと何度この灰を啜ればヨズアの道は開けるだろうか。) (〆『灯台守』   (9/25 18:33:36)