この世界では、
”言葉”が魔力を持っていた。

バルドゥール

我 am going to go the hell

69 / バルドゥール > 「( 声が、息が途絶える。涙が一筋溢れて、最後の化粧を落としていく。俺の手首を掴んでいた白い手が、力をなくして垂れ下がる。人とはこんなに脆いのだと、哀れみを抱くと同時に嬉しさを覚えた。お前たちに、死に意味などない。かわいそうに。でもお前たちが"わるい"から__子供じみた考えだろうか?いいや、そんなわけがない。これは、俺が正義であるというたったひとつ確かに正しいと言えるものだ。誰も文句など言えるはずがなかった。 ) 」   (9/7 07:33:42)
69 / バルドゥール > 「( 遠くで猫が喉をならすような音が鳴った。……そのわりにはご機嫌斜めそうだが。向こうはきっと雨が降っている。そのうちこっちも雨模様だ。早く行かないと。どうして?俺は人間と違って強いのに。どこに逃げる必要があるというのだ。まただ、と頭を押さえた。 ) …俺があんな、あんな奴らと同じなわけない……何か勘違いをしている。毒されている…… ( 戒めをぽつぽつと呟いて、俺はしゃがみこんだ。散らばった荷物を拾い上げ、そして使えそうなものを選んでいく。と言っても金銭ぐらいだ。化け物であれども、俺は人間以外を慈しむ心が、そして何か楽しもうとする心がわずかばかりあるようで、奪った金銭と言えど花や物珍しい菓子など買えば、心が満たされることはなくとも、確かに色づくのではあった。__モノクロで、ひたすらに腐臭と血の臭いがするだけの日々。でも確かに、俺にとって裁きとは全てであった。 ) ……俺から裁きを奪えば、何になるのだろうか ( 答えは分かりきっている。醜く爛れ腐り、いずれ形を失う肉塊と化すのだ。虚しいだけの生。いいや、生に意味など求めてどうする?ただ"善く"あればいいだけの生に、意味など。 )」   (9/7 07:33:53)
69 / バルドゥール > 「 ( 意味のない生に、罪ある人間に裁きを。人は生に意味を求めるが故に罪を喰い、その体に宿した。……ああ、裁きとは罰であると同時に、救いでもあったのか。ならば俺は全てを裁き、そして救わねばならない。新たな使命、そしてそれに伴う歓喜に、乾いた笑い声をあげた。 ) 」   (9/7 07:34:19)


我 am going to go the hell